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第2章 王位継承
第18話 剣術
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話終ったや否や、フロイトは剣を振りかぶりながら、間を一瞬で詰め斬りかかってくる。
虚を突かれたため、かわすことができないと判断し、剣で受け止める。
フロイトの力と体重が体に一気に加わる。
後ろに倒れそうになるのをぐっとこらえ、持ち直す。
フロイトが口を開く
「やはり、剣の腕前はお前のほうが、上だな」
「ああ、そのようですね」
一流の剣士は、その剣を一撃交わすだけで、相手が自分より上か下かということが分かる、前に中庭で対峙したときに、おおよその腕前は把握はしていたが…、自分より素直に相手の方が上と認めることができるのは余裕があるという証拠だ。
「これならどうだ」
つばぜり合いのさなか足で腹部をけられる。
甲冑で守られているため、ダメージはないが、態勢をくずされ、後ろに吹き飛ばされた。
ーーまずい、この状態でさっきのように間合いを詰められると斬られる。
しかしフロイトはその場から動かなかった。
フロイトは表情を変えず口を開く
「お前、剣術では負けなし強さだろう」
「…」
「けれどな、お前との殺し合いでは俺はお前を殺すだろう」
「私は負けない」
「そう、剣術では俺は絶対にお前には勝てない」
「なら、なぜ私に勝てると…」
「俺は剣術じゃなく、殺人術だからだ、お前は人を斬ったことがないだろう」
「…」
「ふん、図星か、お前の剣は軽いんだよ」
フロイトがそう言った瞬間、目の前にナイフが飛んできている。
頭を傾けかわした瞬間、もう目の前に剣を振り下ろしているフロイトがいる。
そのまま剣で受け、火花が飛び、金属音が響く。
その瞬間左手からナイフを突き刺してくる。
精一杯身をよじり、急所を避けようとする。
左腕の二の腕に激痛が走った。
手の方に生暖かいものが流れるのを感じる。
フロイトはいったん間合いをとって余裕を見せる。
「これで左腕は使い物にならなくなったな、今度は右腕か?」
左手も一応剣は握ることはできるが、ほぼそえるだけの状態になった。
「ほら、言ったとおりだろ、俺はお前を殺すとな」
痛みで息が切れる…
「はぁはぁ、右手だけでも十分だ。はぁはぁ」
精一杯の強がりをしてみせたが、フロイトに勝てる算段がみつからない。
「これが剣術と殺人術との違いだよ、お前は絶対に俺を殺すことはできない、木剣もって勝っただの負けただのやってるお遊びとは違うんだよ」
「…」
「さてと、ぼちぼち片をつけるか、お前を殺し、ソルフィン王子を殺し、元老院の連中を殺したら終わりか、あっけないものだな」
殿下とフリージアさんの気配はない、私とフロイトが戦っている間に、隠し通路にいけたのだろう、もうこれでよかったのかもしれない。
ーー遠い異国の地で果てる、結局、真相は何一つつかめなかった、ああそうかヘブンズワークスの皆を助けることができた、ソルフィン王子とフリージアさんを助けることができた、これだけで意味があったことなんだ、だから私の人生がここで終わってしまってもそれはそれでいい人生だったんだろうな。
フロイトがゆっくりと斬りかかってくる。
ああ、終わりだ……
「おおおおおおお、おおおおおお」
グレンさん?
