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トップを狙え! PVP始めました
第2話 ムカデ団のキング
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話しだけでもしてみるか……どうせこいつ暫く動けないだろうし。
「お前らってPvP強いの?」
俺がそう言うとシゲゾーは目を見開いて答える。
「もちろん! アルター1のPK集団だぜ。俺達ムカデ団は! 背中にシンボルにムカデがいるだろ? 」
確かにシゲゾーの服の背中に大きなムカデの絵が書かれている。
「確かに……」
「だろ? 俺はムカデ団の一員なの」
「だったらあんたも強いのか?」
「もちろん。屠ったプレイヤーは100を超えるぜ」
「じゃあなんで素人の俺に負けてんのさ」
「そ、それはお前のスキルを知らなかった所為だ。自分のデバフを他人につけられるスキルなんて聞いた事もない。それに麻痺無効だぜ? 俺の装備」
「ふーん」
「あんたPKに興味あるの?」
「PKというか……」
「ははーん、さては闘技場だな? 闘技場をやりたいけどPvPやったことないしなぁどうしようかなぁって感じか?」
コクリと頷き俺は話始める。
「実は……」
タケシに言われたことをシゲゾーに説明する。
「なるほど。そのリアフレが言ってることも分からんでもないな」
俺は手に持っていた剣を無言で振り上げる。
「ま、待て! 分からんでもないだから! 貶してる訳じゃない! 」
「分かった」
剣を鞘に収める。
「それじゃ俺について来い」
じーっと俺はシゲゾーを見る。シゲゾーはまだ動かない……
「すまん……まだ麻痺ってた……」
30秒ほど待つとシゲゾーの麻痺が解けたのか体を動かし始め、体をねじったりストレッチをしてから俺に話しかける。
「名前は……エイジくんか、フレ送っとく」
「……」
シゲゾー・ハットリからフレンド申請されましたと表示される。
NO
「は?」
きょとんとした顔で俺を見るシゲゾー。
「友達はまだ早いかなって」
「いやいや友達からスタートだろ! 」
「普通、自分を殺そうとした奴と友達になれる?」
「そりゃそうだけどエイジは強くなりてーんだろ? それならフレになった方が面倒くさくないだろ! 」
「まぁ……確かに……」
結局シゲゾーとフレになった。
「さあ、エイジ俺についてこい。ムカデ団のアジトに連れて行ってやる」
「なんでそんなとこにいかなきゃならんの? やっぱり俺を殺すつもりか?」
怪訝な顔でシゲゾーを見る。
シゲゾーはヤレヤレといった表情をし
「対人が強くなる近道は、色んな奴と戦うことだ。ずーっと俺だけと戦ってても仕方ないだろ?」
「ほー……」
感心の声をあげる俺にシゲゾーは得意げな顔をして
「アジトには俺より強い奴もソコソコいる。強い奴と戦えばさらに強くなれるんだ」
「へぇぇなんか武道みたいだな」
「そりゃそうだろVRスポーツって言うぐらいだしな」
「ふーん」
シゲゾーに付いて歩いて行くと話し掛けてくる。
「そうそうエイジに言っとくことがある。PvPで勝ちたけりゃスキルはバレないようにすること。アジトでも俺以外にスキルの効果を言ったらダメだぞ」
「なんで?」
「そりゃ予めスキルが分かれば対策するだろ。エイジと2回目戦うなら俺は対策を考えるから負けん」
「……確かに」
「だから音声認識でスキルが連想されるのは止めといた方がいいし、スキルを連想しないようにしたほうがいいな。実際エイジのスキルの効果、音声認識で分かったしな」
「なるほど……なら『エイジ! 行きまーす! 』とかにしとけばいいのかな……」
「あはははそりゃいいな」
そんなことを話しながら歩いているとシゲゾーが呟く。
「まだキング、ログインしてんな」
「キング?」
「ああ。俺達ムカデ団のリーダー。キングことトゥエルブサーティーンだ」
12か13どっちかはっきりしろよ……
「強いの?」
「くっそ強い。アルター最強かもしれん」
