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最終章
黒百合【呪い】
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フラフラと何とか馬車を降りる。屋敷に帰宅すると、グウェンが玄関ホールまで走って俺の前まで来てくれた。どうやら先に帰宅していたようだった。
「何があったんだ!?レイが演習中に転移をしたんだ! それを見たルークも追いかけて……!」
グウェンは俺を責めている訳では無い。怖くもない。
だけど、上手く言葉にならなくて、俺はグウェンの身体に手を回して抱きついた。
「ノア…っ」
「っ……う、ううう!ぅぅううう!!!」
俺は、自分の無力感にグウェンの胸で泣き続けた。グウェンは、俺をキツイほど抱きしめてくれた。
「テオは、喜んでっ、レイの、手紙を!っひ、嬉しそう、にっ、く…!笑ってたのに!!」
「ノア」
「なのに……!う、ううう!」
「…ノア」
「気づいて、あげられっひく、なかった!」
グウェンが俺を抱きしめる手を少し緩める。そして、俺の頭を子供にあやす様にゆっくり撫でてくれた。
「ノア、大丈夫」
「テオはっ! いっぱい血が、流れてた!」
「大丈夫だ。生きていたんだろう」
「っ!う、ううう!」
「ノアが、レイを呼んで助かったんだろう?」
「それし、っか!」
「ノアじゃなきゃ出来なかった。ルークでも、俺でも、他の奴らじゃレイは呼べない」
レイの転移の範囲は、俺の周囲に留まっている。俺の周りに物を転移させたり、俺自身を転移させたり、レイが俺に転移したり。俺が関わらないと転移は成功しない。
「大丈夫だ。レイも、ルークも分かってるはずだ」
グウェンの声は低くて穏やかで、どこまでも優しく響いた。俺はレイが泣いていたように泣き続けた。疲れて眠ってしまうまで、泣き続けた。
翌日、グウェンには休んだ方が良いと言われたが、今日も学園へ出勤する事に決めた。ほかの先生方は行っているのに、自分だけ休むのは気が引けた。
重い体を引きずるように学園に行くと、廊下で生徒が声をかけてきた。
「ノア先生、大丈夫?!顔真っ青だよ!」
「休んだ方がいいよ…!」
生徒にそう言われてしまったが、大丈夫、と微笑むと心配そうだがそれ以上は何も言われなかった。
施錠していた相談室を開いて、部屋に入ると同時に声がかかった。
「ノア先生!大丈夫ですか?!」
「あ、アラン先生…」
廊下から走ってきたアラン先生が息を切らしながらやってきた。アラン先生もあまり顔色は良くなさそうだった。
「生徒から、ノア先生が死にそうな顔をしていると聞いて……!」
アランはいつもの穏やかな表情ではなく、本気で心配してくれている表情をしていた。
俺は乾いた笑いを微かに出しながら答えた。
「はは、死なないですよ。大丈夫です。こう見えて丈夫なんです」
「……やはり、今日は帰った方が」
「家で1人の方が色々考えてしまうので…」
あまり納得してはなさそうだったが、そうですか、とアラン先生は言ってくれた。
「今日は緊急の職員会議をするそうです。行けますか?」
「はい、荷物を置いたら行きますね」
「一緒に行きましょう」
本当に心配している。まるで自殺しないように監視されているようだな、と感じながらも有難くその気持ちを頂くことにした。
職員会議は思ったよりも短かった。状況と、推測された理由を学園長が話す。現在ローマンド家にて療養し、しばらくそのまま療養を続けるとのことだった。他の生徒にはあまり触れ回らないように気をつけることと、生徒たちのサインを見逃さないようにすることを話して解散した。
俺はとぼとぼと相談室へ戻った。椅子に座って、テーブルに突っ伏した。
俺は、この学園に居る意味が分からなくなってしまった。身近な生徒1人の様子も分からないほど、仕事が出来ていない。
あの時のテオは、悩みなんてなさそうだった。
友人がいて、テオも面倒くさそうに返事はしているが、本気で嫌がっていなかった。友人もそれが分かっていて、ちょっかいをかけているようだった。
手紙を渡した時は、友人と話していた時の背伸びをした顔じゃなかった。まるで純粋な子供に戻ったかのように、目を輝かせて、レイの手紙を大事そうに受け取っていた。
花言葉を聞いた時も、嬉しそうに聞いていた。レイに期待されていることが、彼の重荷になっているとは到底思えなかった笑顔だった。
それなのに、魔法の点数が少し悪かった、それだけで。
「……っ」
突っ伏したまま、握った手は白くなって爪がくい込んでいた。くい込んだ手のひらからは、ほんの少しだけ、血が滲んでいた。
テオは沢山血を流していた。子供の身体で、あんなに血を流していて。おそらく本当に危険な状況だった。
あのテオの友人が、自分を呼んでくれなかったら。自分が、咄嗟にレイを呼ぶことを思いつかなかったら。
