10 / 10
10.いつまでも
しおりを挟む
「やあ、マリアンナ、久しぶりだね。
元気だったかい?」
スペンサーが前触れと綺麗な薔薇をプレゼントしてくれた翌日に、邸にやって来た。
相変わらず彼の微笑みは、寂しかった私の心に火を灯す。
私が突き放しても、こうやってスペンサーは何度も来てくれる。
今二人はがらんとしたカウレン邸の居室にいて、話をしている。
「元気よ、スペンサーは?」
「僕はマリアンナにフラれて、まだ引きずっているよ。」
「ふふ、ごめんなさい。」
「マリアンナは僕を地獄に何度も落とすのに、いつ見ても美しいよ。」
スペンサーは私のドレスをしげしげと見る。
今日はスペンサーにプレゼントしてもらったドレスを着ていた。
上品なスペンサーがくれた青色のドレスは、私のお気に入りだ。
「ありがとう、スペンサーも素敵よ。」
「こんなにフラれても、また君のところへ向かう僕はなんなんだろうね。」
「嬉しいわ。」
「本当に?」
「ええ。」
「バーバラ夫人がボレック公爵と結婚するそうだね。
おめでとう。」
「ありがとう。」
「僕がボレック公爵と付き合っていると勘違いしていることは、わかっていたはずだ。
それでも君は、少しも間違いだと匂わせない。
さすがだね。」
「病いのお母様が元気になって、ボレック公爵と本当に結婚することは、まだ確定していなかったし、スペンサーには素敵な令嬢と結婚して欲しかったから。」
「なるほど。
では今は君はボレック公爵の義娘になって、君の言うところの素敵な令嬢になったわけだ。」
「私は令嬢じゃないわ。
夫人よ。」
「だとしても構わない。」
スペンサーは、真顔になって、私の瞳を捉えて離さない。
「私は悪女で秘密を抱えているわ。」
「ああ、いいよ。
一人でいるより、秘密を抱えた君といたい。」
「本当に?」
「ああ、僕は秘密があっても、君と言う人間がどんな人であるかを知っている。
僕の知っているマリアンナは、人に対して酷いことはしない。
だから、もういいんだ。
秘密ごと、君を愛するよ。
だから、結婚しよう。」
「スペンサー、私もあなたが好き。」
私はスペンサーに抱きついた。
こんな私をいつまでも好きだと言ってくれるのは、彼ただ一人。
彼だけは、秘密を抱え、夫人となってしまった今も、私を求めてくれる。
そのことが涙が出るほど嬉しかった。
時は流れても、どんな私でも受け入れようとしてくれるスペンサーと一緒になりたい。
もう、二人でいることを諦めたくない。
スペンサーのくれる愛は、いつもごちゃ混ぜになっている私のすべてを包んでくれる。
だから、スペンサーといると安心して、自然と笑顔になる。
私だって、幸せになりたい。
スペンサーのそばで。
それから、しばらくして私はスペンサーと結婚した。
スペンサーの瞳の青色のウエディングドレスは、私がレース選びからすべて、自分の望むように特注したものだ。
スペンサーは私がドレスを自分で選びたいと告げると、色々な工房の見本を見せてくれた。
こうやって私にプレゼントするドレスを選んでいたんだと、教えてくれながら。
実際にレースや布地を見たら、どんどんイメージが湧いて来て、望むようなシルエットのドレスを作ることができた。
それを着てスペンサーと結婚できたことは、私の長年の夢が叶った瞬間だった。
私はどんな自分になった時も、心の奥底ではスペンサーと結婚したいとずっと思っていたから。
結婚披露パーティーも終わり、もう夜更けだけど、二人きりでダンスのできる部屋に来ている。
片隅にはピアノがあり、女性がピアノの前に座っている。
「どうしてこのタイミングでこの部屋なの?
