幻のスロー

道端之小石

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秋季大会(メディア視点)

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高校生や大学生、中学生までのスポーツを取り扱った雑誌がある。
その中でも有名なのが『週間リトルスポーツ』

この雑誌の何が凄いかというと公平公正なんてものではなく自分の好きな選手やら嫌いな選手、プレーなどをはっきり言ってしまうブログと勘違いしてしまいそうな書き方をしている事である。
そのため文中には『注)担当者独自の感想です』がよく出てくる。
最近ではその文字をなるべく使わないために注釈のところに書いてある場合が多い。
ついでにネット記事も書いておりこちらはより過激なものとなっている。

燃える事も多いがネタにされることが多い。

秋季大会が1回戦が終わるとすぐにネット記事が更新された。

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『週間リトルスポーツ』

~秋季大会、波乱の東海ブロック!~

昨日行われた東海地区の秋季大会第一回戦。
数多くの強豪たちが集う中でも異色を放つ学校が一つあった。

それは雪月高校。2年前に甲子園に優勝した高校で池上君のいた高校といえばわかる方も多いのではないでしょうか。
そんな素晴らしい高校だったのですが今年のあのチームが私はあまり好きではない。

話は変わりますが白鳥高校の武内君、日上商業高校の細井君を読者の皆様は覚えておいでだろうか。私と編集部の半分程度(注、以下略)が将来を期待していたのだが2人ともイップスになった。
この記事を見続けてくださっている読者の皆様ならばこの元凶が分かるだろう、初見の方でも文脈的に分かっていただけると思う。
雪月高校との地区大会でボコボッコのフルボッコにされたのが原因だ(注、以下略)

しかも雪月高校の部員たちは礼儀がなっていない(注、以下略)。
ガムこそ噛んでいないが試合中ベンチでふざけていることは当たり前(注、以下略)。バットをぶん投げたり、攻守交代の時全力で走らなかったりと高校野球特有の必死さ、清廉さというものが感じられない(注、以下略)。

そして不文律というものも全く分かっていない。大量リードしていてもホームランは打つ、盗塁はする、バントもするとやりたい放題である。
その点に対する貪欲さはある意味では高校野球特有の必死さと捉えることもできるかもしれませんが、ベンチでヘラヘラと笑っているのは見ていて気持ちの良いものではありません(注、以下略)

そして今回、また被害者が増えた。雪月高校はこの秋だけで注目していた投手をこれで3人ほどイップスにしたことになる(注、以下略)
3人とも筆者が見る限り真面目で責任感が強く、チームの柱として努力していたというのに、可哀想なことだ。
是非とも夏までにはイップスを乗り越えて雪月高校にリベンジしてもらいたい。

先に結果を言ってしまいましたが、そんな傍若無人なチームと先日戦うことになったのは名総大附属第一。そこのエースを背負い続けてきた狩野君が今回雪月の餌食になった(注、以下略)

1回裏終了の時点で28-0。無得点の方が名総大附属第一。試合はなんと5回コールドで終了し74-0という悪夢のような結果になった(注、以下略)

といっても過去にもこのような点差の試合はままあった。中には3桁超えの点差をつけた試合もあるから珍しいが決してないわけではない。しかし、それらの大体は弱小チームと強豪チームが戦った場合である。
だが名総大附属第一は強豪といって差し支えない。むしろ雪月がいなければこの地区大会を制していたのは名総大附属第一だろう。

彼らは試合中にベンチで手を振り回すような輩に潰されていい投手ではなかった(注、以下略)

(画像:ベンチで手を振り回す雪月高校の部員達)

特にこの試合で注目して欲しいのは試合の終わり方だ。
4回裏、雪月高校の打順は何巡目かの1番打者。
彼は10割バッターだ。俊足を活かし確実に帰ってくる。ホームランを打ったこともある。特にそのバットコントロールは嫌いなチームではあるが編集部も筆者も評価していた。

そんな彼がバットを振らずにピッチャー前にバントした。
しかも走らずにゆっくりランニングする有様。
次の打者もバント。この打者も打率10割だ。この選手はバットコントロールが先程の1番打者と同じかそれ以上に上手い。
しかし彼もバントをしてベンチに帰っていった。

その次の打者もバント。こうなってくると早く試合を終わらせたいが為にバントをしたように見えるし、実際そのようである。そんな侮辱があっていいものだろうか。良いはずがない。