グレンさんは叫び声とともにフロイトの体に体当たりをかまし、そのまま奥まで押し続ける。
「早くいけー、このおいぼれ最後の花道じゃ」
「グレンさん!!」
「邪魔だ」
グレンさんは背中を剣で突かれているが手を離さない。
「早く隠し通路へ行け、にげろ、ソルフィン殿下をたのむぞーーーー」
「はい!」
背に向けていた玉座の方へ、振り返り、走り出す。
玉座の後ろに、人ひとりが入れるような穴があり、私が入ると、中にいたソルフィン殿下から鍵を渡される
「これで閉めてください」
この穴は、あとから追跡ができないようにと、国王の持つ鍵で中から閉めるとあけることができなくなっている。私は右手で扉をしめ鍵をかけた。
穴の中は真っ暗で、扉をしめる、何一つみえない暗闇が広がっている。
ただ穴は垂直で、はしごをひたすら降りている。
大分おりてくると、地面に到達した。
フリージアさんの声が聞こえる。
「大丈夫か?」
その声は穴の中を反響している。
「ああ大丈夫」
「それならよかった、今明かりをつける」
カチカチと火打ち石をこする音と火花がとび、ナイフの先に衣類を巻き付けた、簡易松明に火がともった。
隠し通路であるのだが、そこそこの広さがあり、3人並んで歩くことができるほどの広さであった。
「これってどこまで続いてるんです?」
「宮殿の外としか聞いてない」
「なるほど」
「ってあなたケガしてるじゃない!」
「ああ、さっきの戦いで左腕をやられた」
「まって」
そういってフリージアさんは、自分の服を破って、私の左腕に巻き付けてくれた。
「ありがとう」
「お礼は、脱出できてから」
風を感じるほうに歩きだす。
「フロイトって騎士団長ですよね?」
「そうよ」
「なんであんな戦い方ができるんだろう?」
「出自は不明だけど、持ち前の強さと統率力、そして行動力で騎士団長まで上り詰めた、生え抜きの人材」
「へぇぇフリージアさんってそんなの詳しくないかとおもってたのに詳しいんですね」
「敵を知ることは重要」
「フロイトは自ら王になるつもりだったのか…」
「ええ、そうね、コフィン殿下になったとしても同じことをしていたんでしょうね」
「そうですね…」
スースー
ソルフィン殿下はフリージアさんの背中で寝息をたてている。
殿下を起こさないように小声でフリージアさんが口を開く
「これからどうする?」
「それですが、とりあえずホフナー商会にかくまってもらって、その時に決めましょう」
「ええ、いいわ」
「フリージアさん重くないですか?」
「大丈夫、ところでグレン公は?」
「はい、グレンさんのおかげで私は助かりました」
「そう…その様子だと」
「ええ、恐らくは…」
遠くに星明かりのようなものが見えてきている、そろそろ出口だ。
虚を突かれたため、かわすことができないと判断し、剣で受け止める。
フロイトの力と体重が体に一気に加わる。
後ろに倒れそうになるのをぐっとこらえ、持ち直す。
フロイトが口を開く
「やはり、剣の腕前はお前のほうが、上だな」
「ああ、そのようですね」
一流の剣士は、その剣を一撃交わすだけで、相手が自分より上か下かということが分かる、前に中庭で対峙したときに、おおよその腕前は把握はしていたが…、自分より素直に相手の方が上と認めることができるのは余裕があるという証拠だ。
「これならどうだ」
つばぜり合いのさなか足で腹部をけられる。
甲冑で守られているため、ダメージはないが、態勢をくずされ、後ろに吹き飛ばされた。
ーーまずい、この状態でさっきのように間合いを詰められると斬られる。
しかしフロイトはその場から動かなかった。
フロイトは表情を変えず口を開く
「お前、剣術では負けなし強さだろう」
「…」
「けれどな、お前との殺し合いでは俺はお前を殺すだろう」
「私は負けない」
「そう、剣術では俺は絶対にお前には勝てない」
「なら、なぜ私に勝てると…」
「俺は剣術じゃなく、殺人術だからだ、お前は人を斬ったことがないだろう」
「…」
「ふん、図星か、お前の剣は軽いんだよ」
フロイトがそう言った瞬間、目の前にナイフが飛んできている。
頭を傾けかわした瞬間、もう目の前に剣を振り下ろしているフロイトがいる。
そのまま剣で受け、火花が飛び、金属音が響く。
その瞬間左手からナイフを突き刺してくる。
精一杯身をよじり、急所を避けようとする。
左腕の二の腕に激痛が走った。
手の方に生暖かいものが流れるのを感じる。
フロイトはいったん間合いをとって余裕を見せる。
「これで左腕は使い物にならなくなったな、今度は右腕か?」
左手も一応剣は握ることはできるが、ほぼそえるだけの状態になった。
「ほら、言ったとおりだろ、俺はお前を殺すとな」
痛みで息が切れる…
「はぁはぁ、右手だけでも十分だ。はぁはぁ」
精一杯の強がりをしてみせたが、フロイトに勝てる算段がみつからない。
「これが剣術と殺人術との違いだよ、お前は絶対に俺を殺すことはできない、木剣もって勝っただの負けただのやってるお遊びとは違うんだよ」
「…」
「さてと、ぼちぼち片をつけるか、お前を殺し、ソルフィン王子を殺し、元老院の連中を殺したら終わりか、あっけないものだな」
殿下とフリージアさんの気配はない、私とフロイトが戦っている間に、隠し通路にいけたのだろう、もうこれでよかったのかもしれない。
ーー遠い異国の地で果てる、結局、真相は何一つつかめなかった、ああそうかヘブンズワークスの皆を助けることができた、ソルフィン王子とフリージアさんを助けることができた、これだけで意味があったことなんだ、だから私の人生がここで終わってしまってもそれはそれでいい人生だったんだろうな。
フロイトがゆっくりと斬りかかってくる。
ああ、終わりだ……
「おおおおおおお、おおおおおお」
グレンさん?
