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7、※婚約者様と大人なアレコレ

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離れに辿り着いてすぐに目に入ったあからさまな布団に、僕は思わず目を逸らした。
恥ずかしくて耐えきれない。無理だ。
生来性欲が無いに等しかった自分には刺激が強すぎてクラクラする。
それに僕がフェロモンを垂れ流しているのに慧さんはヒートにならないのも、恥ずかしさの一因だった。僕だけが淫らで彼が冷静なんて耐えられない。

「け、慧さん。あの、やっぱり僕」

一人で大丈夫です、と言いかけたが、彼はニッコリと余裕そうに微笑んだだけだ。
ただでさえ己の惨状は何があったのか丸分かりなのに、これ以上発情期で狂ったように自慰をしてしまう自分を見られたくない。
そのまま布団の上にゆっくりと下ろしてくれてホッとしたのも束の間。彼は突然僕に覆いかぶさり、僕の身体を布団に縫いとめた。

「ひゃ……!慧さ…」
「御両親からは、『ヒートにならずに耐え切れるなら一緒に過ごしてもらって構わない』って言われたよ。私はね、我慢するのは得意なんだ」
「そ、それって、ん、や、だめ…!触っちゃ…っ」

ただ頬を撫でられ、そのまま首筋に指を這わせているだけなのにゾワゾワと快感が駆け上がってくるのを止められない。

「君と結婚するまでは抱くことはしないよ。その代わり、発情期はそれ以外の方法で沢山楽しもう」
「や、ぁああ! だめぇ!」

撫でたところを愛おしげに何度もキスを落とされる。彼にキスされるのも、性を感じさせる触れられ方も初めての事なのに戸惑う余裕すらない。
肌蹴た着物の隙間から胸を露わにされ、恥ずかしさで叫ぶが彼はそのまま手を這わせ、他のところと同じようにキスを何度もする。
特に乳首は念入りに愛撫された。快感で立ち上がりきった小さな主張も、彼にコリコリと弄られ、彼の唇と舌で吸われたり舐められたりされる。時々歯も立てられて恐怖と快感で気が狂いそうになった。

「慧さ……も、やめ…、やめて、だめ……」
「止めて欲しい?本当に?」

涙目でコクコクと頷くも、慧さんは縫い付けられた僕の手を離す気など一切無いようだった。

「そんな釣れない事を言う口は塞いでしまおうか」
「っ、ん、んんん……!ん、ぅ……、ふ」

突然の口吸いに驚き、すぐに押し入ってきた厚い舌に更に驚いた。そして彼の舌は僕の口内を傍若無人に暴れ回った。

「ん……んっ、ん…ぅ、んんっ」

気持ちイイ。率直にいってそういう感想が出るくらいには気持ち良い。彼の舌が僕の舌を絡めてくれることも、弱く感じてしまう所を的確に狙って舐められることも、彼から落ちてくる唾液の甘さも、全部が快感に繋がった。

「っ、ぷぁ……」
「……すっごいフェロモン出てきたね。気持ち良かった?」

息が上手く出来なくて苦しくなってきた辺りで口が離れていった。名残惜しそうに唾液の糸が二人を繋ぐ。頭が溶けたように何も考えられなくなっていく。

「慧さん…もっと……」
「ああ、何度でも。こっちも可愛がらなくちゃね」
「っ、あ、んっ!ああっ!ん!んんん!」

上の口を慧さんの唇で塞がれ、キュッと兆してプルプルと震える自身を掴まれる。慧さんの大きな手に包まれて自分の精液で濡れて光るそこを上下に擦られた。

「んんん!んんっ!ん~~~っ!!」

口内もぐちゃぐちゃにされ、あっという間に達した。既に自分で一度絶頂していたにも関わらず、彼の手でほんの少し擦られただけでだ。
ピュッと飛び出た白濁は、勢いよくて彼のシャツを汚した。

「はぁ、はぁ……ご、ごめんなさ……」
「ん。上手く達けたな。まだ辛いだろ、もう少し頑張ろうな」
「あっ、慧さん…っまっ、や、あんっ!ああ……っ!」

くにくにと鈴口やカリ部分を優しく引っかかれ、抑えることが出来ず勝手に声が出てしまう。
後孔からもトロリと愛液が尻に流れていくのが分かり、それは慧さんにも見えたようだった。

「ヒクヒクしてるけどこっちを弄ったことは?」
「ひゃ…っ、あ!やぁ、んっ、んっ」

フルフルと首を横に振る。涙で前が上手く見えないけど、慧さんが笑っているのが何となく伝わった。なんだか嬉しそうだった。

「完全に処女か。あー…祈里が最高に可愛い。可愛すぎる…、本当に私は運が良かったと祈里に会ってからずっと思うよ」
「っ!ん!あ、だめ、あっ!」

くぷ、と僕の精液と愛液でびちゃびちゃに濡れた慧さんの指がこじ開けるように挿入ってくる。ゆっくりと優しいその動きに孔の口は拒むこと無く包むように挿入を許す。
挿入るだけでなく、慧さんは指を僕の中でクイと曲げた。

「あっ!!な、あ!あああっ ん、んん!」
「分かる?祈里のイイとこはココだよ。沢山コリコリしてあげるよ」
「あ、んっ、んんん!ん~~~っ!」

指を器用に的確に動かして、良い所をコリコリと刺激してくる。

「姉が逃げ出してくれて良かった、というのは君にとったら最低の言葉かな。でも、私は最近ずっと思うよ……君じゃなく姉だったら、なんて想像もしたくないと」
「っ、ひゃ、あっあっ、あああっん!」
「こんなに可愛くてどうしようもなく愛おしいと思う子が誰とも知らない奴に盗られてたかもしれないなんて、想像もしたくない」
「慧さ、んっ、あ、だめ、だめ…っ、ぅ、…なん、かきちゃ、きちゃう…!」
「祈里……私の番。早く…大人になってくれ」

僕は慧さんの微笑みを見ながら、そこでプツンと意識が途切れた。
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