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トップを狙え! PVP始めました
第15話 勝敗の行方
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観客席でショーグンが暗闇に掛かったのを見てシゲゾーはガッツポーズを取る。
隣にいたタケシはそれをみてシゲゾーに話しかける。
「さっきの忍者、エイジに沈黙を入れたって言ってましたよね?」
「ああ、俺達は昨日とある対処法を見つけたんだ」
「とある対処法?」
タケシは怪訝そうな顔をする。
「デバフを使って騙せばいいんだ」
シゲゾーはタケシにそう言った。
――昨日
八方塞がりで打つ手なし……そんなふうに思えたが……あることに気がついた俺はシゲゾーに話しかける。
「でもさ、ショーグンより早くデバフを掛ければいいだけじゃない?」
試合開始直後にショーグンが最速で沈黙を使ったとしても俺のデバフも同時に掛かるはず、そうなれば俺のほうが断然有利になる。沈黙はスキルが使えなくなるだけ、開幕にデバフさえ入ってしまえばショーグンであろうと怖くない。
「ああ、それも考えたんだが……恐らく連中は俺達と同じことを狙ってるはず」
「俺達と同じこと?」
シゲゾーは眉をひそめ話を続ける。
「闘技場にマッチングをした瞬間、沈黙を使ってくるということだ」
「え……」
「忍者3人配置すればいいだけだからな、簡単なことだ」
「そっか……でもそれなら沈黙を喰らわないように注意すれば」
「忍者には見破るっていうアビリティがある。このアビリティは使われた相手の一部ステータスをみることができる。デバフが入っているかどうかの確認ができるってことだ」
「……受け付けで俺がデバフに罹らなければ、ショーグンは適当に理由を付けて戦わなければいいってだけか……」
「そう言うことだ。俺達が敵前逃亡をすることを選べば、お前は大炎上しかねない……連中が敵前逃亡したところで負けるよりはダメージは少ない」
「……どうすれば……」
シゲゾーはもう諦めたというような表情をする。
「お前の今の実力じゃスキルなしでは、ショーグンには勝てない……」
「……」
……なにか方法はないのか?……なにか……シゲゾーが言うようにもう打つ手はないのか……
手に持った沈黙の盾が目に入る。
しかしヘパイスには本当に腹が立つ! なんなんだこの盾はイヤミか? キングの件もある……今度あったら絶対に仕返ししてやる……
そんなことを考えていたら腹が立ってきて肩が震える。
それをみてシゲゾーが話しかけてくる
「どうした? 怖くなったか?」
「いや、ヘパイスにクッソ腹が立ってきて、沈黙効果(永続)なんてただのイヤミでしょ」
「あははは……」
一瞬シゲゾーは笑うと少し考え込むような表情をみせ
「エイジその盾装備してみてくれ」
「いいけどなんで? もう捨てるよ」
口を手で塞いだ女の意匠が掘られている盾を装備する。視界に沈黙と表示され、口を手で塞いだアイコンに∞のマークが書かれている。
「ほんとの呪いのアイテムだよこれ」
俺がそういうとシゲゾーは俺の背後に立ち
「騙し討ち。沈黙」
と呟き、どかっという音がしHPが3ほど減る。
「なにすんだよ! 」
「まっいいからそれで盾外してみ」
「あ、ああ」
盾を装備から外してみると沈黙も同時に消える。
「見破る」
そう呟くシゲゾー、そして俺の方を見る。
「そうか……そういう事か! やった!……ヘパイスのおかげだ!! 勝てる! 勝てるぞ!! 」
一人興奮し手で顔を覆い喜びを隠しきれない様子。
「一体なんなんだよ。意味が分かんないんだけど」
不機嫌そうに言うとシゲゾー満面の笑みで答える
「その盾だよ。エイジ、その盾であらかじめ沈黙を入れておけばいいんだよ」
「は? 」
「その盾は永続効果で沈黙が入っている。それに沈黙を重ねても更新されない。つまりその盾を装備して沈黙喰らっても、新たな沈黙は入らない。そして盾を外せば沈黙効果はなくなる」
「……あ……」
予め沈黙の盾を装備しておいて沈黙状態永続になる。受け付けで敵の忍者に沈黙を付与されても、最初から永続状態で沈黙が入っているから、忍者の沈黙は無効になる。忍者に見破るを使われても沈黙が入っているという状態は変わらない。
そしてこのゲームは戦闘中は装備の換装はできない……が待合室は戦闘中ではないから沈黙の盾を外すことができる。
「そうだ! 気がついたみたいだな。より強力なデバフを使ってショーグンをいやエウロペア防衛軍を騙す! 俺達らしい戦法だ! 」
◇◆◇
「クソが!! なんのために1500万払ったっていうんだ! 」
俺の目の前には暗闇を喰らって狼狽しているショーグンがいる。
全てが上手くいった。あとはあいつを倒すだけ。
そのまま剣を振り上げ、いつものようにWSコンボを発動させようとすると……
「この手は使いたくなかったがな……こうなってしまっては仕方ない……俺は負けるわけにいかんからな……ファランクスの発動! 」
奴は確かにそういった。
するとピタリとも動かなくなるショーグン、そのまま俺は
「エンドオブハート! 」
と叫び斬りつける。
え? 俺はその結果に驚きを隠せない。
ショーグンから飛び出したダメージは0
「その音……どうやら俺を攻撃したようだな……冥土の土産に教えてやる。俺のスキル、ファランクスは120秒間身動きが取れなくなるが、防御力が恐ろしく高くなるのだ。このまま暗闇が消えるまで、俺はこのファランクスで守り切る!」
「ふーん」
「お前の負けは決まったようなもの! 120秒後に後悔してもしらんぞ!! 」
「ターゲットインフェクション」
俺がそう言うとショーグンは驚きの声を上げる
「は? 防御力低下大だと!! 」
「俺の今の武器、真・呪いの剣は自身に防御力低下大を付与する。俺のスキルは知ってるんだろう? 」
シゲゾー曰く、タンク同士だとどうしても長丁場になりやすい、対タンク戦ではこの武器が有効になる……
「……嫌だーーー負けたくない!! 嫌だーーーー!! 」
体を動かすことができないショーグンはひたすら喚く。
散々喚いたあと小声で俺に話しかけてくる。
「どうだ俺と取引しないか? 俺に勝ちを譲れ、10万払う。リアルマネーの10万だ。どうだ?」
ゴクリ……10万……高校生の俺には大金だ……でも……
「10万で信頼を裏切れっていうのか? バカじゃねーの? それにまだお年玉がのこってんだよ! 足元見てんじゃねー!! 」
俺はそう叫ぶと動けなくなった的をそのまま連続で斬りつけまくる。
そして視界にVictoryと表示された。
隣にいたタケシはそれをみてシゲゾーに話しかける。
「さっきの忍者、エイジに沈黙を入れたって言ってましたよね?」
「ああ、俺達は昨日とある対処法を見つけたんだ」
「とある対処法?」
タケシは怪訝そうな顔をする。
「デバフを使って騙せばいいんだ」
シゲゾーはタケシにそう言った。
――昨日
八方塞がりで打つ手なし……そんなふうに思えたが……あることに気がついた俺はシゲゾーに話しかける。
「でもさ、ショーグンより早くデバフを掛ければいいだけじゃない?」
試合開始直後にショーグンが最速で沈黙を使ったとしても俺のデバフも同時に掛かるはず、そうなれば俺のほうが断然有利になる。沈黙はスキルが使えなくなるだけ、開幕にデバフさえ入ってしまえばショーグンであろうと怖くない。
「ああ、それも考えたんだが……恐らく連中は俺達と同じことを狙ってるはず」
「俺達と同じこと?」
シゲゾーは眉をひそめ話を続ける。
「闘技場にマッチングをした瞬間、沈黙を使ってくるということだ」
「え……」
「忍者3人配置すればいいだけだからな、簡単なことだ」
「そっか……でもそれなら沈黙を喰らわないように注意すれば」
「忍者には見破るっていうアビリティがある。このアビリティは使われた相手の一部ステータスをみることができる。デバフが入っているかどうかの確認ができるってことだ」
「……受け付けで俺がデバフに罹らなければ、ショーグンは適当に理由を付けて戦わなければいいってだけか……」
「そう言うことだ。俺達が敵前逃亡をすることを選べば、お前は大炎上しかねない……連中が敵前逃亡したところで負けるよりはダメージは少ない」
「……どうすれば……」
シゲゾーはもう諦めたというような表情をする。
「お前の今の実力じゃスキルなしでは、ショーグンには勝てない……」
「……」
……なにか方法はないのか?……なにか……シゲゾーが言うようにもう打つ手はないのか……
手に持った沈黙の盾が目に入る。
しかしヘパイスには本当に腹が立つ! なんなんだこの盾はイヤミか? キングの件もある……今度あったら絶対に仕返ししてやる……
そんなことを考えていたら腹が立ってきて肩が震える。
それをみてシゲゾーが話しかけてくる
「どうした? 怖くなったか?」
「いや、ヘパイスにクッソ腹が立ってきて、沈黙効果(永続)なんてただのイヤミでしょ」
「あははは……」
一瞬シゲゾーは笑うと少し考え込むような表情をみせ
「エイジその盾装備してみてくれ」
「いいけどなんで? もう捨てるよ」
口を手で塞いだ女の意匠が掘られている盾を装備する。視界に沈黙と表示され、口を手で塞いだアイコンに∞のマークが書かれている。
「ほんとの呪いのアイテムだよこれ」
俺がそういうとシゲゾーは俺の背後に立ち
「騙し討ち。沈黙」
と呟き、どかっという音がしHPが3ほど減る。
「なにすんだよ! 」
「まっいいからそれで盾外してみ」
「あ、ああ」
盾を装備から外してみると沈黙も同時に消える。
「見破る」
そう呟くシゲゾー、そして俺の方を見る。
「そうか……そういう事か! やった!……ヘパイスのおかげだ!! 勝てる! 勝てるぞ!! 」
一人興奮し手で顔を覆い喜びを隠しきれない様子。
「一体なんなんだよ。意味が分かんないんだけど」
不機嫌そうに言うとシゲゾー満面の笑みで答える
「その盾だよ。エイジ、その盾であらかじめ沈黙を入れておけばいいんだよ」
「は? 」
「その盾は永続効果で沈黙が入っている。それに沈黙を重ねても更新されない。つまりその盾を装備して沈黙喰らっても、新たな沈黙は入らない。そして盾を外せば沈黙効果はなくなる」
「……あ……」
予め沈黙の盾を装備しておいて沈黙状態永続になる。受け付けで敵の忍者に沈黙を付与されても、最初から永続状態で沈黙が入っているから、忍者の沈黙は無効になる。忍者に見破るを使われても沈黙が入っているという状態は変わらない。
そしてこのゲームは戦闘中は装備の換装はできない……が待合室は戦闘中ではないから沈黙の盾を外すことができる。
「そうだ! 気がついたみたいだな。より強力なデバフを使ってショーグンをいやエウロペア防衛軍を騙す! 俺達らしい戦法だ! 」
◇◆◇
「クソが!! なんのために1500万払ったっていうんだ! 」
俺の目の前には暗闇を喰らって狼狽しているショーグンがいる。
全てが上手くいった。あとはあいつを倒すだけ。
そのまま剣を振り上げ、いつものようにWSコンボを発動させようとすると……
「この手は使いたくなかったがな……こうなってしまっては仕方ない……俺は負けるわけにいかんからな……ファランクスの発動! 」
奴は確かにそういった。
するとピタリとも動かなくなるショーグン、そのまま俺は
「エンドオブハート! 」
と叫び斬りつける。
え? 俺はその結果に驚きを隠せない。
ショーグンから飛び出したダメージは0
「その音……どうやら俺を攻撃したようだな……冥土の土産に教えてやる。俺のスキル、ファランクスは120秒間身動きが取れなくなるが、防御力が恐ろしく高くなるのだ。このまま暗闇が消えるまで、俺はこのファランクスで守り切る!」
「ふーん」
「お前の負けは決まったようなもの! 120秒後に後悔してもしらんぞ!! 」
「ターゲットインフェクション」
俺がそう言うとショーグンは驚きの声を上げる
「は? 防御力低下大だと!! 」
「俺の今の武器、真・呪いの剣は自身に防御力低下大を付与する。俺のスキルは知ってるんだろう? 」
シゲゾー曰く、タンク同士だとどうしても長丁場になりやすい、対タンク戦ではこの武器が有効になる……
「……嫌だーーー負けたくない!! 嫌だーーーー!! 」
体を動かすことができないショーグンはひたすら喚く。
散々喚いたあと小声で俺に話しかけてくる。
「どうだ俺と取引しないか? 俺に勝ちを譲れ、10万払う。リアルマネーの10万だ。どうだ?」
ゴクリ……10万……高校生の俺には大金だ……でも……
「10万で信頼を裏切れっていうのか? バカじゃねーの? それにまだお年玉がのこってんだよ! 足元見てんじゃねー!! 」
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