グレンさんは叫び声とともにフロイトの体に体当たりをかまし、そのまま奥まで押し続ける。
「早くいけー、このおいぼれ最後の花道じゃ」
「グレンさん!!」
「邪魔だ」
グレンさんは背中を剣で突かれているが手を離さない。
「早く隠し通路へ行け、にげろ、ソルフィン殿下をたのむぞーーーー」
「はい!」
背に向けていた玉座の方へ、振り返り、走り出す。
玉座の後ろに、人ひとりが入れるような穴があり、私が入ると、中にいたソルフィン殿下から鍵を渡される
「これで閉めてください」
この穴は、あとから追跡ができないようにと、国王の持つ鍵で中から閉めるとあけることができなくなっている。私は右手で扉をしめ鍵をかけた。
穴の中は真っ暗で、扉をしめる、何一つみえない暗闇が広がっている。
ただ穴は垂直で、はしごをひたすら降りている。
大分おりてくると、地面に到達した。
フリージアさんの声が聞こえる。
「大丈夫か?」
その声は穴の中を反響している。
「ああ大丈夫」
「それならよかった、今明かりをつける」
カチカチと火打ち石をこする音と火花がとび、ナイフの先に衣類を巻き付けた、簡易松明に火がともった。
隠し通路であるのだが、そこそこの広さがあり、3人並んで歩くことができるほどの広さであった。
「これってどこまで続いてるんです?」
「宮殿の外としか聞いてない」
「なるほど」
「ってあなたケガしてるじゃない!」
「ああ、さっきの戦いで左腕をやられた」
「まって」
そういってフリージアさんは、自分の服を破って、私の左腕に巻き付けてくれた。
「ありがとう」
「お礼は、脱出できてから」
風を感じるほうに歩きだす。
「フロイトって騎士団長ですよね?」
「そうよ」
「なんであんな戦い方ができるんだろう?」
「出自は不明だけど、持ち前の強さと統率力、そして行動力で騎士団長まで上り詰めた、生え抜きの人材」
「へぇぇフリージアさんってそんなの詳しくないかとおもってたのに詳しいんですね」
「敵を知ることは重要」
「フロイトは自ら王になるつもりだったのか…」
「ええ、そうね、コフィン殿下になったとしても同じことをしていたんでしょうね」
「そうですね…」
スースー
ソルフィン殿下はフリージアさんの背中で寝息をたてている。
殿下を起こさないように小声でフリージアさんが口を開く
「これからどうする?」
「それですが、とりあえずホフナー商会にかくまってもらって、その時に決めましょう」
「ええ、いいわ」
「フリージアさん重くないですか?」
「大丈夫、ところでグレン公は?」
「はい、グレンさんのおかげで私は助かりました」
「そう…その様子だと」
「ええ、恐らくは…」
遠くに星明かりのようなものが見えてきている、そろそろ出口だ。
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