普通は僕達の寝室に行くところだよね?」
スペンサーは、不思議そうに私を見ている。
「寝室に行く前にお話したかったの。
実はね、悪女の仕事についてなんだけれど、結婚したらスペンサーには話していいと許可をもらったの。
だから、教えるわ。
お願いします。」
私が告げると、ピアノの前の女性は静かな曲を弾き始める。
私は不思議そうな顔をしているスペンサーに手を伸ばして、抱きついてキスをねだりながら、音楽に身を任せる。
スペンサーは、二人きりではなく、女性がいることを気にしながらも、私と深いキスをしつつ、ピアノに合わせて、ゆっくりとしたステップを踏む。
「これが私の仕事よ。」
そう耳元で囁きながら、スペンサーとのキスを続けて、踊る。
「色々な男性とキスして踊っていたのか?」
スペンサーは突如、ダンスをやめて、私を睨む。
「ふふ、違うわ。
ピアノの方よ。」
「えっ?」
「羞恥心や身体の障害が出たりして人前では踊れなくなった老年の夫婦のために、ピアノを弾いていたの。
こうやって、二人がキスをしたり、抱き合っている横で、ピアノを弾くの。
夫婦でダンスをすることは、年を重ねた方にもとても良いスキンシップになるし、運動にもなるそうなの。
でも、普通は恥ずかしくて、依頼できないものなのよ。
でも、私は悪女と呼ばれて、大勢の人のいる夜会で同じようなことはすでにしていたから、夫人達も私の前だと恥ずかしくないわけ。
それに私は秘密を守ることも一部の方々には、知られていたから。
それを紹介してくれたのが、ボレック公爵よ。」
「なるほど、これが秘密の君の仕事か。
それでボレック公爵と夜会に出ていたんだね。」
「そう、ボレック公爵世代の方々の悩みの一つらしくて、最初は秘密にすることを条件にピアノを弾いたの。
するとそれがとても良かったと、同じように思っている方を紹介してくれて、段々と仕事という形になっていったの。
今は、何組ものご夫婦と契約しているわ。
ところで、私はダンスとキスでスペンサーを誘惑できているかしら。」
「リアだから、僕は熱くなっているけれど、正直君は悪女と言う割にキスに慣れていないと言うか、抱きしめられても、何となく違和感を感じるよ。」
「そう?
残念だわ。
やっぱり、キスもその先も経験が必要なのね。
スペンサー、実は私にはもう一つ秘密があるの。」
「まだあるのかい?」
「ええ、これはドブソン子爵しか知らないことなんだけれど、私はキス以上をしたことがないの。」
「え?」
「しかも自分からしたのは、さっきスペンサーにした誘惑のためのキスが初めてよ。」
「えっ?」
「ドブソン子爵には、自分からしたことはなかったわ。」
「でも、君はドブソン子爵と夜会で抱き合ってキスしていたじゃないか?」
「それは、ドブソン子爵がそう見せていただけよ。
彼にはプライドがあって、私を満足させていると周りに思わせたがった。
だから、わざと未婚の私を選んだ。
経験のある女性に馬鹿にされたくなかったから。
でも、機能はなかったから、人前以外で触れられたことはなかったの。」
「えっ?
そんなことがあるのか?
じゃあ、君は僕がすべて初めてと言うこと?」
「まあ、そうなるわ。」
「ごめん、驚いて言葉が頭に入って来ない。
君は悪女と呼ばれるほど、男達を振り回していた女性だよね?」
「まあ、世間的には。
そう言う経験が実はないのは、秘密だったから。
本当の私は、スペンサーと付き合っていた頃のままよ。」
「じゃあ僕は時が経ったけれど、あの時のままの君を手に入れたんだね。
言葉にできないくらい嬉しいよ。」
「ふふ、そう言うことね。」
スペンサーはいきなり笑顔で私を抱き上げると、その場でクルクルと回り出した。
「…どうしたの?」
「ごめん、嬉しくて。
あの頃の僕ならこうやって、リアと結婚できることを喜んだと思ってね。」
「ふふ、そうね。
あの頃のスペンサーならやりそうだわ。
でも今のあなたは大丈夫なの?」
「これくらい大丈夫に決まっているさ。
僕は嬉しくてたまらないんだ。
リアを愛している。
あの頃も今もこれからも。」
「ええ、私もよ。
秘密にしていて、ごめんなさい。
私もあなたをずっと愛していたの。
あなたのように結ばれないかもしれないと思いながら、言葉にする勇気がなかっただけ。
私はあなたに愛されて良かった。
あなただけは、私を諦めないでいてくれたから。
スペンサー、本当にありがとう。
そして、これからも愛してね。」
「もちろんだよ。」