ここまで雪月高校の悪いところを少し並べてみたが雪月高校が一方的な悪というわけではない。名総大附属第一に悪いところは確かにあった。

計20球ものデッドボール。それは悪いことかもしれない。しかし故意死球ではないし野球ではよくある事故だ。
しかし頭部死球を何回か喰らったらその選手を普通は交代させるだろう。
頭部死球を5回喰らった岡部という外野手はフル出場していた。5回も頭部死球を受けた選手を交代させない監督は一体何を考えているのだろうか。
そのほかにも危険球は沢山投げていたがどれも大事には至っていないのが幸いなことだ。

これも最後まで内角を果敢に攻めた結果だろう(注、以下略)。
残念なことにコントロールが定まらなかったものの、その攻める気持ちは大事にしてもらいたい。




高校野球選手では礼儀が大事だ。ハキハキとした返事、真面目さ、その清廉さと情熱が私を沸かせてくれる。だが雪月高校の今の野球部はどうだ。

ベンチでふざけ合っていたり攻守交代の際に全力で走らなかったり、何より不文律を守っていない。大量点差がついた状態でホームランを打ったり盗塁したりバントしたりするのはメジャーなら報復死球を受けるようなプレーだ。相手への礼儀を欠いていると言える(注、以下略)

それに加えて、最後にバントで確実にアウトになるような球を転がすというのは何事だろうか。しかもバントした後は全く走ろうとしない。
これは礼儀に反しているし、情熱のかけらもないプレーは見ていて非常に腹が立った(注、以下略)




以上のことから私は今年の雪月高校野球部のアンチをやっている。
去年と池上君の世代は良かった。私の推しでした。
それだけに残念でなりません。

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メディアというのはそう言った記事だけではない。新聞やニュース、ネット掲示板などでもそう言ったものは出回っていく。各々がそれぞれ特色を持っており偏りのある報道や公正な報道、デタラメを流したりと玉石混合。

いずれにせよ人間が書いている以上、そこに感情というものは乗ってくるものだ。今回の純達の試合で生まれた感情は大きく2つ。
1つは大差で勝った雪月高校が気になる、凄い、面白いと言った感情。
もう1つは大差で負けた名総大附属第一の選手達への同情。

『週間リトルスポーツ』は後者の中でも過激なタイプだった。
だが今回は前者のタイプの方が多かった。
現にとあるブログでは肯定的な意見が挙げられていた。

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『39歳会社員が野球を肴にする部屋』

皆さんこんにちは。おっさんです。
いつもはこんなに短期更新しないのですが訳あって更新することになりました。『週間リトルスポーツ』って皆さん知ってますか?

私はあそこの記事が嫌いなんですよね(笑)有る事無い事を書く上に的外れなことを言ったりもしますから。で、今回もやってくれましたので更新することにしました。

まず内容云々ではなく記事としての批判を。『礼儀がなっていない』の下りを2回するとか、なにしてるんですかね?
ベンチで笑っていることくらいは別にいいと思います。

それと礼儀がなってねぇのはテメェらだ!とそこそこの声量で言いたい。
元々礼儀がなってない批判記事ばかり書いてる輩でしたが今回ばかりは許せませんよ。『担当者独自の感想です』って言ってもそれを載せてる時点でアウトでしょ。

でここから今回の記事の内容のお話。まず不文律とかいうプロ野球の暗黙ルールを高校野球に持ってくる時点でナンセンスじゃないか?

あと個人的にはバットフリップは大好きなのでもっとやってほしいです。それくらい許してやってもいいと思います。バットフリップまとめ動画とか好きな人もいるんじゃないでしょうか。私は虎の原選手のバットフリップが好きですね。

私の推し球団はラビッツなんですけどね。ラビッツの選手はほら……バットフリップしないから。

あと三振とか取ったらピッチャーはもっとガッツポーズしたり叫んでも全然いいと思います。そういうまとめ動画、私は大好きです。

パフォーマンスとして見ればガッツポーズもバットフリップもとても感情が見えて面白いな、と思うのでもっと増えてほしいですね。
勿論、旗ぶっ刺したりとか相手を貶すようなものは論外だと思いますが。

かなり話が脱線してしまいました(汗)

で、最後のバントして終わらせる奴は私もそれはどうなんだ?相手に失礼ではないのか?と思いはしましたが……まぁ、いいんじゃないでしょうか。

4回の5巡目になった時点で名総大附属第一のピッチャーは4人全員が出ていて、その4人目も限界でした。こうなってくると次に登板するのは野手ということになります。地元高校を応援する身の贔屓目で見ると救済なのでは、と少しばかり思いました。私がやられたら思わず『やる気あるのかっ!』て言うと思いますけどね(笑)