本当に危なかったんだと、更に思った。テオは死んでもおかしくなかった。
「……はぁ」
本当に自分が居る意味が分からない。相談を受けたところで解決できていない女子生徒の問題もあった。果たして自分が必要な存在なのか、分からなくなってしまった。
しばらくそうしていたら、扉をノックする音が聞こえてきた。あまり相談を受ける気分ではなかったが、仕事だと思い顔を上げた。
男子生徒が3人立っていた。
「どうしたの?」
声をかけて、3人の目を見た。
知ってる。この目を。
「……ぁ、な、なに……」
3人の目は、まるで獲物を見つけた獣の目だった。
思い出す。下卑た声も、顔も、殴られた右頬も、あらぬ所が血だらけになって痛くて、気持ち悪い。
気持ち悪い。気持ち悪い気持ち悪い。
「ノア先生の体調が悪いって聞いたんだ」
「そうそう、看病してあげようと思って」
「俺らさ、慰めにきたんだよ?」
ひ、と子供なのに怯えてたじろいでしまった。恐ろしくて、身体が微かに震える。
制服と、男子生徒と、下卑た顔と声で、フラッシュバックする。
「嫌だ……やめ、」
声が上手く出せなくて、小さな声で拒絶した。ニヤニヤと3人の顔は近づいてくる。俺は腰が抜けて座り込んでしまった。それでも、逃げたくて、ずりながら後ろに下がった。
そんなもので距離が取れるはずもない。一瞬で捕まった。
いつの間にか後ろに回り込んだ生徒に羽交い締めにされる。それでも暴れようとする足を別の生徒に押さえつけられる。そしてもう1人の生徒が、俺の服に手をかけた。
「何やっているんだ!!!」
男子生徒達は突然聞こえた声に驚き、ドアの方を思いっきり振り返った。
舌打ちをして、俺を解放し、ドアの方の声を出した人物を押し退けてバタバタと出ていった。
「っ!大丈夫ですか!」
アラン先生だった。俺はカタカタと震えながら、アラン先生の差し出した手を握った。
「っは……、はぁ、ぁ」
やっと呼吸ができた。アラン先生は背中をゆっくりさすってくれる。
「あの生徒に見覚えは?」
俺は首を横に振った。力の強さから、騎士コースの生徒だろうことは予想がついただけだった。顔は、確かに見たのに、フラッシュバックと重なってよく思い出せなかった。
「私も良く見えませんでした……すみません」
アラン先生の申し訳なさそうな声も気にかけることは出来なかった。まだ、恐怖で立つことが出来なかった。
「今日は帰った方が良いです。帰れますか?」
震える身体で何とか頷いた。アラン先生に支えてもらいながら、ゆっくり立ち上がった。
テーブルの上の桃の花が、残り2つになっているのを横目に、相談室を後にした。
「何があったんだ!?レイが演習中に転移をしたんだ! それを見たルークも追いかけて……!」
グウェンは俺を責めている訳では無い。怖くもない。
だけど、上手く言葉にならなくて、俺はグウェンの身体に手を回して抱きついた。
「ノア…っ」
「っ……う、ううう!ぅぅううう!!!」
俺は、自分の無力感にグウェンの胸で泣き続けた。グウェンは、俺をキツイほど抱きしめてくれた。
「テオは、喜んでっ、レイの、手紙を!っひ、嬉しそう、にっ、く…!笑ってたのに!!」
「ノア」
「なのに……!う、ううう!」
「…ノア」
「気づいて、あげられっひく、なかった!」
グウェンが俺を抱きしめる手を少し緩める。そして、俺の頭を子供にあやす様にゆっくり撫でてくれた。
「ノア、大丈夫」
「テオはっ! いっぱい血が、流れてた!」
「大丈夫だ。生きていたんだろう」
「っ!う、ううう!」
「ノアが、レイを呼んで助かったんだろう?」
「それし、っか!」
「ノアじゃなきゃ出来なかった。ルークでも、俺でも、他の奴らじゃレイは呼べない」
レイの転移の範囲は、俺の周囲に留まっている。俺の周りに物を転移させたり、俺自身を転移させたり、レイが俺に転移したり。俺が関わらないと転移は成功しない。
「大丈夫だ。レイも、ルークも分かってるはずだ」
グウェンの声は低くて穏やかで、どこまでも優しく響いた。俺はレイが泣いていたように泣き続けた。疲れて眠ってしまうまで、泣き続けた。
翌日、グウェンには休んだ方が良いと言われたが、今日も学園へ出勤する事に決めた。ほかの先生方は行っているのに、自分だけ休むのは気が引けた。
重い体を引きずるように学園に行くと、廊下で生徒が声をかけてきた。
「ノア先生、大丈夫?!顔真っ青だよ!」
「休んだ方がいいよ…!」
生徒にそう言われてしまったが、大丈夫、と微笑むと心配そうだがそれ以上は何も言われなかった。
施錠していた相談室を開いて、部屋に入ると同時に声がかかった。
「ノア先生!大丈夫ですか?!」
「あ、アラン先生…」
廊下から走ってきたアラン先生が息を切らしながらやってきた。アラン先生もあまり顔色は良くなさそうだった。
「生徒から、ノア先生が死にそうな顔をしていると聞いて……!」
アランはいつもの穏やかな表情ではなく、本気で心配してくれている表情をしていた。
