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第1章 世界の果てと老騎士
第5話 旅
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――5年後
広大な砂漠や亡者たちが彷徨う異質な生者の森が点在している。ここは世界の果てと呼ばれる場所。
人はとても住めないと思われるような場所であるが、見通しのよい野原に小さな家が寄り添うように10軒ほど集まり集落を形成している。
かつて島流しになったものや、その子孫など世界の果てで生き延びている。
そして今日も若い男の声が響く。
「ここだ!!」
俺は飛び上がり、手にしている木剣を振り下ろす。
カーンという木同士がぶつかる乾いた音が響く。
俺の剣を受け止めたのは、白髪で眉間から頬にかけて大きな傷のある老人。
その剣を手元まで滑らせ、俺の手首をくるりと返し俺が剣を手から離す。
「まだまだ小僧だな」
「くっそー」
それをみて集落おばちゃん達が声をかけてくる。
「まだまだ、ぜんぜんだねぇラグウェル」
俺はアルファルドに拾われてから5年間ずっとアルファルドから剣を学んでいる…といってもあの人は最初に握り方だけを教えて、あとは私を倒せというだけのものだった。
5年間毎日朝に昼に夕にと勝負を挑みその戦績、0勝5475敗…
俺達はこの小さな集落に居を構えている。
月の半分は旅にでて、もう半分はここで過ごす。
その生活を5年つづけてきた。
「行くぞ」
「うん」
俺は鎖帷子を下にきて上にはぼろ布の外套を纏い腰にはシリウス鋼の剣を挿す。アルファルドも同じような格好をし、そして馬に2人分が2週間は生活できるための装備を積み込む。
「それじゃ、よろしくたのみます」
アルファルドが集落のおばちゃんに声を掛け、俺とアルファルドは旅に出る。
今回の旅は、東の果てにある生者の森。
アルファルドの旅の目的である『覚者』おそろしく強い化け物、俺達はそれを探して旅をしている。
5年前に対峙してからも数度戦ったことがあるが、倒すまでには至らない、いや奴は年を重ねるにつれ強くなっている。今度、会敵した場合は俺たちは殺されるかもしれない。
東の果てにある生者の森には死者の砂漠を越えていくしかない、死者の砂漠とは俺がアルファルドに拾われた広大な砂漠だ。
森に囲まれた平坦な野原をまっすぐに歩いていく。
アルファルドは馬を引き、俺はその後ろをついて歩く。
半日ほど歩き、陽が傾き始め、目の前に集落が現れる。
アルファルドが口を開く
「今日はここで寝るか」
「分かった」
俺が馬から荷を下ろす、集落の男の人がでてきて話しかけてくる。
「アルファルドさん、いい酒が手に入ったんだけど仕事を頼んでいいですか?」
「酒?ものをみてからだな」
アルファルドの表情は明らかにうれしそうだ。
この男、酒に目が無い、この前は馬と酒を交換しようとしたため俺が慌てて止めたこともある。
「これです、上物のブランデーです」
男はそういって、荷物の中から高級そうなガラスの瓶には入った茶色の液体をアルファルドに見せている。
「たしかに、物は良さそうだな」
男はカップに少しだけその液体をそそぎ、アルファルドに勧める。
カップを揺らし、匂いを嗅ぎ、ニヤリと笑い一口含む。
そして何とも言えない幸せそうな顔をする。
「うむ、たしかに上物だな」
「ちょっとアルファルド!」
「大丈夫、馬と交換はしないから!」
男の人は笑いながら話に加わる。
「大丈夫ですよ、仕事を頼むだけですから」
ほらというような勝ち誇った顔をアルファルドは俺に見せる。
俺は男の人に確認をする。
「仕事ってなんですか?」
男の人は森を指さし
「亡者退治」
と話す。
「あーもうすぐ新月ですねたしか」
普段は森にいる亡者なのだが、新月の夜に森からでてくることがある。その時に人を襲い畑を荒らしたりすることもあるため、たまにこういった依頼を受けることがある。
「そうなんですよ、もうそろそろアルファルドさんがくると思って、お酒を手に入れた次第です」
アルファルドは張り切り
「じゃあちゃちゃっと暗くなるうちに終わらせよう」
そういって森へ歩いていく。
「もう!ちょっとまって!」
俺はそのあとをついていく。
森の中は相変わらず、異様な雰囲気である。森へは覚者探しのためよく来るのだが、いまだにこの雰囲気だけは馴染めない。
