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3章
思えば思わるる※
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屋敷に着くと、アイリスとスイレンがおかえりなさいませ、と綺麗な礼をしながら玄関でお出迎えをしてくれた。
「ただいま……あの」
「旦那様はご帰宅しております」
「私室にいらっしゃいます」
俺が言いたいことが手に取るように分かられてしまっている。きっと昨日の喧嘩も2人には分かっているんだろう。
「ノア様、今日はシェフが腕によりをかけた夕食だそうです」
「ノア様が教えてくださったメニューだと言っていました。是非旦那様と召し上がって下さい」
「……うん、ありがとう」
本当に2人にはいつも感謝でしかない。2人の優しさに、心が穏やかになったのもつかの間、少しだけ緊張してグウェンの私室に向かった。
いつもより廊下が長い気がする。それはきっと足取りが重いからだ。なのに、廊下が短く感じる。もう、目の前がグウェンの私室に通じるドアだったからだ。
俺は1回深呼吸をした。そしてゴクリ、と唾を飲み込んで、勇気を振り絞りノックをした。中から返事が聞こえる。普通の応答だった。おそらく、俺だと思ってない。まだ俺は教室をしていると思っている。
意を決してドアノブを捻って、扉を開いた。
彼は私室のテーブルに手を組んで、ため息をついていた。いつもなら書類と睨めっこしているのに、書類なぞ何も無い机で、ただため息をついていた。俺が入ったことにも気づいていない素振りだった。
「……グウェン」
声をかけると、グウェンはガバッと顔を上げる。目を見開いて驚いている様子だった。グウェンは慌てた様子で椅子から立ち上がり、俺の目の前に立った。
「か、えったのか」
途切れていた言葉が戸惑いを俺に伝えてくる。
「…うん、王女たちに、帰れって言われちゃった」
「そうか……」
シン…と部屋が静まり返った。なんて言葉を続ければいいのか分からなくて、戸惑った。
ごめんね、俺は全部自分がやりたいと思ってる。グウェンが辞めて欲しい気持ちも分かるけど、俺がやらなくちゃいけないんだ。自分のために、グウェンのために。
言いたいことは沢山あるのに、言葉にならない。言いたいのに、喉に何かが絡まっていて話せない。
「ノア…キスをしても、いいか?」
なのに目の前の男は、言うに事欠いてキスだとのたまった。
固まってしまった。いつも許可なんか取らないのに。けれど、グウェンの手がほんの少しだけ震えているのが頬に触れたことで分かった。
「ふ、……ふふ、ふは、は……」
俺はおかしくて笑ってしまった。
「の、ノア?」
「ふふ、ふふふ、は、王女が言ってたんだ。冷静で、騎士団最強の漆黒の騎士だって」
「……その名前はやめてくれ…」
「そんな騎士様が、俺に遠慮してるのが、ふふ…おかしくて」
俺は目に涙を溜めて、それを指で拭いながら笑った。
「…仕方ないだろう。拒否されたんだ」
「ふは、トラウマ?」
「そうだ。君は簡単にトラウマを更新してくる」
王女の件では手を振り払ったし、喧嘩の前はキスを途中で押し返した。この騎士団最強の漆黒の騎士は、ただそれしきのことでトラウマになってる。
俺の事でこんなに悩んでくれているじゃないか。
「ねぇ、俺は、キスだけじゃ我慢できないと思うんですけど、どうですか?」
グウェンが目を見開いてこちらを見てくる。言われた言葉を心の中で理解するのに時間がかかっているようだった。 けど、俺がそれを待つことはしない。
少し高い位置にある首に、腕を回して、自分から口付けをした。