某記事は雪月高校が打っても打たなくても批判しているようなので何をしてほしいか全く分かりませんね。

あとデッドボールは雪月の選手の頭に何度も当たりそうになっているし実際当たっている。しかも岡部君にいたっては何度も当たっているから体が心配です。
あたりどころが悪ければ選手生命どころか命に関わるのでもっと注意してほしいですね。

名総大附属第一のリードは内角を多用するのが特徴だから確かに危険な球が増えるのが仕方ないのかもしれません。名総大附属第一出身のピッチャーは攻めっ気たっぷりで面白いんだけど死球だけは本当に気をつけて欲しいですね。

さて、それを4球投げて走者を出す四球より1球投げて死球を出した方がマシ、なんて暴論を過去に放った某記事は『酷い』。その一言に尽きる。

最低最悪だ!ばぁああか!

というか私はこんな批判的なことが書きたい訳ではありません!
名総大附属第一にはいい選手が何人もいましたのでそれを紹介したい!
チームとしてもよかった!特に脚を絡めた攻撃が絶妙なんです、雪月高校との試合ではある1人の選手のせいでその自慢の脚を封じられてしまいましたが……。もちろん雪月の選手についても語りますよぉ!というか雪月高校の選手について語ります!そっちがメインです!

そんなわけで試合の感想を書いていきたいと思います!

まずスコアが『74-0』という数字を叩き出しました。
驚異的というか、都道府県大会より張り切っている印象が見てとれましたね。
ベンチの雰囲気が雪月側は柔らかい感じで緊張感が全く感じられません。そんな状態で試合に臨んで大丈夫なのか?っていうくらいに普通。ですがしっかりと状態は整っていたようです!
その証拠に一回裏の攻撃が恐ろしいことになっています。

この試合、ちょっと注目してみたいのが雪月高校の打順。
雪月は都道府県大会ではセオリー通り、上位打線によく打つ人を固めるというオーソドックスなものでした。
といっても最近の雪月高校を見ればわかる通りみんな打ちます。その中でも長打が出やすかったり確実に塁に出る人を上に固めている感じですね。

勿論名総代附属第一は今回の試合、そのセオリー通りに来ていました。
1番の安野君が打って走って4番の尾瀬君までチャンスを回して得点というこれまで通りのパターンですね。

しかし、雪月の打順はそのセオリーを完璧に無視していました!

打率の比較的低いセカンドとショートのスミダペアを打線の真ん中に配置していました!そして9番に鎌瀬君。なんとダブルチャンス打線でした!
欲張ってますね(笑)初めは目を疑いましたがそんな欲張り打線が大爆発!

途中でショートのスミダ君がデッドボールを受けて交代するというアクシデントがありましたが打線が衰えることはありませんでした。
むしろ報復本塁打を鎌瀬君が打っていて気持ちよかった。

(報復本塁打と勝手に言っていますが、鎌瀬君は打順が回ってきたからボールをスタンドに叩き込んだだけのように見えます)

ちなみに鎌瀬君はこの試合、全打席本塁打という大記録を打ち立てました。
こんなスラッガーがラビッツに欲しいですね!
えぇ、本当に……助っ人外国人も取らないし、育った八木までメジャー行くって発表出たし。八木は来年のシーズン終わったら暫く見れなくなるのかぁ……。

こんな感じで打撃に注目されがちですが、前にブログに書いたとおり守備も凄かったですね。龍宮院君が5回を無失点に抑え込み試合終了です。

ファインプレーなどはありませんでしたが堅実で流石強豪、と言った守備で惚れ惚れします。特にセンターラインのスミダ君達の守備は堪らん、是非見てほしい!
高校生とは思えないほどに卓越した基礎動作は一見の価値があります!

次にピッチャーについて語りたいと思います!先発は既に書いた通り龍宮院君。……実はここで龍宮院君を使うとは思っていませんでした。
個人的にはここまでの打線が有ればエース級は温存して決勝戦や準決勝に出したいところです。

そう考えると雪月高校内では龍宮院君が4番ピッチャーだった可能性があります。他の3人はまだ隠し球や魔球を封印している状態かもしれません。

特にパッとしない伊藤君とかは怪しいなと思っていたりします。キャプテンだから一番実力があるのかもしれません。新野君はまだ何かを持ってそうです。期待が高まりますね。

あと松野君なんですが……松野君は出し切ってそうですね(笑)
ストレートだけで4番に勝負、また見たいです。

そして次はピッチャーの相方のキャッチャーに注目してみたい!
雪月高校の捕手は一ノ瀬君と岡部君。どっちもいい捕手ですね。

ですが今回のキャッチャーは全くマークされていなかった田中選手でした。
可もなく不可もなく、模範的な普通のキャッチャーという感じでした。
一ノ瀬君と岡部君と比べれば少し劣るように思えました。
ただ、一度だけ見せた盗塁阻止の為の送球には痺れましたね。
バズーカとかレーザーとかそんな言葉が似合う超高速の送球で本当になんかもう凄い。