「ふふ、大好き。」
私は背の高い彼に抱きついて、背伸びをすると、再び彼の口に覚えたてのキスをした。
そして、二人は熱いキスをしながら、見つめ合いダンスを楽しんだ。
私も仲の良い高齢夫婦を見ながら、いつかしたいと思っていたのだ。
私達はお互いに遠回りをしたけれど、一番欲しかったものは、時が経っても変わらずで。
あの頃からは、失ったものも、得たものもあるけれど、それをすべて抱えて生きていく。
スペンサーと一緒に。
私はスペンサーを愛することを何度も諦めたし、秘めた想いを隠し続けたけれど、彼は私への想いを抱えて、何度も言ってくれたし、最後まで離すことはなかった。
だから、私達はこうやって一緒になれた。
これからは私も隠すことなく、スペンサーに負けないぐらい真っ直ぐ愛していきたい。
秘密を抱えた悪女は、すべて受け入れると誓う彼を手に入れて、微笑むのだ。
永遠に。
完
元気だったかい?」
スペンサーが前触れと綺麗な薔薇をプレゼントしてくれた翌日に、邸にやって来た。
相変わらず彼の微笑みは、寂しかった私の心に火を灯す。
私が突き放しても、こうやってスペンサーは何度も来てくれる。
今二人はがらんとしたカウレン邸の居室にいて、話をしている。
「元気よ、スペンサーは?」
「僕はマリアンナにフラれて、まだ引きずっているよ。」
「ふふ、ごめんなさい。」
「マリアンナは僕を地獄に何度も落とすのに、いつ見ても美しいよ。」
スペンサーは私のドレスをしげしげと見る。
今日はスペンサーにプレゼントしてもらったドレスを着ていた。
上品なスペンサーがくれた青色のドレスは、私のお気に入りだ。
「ありがとう、スペンサーも素敵よ。」
「こんなにフラれても、また君のところへ向かう僕はなんなんだろうね。」
「嬉しいわ。」
「本当に?」
「ええ。」
「バーバラ夫人がボレック公爵と結婚するそうだね。
おめでとう。」
「ありがとう。」
「僕がボレック公爵と付き合っていると勘違いしていることは、わかっていたはずだ。
それでも君は、少しも間違いだと匂わせない。
さすがだね。」
「病いのお母様が元気になって、ボレック公爵と本当に結婚することは、まだ確定していなかったし、スペンサーには素敵な令嬢と結婚して欲しかったから。」
「なるほど。
では今は君はボレック公爵の義娘になって、君の言うところの素敵な令嬢になったわけだ。」
「私は令嬢じゃないわ。
夫人よ。」
「だとしても構わない。」
スペンサーは、真顔になって、私の瞳を捉えて離さない。
「私は悪女で秘密を抱えているわ。」
「ああ、いいよ。
一人でいるより、秘密を抱えた君といたい。」
「本当に?」
「ああ、僕は秘密があっても、君と言う人間がどんな人であるかを知っている。
僕の知っているマリアンナは、人に対して酷いことはしない。
だから、もういいんだ。
秘密ごと、君を愛するよ。
だから、結婚しよう。」
「スペンサー、私もあなたが好き。」
私はスペンサーに抱きついた。
こんな私をいつまでも好きだと言ってくれるのは、彼ただ一人。
彼だけは、秘密を抱え、夫人となってしまった今も、私を求めてくれる。
そのことが涙が出るほど嬉しかった。
時は流れても、どんな私でも受け入れようとしてくれるスペンサーと一緒になりたい。
もう、二人でいることを諦めたくない。
スペンサーのくれる愛は、いつもごちゃ混ぜになっている私のすべてを包んでくれる。
だから、スペンサーといると安心して、自然と笑顔になる。
私だって、幸せになりたい。
スペンサーのそばで。
それから、しばらくして私はスペンサーと結婚した。
スペンサーの瞳の青色のウエディングドレスは、私がレース選びからすべて、自分の望むように特注したものだ。
スペンサーは私がドレスを自分で選びたいと告げると、色々な工房の見本を見せてくれた。
こうやって私にプレゼントするドレスを選んでいたんだと、教えてくれながら。
実際にレースや布地を見たら、どんどんイメージが湧いて来て、望むようなシルエットのドレスを作ることができた。
それを着てスペンサーと結婚できたことは、私の長年の夢が叶った瞬間だった。
私はどんな自分になった時も、心の奥底ではスペンサーと結婚したいとずっと思っていたから。
結婚披露パーティーも終わり、もう夜更けだけど、二人きりでダンスのできる部屋に来ている。
片隅にはピアノがあり、女性がピアノの前に座っている。
「どうしてこのタイミングでこの部屋なの?