「へぇぇそんなに」
「俺達ムカデ団は自然発生したクランなんだ」
「自然発生? 」
「ああ、みんなで集まって作ろうって作ったクランじゃないってこと」
「え? どいうこと?」
「あれはサービス開始されて1ヶ月ぐらいだったかな。くっそつよいPKがセンテピードの遺跡にいるって話題になったんだ」
「へぇぇ」
「それで名のあるPK達が挑んだってわけよ。当然俺もその中に含まれてるがな。それで全員がキングに負けたってわけ、みんなムキになってキングに挑むけどみんな返り討ちにあってな。それを繰り返してるうちに仲良くなってムカデ団の結成ってわけよ」
「そんなにつええんだキングって」
「ああ。ちょっと次元が違うかな」
「今日会えるの?……会ってみたいな」
「無理だよ」
「なんでよ? 知らない人とは会わないの? 人見知りなの? キングなのに? 」
「ちげぇぇよ! キングは1日にきっかり1時間しかログインしねぇぇんだよ」
「なんで1時間なんだよ! 」
「知るか! 昔から1時間きっかりでログオフすんだよ!」
話題も無くなり黙々と歩くこと5分。
「ここだ」
いかにも盗賊とかのアジトにしか見えない洞窟。シゲゾーはその洞窟の中に入っていく。
洞窟に入るなりライオンの顔をしたライオネル族の忍者のような格好をした男がシゲゾーに話しかけてくる。
「そいつは入団希望?」
「まあ、そんなとこ。キングこっちにいる? 」
「いや闘技場いってるみたいだな」
「じゃあ無理かな……こいつ紹介したかったんだけど」
その男は俺を値踏みするような目で見る。そしてシゲゾーにコソコソと話しかけているが丸聞こえだ。
「こいつ弱そうだけど? 入れんの? 最近質が低下してるって古参みんながいってるしなぁ」
「そうか? 俺に勝った男だ」
「まじで! 」
シゲゾーがそう言うとその男の見る目が変わる。
するとシュンと転移してくる音が聞こえそちらをみると、ヒューマン族のイケメンな男が剣を片手に立っている。
それを見てシゲゾーは「キング!」と声をかける。
「シゲゾーか、隣の人だれ?」
とキングは中学生ぐらいの声でそう言うとブスンと姿を消した。
「お前らってPvP強いの?」
俺がそう言うとシゲゾーは目を見開いて答える。
「もちろん! アルター1のPK集団だぜ。俺達ムカデ団は! 背中にシンボルにムカデがいるだろ? 」
確かにシゲゾーの服の背中に大きなムカデの絵が書かれている。
「確かに……」
「だろ? 俺はムカデ団の一員なの」
「だったらあんたも強いのか?」
「もちろん。屠ったプレイヤーは100を超えるぜ」
「じゃあなんで素人の俺に負けてんのさ」
「そ、それはお前のスキルを知らなかった所為だ。自分のデバフを他人につけられるスキルなんて聞いた事もない。それに麻痺無効だぜ? 俺の装備」
「ふーん」
「あんたPKに興味あるの?」
「PKというか……」
「ははーん、さては闘技場だな? 闘技場をやりたいけどPvPやったことないしなぁどうしようかなぁって感じか?」
コクリと頷き俺は話始める。
「実は……」
タケシに言われたことをシゲゾーに説明する。
「なるほど。そのリアフレが言ってることも分からんでもないな」
俺は手に持っていた剣を無言で振り上げる。
「ま、待て! 分からんでもないだから! 貶してる訳じゃない! 」
「分かった」
剣を鞘に収める。
「それじゃ俺について来い」
じーっと俺はシゲゾーを見る。シゲゾーはまだ動かない……
「すまん……まだ麻痺ってた……」
30秒ほど待つとシゲゾーの麻痺が解けたのか体を動かし始め、体をねじったりストレッチをしてから俺に話しかける。
「名前は……エイジくんか、フレ送っとく」
「……」
シゲゾー・ハットリからフレンド申請されましたと表示される。
NO
「は?」
きょとんとした顔で俺を見るシゲゾー。
「友達はまだ早いかなって」
「いやいや友達からスタートだろ! 」
「普通、自分を殺そうとした奴と友達になれる?」
「そりゃそうだけどエイジは強くなりてーんだろ? それならフレになった方が面倒くさくないだろ! 」