盗塁を仕掛けたのは名総大附属第一の中で1番足が速い伸川君でした。
ちなみに伸川君は2番バッターです。そんな信川君が2塁に到着する前、その時にはもうボールが2塁に到達していて衝撃を受けました。

これで足が武器だった名総大会附属第一は迂闊に盗塁することが出来なくなり攻撃がうまくいかなくなったように見えます。
おそらく雪月高校は盗塁阻止の為に田中君をキャッチャーとして採用したのでしょう。

つまり雪月高校はきっちり名総大附属第一への対策をした上で試合に臨み勝ったと考えることができます。

ただ、ダブルチャンス打線だけは理解不能です(笑)





────────────────

とこのようなブログを書いている。
他にも地方新聞にも載っていたし、全国記事にも小さく載っていた。
テレビでも少し取り上げられたがそれを見た純の表情は固まっている。

純はテレビに映った龍宮院を見て不貞寝した。

──お前の方がなぜ目立っている?

しかし純はめげないし嫉妬とかしていない。

『次は俺が投げる目立つぞ!』

とそんな決意を固めるが第2回戦が始まる時は新野が先発する約束だったので渋々第3回戦で投げることにした。

待ちに待った第3回戦。純がウキウキでマウンドに立った頃、全く純とは関係のない芸能人の大きなスキャンダルが発生。さらにかつてない大雨が九州地方を襲い速報の為に中継も中断された。しかも試合は超高速で終了する。

その為に中継が中断から戻る頃には既に試合は終わっていた。
純がテレビに映ることはなく、無表情になった純はベッドに転がった。
純は何も言わずに決勝戦で投げればよかった、と心底後悔している。

翌朝、新聞が投函された。純は足早に投函された新聞を持ってリビングに向かい緑茶を飲みつつ、バッと新聞を広げる。
新聞の一面には豪雨による災害か芸能人のスキャンダルしか載っていなかった。

新聞はバっと開いた勢いのまま真っ二つに裂けた。その時の純の目は死んだ魚のような目であった。純は両手に持った新聞を重ねて机の上に置き、深呼吸してからもう1度緑茶を飲んだ。

──決勝戦にゴールドはない。つまり投げれるかもしれない。

そう考えるとバスに乗り込んでからは純は少し復活した。
コールドがないならば中継ぎとか抑えとかで少し投げて目立てるかもしれないからだ。そこで最後の1イニングだけ投げれるように純は頼み込む。
しかし松野はキッパリ断る。

「最後の1イニングだけ投げさせてくれ」
「え?なんで?」
「別に純が投げる必要ないぞー」

純は食らいつく。とにかく目立ちたいのだ。
盛大にドヤってやりたい。自慢したい。
現在の純は自己顕示欲の塊と化していた。

「投げたいんだよ、悪いか?」
「うん、悪いね。この前投げてたじゃん」
「連投はダメだろ」
「俺たちに任せろって」

救援要員は龍宮院と新野である。純は再び死んだ目に戻った。
多分、恐らく、確実に、マウンドに上がる権利が自分に回ってくるほど打たれはしないと分かってはいる。しかし祈らずにはいられない。

──お前ら打たれろ、程よく全員打たれて交代しろ。投げさせろ。

残念ながら予想通りその願いは叶うことがなかった。

先発、松野。8回2/3。
失点5、被本塁打3。自責点5。被安打8。奪三振13。四死球6。

中継ぎ、新野。1回1/3。
失点0。被本塁打0。自責点0。被安打1。奪三振4。四死球0。

松野は打たれたが結構点差に余裕があったのでコーチはギリギリまで交代させなかった。
最後、ホームランを2連続で撃たれ制球が乱れたところで新野にチェンジ。

『18-5。雪月高校地区大会優勝』

純の出番は来なかった。そもそもこの時期この地域では名総大附属第一が1番強いと言っても過言ではなかったのだ。

「魔球だ!魔球を開発してやる!魔球を開発すればいいんだな?!」

純はそう言い放って少しの間、心ここに在らずといった状態だったがふと正気に戻った。いつの間にか今のボールがやけに純の手に馴染んでいた。
何年間も触ってきたボールよりも少し大きい今のボール。その違いに感じていた違和感がなくなっていた。

雪月高校野球部、神宮大会出場決定。
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