28 / 37
第28話 邪教の村その3
しおりを挟む
眩っ!! デュークの奴カーテン開けやがって……俺はまだ眠……じゃない!!
パッと目を開くと俺の身体には毛布が掛けられ、窓の外から太陽の光がピンポイントに俺の顔に当たっている。
窓の近くにいるカーテンを手に持った家の女の子が俺に話しかけてくる。
「朝だよーー!! 起きてー! 起きてー! 毛布掛けたの私だよー偉いでしょー」
「うん。ありがとう」
そう言って身体を起こすと奥さんと旦那さんがびっくりした表情をしているのが見える。
「……うそ……ほんとに生きてる……」
「おい、ちゃんとカエル食わせたんだろ?」
旦那さんが俺に聞こえないように奥さんにそういった。
奥さんは黙って頷く。
「カエルってなんですか? そういや昨日カエルの肉食ったような?」
旦那さんはビクッと肩をすくめこういった。
「……カエルなんて言ってませんよ……」
「おかしいなぁ……俺、聴覚強化(特)だからどんな小声で話しても聞こえちゃうんですよねぇ」
「言ってないったら言ってないって!!」
旦那さんが声を荒げると奥さんが肩を震わせながら「ごめんなさい! ごめんなさい!」と泣きながら謝ってくる。
その様子を見た旦那さんが子供を部屋連れて戻るのを見てから奥さんが俺に話し始める。
「……私達はあなたを殺すつもりでした……あのカエルはゲキドクシビレガエルっていうこの辺りにいる毒ガエルなんです……」
あ……なんか思い出した……俺が寝る直前に村長がそんなこと言ってたような気がする……あとなんか忘れてるような気がするけど……なんだっけ?
奥さんは話を続ける。
「あのカエルの毒は強力で一匹で3人は確実に死にます……それなのにあなた5匹以上食べてるのに何故か効かなかった……」
俺は胸を張って答える。
「ええ。俺は毒耐性(特)麻痺耐性(上)なんで毒や麻痺は効きません!」
その後小声で「睡眠耐性はないんですけどね……」と付け加えて言っておく。
「なにかはよく分からないけれど、あなたは毒が麻痺が効かない人間ってこと?」
俺は胸を張って答える。
「はい。毒も麻痺もききません!」
「あなたは死んだことになってます……早く逃げて下さい。あいつらが来る前に……」
「あいつら?」
すると子供部屋から戻ってきた旦那さんがバトンタッチをしたかのように話し始める。
「……あいつら……今の村長ことだ。今の村長とその取り巻きは邪教の使徒なんだ……この村はあいつらが来るまでは平和な村で……ちょうど3年前のこと……あいつらがこの村に現れて不思議な力を使って……」
旦那さんは悔しさを滲ませるように力強く拳を握る。
ふむふむ。大方、邪教の連中がここの村人を脅して言いなりにさせてるとかよくある話だな。
そういえば……邪教の徒を見つけたら俺に報告しろ全員叩き切ってやるとか偉そうなこと言ってる奴がいたような気がするんだが……誰だっけ?
んー
数秒目をつぶって真剣に考えてみる。
……あ!! アレジオ!!
「す、すいません!! 俺と一緒にいたあの人はどこへ?」
旦那さん首を横にふる。
「あなたのご主人は今晩、邪神の供物となります。あいつらは何故か貴族の血を集めてる……従者のあなたがご主人を助けたい気持ちはわかりますが……普通の人間じゃあいつらには勝てない……早く逃げて下さい……もし良ければ王都の騎士団にこの村のことを……」
俺はズボンの右ポケットに手を突っ込む。そうこのポケットは無限収納。このポケット中から盾の意匠が施された徽章を取り出して見せる。
「こ、この徽章は……」
キメ顔を作って俺は夫婦に話しかける。
「俺は騎士団のウェブ・ステイです。この村に着たのは邪教の調査です」
◇◆◇
蝋燭の灯りが揺れる地下室で手と足が縛られた一人の男が目を覚ます。その男の目の前には禿上がった頭のこの村の村長がいる。
「ど、どういうことだこれは……」
手と足を縛られたアレジオが村長に話しかけた。
「今晩は新月じゃ。新月の夜に貴族の血をガシャデール様に捧げるとその力は更に強化される……」
「ガシャデールだと! 貴様らは」
「……儂らのことはお前らはこう呼んでいる。邪教の使徒とな」