普通は僕達の寝室に行くところだよね?」
スペンサーは、不思議そうに私を見ている。
「寝室に行く前にお話したかったの。
実はね、悪女の仕事についてなんだけれど、結婚したらスペンサーには話していいと許可をもらったの。
だから、教えるわ。
お願いします。」
私が告げると、ピアノの前の女性は静かな曲を弾き始める。
私は不思議そうな顔をしているスペンサーに手を伸ばして、抱きついてキスをねだりながら、音楽に身を任せる。
スペンサーは、二人きりではなく、女性がいることを気にしながらも、私と深いキスをしつつ、ピアノに合わせて、ゆっくりとしたステップを踏む。
「これが私の仕事よ。」
そう耳元で囁きながら、スペンサーとのキスを続けて、踊る。
「色々な男性とキスして踊っていたのか?」
スペンサーは突如、ダンスをやめて、私を睨む。
「ふふ、違うわ。
ピアノの方よ。」
「えっ?」
「羞恥心や身体の障害が出たりして人前では踊れなくなった老年の夫婦のために、ピアノを弾いていたの。
こうやって、二人がキスをしたり、抱き合っている横で、ピアノを弾くの。
夫婦でダンスをすることは、年を重ねた方にもとても良いスキンシップになるし、運動にもなるそうなの。
でも、普通は恥ずかしくて、依頼できないものなのよ。
でも、私は悪女と呼ばれて、大勢の人のいる夜会で同じようなことはすでにしていたから、夫人達も私の前だと恥ずかしくないわけ。
それに私は秘密を守ることも一部の方々には、知られていたから。
それを紹介してくれたのが、ボレック公爵よ。」
「なるほど、これが秘密の君の仕事か。
それでボレック公爵と夜会に出ていたんだね。」
「そう、ボレック公爵世代の方々の悩みの一つらしくて、最初は秘密にすることを条件にピアノを弾いたの。
するとそれがとても良かったと、同じように思っている方を紹介してくれて、段々と仕事という形になっていったの。
今は、何組ものご夫婦と契約しているわ。
ところで、私はダンスとキスでスペンサーを誘惑できているかしら。」
「リアだから、僕は熱くなっているけれど、正直君は悪女と言う割にキスに慣れていないと言うか、抱きしめられても、何となく違和感を感じるよ。」
「そう?
残念だわ。
やっぱり、キスもその先も経験が必要なのね。
スペンサー、実は私にはもう一つ秘密があるの。」
「まだあるのかい?」
「ええ、これはドブソン子爵しか知らないことなんだけれど、私はキス以上をしたことがないの。」
「え?」
「しかも自分からしたのは、さっきスペンサーにした誘惑のためのキスが初めてよ。」
「えっ?」
「ドブソン子爵には、自分からしたことはなかったわ。」
「でも、君はドブソン子爵と夜会で抱き合ってキスしていたじゃないか?」
「それは、ドブソン子爵がそう見せていただけよ。
彼にはプライドがあって、私を満足させていると周りに思わせたがった。
だから、わざと未婚の私を選んだ。
経験のある女性に馬鹿にされたくなかったから。
でも、機能はなかったから、人前以外で触れられたことはなかったの。」
「えっ?
そんなことがあるのか?