「まぁ……確かに……」
結局シゲゾーとフレになった。
「さあ、エイジ俺についてこい。ムカデ団のアジトに連れて行ってやる」
「なんでそんなとこにいかなきゃならんの? やっぱり俺を殺すつもりか?」
怪訝な顔でシゲゾーを見る。
シゲゾーはヤレヤレといった表情をし
「対人が強くなる近道は、色んな奴と戦うことだ。ずーっと俺だけと戦ってても仕方ないだろ?」
「ほー……」
感心の声をあげる俺にシゲゾーは得意げな顔をして
「アジトには俺より強い奴もソコソコいる。強い奴と戦えばさらに強くなれるんだ」
「へぇぇなんか武道みたいだな」
「そりゃそうだろVRスポーツって言うぐらいだしな」
「ふーん」
シゲゾーに付いて歩いて行くと話し掛けてくる。
「そうそうエイジに言っとくことがある。PvPで勝ちたけりゃスキルはバレないようにすること。アジトでも俺以外にスキルの効果を言ったらダメだぞ」
「なんで?」
「そりゃ予めスキルが分かれば対策するだろ。エイジと2回目戦うなら俺は対策を考えるから負けん」
「……確かに」
「だから音声認識でスキルが連想されるのは止めといた方がいいし、スキルを連想しないようにしたほうがいいな。実際エイジのスキルの効果、音声認識で分かったしな」
「なるほど……なら『エイジ! 行きまーす! 』とかにしとけばいいのかな……」
「あはははそりゃいいな」
そんなことを話しながら歩いているとシゲゾーが呟く。
「まだキング、ログインしてんな」
「キング?」
「ああ。俺達ムカデ団のリーダー。キングことトゥエルブサーティーンだ」
12か13どっちかはっきりしろよ……
「強いの?」
「くっそ強い。アルター最強かもしれん」
「へぇぇそんなに」
「俺達ムカデ団は自然発生したクランなんだ」
「自然発生? 」
「ああ、みんなで集まって作ろうって作ったクランじゃないってこと」
「え? どいうこと?」
「あれはサービス開始されて1ヶ月ぐらいだったかな。くっそつよいPKがセンテピードの遺跡にいるって話題になったんだ」
「へぇぇ」
「それで名のあるPK達が挑んだってわけよ。当然俺もその中に含まれてるがな。それで全員がキングに負けたってわけ、みんなムキになってキングに挑むけどみんな返り討ちにあってな。それを繰り返してるうちに仲良くなってムカデ団の結成ってわけよ」
「そんなにつええんだキングって」
「ああ。ちょっと次元が違うかな」
「今日会えるの?……会ってみたいな」
「無理だよ」
「なんでよ? 知らない人とは会わないの? 人見知りなの? キングなのに? 」
「ちげぇぇよ! キングは1日にきっかり1時間しかログインしねぇぇんだよ」
「なんで1時間なんだよ! 」
「知るか! 昔から1時間きっかりでログオフすんだよ!」
話題も無くなり黙々と歩くこと5分。
「ここだ」
いかにも盗賊とかのアジトにしか見えない洞窟。シゲゾーはその洞窟の中に入っていく。
洞窟に入るなりライオンの顔をしたライオネル族の忍者のような格好をした男がシゲゾーに話しかけてくる。
「そいつは入団希望?」
「まあ、そんなとこ。キングこっちにいる? 」
「いや闘技場いってるみたいだな」
「じゃあ無理かな……こいつ紹介したかったんだけど」
その男は俺を値踏みするような目で見る。そしてシゲゾーにコソコソと話しかけているが丸聞こえだ。
「こいつ弱そうだけど? 入れんの? 最近質が低下してるって古参みんながいってるしなぁ」
「そうか? 俺に勝った男だ」
「まじで! 」
シゲゾーがそう言うとその男の見る目が変わる。
するとシュンと転移してくる音が聞こえそちらをみると、ヒューマン族のイケメンな男が剣を片手に立っている。
それを見てシゲゾーは「キング!」と声をかける。
「シゲゾーか、隣の人だれ?」
とキングは中学生ぐらいの声でそう言うとブスンと姿を消した。
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