まだグウェンは驚いているようだったが、関係ない。俺は自分から深く繋がるために舌を差し出す。
「ん……」
舌を絡ませると、遠慮がちだったグウェンも俺の腰に手を回して、俺の口内で舌を絡ませてくれた。唾液が混ざりあって、くちゅり、と音が聞こえてくる。
心地良さに身を委ねながら、首に回した手を下ろして、グウェンの服の留め金を外す。少しずつ外して行くと、上半身だけはだけた格好になった。
グウェンも俺の服のボタンをキスをしながら器用に外していく。衣擦れの音が耳をくすぐる。2人とも上半身だけ服がはだけた状態になり、急にグウェンに持ち上げられた。
「わっ」
「…寝室まで待てない」
執務室のグウェンがいつも仕事をしている机に行儀悪くも乗せられる。グウェンは言いながら、また唇を重ねる。俺はいつの間にかズボンも脱がされていた。
「んっ…ん、ふ、ぁ」
角度を変えながらキスをされ、口内は舌で好き勝手動かれているのに、俺は気がつくと自分もそれを追いかけるように舌を絡ませていたことがやっぱりおかしくて笑ってしまった。
「っは、……ふふ」
「?どうした」
「んーん。やっぱり好きだなぁって」
グウェンの手を深く繋いだ。グウェンは恋人繋ぎされた手の甲にキスをした。
「俺もだ、愛してる」
頭がぼやけるように蕩けていく。もう一度キスをされて、俺はまたグウェンの首に手を回した。
「……んっ、あ、はぁ」
机の上で、グウェンを受け入れるための前戯をされる。グウェンの指は既に三本受け入れていた。いつもだったら1度果てるまで続けられるのに、途中で指が抜かれた。
「あっ」
「すまん、もう待てない」
グウェンの剛直が、一気に貫かれる。
「あああ! ん、ぐ、ぁ」
「大丈夫か…?」
久しぶりなのと、いつもより早い挿入にキツさを隠せなかった。少しだけ涙目になりながら頷く。我慢できなかったのは俺もだ。
しばらく馴染ませるために止まってくれている。グウェンは涙を吸うようにキスをした後、顔中にキスを降らせた。
だいぶ身体が馴染んできた頃に、グウェンがゆっくり揺さぶり始めた。
「動くぞ」
「んっ…」
グウェンの首にまわした手を少し緩めて、グウェンが動きやすいようにした。 グウェンは俺の腰を掴んで、良いところに当たるように中をぐちゃぐちゃ音を立てながら突いた。
「あっ、あっ、ん!ああ!」
「ふっ…ノア…」
執務机はかなりの重量感がありそうなのに、グウェンの動きに合わせてガタガタ音を立てている。結合部からも淫靡な水音が響いている。
「あっ!あ!そこ!イイっ」
奥の良い所を突かれ、嬌声を上げる。グウェンは重点的にせめてくるように激しく挿入する。俺は久しぶりなこともあって追い詰められるのは早かった。
「あ、だめ、くる……っイク!」
「は…っ、ノア」
「んんん!!~~~~っ……ぁ!」
足先をピンと伸ばして、達した。グウェンも中で精液が出ているのを感じた。イったばかりで身体はビクビクとしている。グウェンのモノが引き抜かれると、ドロリと精液が垂れた。
グウェンは唇を重ねた。俺はまた首に手を回してキスに身を委ねた。グウェンの舌が絡みついて、くちゅり、と音を立てる。角度を変えながらそのまましばらくキスをした。
「っん……ふっ、ん……んん」
グウェンが、唇を離す。唾液の糸が伸びて、また縮まった。今度はリップ音を立てるだけで離れていった。
「ん……グウェン、今日は夕飯絶対食べてって、アイリスとスイレンが」
「そうか。それは、食べなかったら恨まれそうだ」
「ふふ、そうだよ。2人とも怒られちゃう」
額と額を合わせて、もう一度キスをした。
「それで、グウェン殿と話し合って、グウェン殿が非番の日は休むことにしたのか」
俺は相変わらず、学園の相談役の仕事のため宰相補佐の部屋にいた。本日も騎士コースについての話し合いの予定で、これからグウェンも合流してくる。