じゃあ、君は僕がすべて初めてと言うこと?」
「まあ、そうなるわ。」
「ごめん、驚いて言葉が頭に入って来ない。
君は悪女と呼ばれるほど、男達を振り回していた女性だよね?」
「まあ、世間的には。
そう言う経験が実はないのは、秘密だったから。
本当の私は、スペンサーと付き合っていた頃のままよ。」
「じゃあ僕は時が経ったけれど、あの時のままの君を手に入れたんだね。
言葉にできないくらい嬉しいよ。」
「ふふ、そう言うことね。」
スペンサーはいきなり笑顔で私を抱き上げると、その場でクルクルと回り出した。
「…どうしたの?」
「ごめん、嬉しくて。
あの頃の僕ならこうやって、リアと結婚できることを喜んだと思ってね。」
「ふふ、そうね。
あの頃のスペンサーならやりそうだわ。
でも今のあなたは大丈夫なの?」
「これくらい大丈夫に決まっているさ。
僕は嬉しくてたまらないんだ。
リアを愛している。
あの頃も今もこれからも。」
「ええ、私もよ。
秘密にしていて、ごめんなさい。
私もあなたをずっと愛していたの。
あなたのように結ばれないかもしれないと思いながら、言葉にする勇気がなかっただけ。
私はあなたに愛されて良かった。
あなただけは、私を諦めないでいてくれたから。
スペンサー、本当にありがとう。
そして、これからも愛してね。」
「もちろんだよ。」
「ふふ、大好き。」
私は背の高い彼に抱きついて、背伸びをすると、再び彼の口に覚えたてのキスをした。
そして、二人は熱いキスをしながら、見つめ合いダンスを楽しんだ。
私も仲の良い高齢夫婦を見ながら、いつかしたいと思っていたのだ。
私達はお互いに遠回りをしたけれど、一番欲しかったものは、時が経っても変わらずで。
あの頃からは、失ったものも、得たものもあるけれど、それをすべて抱えて生きていく。
スペンサーと一緒に。
私はスペンサーを愛することを何度も諦めたし、秘めた想いを隠し続けたけれど、彼は私への想いを抱えて、何度も言ってくれたし、最後まで離すことはなかった。
だから、私達はこうやって一緒になれた。
これからは私も隠すことなく、スペンサーに負けないぐらい真っ直ぐ愛していきたい。
秘密を抱えた悪女は、すべて受け入れると誓う彼を手に入れて、微笑むのだ。
永遠に。
完
167
お気に入りに追加
145
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
王太子殿下が好きすぎてつきまとっていたら嫌われてしまったようなので、聖女もいることだし悪役令嬢の私は退散することにしました。
みゅー
恋愛
王太子殿下が好きすぎるキャロライン。好きだけど嫌われたくはない。そんな彼女の日課は、王太子殿下を見つめること。
いつも王太子殿下の行く先々に出没して王太子殿下を見つめていたが、ついにそんな生活が終わるときが来る。
聖女が現れたのだ。そして、さらにショックなことに、自分が乙女ゲームの世界に転生していてそこで悪役令嬢だったことを思い出す。
王太子殿下に嫌われたくはないキャロラインは、王太子殿下の前から姿を消すことにした。そんなお話です。
ちょっと切ないお話です。
女性治療師と距離が近いのは気のせいなんかじゃない
MOMO-tank
恋愛
薬師の腕を上げるために1年間留学していたアリソンは帰国後、次期辺境伯の婚約者ルークの元を訪ねた。
「アリソン!会いたかった!」
強く抱きしめ、とびっきりの笑顔で再会を喜ぶルーク。
でも、彼の側にはひとりの女性、治療師であるマリアが居た。
「毒矢でやられたのをマリアに救われたんだ」
回復魔法を受けると気分が悪くなるルークだが、マリアの魔法は平気だったらしい。
それに、普段は決して自分以外の女性と距離が近いことも笑いかけることも無かったのに、今の彼はどこかが違った。
気のせい?
じゃないみたい。
※設定はゆるいです。
はずれのわたしで、ごめんなさい。
ふまさ
恋愛
姉のベティは、学園でも有名になるほど綺麗で聡明な当たりのマイヤー伯爵令嬢。妹のアリシアは、ガリで陰気なはずれのマイヤー伯爵令嬢。そう学園のみなが陰であだ名していることは、アリシアも承知していた。傷付きはするが、もう慣れた。いちいち泣いてもいられない。
婚約者のマイクも、アリシアのことを幽霊のようだの暗いだのと陰口をたたいている。マイクは伯爵家の令息だが、家は没落の危機だと聞く。嫁の貰い手がないと家の名に傷がつくという理由で、アリシアの父親は持参金を多めに出すという条件でマイクとの婚約を成立させた。いわば政略結婚だ。
こんなわたしと結婚なんて、気の毒に。と、逆にマイクに同情するアリシア。
そんな諦めにも似たアリシアの日常を壊し、救ってくれたのは──。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
女避けの為の婚約なので卒業したら穏やかに婚約破棄される予定です
くじら
恋愛
「俺の…婚約者のフリをしてくれないか」
身分や肩書きだけで何人もの男性に声を掛ける留学生から逃れる為、彼は私に恋人のふりをしてほしいと言う。
期間は卒業まで。
彼のことが気になっていたので快諾したものの、別れの時は近づいて…。
別に要りませんけど?
ユウキ
恋愛
「お前を愛することは無い!」
そう言ったのは、今日結婚して私の夫となったネイサンだ。夫婦の寝室、これから初夜をという時に投げつけられた言葉に、私は素直に返事をした。
「……別に要りませんけど?」
※Rに触れる様な部分は有りませんが、情事を指す言葉が出ますので念のため。
※なろうでも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる