上 下
40 / 43
終章 復讐の果て

第39話 エイル・ノーベル

しおりを挟む
 エイル・ノーベル
 彼は常に2番だった。
「兄上にはかなわない」
 これが彼の口癖になるほど彼の人生の先にはこの人がいた。
 アレクシア・ノーベル、彼の双子の兄で千年に一人の逸材と言われた男。

 エイルはいつの頃か、アレクシアの存在を妬みうとましく思うようになった。
 俺は生まれた時から2番だった、あの男、あの男さえいなければ、俺の人生は輝けるものになり日向を歩む人生になれるだろう、あの男、あの男さえいなければ俺は…

 しかし彼は常に正しくありたかった、彼の父親は常に正しいことをする人物、彼の人生の標榜に値する人間であった。


 それはエイルが18歳の頃、あれは剣術大会の3か月前のことだった。
 いつも入ることを禁じられていた父の書斎。
 ほんのちょっとの好奇心だった。
 いつもは硬く閉ざされている父の書斎のその日は開いている。
 誰かによばれた気がしてそのまま吸い込まれるように書斎に入っていった。

 机の裏の金庫はなぜか扉が開いていた、その中には禍々しく怪しく光る指輪が置かれていた。
 その指輪を見たエイル何かに魅入られるように指輪を手にした。

 手にした瞬間、エイルは真っ白で何もない空間に立っていた。

 すーっと現れる白髪の男性はエイルの顔を見るなりこう告げた
「ククク、欲望と嫉妬に焦がれるいい眼をお持ちだ」
「お前はだれだ、いったいここはどこなんだ!」
「申し遅れました、私はあそこに封印されていた深淵の魔女」
 エイルは怪訝そうな顔をして
「魔女?おまえは男ではないか!」
「魔女というのはただの概念なのです、わたしの体は常にどうにでもなる」
 すると深淵の魔女となのるものは顔中しわだらけの老婆へと姿を変える
「この姿のほうが馴染みが深いですか」
「…」
 老婆はもとの白髪の青年の姿に戻る。
「私は人間がすきだ、欲望と嫉妬にまみれた人間がね」
「俺はそんな人間ではない!父親のように清く正しく生きていくのだ」
「フフフ、あなたは心の薄皮を一枚はがせば、そこは嫉妬と欲望にまみれている」
「そんなことはない!」
「アレクシア・ノーベル」
「兄上がどうした」

 その青年は一冊の本を取り出す。
「ここにあなたの父上の秘密が書かれています」
 それはアレクシアの出生の秘密が書かれた、父上の日記だった。

「そうアレクシア、あなたの兄はノーベル家の人間ではありません」
「なんだと…」
「しかし、あなたの父上は家督をアレクシアに継がせるおつもりだ」
 エイルは拳を握り、激昂する。
「そんな!あの男が家督を継ぐだとそんなことあってたまるものか!!」
「フフフ、心の皮が一枚剥がれましたな」
「俺は、俺はどうすればいい!なあおしえてくれ、この胸の奥からあふれてくる、どす黒い泥ような感情をどうすればいい!!」
「そうですねぇ、あなたは欲望に素直になればいい、ただそれだけです」
「欲望に素直になる…」
「ええ、あなたの枷はすでに外れた、素直になるのです素直に」
 エイルは全てを悟ったというような表情をして
「分かった…」
 とだけ呟いた。

 するとエイルは元の世界に戻り、指輪は元の場所に安置されており、机の上にはアレクシアの出生の秘密が書かれた日記が置かれていた。

 その時、ちょうど父であるフリューゲルが書斎にもどってきた。
「エイル何をやっている!書斎に入るのは禁じていたはずだ!!」
 フリューゲルはエイルを見るなり叱りとばす。
 エイルは父親を睨み、机の日記を床に叩きつける。
「父上、ここに書かれている兄上はノーベル家の人間ではない、本当のことなのですか!」
「お、おまえなにをいっているんだ」
「俺は…すべてを知りました嘘を言わないでください」
 フリューゲルは机の椅子に座り、手を組み頭を抱えながら話した。
「ああ、本当のことだ、アレクシアはお前たちの母ノインの妹の息子だ」
「おばは、亡くなったと…」

「アレクシアを産んだあとすぐになくなった、ちょうど生まれた日が同じだったエイルと双子ということにして育てようとノインと話をしたのだ」
「じゃあ兄上に家督を継がせるということは、ノーベル家の人間ではないものが家督を継ぐということですよ!」

「私はな、血よりも大切なものがあると思っている、アレクシアはノーベル家で生まれ育ったということだエイル、もうこれは変えようのないものだ」
「そんな…名門貴族であるわが家系がどこの馬の骨ともしれないようなものにとってかわられるとは、私はとても受け入れられません」
「…分かった、エイルお前がノーベル家のことを一番に考えてくれる気持ちはうれしい」
「それならば!」
「3か月後、3か月後に剣術大会があるのだろう?そこでお前がアレクシアよりも優れているということを見せてみろ、そうすれば家督をお前に譲ること考えてもいい」
「分かりました、俺が優勝します」
 こうしてエイルは父の書斎から離れ、自室に戻った。