俺は乾いた笑いを微かに出しながら答えた。
「はは、死なないですよ。大丈夫です。こう見えて丈夫なんです」
「……やはり、今日は帰った方が」
「家で1人の方が色々考えてしまうので…」
あまり納得してはなさそうだったが、そうですか、とアラン先生は言ってくれた。
「今日は緊急の職員会議をするそうです。行けますか?」
「はい、荷物を置いたら行きますね」
「一緒に行きましょう」
本当に心配している。まるで自殺しないように監視されているようだな、と感じながらも有難くその気持ちを頂くことにした。
職員会議は思ったよりも短かった。状況と、推測された理由を学園長が話す。現在ローマンド家にて療養し、しばらくそのまま療養を続けるとのことだった。他の生徒にはあまり触れ回らないように気をつけることと、生徒たちのサインを見逃さないようにすることを話して解散した。
俺はとぼとぼと相談室へ戻った。椅子に座って、テーブルに突っ伏した。
俺は、この学園に居る意味が分からなくなってしまった。身近な生徒1人の様子も分からないほど、仕事が出来ていない。
あの時のテオは、悩みなんてなさそうだった。
友人がいて、テオも面倒くさそうに返事はしているが、本気で嫌がっていなかった。友人もそれが分かっていて、ちょっかいをかけているようだった。
手紙を渡した時は、友人と話していた時の背伸びをした顔じゃなかった。まるで純粋な子供に戻ったかのように、目を輝かせて、レイの手紙を大事そうに受け取っていた。
花言葉を聞いた時も、嬉しそうに聞いていた。レイに期待されていることが、彼の重荷になっているとは到底思えなかった笑顔だった。
それなのに、魔法の点数が少し悪かった、それだけで。
「……っ」
突っ伏したまま、握った手は白くなって爪がくい込んでいた。くい込んだ手のひらからは、ほんの少しだけ、血が滲んでいた。
テオは沢山血を流していた。子供の身体で、あんなに血を流していて。おそらく本当に危険な状況だった。
あのテオの友人が、自分を呼んでくれなかったら。自分が、咄嗟にレイを呼ぶことを思いつかなかったら。
本当に危なかったんだと、更に思った。テオは死んでもおかしくなかった。
「……はぁ」
本当に自分が居る意味が分からない。相談を受けたところで解決できていない女子生徒の問題もあった。果たして自分が必要な存在なのか、分からなくなってしまった。
しばらくそうしていたら、扉をノックする音が聞こえてきた。あまり相談を受ける気分ではなかったが、仕事だと思い顔を上げた。
男子生徒が3人立っていた。
「どうしたの?」
声をかけて、3人の目を見た。
知ってる。この目を。
「……ぁ、な、なに……」
3人の目は、まるで獲物を見つけた獣の目だった。
思い出す。下卑た声も、顔も、殴られた右頬も、あらぬ所が血だらけになって痛くて、気持ち悪い。
気持ち悪い。気持ち悪い気持ち悪い。
「ノア先生の体調が悪いって聞いたんだ」
「そうそう、看病してあげようと思って」
「俺らさ、慰めにきたんだよ?」
ひ、と子供なのに怯えてたじろいでしまった。恐ろしくて、身体が微かに震える。
制服と、男子生徒と、下卑た顔と声で、フラッシュバックする。
「嫌だ……やめ、」
声が上手く出せなくて、小さな声で拒絶した。ニヤニヤと3人の顔は近づいてくる。俺は腰が抜けて座り込んでしまった。それでも、逃げたくて、ずりながら後ろに下がった。
そんなもので距離が取れるはずもない。一瞬で捕まった。
いつの間にか後ろに回り込んだ生徒に羽交い締めにされる。それでも暴れようとする足を別の生徒に押さえつけられる。そしてもう1人の生徒が、俺の服に手をかけた。
「何やっているんだ!!!」
男子生徒達は突然聞こえた声に驚き、ドアの方を思いっきり振り返った。
舌打ちをして、俺を解放し、ドアの方の声を出した人物を押し退けてバタバタと出ていった。
「っ!大丈夫ですか!」
アラン先生だった。俺はカタカタと震えながら、アラン先生の差し出した手を握った。
「っは……、はぁ、ぁ」
やっと呼吸ができた。アラン先生は背中をゆっくりさすってくれる。
「あの生徒に見覚えは?」
俺は首を横に振った。力の強さから、騎士コースの生徒だろうことは予想がついただけだった。顔は、確かに見たのに、フラッシュバックと重なってよく思い出せなかった。
「私も良く見えませんでした……すみません」
アラン先生の申し訳なさそうな声も気にかけることは出来なかった。まだ、恐怖で立つことが出来なかった。
「今日は帰った方が良いです。帰れますか?」
震える身体で何とか頷いた。アラン先生に支えてもらいながら、ゆっくり立ち上がった。
テーブルの上の桃の花が、残り2つになっているのを横目に、相談室を後にした。
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