所狭しと書類が広げられていたのも、今は少し整理して、紅茶を飲んで休んでいた。紅茶は宰相補佐の趣味らしく、気取らないが香り高く、無糖のはずなのにほんの少し甘く、苦味のない紅茶だ。
「ええ、それでまぁ、落ち着きました」
あの後、王女の助言通り、2人でしっかり話し合った。
俺は夫人のレッスンも刺繍教室も学園創立の相談役も刺繍作家としても続けていきたいと希望を言った。
そもそも夫人のレッスンも学園創立の相談役もいつかは終わりがくる。忙しいのには期限があると伝えれば、グウェンは定期的に休みをとるならば、と了承してくれた。
「ノア殿と結婚できたグウェン殿は幸せだな」
「ぶ、なんですか、急に…」
「きちんと話し合ってお互いを尊重できるのは良い事だ。どちらかに偏ればいつか歪みがくる」
俺は今回、自分たちだけで仲直り出来たとは思わない。グウェンの方もレイに相談していたようだし、俺は王女様たちに相談したし、頼れる人が居るというのは本当にありがたいと思う。
「ステファノ様にも良い人はおられるんですか?」
「なかなか忙しくて難しいね。フリーだったら良かったと思う人物は近くにいるんだが」
「え」
「おいちょっと待て」
どこから聞いていたのか、グウェンがドアを開けて入ってきた。グウェンは入ってくると同時に俺を宰相補佐から見えないように立ち塞がった。
「やっぱりか、怪しいとは思っていたんだ。やっぱりノアを狙っていたのか!」
「ははは」
「グウェン、落ち着いてよ」
どうどう、とグウェンのマントの裾を引っ張る。ステファノ様は俺とは言ってないじゃないか。どこかの誰かかもしれないと思ってグウェンを止めようとしていた。
「私としては、ノア殿よりグウェン殿の方がタイプなんだがね」
ビシッとグウェンから何かが割れる音が聞こえてくる。
「筋肉質な男性を組み敷くのが好きなんだ」
宰相補佐の甘いマスクの笑顔は、今までで1番輝いていた。
「ただいま……あの」
「旦那様はご帰宅しております」
「私室にいらっしゃいます」
俺が言いたいことが手に取るように分かられてしまっている。きっと昨日の喧嘩も2人には分かっているんだろう。
「ノア様、今日はシェフが腕によりをかけた夕食だそうです」
「ノア様が教えてくださったメニューだと言っていました。是非旦那様と召し上がって下さい」
「……うん、ありがとう」
本当に2人にはいつも感謝でしかない。2人の優しさに、心が穏やかになったのもつかの間、少しだけ緊張してグウェンの私室に向かった。
いつもより廊下が長い気がする。それはきっと足取りが重いからだ。なのに、廊下が短く感じる。もう、目の前がグウェンの私室に通じるドアだったからだ。
俺は1回深呼吸をした。そしてゴクリ、と唾を飲み込んで、勇気を振り絞りノックをした。中から返事が聞こえる。普通の応答だった。おそらく、俺だと思ってない。まだ俺は教室をしていると思っている。
意を決してドアノブを捻って、扉を開いた。
彼は私室のテーブルに手を組んで、ため息をついていた。いつもなら書類と睨めっこしているのに、書類なぞ何も無い机で、ただため息をついていた。俺が入ったことにも気づいていない素振りだった。
「……グウェン」
声をかけると、グウェンはガバッと顔を上げる。目を見開いて驚いている様子だった。グウェンは慌てた様子で椅子から立ち上がり、俺の目の前に立った。
「か、えったのか」
途切れていた言葉が戸惑いを俺に伝えてくる。
「…うん、王女たちに、帰れって言われちゃった」
「そうか……」
シン…と部屋が静まり返った。なんて言葉を続ければいいのか分からなくて、戸惑った。
ごめんね、俺は全部自分がやりたいと思ってる。グウェンが辞めて欲しい気持ちも分かるけど、俺がやらなくちゃいけないんだ。自分のために、グウェンのために。
言いたいことは沢山あるのに、言葉にならない。言いたいのに、喉に何かが絡まっていて話せない。
「ノア…キスをしても、いいか?」
なのに目の前の男は、言うに事欠いてキスだとのたまった。
固まってしまった。いつも許可なんか取らないのに。けれど、グウェンの手がほんの少しだけ震えているのが頬に触れたことで分かった。
「ふ、……ふふ、ふは、は……」
俺はおかしくて笑ってしまった。
「の、ノア?」
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「……その名前はやめてくれ…」
「そんな騎士様が、俺に遠慮してるのが、ふふ…おかしくて」
俺は目に涙を溜めて、それを指で拭いながら笑った。
「…仕方ないだろう。拒否されたんだ」
「ふは、トラウマ?」
「そうだ。君は簡単にトラウマを更新してくる」
王女の件では手を振り払ったし、喧嘩の前はキスを途中で押し返した。この騎士団最強の漆黒の騎士は、ただそれしきのことでトラウマになってる。
俺の事でこんなに悩んでくれているじゃないか。
「ねぇ、俺は、キスだけじゃ我慢できないと思うんですけど、どうですか?」
グウェンが目を見開いてこちらを見てくる。言われた言葉を心の中で理解するのに時間がかかっているようだった。 けど、俺がそれを待つことはしない。
少し高い位置にある首に、腕を回して、自分から口付けをした。
まだグウェンは驚いているようだったが、関係ない。俺は自分から深く繋がるために舌を差し出す。
「ん……」
舌を絡ませると、遠慮がちだったグウェンも俺の腰に手を回して、俺の口内で舌を絡ませてくれた。唾液が混ざりあって、くちゅり、と音が聞こえてくる。
心地良さに身を委ねながら、首に回した手を下ろして、グウェンの服の留め金を外す。少しずつ外して行くと、上半身だけはだけた格好になった。
グウェンも俺の服のボタンをキスをしながら器用に外していく。衣擦れの音が耳をくすぐる。2人とも上半身だけ服がはだけた状態になり、急にグウェンに持ち上げられた。
「わっ」
「…寝室まで待てない」
執務室のグウェンがいつも仕事をしている机に行儀悪くも乗せられる。グウェンは言いながら、また唇を重ねる。俺はいつの間にかズボンも脱がされていた。
「んっ…ん、ふ、ぁ」
角度を変えながらキスをされ、口内は舌で好き勝手動かれているのに、俺は気がつくと自分もそれを追いかけるように舌を絡ませていたことがやっぱりおかしくて笑ってしまった。
「っは、……ふふ」
「?どうした」
「んーん。やっぱり好きだなぁって」
グウェンの手を深く繋いだ。グウェンは恋人繋ぎされた手の甲にキスをした。
「俺もだ、愛してる」
頭がぼやけるように蕩けていく。もう一度キスをされて、俺はまたグウェンの首に手を回した。
「……んっ、あ、はぁ」
机の上で、グウェンを受け入れるための前戯をされる。グウェンの指は既に三本受け入れていた。いつもだったら1度果てるまで続けられるのに、途中で指が抜かれた。
「あっ」
「すまん、もう待てない」
グウェンの剛直が、一気に貫かれる。
「あああ! ん、ぐ、ぁ」
「大丈夫か…?」
久しぶりなのと、いつもより早い挿入にキツさを隠せなかった。少しだけ涙目になりながら頷く。我慢できなかったのは俺もだ。
しばらく馴染ませるために止まってくれている。グウェンは涙を吸うようにキスをした後、顔中にキスを降らせた。
だいぶ身体が馴染んできた頃に、グウェンがゆっくり揺さぶり始めた。
「動くぞ」
「んっ…」
グウェンの首にまわした手を少し緩めて、グウェンが動きやすいようにした。 グウェンは俺の腰を掴んで、良いところに当たるように中をぐちゃぐちゃ音を立てながら突いた。
「あっ、あっ、ん!ああ!」
「ふっ…ノア…」
執務机はかなりの重量感がありそうなのに、グウェンの動きに合わせてガタガタ音を立てている。結合部からも淫靡な水音が響いている。
「あっ!あ!そこ!イイっ」
奥の良い所を突かれ、嬌声を上げる。グウェンは重点的にせめてくるように激しく挿入する。俺は久しぶりなこともあって追い詰められるのは早かった。
「あ、だめ、くる……っイク!」
「は…っ、ノア」
「んんん!!~~~~っ……ぁ!」
足先をピンと伸ばして、達した。グウェンも中で精液が出ているのを感じた。イったばかりで身体はビクビクとしている。グウェンのモノが引き抜かれると、ドロリと精液が垂れた。
グウェンは唇を重ねた。俺はまた首に手を回してキスに身を委ねた。グウェンの舌が絡みついて、くちゅり、と音を立てる。角度を変えながらそのまましばらくキスをした。
「っん……ふっ、ん……んん」
グウェンが、唇を離す。唾液の糸が伸びて、また縮まった。今度はリップ音を立てるだけで離れていった。
「ん……グウェン、今日は夕飯絶対食べてって、アイリスとスイレンが」
「そうか。それは、食べなかったら恨まれそうだ」
「ふふ、そうだよ。2人とも怒られちゃう」
額と額を合わせて、もう一度キスをした。
「それで、グウェン殿と話し合って、グウェン殿が非番の日は休むことにしたのか」
俺は相変わらず、学園の相談役の仕事のため宰相補佐の部屋にいた。本日も騎士コースについての話し合いの予定で、これからグウェンも合流してくる。
所狭しと書類が広げられていたのも、今は少し整理して、紅茶を飲んで休んでいた。紅茶は宰相補佐の趣味らしく、気取らないが香り高く、無糖のはずなのにほんの少し甘く、苦味のない紅茶だ。
「ええ、それでまぁ、落ち着きました」
あの後、王女の助言通り、2人でしっかり話し合った。
俺は夫人のレッスンも刺繍教室も学園創立の相談役も刺繍作家としても続けていきたいと希望を言った。
そもそも夫人のレッスンも学園創立の相談役もいつかは終わりがくる。忙しいのには期限があると伝えれば、グウェンは定期的に休みをとるならば、と了承してくれた。
「ノア殿と結婚できたグウェン殿は幸せだな」
「ぶ、なんですか、急に…」
「きちんと話し合ってお互いを尊重できるのは良い事だ。どちらかに偏ればいつか歪みがくる」
俺は今回、自分たちだけで仲直り出来たとは思わない。グウェンの方もレイに相談していたようだし、俺は王女様たちに相談したし、頼れる人が居るというのは本当にありがたいと思う。
「ステファノ様にも良い人はおられるんですか?」
「なかなか忙しくて難しいね。フリーだったら良かったと思う人物は近くにいるんだが」
「え」
「おいちょっと待て」
どこから聞いていたのか、グウェンがドアを開けて入ってきた。グウェンは入ってくると同時に俺を宰相補佐から見えないように立ち塞がった。
「やっぱりか、怪しいとは思っていたんだ。やっぱりノアを狙っていたのか!」
「ははは」
「グウェン、落ち着いてよ」
どうどう、とグウェンのマントの裾を引っ張る。ステファノ様は俺とは言ってないじゃないか。どこかの誰かかもしれないと思ってグウェンを止めようとしていた。
「私としては、ノア殿よりグウェン殿の方がタイプなんだがね」
ビシッとグウェンから何かが割れる音が聞こえてくる。
「筋肉質な男性を組み敷くのが好きなんだ」
宰相補佐の甘いマスクの笑顔は、今までで1番輝いていた。
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