「おい、聞いていたか魔女よ」
 すると白髪の青年が現れる。
「ククク、剣術大会ですか、それは楽しみだぁ」
「あの男は必ず決勝に勝ち上がってくる…しかしそれでは面白くない」
「ほう、とすると?」
「あの男には最大限の屈辱と絶望を味合わせたい、お前ならできるのだろ魔女よ」
「ええ、そんなことはいともたやすいことです、私をあの狭いところから出してくださったお礼です手を貸しましょう」
「では、俺の計画はこうだ」

 そうしてアレクシアは賭けに乗り、1回戦で敗北しエイルは剣術大会で悲願の優勝を果たしのだ。
 アレクシアはエイル達の前から姿を消した。



 姿を消した直後に、アレクシアに似た人物が身を投げたのを見たという人物も現れ、海流が激しい場所で死体はもう上がってこないだろうという結論になった。

 クレアは悲しみに暮れていたが、エイルがずっと側に寄り添い次第にエイルに心を開いて行った。
 皇帝もアレクシアの死を嘆いていたが、クレアの相手としてエイルを認めた。

 魔女もまたエイルのもとを去り、エイルはアレクシアが歩む筈であった人生を歩むことになり、順風満帆な日々であった。

 ある日、ザナビルの騎士団長フロイトという人物がガレオンにやってきていた。
 彼は現ザナビル王家に対して不信感を持っていた。

 エイルはこう考えた、ザナビルとポルトを離間させれば、ポルト侵攻がたやすくなるなと、上手くいけば俺の手柄になる失敗してもこの男を切り捨てればいいだけのこと…

「フロイトさん、ザナビル王家を裏切りませんか、ノーベル家いやガレオン帝国が全面的に支援します」

 フロイトはそして反乱を起こしたが失敗に終わった、ガレオンからみれば遠く離れた地で行われたことに過ぎない、そしてエイルがかかわっていたことは誰もしらない。

 そのころをあたりから、エイルは裏の顔を持つようになり、蜃気楼と呼ばれる暗殺者集団の一人サイゾウという人物を自らの子飼いとした。

 サイゾウが知る東方の秘術を使い、自らの出世のためにエイルは手を汚していった。

 ある日、エイルの前に例の魔女が突然現れた。
「ククク、あなたが地獄に放り込んだアレクシアがまたガレオンに戻りましたがどうなさいます?」
「なんだと…」
「あの男はお前への復讐に燃えていますなぁククク」
「で、どこにいるのだ」

 魔女は場末の酒場をエイルに教えた。

「で?どうするんだい?」
 エイルは少し考えるそぶりをした後
「いい案が浮かんだ、あの男には邪魔者を排除してもらう」
「久しぶりにあった思えば、己の欲望に忠実になりましたのぉククク」
「お前のおかげだ、魔女よ」

 そうしてエイルはアレクシアがいる酒場へと足しげく通うようになった。

 そうして3年ほどがたった。
 エイルは皇国親衛隊副隊長となり、クレアとの結婚を果たし子供まで授かることとなった。
 あとは目の上のたんこぶであるあの人物さえいなくなれば…
 そしてエイルは計画の実行に移した。

 アレクシアがいるところで、外遊中のザナビル国王の暗殺計画を漏らす。
 アレクシアとザナビル国王はただならぬ関係、そのことについてはサイゾウから情報得ていた。
 絶対に暗殺阻止に動くはずである。

 アレクシアは予想通りの動きをした。

「サイゾウ、これをみろ」
 エイルはサイゾウに手紙を見せる。
「ええ、予想通りですな」
「その証文が偽物だということもしらずにな」
「はい、あの証文書かれた墨は3日で消える我が蜃気楼に伝わる秘伝の墨」
「まあよい証文など必要なくなる」
「しかし、東方のものが主をこうも簡単に売るとおもわれるのは癪でございますな」
「それもそうだな、お前のプライドを汚すことになってすまなかったな」
「そういってもらえるとは有り難き幸せでございます」
 そういうとサイゾウは闇に紛れきえていった。

 エイルは第8倉庫をあとにし一人暗い夜道をランタンの明かりのみで帰宅している。
 闇からサイゾウが現れる。
「エイル様すべてがうまくいきましたな」
「これほどうまくいくとはな、あの男あそこまで甘いとはな」
「して、あの男アレクシアは皇帝のおとし子なので?」
「そんなわけあるか、あの男を信じ込ませる嘘よ、前皇帝の世継ぎなどおらぬは」

「ほほう、エイル様のあの演技、さすがでございましたな、帝国劇場で主演が張れるかと」
「はははは、うまいことをいうな」

「あとは父上さまを」
「そうだ、あの男に父上を討ちとらせ、罪を被せるそして、私は悲劇の主人公となり、最年少で騎士団長、そして宰相となる、ハハハ果ては皇帝か?それも面白い」
 サイゾウは闇に消え、エイルは一人自宅に戻った。

 ノーベル家の豪邸を見上げるサイゾウ。
 その姿は白髪の青年に変わり
「足下をすくわれなければ、いいですなエイル殿」
 そう呟いて魔女は姿を消したのであった。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

『殺す』スキルを授かったけど使えなかったので追放されました。お願いなので静かに暮らさせてください。

晴行
ファンタジー
 ぼっち高校生、冷泉刹華(れいぜい=せつか)は突然クラスごと異世界への召喚に巻き込まれる。スキル付与の儀式で物騒な名前のスキルを授かるも、試したところ大した能力ではないと判明。いじめをするようなクラスメイトに「ビビらせんな」と邪険にされ、そして聖女に「スキル使えないならいらないからどっか行け」と拷問されわずかな金やアイテムすら与えられずに放り出され、着の身着のままで異世界をさまよう羽目になる。しかし路頭に迷う彼はまだ気がついていなかった。自らのスキルのあまりのチートさゆえ、世界のすべてを『殺す』権利を手に入れてしまったことを。不思議なことに自然と集まってくる可愛い女の子たちを襲う、残酷な運命を『殺し』、理不尽に偉ぶった奴らや強大な敵、クラスメイト達を蚊を払うようにあしらう。おかしいな、俺は独りで静かに暮らしたいだけなんだがと思いながら――。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

持ち主を呪い殺す妖刀と一緒に追放されたけど、何故か使いこなして最強になってしまった件

玖遠紅音
ファンタジー
 王国の大貴族であり、魔術の名家であるジーヴェスト家の末っ子であるクロム・ジーヴェストは、生まれつき魔力を全く持たずに生まれてしまった。  それ故に幼いころから冷遇され、ほぼいないものとして扱われ続ける苦しい日々を送っていた。  そんなある日、 「小僧、なかなかいい才能を秘めておるな」    偶然にもクロムは亡霊の剣士に出会い、そして弟子入りすることになる。  それを契機にクロムの剣士としての才能が目覚め、見る見るうちに腕を上げていった。  しかしこの世界は剣士すらも魔術の才が求められる世界。  故にいつまでたってもクロムはジーヴェスト家の恥扱いが変わることはなかった。  そしてついに―― 「クロム。貴様をこの家に置いておくわけにはいかなくなった。今すぐ出て行ってもらおう」  魔術師として最高の適性をもって生まれた優秀な兄とこの国の王女が婚約を結ぶことになり、王族にクロムの存在がバレることを恐れた父によって家を追い出されてしまった。  しかも持ち主を呪い殺すと恐れられている妖刀を持たされて……  だが…… 「……あれ、生きてる?」  何故か妖刀はクロムを呪い殺せず、しかも妖刀の力を引き出して今まで斬ることが出来なかったモノを斬る力を得るに至った。  そして始まる、クロムの逆転劇。妖刀の力があれば、もう誰にも負けない。  魔術師になれなかった少年が、最強剣士として成り上がる物語が今、幕を開ける。

最難関ダンジョンで裏切られ切り捨てられたが、スキル【神眼】によってすべてを視ることが出来るようになった冒険者はざまぁする

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【第15回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作】 僕のスキル【神眼】は隠しアイテムや隠し通路、隠しトラップを見破る力がある。 そんな元奴隷の僕をレオナルドたちは冒険者仲間に迎え入れてくれた。 でもダンジョン内でピンチになった時、彼らは僕を追放した。 死に追いやられた僕は世界樹の精に出会い、【神眼】のスキルを極限まで高めてもらう。 そして三年の修行を経て、僕は世界最強へと至るのだった。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
ファンタジー
 主人公ライルはブリケード王国の第一王子である。  しかし、ある日―― 「ライル。お前を我がブリケード王家から追放する!」  父であるバリオス・ブリケード国王から、そう宣言されてしまう。 「お、俺のスキルが真の力を発揮すれば、きっとこの国の役に立てます」  ライルは必死にそうすがりつく。 「はっ! ライルが本当に授かったスキルは、【トカゲ化】か何かだろ? いくら隠したいからって、【竜化】だなんて嘘をつくなんてよ」  弟である第二王子のガルドから、そう突き放されてしまう。  失意のまま辺境に逃げたライルは、かつて親しくしていた少女ルーシーに匿われる。 「苦労したんだな。とりあえずは、この村でゆっくりしてくれよ」  ライルの辺境での慎ましくも幸せな生活が始まる。  だが、それを脅かす者たちが近づきつつあった……。

処理中です...