俺のパートナーは霊！？

五話 木砂来の真実

「体罰…」
「俺の両親が事故で死んでから、俺は母親の両親に引き取られた。そこが間違いだった。父親の両親は俺のことを大切に思ってくれていた。でも、母親の両親は、俺に邪魔者扱いをしてきた。毎日殴る蹴るの繰り返し。時には一睡もせずに体罰を受けていた。そのことを周りの人が知って父の両親の元へと連れて行ってくれた。そこでは予想通り優しく接してくれた。」
ここまででも、毎日苦しむ日々を送ってきたことが伝わってきた。
「お父さんのご両親のところに行けてよかったじゃん。」
海花はそう笑顔で言った。
「ここまではな。ここからだよ。俺は父の両親に大切に育ててもらい、大学生となった。そして独り暮らしを始めた。大学卒業後。家にいるとき母親の父が来た。そして暴力を受けた。最終的に刃物で刺された。」
「死んだのってまさか…」
「真太郎、雨、あと海花もかな。三人と同じ22歳だよ。俺が死んだ時の年齢。」
同じ年齢ということに驚き、そして殺されたことに辛さを隠せていなかった。
「そのお母さんの両親は…」
「両方三年前にガンで他界。祖母が九十一歳、祖父が九十四歳で。」
俺の隣にいた海花が、泣いていた。
「そんな辛いことがあったなんて…」
雨も驚きを隠せていなかった。
「木砂来。お父さんのご両親は…」
「今は祖父が病院で入院中。祖母は去年他界。九十三歳だった。」
「そっか。」
木砂来は今にも泣き出しそうだった。