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2章 初めてのレイド編

運命の門 開錠編1層前編

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 8人そろって、3日が経ち、ようやくコハダさんのレベル上げがおわった。
「やっとおわたーーーーー」
 コハダさんがレベルが50になった瞬間に叫んだ
「明日からレイドですねタナカさん!」
 ニコが嬉しそうに話をしている」
「とりあえず明日8人で集まるか」
「はい、全員には私から連絡しておきます」
 レイドか… 

 ◇

 小さなログハウス風の我が家に8人も集まると、さすがに狭い
「8人そろって、コハダさんもレベル50になったので、レイドに行きたいと思います」
 なぜか拍手が起こる
「どこにいくの?」
 コハダさんが聞いてくる
「レイド経験が全くないのはニコとクロスさんの2人、コハダさんはDPSでは初めてで、ガヤさんはブランクがあるし、とりあえず一番最初のレイド、『運命の門 開錠編』から始めようと思うんだけどどうかな」
 運命の門 開錠編とは、このゲームが発売されて一番最初に実装されたレイドで、レイドプレイの基本が詰まってるとも言える場所だ。

「そうですね、開錠編はパーティ結成してから行くのにはちょうどいいんじゃないでしょうかね」
 イツカさんが賛同してくれた
「それでだけど、装備シンクをしていこうと思うんだけど」
 装備シンクとは、ゲームが進むにつれて装備の強さが上がってくるため、装備の強さを当時のクリアできる強さまで下げるというものだ。

「いいと思います」
「うん」
「おk」
 みな口々に答えてくれたが、反対の意見はなかった。

「じゃあ早速いくか!」
 全員にパーティの誘いを飛ばし、レイド運命の門の入り口へテレポートする。

 浜辺のちょっとしたリゾート地に8人で一斉にテレポートしてくる。

 この近くに、運命の門への入り口が存在している

 ストーリー展開としては、今まで冒険してきた冒険者が、運命の門と呼ばれる異世界への門を閉ざすために奮闘をするというストーリー展開になっている。

 開錠編は和風のレイドボスになっており、1層はベンケイといよばれる5メートルぐらいの大男がボスになっている。

 パーティリーダーの俺がNPCに話しかける。
「運命の門1層を開始しますか?と聞いてくる」
「装備シンクでお願いします」
「分かりました、装備シンクで運命の門 開錠編1層を開始します」

 再度テレポートが始まる

 和風の建物が建ち並び、川に丸い橋が架かっている、空には暗いが大きな満月がでており、橋を照らしている。

 橋の中程にさしかかると

「おう、おう、おう、おまえら武器を置いていけ」
 という声が聞こえたかと思うと、目の前に身長5メートルはある大男で手には馬鹿でかい薙刀をもち立っている。
「あれが、1層のボスベンケイだ」
 ニコとクロスさんに説明する
「はい、動画見て予習してます」
「動画と実際にやるのは、かなり違うからな」
「はい」
「みんな準備はいい?」
 それぞれが頷く。
「まあ、最初だから、気負わずに行こう」
 カウントダウンのタイマーを10秒でセットする。

 目の前のカウントが1秒ずつ減っていく。
 2秒になったあたりで俺は走り出し、1秒の段階でシールドスルーをなげるとちょうど0秒で着弾するという計算だ。

 2秒で走り出したとき、隣でなにか詠唱をしている声が聞こえてきた。
「プラズマエクスプローディング!!!」
「は?」
 ベンケイに赤く輝く球がぶつかり、破裂したかと思えば再度、また同じ現象が起きる。
「は?」
 一人を除いて全員がきょとんとしている。

 ベンケイが攻撃をしてきた物に対してすっ飛んでいき、薙刀で切り伏せる。クロスさんはあえなくお亡くなりになってしまった。
 すぐに『罵倒』というアビリティを使い、タゲを取る。

 中央にベンケイを誘導する。

 薙刀攻撃を受けながら、ベンケイの前に立つ。
 クロスさんは、アリシャさんに蘇生の蘇生を受け復活している。
 顔はすまなさそうな顔をして、攻撃に参加している。

 ニコやクロスさんは周りを見る余裕がないように見える。

 ベンケイのHPが90%を切ろうとしている。

 すると突然ベンケイがしゃべり出す

「おまえらの攻撃など、痛くも痒くもないわ!!」
 ベンケイが叫ぶと腕を組み、そのまま立っている。

 全員で攻撃を加える。
 1分ほど経つ

「おう、おう、おう、おめえらこの程度の攻撃で、俺を倒そうとは片腹痛し!!」
 ベンケイがそういうと、弁慶の周囲に無数の武器が出現し一気に放たれる

 目の前が真っ白になる。

 RE STARTという文字が目の前に表示される

「今の何で全滅したかわかる?」
 クロスさんとニコに問いかける
「火力が足りなかった?」
「そうだね、あれが仁王立ちモードでDPSチェックなんだ」
 DPSチェックとは一定の火力を出すことができないと、その次のフェーズに進むことができないというものだ。

「なるほど…」
「どうやってチェックを抜けたらいいか考えてみて」
 レイド未経験の二人に答えを出してもらうように、促す、この先DPSチェックはよくあることで、メンバーで話をして、いかに火力を集中させるかを決めていく必要がある。
「コハダさん、仁王立ちの前に犬だせますか?」
「いいよ、犬だすね」
「ガヤさんは免疫低下をおねがいします」
「おーけー、おーけー」
「イツカさんには、点滴でDPS陣にバフをお願いします」
「了解」
 ニコが的確に指示を出している。

 俺はあえて、レイド経験者に仁王立ちのときにバフを使わないようにお願いをしていた、こうすることで、お互いが、タイミングを合わせてバフを使う、打ち合わせがレイドでは必要不可欠なことであることを学べるはずだ。

 ニコには効果があったようだが、クロスさんは考え込んでいるようようであった。
 最初のミスか…
「クロスさん大丈夫?」
「すいません、最初にミスってしまって…」
「大丈夫ですよ、私も緊張してスキル回しとんでもないことになってました、全然闘気のストックができてなかったです」
「うん、ニコちゃんのミスもひどかったよ、目立ってないだけで」
  ガヤさんもフォローを入れてくれている

「最初レイドだから緊張するのは仕方ない、俺もペット出し忘れてたし」
「コハダさん…」
「いつもの通りやれば、クロスさんは問題なしですわ、タナカのほうが問題だから」
「俺、なんもミスってないような?」
「爆裂とんだ瞬間に罵倒いれればいいでしょ!ミスをフォローして」
「…はい」
「このとおりクロス氏は問題ない」
 シュラウドさんは、全くぶれない従者の鏡だ

「初体験のときはそんなもんだから」
 イツカさんもフォローをしてくれている
「ありがとう」
 みんなの檄を受けて、クロスさんの顔は少し明るくなった。

「そいじゃ、もう一回いくよ」
 カウントダウンを開始する。
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