2人で森の中へ入って10分ほどがたった、陽も大分落ちてきて暗くなってきており、俺は松明の準備をしているととある気配に気が付く。
アルファルドが小声で話す。
「小僧」
「わかってるよ10いや15ぐらい?」
「ああそうだなそれぐらいだ」
「俺にやらせてくれる?」
「じゃあ任せる」
俺は火のついた松明をアルファルドに渡す。
俺は剣を抜き構え、息をフーっと吐く。
するとガサガサと草木が揺れ、その揺れたところから、赤い瞳の痩せて腹だけがでっぷりとでた人間のようなものが飛び出してくる。
「ギーーーー!!」
俺はその飛び出してきた奴の頭に剣を突き立て引き抜く。
そしてその剣を払う。すると真っ黒な血が地面に落ちる。
その一連の動作が終わった瞬間、亡者たちが一斉に襲い掛かってきた。
俺は右手に剣を持ち、襲い掛かってくる亡者に斬りかかる。
地面を蹴り宙を舞いながら斬りつけ、その返す刀で後ろにいる亡者の胸を一突きにする。
近距離から噛みつきにきた亡者には、死体を盾にしそのまま押し返し死体ごと剣を突き刺す。
そのまま剣を抜くと背後から飛びかかってくる亡者。体の向きはそのままに、剣先のみを背後に出す、飛びかかってきた亡者はそこに刺さる。
そうして俺は死体の山を築いていく。
アルファルドはというと松明をもってそのまま突っ立っており、我関せずといった雰囲気をだしていたが亡者はそんなこともお構いなしに襲い掛かってくる。その亡者をこっちに蹴り飛ばす。
俺は蹴り飛ばされてきた亡者の首をそのままはねた。
もう動いている亡者は見えない。
「これで終わりかな」
「甘いな」
アルファルドがそういって俺めがけてナイフを投げる。俺がそれをかわすと俺の後ろにいた亡者の額にナイフの柄が生え倒れた。
「ったく小僧は詰があまいわ、だからいつまでも小僧なんだよ」
「わかってたし」
「強がりいうな」
俺は剣を鞘に収める。
「この規模の森だとこんなもんかな」
「そうだな、これでこの森の亡者はいなくなったとおもうが」
森の規模や大きさによって亡者の数は変わる、この森は規模は普通だったので大体10体前後だと俺達は判断をした。亡者は一度倒すと半年は現れることはない。
俺達はすっかりと夜を迎えた森を後にし、集落に戻った。
広大な砂漠や亡者たちが彷徨う異質な生者の森が点在している。ここは世界の果てと呼ばれる場所。
人はとても住めないと思われるような場所であるが、見通しのよい野原に小さな家が寄り添うように10軒ほど集まり集落を形成している。
かつて島流しになったものや、その子孫など世界の果てで生き延びている。
そして今日も若い男の声が響く。
「ここだ!!」
俺は飛び上がり、手にしている木剣を振り下ろす。
カーンという木同士がぶつかる乾いた音が響く。
俺の剣を受け止めたのは、白髪で眉間から頬にかけて大きな傷のある老人。
その剣を手元まで滑らせ、俺の手首をくるりと返し俺が剣を手から離す。
「まだまだ小僧だな」
「くっそー」
それをみて集落おばちゃん達が声をかけてくる。
「まだまだ、ぜんぜんだねぇラグウェル」
俺はアルファルドに拾われてから5年間ずっとアルファルドから剣を学んでいる…といってもあの人は最初に握り方だけを教えて、あとは私を倒せというだけのものだった。
5年間毎日朝に昼に夕にと勝負を挑みその戦績、0勝5475敗…
俺達はこの小さな集落に居を構えている。
月の半分は旅にでて、もう半分はここで過ごす。
その生活を5年つづけてきた。
「行くぞ」
「うん」
俺は鎖帷子を下にきて上にはぼろ布の外套を纏い腰にはシリウス鋼の剣を挿す。アルファルドも同じような格好をし、そして馬に2人分が2週間は生活できるための装備を積み込む。
「それじゃ、よろしくたのみます」
アルファルドが集落のおばちゃんに声を掛け、俺とアルファルドは旅に出る。
今回の旅は、東の果てにある生者の森。
アルファルドの旅の目的である『覚者』おそろしく強い化け物、俺達はそれを探して旅をしている。
5年前に対峙してからも数度戦ったことがあるが、倒すまでには至らない、いや奴は年を重ねるにつれ強くなっている。今度、会敵した場合は俺たちは殺されるかもしれない。
東の果てにある生者の森には死者の砂漠を越えていくしかない、死者の砂漠とは俺がアルファルドに拾われた広大な砂漠だ。
森に囲まれた平坦な野原をまっすぐに歩いていく。
アルファルドは馬を引き、俺はその後ろをついて歩く。
半日ほど歩き、陽が傾き始め、目の前に集落が現れる。
アルファルドが口を開く
「今日はここで寝るか」
「分かった」
俺が馬から荷を下ろす、集落の男の人がでてきて話しかけてくる。
「アルファルドさん、いい酒が手に入ったんだけど仕事を頼んでいいですか?」
「酒?ものをみてからだな」
アルファルドの表情は明らかにうれしそうだ。
この男、酒に目が無い、この前は馬と酒を交換しようとしたため俺が慌てて止めたこともある。
「これです、上物のブランデーです」
男はそういって、荷物の中から高級そうなガラスの瓶には入った茶色の液体をアルファルドに見せている。
「たしかに、物は良さそうだな」
男はカップに少しだけその液体をそそぎ、アルファルドに勧める。
カップを揺らし、匂いを嗅ぎ、ニヤリと笑い一口含む。
そして何とも言えない幸せそうな顔をする。
「うむ、たしかに上物だな」
「ちょっとアルファルド!」
「大丈夫、馬と交換はしないから!」
男の人は笑いながら話に加わる。
「大丈夫ですよ、仕事を頼むだけですから」
ほらというような勝ち誇った顔をアルファルドは俺に見せる。
俺は男の人に確認をする。
「仕事ってなんですか?」
男の人は森を指さし
「亡者退治」
と話す。
「あーもうすぐ新月ですねたしか」
普段は森にいる亡者なのだが、新月の夜に森からでてくることがある。その時に人を襲い畑を荒らしたりすることもあるため、たまにこういった依頼を受けることがある。
「そうなんですよ、もうそろそろアルファルドさんがくると思って、お酒を手に入れた次第です」
アルファルドは張り切り
「じゃあちゃちゃっと暗くなるうちに終わらせよう」
そういって森へ歩いていく。
「もう!ちょっとまって!」
俺はそのあとをついていく。
森の中は相変わらず、異様な雰囲気である。森へは覚者探しのためよく来るのだが、いまだにこの雰囲気だけは馴染めない。
2人で森の中へ入って10分ほどがたった、陽も大分落ちてきて暗くなってきており、俺は松明の準備をしているととある気配に気が付く。
アルファルドが小声で話す。
「小僧」
「わかってるよ10いや15ぐらい?」
「ああそうだなそれぐらいだ」
「俺にやらせてくれる?」
「じゃあ任せる」
俺は火のついた松明をアルファルドに渡す。
俺は剣を抜き構え、息をフーっと吐く。
するとガサガサと草木が揺れ、その揺れたところから、赤い瞳の痩せて腹だけがでっぷりとでた人間のようなものが飛び出してくる。
「ギーーーー!!」
俺はその飛び出してきた奴の頭に剣を突き立て引き抜く。
そしてその剣を払う。すると真っ黒な血が地面に落ちる。
その一連の動作が終わった瞬間、亡者たちが一斉に襲い掛かってきた。
俺は右手に剣を持ち、襲い掛かってくる亡者に斬りかかる。
地面を蹴り宙を舞いながら斬りつけ、その返す刀で後ろにいる亡者の胸を一突きにする。
近距離から噛みつきにきた亡者には、死体を盾にしそのまま押し返し死体ごと剣を突き刺す。
そのまま剣を抜くと背後から飛びかかってくる亡者。体の向きはそのままに、剣先のみを背後に出す、飛びかかってきた亡者はそこに刺さる。
そうして俺は死体の山を築いていく。
アルファルドはというと松明をもってそのまま突っ立っており、我関せずといった雰囲気をだしていたが亡者はそんなこともお構いなしに襲い掛かってくる。その亡者をこっちに蹴り飛ばす。
俺は蹴り飛ばされてきた亡者の首をそのままはねた。
もう動いている亡者は見えない。
「これで終わりかな」
「甘いな」
アルファルドがそういって俺めがけてナイフを投げる。俺がそれをかわすと俺の後ろにいた亡者の額にナイフの柄が生え倒れた。
「ったく小僧は詰があまいわ、だからいつまでも小僧なんだよ」
「わかってたし」
「強がりいうな」
俺は剣を鞘に収める。
「この規模の森だとこんなもんかな」
「そうだな、これでこの森の亡者はいなくなったとおもうが」
森の規模や大きさによって亡者の数は変わる、この森は規模は普通だったので大体10体前後だと俺達は判断をした。亡者は一度倒すと半年は現れることはない。
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