「だったら今すぐ俺を解放しろ! 命だけは助けてやる」
アレジオがそう言うと村長は肩を震わせて笑い始める。
「お、おぬしよ、今の自分の立場がわかっておるのか? なんで儂らがお前を解放せねばならん。それにフォーデ家といえば、建国の祖、サマルケルドの血を引くものそんな極上の血をみすみすと解放してなるものか!」
村長がそう言うとアレジオはこういった。
「残念だがお前ら計画通りにはならない。俺は騎士アレジオ・ファフナーだ! そして従者も平民だが騎士。その平民騎士が王都の騎士団に連絡して俺の命を救う為に大軍団でこちらに向かっているはずだ!」
アレジオは圧倒的不利な状況にも関わらずいつもの大きな態度で余裕を見せている。
村長はきょとんした表情を一瞬したのちため息を一つつく
「馬鹿め! あの男はゲキドクシビレガエル肉を食ったんだぞ! しかも3つも。もうこの世からおさらばしておるわ」
「え……」
アレジオの顔はみるみる青ざめていく。
ゴクリと喉を鳴らしてアレジオは村長に話しかける。
「あのう。俺、フォーデ家の人間じゃなくてファフナー家なんです!。それでも良いんですか!? サマルケルドの血も引いてないし、俺を殺しても何も良いことないと思います!!」
「ふん! 馬鹿め。騎士団の人間を生かして帰すわけなかろうが」
そう言って村長はアレジオを一蹴した。
パッと目を開くと俺の身体には毛布が掛けられ、窓の外から太陽の光がピンポイントに俺の顔に当たっている。
窓の近くにいるカーテンを手に持った家の女の子が俺に話しかけてくる。
「朝だよーー!! 起きてー! 起きてー! 毛布掛けたの私だよー偉いでしょー」
「うん。ありがとう」
そう言って身体を起こすと奥さんと旦那さんがびっくりした表情をしているのが見える。
「……うそ……ほんとに生きてる……」
「おい、ちゃんとカエル食わせたんだろ?」
旦那さんが俺に聞こえないように奥さんにそういった。
奥さんは黙って頷く。
「カエルってなんですか? そういや昨日カエルの肉食ったような?」
旦那さんはビクッと肩をすくめこういった。
「……カエルなんて言ってませんよ……」
「おかしいなぁ……俺、聴覚強化(特)だからどんな小声で話しても聞こえちゃうんですよねぇ」
「言ってないったら言ってないって!!」
旦那さんが声を荒げると奥さんが肩を震わせながら「ごめんなさい! ごめんなさい!」と泣きながら謝ってくる。
その様子を見た旦那さんが子供を部屋連れて戻るのを見てから奥さんが俺に話し始める。
「……私達はあなたを殺すつもりでした……あのカエルはゲキドクシビレガエルっていうこの辺りにいる毒ガエルなんです……」
あ……なんか思い出した……俺が寝る直前に村長がそんなこと言ってたような気がする……あとなんか忘れてるような気がするけど……なんだっけ?
奥さんは話を続ける。
「あのカエルの毒は強力で一匹で3人は確実に死にます……それなのにあなた5匹以上食べてるのに何故か効かなかった……」
俺は胸を張って答える。
「ええ。俺は毒耐性(特)麻痺耐性(上)なんで毒や麻痺は効きません!」
その後小声で「睡眠耐性はないんですけどね……」と付け加えて言っておく。
「なにかはよく分からないけれど、あなたは毒が麻痺が効かない人間ってこと?」
俺は胸を張って答える。
「はい。毒も麻痺もききません!」
「あなたは死んだことになってます……早く逃げて下さい。あいつらが来る前に……」
「あいつら?」
すると子供部屋から戻ってきた旦那さんがバトンタッチをしたかのように話し始める。
「……あいつら……今の村長ことだ。今の村長とその取り巻きは邪教の使徒なんだ……この村はあいつらが来るまでは平和な村で……ちょうど3年前のこと……あいつらがこの村に現れて不思議な力を使って……」
旦那さんは悔しさを滲ませるように力強く拳を握る。
ふむふむ。大方、邪教の連中がここの村人を脅して言いなりにさせてるとかよくある話だな。
そういえば……邪教の徒を見つけたら俺に報告しろ全員叩き切ってやるとか偉そうなこと言ってる奴がいたような気がするんだが……誰だっけ?
んー
数秒目をつぶって真剣に考えてみる。
……あ!! アレジオ!!
「す、すいません!! 俺と一緒にいたあの人はどこへ?」
旦那さん首を横にふる。
「あなたのご主人は今晩、邪神の供物となります。あいつらは何故か貴族の血を集めてる……従者のあなたがご主人を助けたい気持ちはわかりますが……普通の人間じゃあいつらには勝てない……早く逃げて下さい……もし良ければ王都の騎士団にこの村のことを……」
俺はズボンの右ポケットに手を突っ込む。そうこのポケットは無限収納。このポケット中から盾の意匠が施された徽章を取り出して見せる。
「こ、この徽章は……」
キメ顔を作って俺は夫婦に話しかける。
「俺は騎士団のウェブ・ステイです。この村に着たのは邪教の調査です」
◇◆◇
蝋燭の灯りが揺れる地下室で手と足が縛られた一人の男が目を覚ます。その男の目の前には禿上がった頭のこの村の村長がいる。
「ど、どういうことだこれは……」
手と足を縛られたアレジオが村長に話しかけた。
「今晩は新月じゃ。新月の夜に貴族の血をガシャデール様に捧げるとその力は更に強化される……」
「ガシャデールだと! 貴様らは」
「……儂らのことはお前らはこう呼んでいる。邪教の使徒とな」
「だったら今すぐ俺を解放しろ! 命だけは助けてやる」
アレジオがそう言うと村長は肩を震わせて笑い始める。
「お、おぬしよ、今の自分の立場がわかっておるのか? なんで儂らがお前を解放せねばならん。それにフォーデ家といえば、建国の祖、サマルケルドの血を引くものそんな極上の血をみすみすと解放してなるものか!」
村長がそう言うとアレジオはこういった。
「残念だがお前ら計画通りにはならない。俺は騎士アレジオ・ファフナーだ! そして従者も平民だが騎士。その平民騎士が王都の騎士団に連絡して俺の命を救う為に大軍団でこちらに向かっているはずだ!」
アレジオは圧倒的不利な状況にも関わらずいつもの大きな態度で余裕を見せている。
村長はきょとんした表情を一瞬したのちため息を一つつく
「馬鹿め! あの男はゲキドクシビレガエル肉を食ったんだぞ! しかも3つも。もうこの世からおさらばしておるわ」
「え……」
アレジオの顔はみるみる青ざめていく。
ゴクリと喉を鳴らしてアレジオは村長に話しかける。
「あのう。俺、フォーデ家の人間じゃなくてファフナー家なんです!。それでも良いんですか!? サマルケルドの血も引いてないし、俺を殺しても何も良いことないと思います!!」
「ふん! 馬鹿め。騎士団の人間を生かして帰すわけなかろうが」
そう言って村長はアレジオを一蹴した。
11
お気に入りに追加
2,478
あなたにおすすめの小説
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
ファンタジー
主人公ライルはブリケード王国の第一王子である。
しかし、ある日――
「ライル。お前を我がブリケード王家から追放する!」
父であるバリオス・ブリケード国王から、そう宣言されてしまう。
「お、俺のスキルが真の力を発揮すれば、きっとこの国の役に立てます」
ライルは必死にそうすがりつく。
「はっ! ライルが本当に授かったスキルは、【トカゲ化】か何かだろ? いくら隠したいからって、【竜化】だなんて嘘をつくなんてよ」
弟である第二王子のガルドから、そう突き放されてしまう。
失意のまま辺境に逃げたライルは、かつて親しくしていた少女ルーシーに匿われる。
「苦労したんだな。とりあえずは、この村でゆっくりしてくれよ」
ライルの辺境での慎ましくも幸せな生活が始まる。
だが、それを脅かす者たちが近づきつつあった……。
無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~
桜井正宗
ファンタジー
元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。
仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。
気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?
『殺す』スキルを授かったけど使えなかったので追放されました。お願いなので静かに暮らさせてください。
晴行
ファンタジー
ぼっち高校生、冷泉刹華(れいぜい=せつか)は突然クラスごと異世界への召喚に巻き込まれる。スキル付与の儀式で物騒な名前のスキルを授かるも、試したところ大した能力ではないと判明。いじめをするようなクラスメイトに「ビビらせんな」と邪険にされ、そして聖女に「スキル使えないならいらないからどっか行け」と拷問されわずかな金やアイテムすら与えられずに放り出され、着の身着のままで異世界をさまよう羽目になる。しかし路頭に迷う彼はまだ気がついていなかった。自らのスキルのあまりのチートさゆえ、世界のすべてを『殺す』権利を手に入れてしまったことを。不思議なことに自然と集まってくる可愛い女の子たちを襲う、残酷な運命を『殺し』、理不尽に偉ぶった奴らや強大な敵、クラスメイト達を蚊を払うようにあしらう。おかしいな、俺は独りで静かに暮らしたいだけなんだがと思いながら――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる