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side story -レイとルーク-
レイの恋煩い③
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レイが逃げた。
まさか逃げるとは予想してなかった。思ってもみなかった行動に、反応出来なかった。どこに行ったのか分からないまま動くのは得策じゃないと見て、とりあえず帰ってくるのを待とう、と俺は貧乏揺すりしそうになる足を抑えながら自室のベッドに座っていた。
ドアにノック音が3回聞こえた。帰ってきたかと思い、すぐさま立ち上がる。しかし入ってきたのはこの家の執事だった。
「ルーク様、失礼致します。先程ルーク様宛の伝言が届きました」
「伝言?」
「ノア様より、『レイはうちで引き取る。しばらく来るな』との事です」
「……マジかよ……」
「……如何致しますか?」
執事の伝言にため息をついた。帰ってこないわ迎えにも行けない。どうしろと。
大体、今日はまだ何もしてなかったのだ。ただ振り向いて、おはようと言っただけだ。まぁもちろん、今までの彼女たちから絶賛されるような微笑みは見せたつもりだが。
自分がレイの椅子を引いて座らせたりとか、食べ終わったあとは今日の仕事の内容を聞いて、手伝えるとこは手伝ったり、レイが仕事をしやすいように書類の整理をしたり……非番だからやれることは沢山あったのだ。
なのにまさか、仕事を放棄して逃げるとは思ってもなかった。
「……ルーク様。意見を許してくださいますでしょうか」
執事が提案を持ちかけてきた。ああ、と返事をすると執事は咳払いをして続けた。
「お手紙やお花を送ってみてはどうでしょうか?」
「……レイはあんまりそういうの好きそうじゃないが?」
「幼少の頃よりレイ様を見てきた私から言わせて頂きますと、レイ様はノア様より乙女のような心をお持ちです。きっと喜びますよ」
「まぁ俺は効果があるならやっても良いけどなぁ……」
執事の提案は、今までのレイの行動からはあまりしっくりこなかった。しかし、今この状況は藁にも縋る思いだ。
相手はノアだ。元カレとか、俺の他に好きな人がいて、とかそんなレベルではない。それこそお互いがお互いのために生命をかけられる双子だ。並大抵のことではノアには対抗できないと思っている。
「けどなぁ……」
「レイ様は、婚約よりも恋人をしている時の方がとても楽しそうでございます。おそらく恋愛というものに強い憧れがあるかと」
「うーん……まぁやってみるか」
「ご準備できましたらお声掛けください」
執事はそう言ってどこから取り出したのか、便箋と封筒をデスクに置いて部屋を出ていった。
「……まぁ、書きますか」
ルークはそう言って、筆をとることに決めたのだった。
「な、なななな」
「うわ……まじでほんと……ルーク、あいつほんと……チッ、誰の入れ知恵だ。ここに居ることを逆手に取ってきたな」
「ノア、口が悪くなってるぞ」
夕方、グウェンとノアの屋敷に子爵家の使用人が手紙を届けに来た。……三本の赤い薔薇と共に。
「薔薇が三本?」
「俺、教えないよ」
「ノア、それくらい良いだろう…。三本の薔薇の花言葉は『愛しています』だな」
言われて顔が一気に熱くなるのを自覚する。それを言われて、手紙をこの場で開けるのは気が引けた。というよりも恥ずかしすぎて開けたくない。
「……手紙、読めない」
「捨ててしまえ、それかそのまま魔法で燃やしてしまえ」
「ノア…」
グウェンがノアの過激な発言にため息をつく。自分の顔を触ってみるとまだ熱い。
届いたものを読まないというのも失礼だし、そもそも中身が気になって仕方ない。恥ずかしくて開けたくないのも本心だが、少し落ち着いてから開けようと考え、アイリスやスイレンが準備してくれた部屋に入って読むことにした。
寝台に腰掛け、深呼吸してから意を決して封を切る。途端にふわり、と嗅いだことのあるほんの少しだけスパイシーな香り……イランイランだ。僕が好んでいたのを知っていたのか、と何もかも把握されているような気がして胸の辺りがギュッと締め付けられた。イランイランって花言葉あったかな……?
あとで調べようと決めて、封筒の中の手紙を取り出した。丁寧に折りたたまれた便箋を開く。
「~~~~~っ!!!うわああああああ!!!!」
恥ずかしすぎて叫んだ。
次の日の朝食を3人で取っている時だった。今日はノアと2人でゆっくりしよう、なんて話をしながら、昨日の手紙を意識しないようにする。
けれども、アイリスが食事が終わったのを見計らって自分に声をかけてきた。
「レイ様、お届けものでございます」
「へ?」
アイリスが持っていたのは、昨日と同じ柄の封筒に、赤いゼラニウムの小さなブーケが添えられていた。
昨日の今日だ。そもそも昨日は読んだだけで撃沈して返事は出してもないし、書いてすらない。なのに追撃するかの如く、また送られてきた。
「ノア、さすがにあの花の花言葉は分からん」
「……『君あっての幸福』」
凄く答えたくなさそうにノアが言う。
「…暗に、会いたいって言ってんじゃない?アイリス、次来たら送り返してよ」
「こらこら」
「……ちょっと、読んでくる……」
返事をかけるかどうかは分からないが、とりあえずフラフラと自室に戻った。そして、
「ふ、ふぐぅうううぅう……!」
熱の篭った愛の言葉による数々の洗礼を受け、布団に顔を埋めて見悶えるしか出来なかった。
そしてまた夕方には赤のサザンカを添えた手紙が届く。ノアに花言葉を聞くとウンザリしたように「あなたが1番美しい」と言う。
次はスイカズラ「献身的な愛」
その次はピンクのチューリップ「誠実な愛」
などなど……5日間朝夕必ず届いた。返事は恥ずかしすぎて書けなかった。いや、書こうとは思ったけど、言葉にすることが出来なかった。
「……帰る」
ポツリ、と朝食の最中に呟いた。いつもなら自分が騒がしいのに、ノアが食事中にも関わらず声を荒らげた。
「ええ!帰らないでいいよ!」
「ノア…そろそろルークが可哀想だろう」
「可哀想?! いや、ルークの事だから絶対に途中から楽しくなってきてるはず!絶対楽しんでる!」
「ノア…、ルークのことを目の敵にし過ぎだ。あいつも限度というものは弁えているだろうし、大丈夫だろう」
グウェンの言葉に全く納得出来ていないノア。でも、ここにいるのも楽しいけど、やっぱり帰ろうと思う。
「……2人ともありがとね」
「レイ……変なことされたらすぐ帰ってくるんだよ?夜中でもいつでも」
「う、うん。でもさすがにそろそろ帰らないと仕事も溜まってるし…」
仕事は帰ればある。実際に溜まっている。おそらく執事は早く決済してもらいたいものがあって困っているに違いない。
けれどそれ以上に、帰りたい理由があった。あんなに熱烈に、「会いたい」だの「愛してる」だのが書かれた手紙が届き続ける。心がザワついて落ち着かない。
ましてや恋心を自覚した上で、会える距離にいるのに引き伸ばしているのは自分だ。自分が帰れば良いだけなのだ。会いたいと思ってるのは、ルークだけじゃない。
「…いや、レイ今日はやめといた方が…」
「?なんで……?」
「なんでって…本当にルークムカつくな」
ノアは帰ることに最後まで反対していた。理由はよく分からなかったけど、帰りたくなったから、帰ることに決めた。
レイが帰宅後、俺はまだルークに対しむしゃくしゃしていた。俺は愚痴を言うしか鬱憤を晴らせない。
「ノア様、取られてしまいましたね」
「本当に嫌だー! 見た?!最後のレイの顔! ポヤポヤしてた! 」
「アレは帰った瞬間食われます」
アイリスとスイレンの言葉を聞いて本気でルークを恨んだ。俺の可愛い双子の兄が、悪魔に吸い込まれていった。ルークは甘い罠を張って、レイを誘導して巣に呼び込んだのだ。
「こないだルークにたまたま会った時に『後は引きずり出すだけです』と言っていたんだが…」
「…レイ……」
蝶は一生抜け出せない罠に自ら向かっていった。
まさか逃げるとは予想してなかった。思ってもみなかった行動に、反応出来なかった。どこに行ったのか分からないまま動くのは得策じゃないと見て、とりあえず帰ってくるのを待とう、と俺は貧乏揺すりしそうになる足を抑えながら自室のベッドに座っていた。
ドアにノック音が3回聞こえた。帰ってきたかと思い、すぐさま立ち上がる。しかし入ってきたのはこの家の執事だった。
「ルーク様、失礼致します。先程ルーク様宛の伝言が届きました」
「伝言?」
「ノア様より、『レイはうちで引き取る。しばらく来るな』との事です」
「……マジかよ……」
「……如何致しますか?」
執事の伝言にため息をついた。帰ってこないわ迎えにも行けない。どうしろと。
大体、今日はまだ何もしてなかったのだ。ただ振り向いて、おはようと言っただけだ。まぁもちろん、今までの彼女たちから絶賛されるような微笑みは見せたつもりだが。
自分がレイの椅子を引いて座らせたりとか、食べ終わったあとは今日の仕事の内容を聞いて、手伝えるとこは手伝ったり、レイが仕事をしやすいように書類の整理をしたり……非番だからやれることは沢山あったのだ。
なのにまさか、仕事を放棄して逃げるとは思ってもなかった。
「……ルーク様。意見を許してくださいますでしょうか」
執事が提案を持ちかけてきた。ああ、と返事をすると執事は咳払いをして続けた。
「お手紙やお花を送ってみてはどうでしょうか?」
「……レイはあんまりそういうの好きそうじゃないが?」
「幼少の頃よりレイ様を見てきた私から言わせて頂きますと、レイ様はノア様より乙女のような心をお持ちです。きっと喜びますよ」
「まぁ俺は効果があるならやっても良いけどなぁ……」
執事の提案は、今までのレイの行動からはあまりしっくりこなかった。しかし、今この状況は藁にも縋る思いだ。
相手はノアだ。元カレとか、俺の他に好きな人がいて、とかそんなレベルではない。それこそお互いがお互いのために生命をかけられる双子だ。並大抵のことではノアには対抗できないと思っている。
「けどなぁ……」
「レイ様は、婚約よりも恋人をしている時の方がとても楽しそうでございます。おそらく恋愛というものに強い憧れがあるかと」
「うーん……まぁやってみるか」
「ご準備できましたらお声掛けください」
執事はそう言ってどこから取り出したのか、便箋と封筒をデスクに置いて部屋を出ていった。
「……まぁ、書きますか」
ルークはそう言って、筆をとることに決めたのだった。
「な、なななな」
「うわ……まじでほんと……ルーク、あいつほんと……チッ、誰の入れ知恵だ。ここに居ることを逆手に取ってきたな」
「ノア、口が悪くなってるぞ」
夕方、グウェンとノアの屋敷に子爵家の使用人が手紙を届けに来た。……三本の赤い薔薇と共に。
「薔薇が三本?」
「俺、教えないよ」
「ノア、それくらい良いだろう…。三本の薔薇の花言葉は『愛しています』だな」
言われて顔が一気に熱くなるのを自覚する。それを言われて、手紙をこの場で開けるのは気が引けた。というよりも恥ずかしすぎて開けたくない。
「……手紙、読めない」
「捨ててしまえ、それかそのまま魔法で燃やしてしまえ」
「ノア…」
グウェンがノアの過激な発言にため息をつく。自分の顔を触ってみるとまだ熱い。
届いたものを読まないというのも失礼だし、そもそも中身が気になって仕方ない。恥ずかしくて開けたくないのも本心だが、少し落ち着いてから開けようと考え、アイリスやスイレンが準備してくれた部屋に入って読むことにした。
寝台に腰掛け、深呼吸してから意を決して封を切る。途端にふわり、と嗅いだことのあるほんの少しだけスパイシーな香り……イランイランだ。僕が好んでいたのを知っていたのか、と何もかも把握されているような気がして胸の辺りがギュッと締め付けられた。イランイランって花言葉あったかな……?
あとで調べようと決めて、封筒の中の手紙を取り出した。丁寧に折りたたまれた便箋を開く。
「~~~~~っ!!!うわああああああ!!!!」
恥ずかしすぎて叫んだ。
次の日の朝食を3人で取っている時だった。今日はノアと2人でゆっくりしよう、なんて話をしながら、昨日の手紙を意識しないようにする。
けれども、アイリスが食事が終わったのを見計らって自分に声をかけてきた。
「レイ様、お届けものでございます」
「へ?」
アイリスが持っていたのは、昨日と同じ柄の封筒に、赤いゼラニウムの小さなブーケが添えられていた。
昨日の今日だ。そもそも昨日は読んだだけで撃沈して返事は出してもないし、書いてすらない。なのに追撃するかの如く、また送られてきた。
「ノア、さすがにあの花の花言葉は分からん」
「……『君あっての幸福』」
凄く答えたくなさそうにノアが言う。
「…暗に、会いたいって言ってんじゃない?アイリス、次来たら送り返してよ」
「こらこら」
「……ちょっと、読んでくる……」
返事をかけるかどうかは分からないが、とりあえずフラフラと自室に戻った。そして、
「ふ、ふぐぅうううぅう……!」
熱の篭った愛の言葉による数々の洗礼を受け、布団に顔を埋めて見悶えるしか出来なかった。
そしてまた夕方には赤のサザンカを添えた手紙が届く。ノアに花言葉を聞くとウンザリしたように「あなたが1番美しい」と言う。
次はスイカズラ「献身的な愛」
その次はピンクのチューリップ「誠実な愛」
などなど……5日間朝夕必ず届いた。返事は恥ずかしすぎて書けなかった。いや、書こうとは思ったけど、言葉にすることが出来なかった。
「……帰る」
ポツリ、と朝食の最中に呟いた。いつもなら自分が騒がしいのに、ノアが食事中にも関わらず声を荒らげた。
「ええ!帰らないでいいよ!」
「ノア…そろそろルークが可哀想だろう」
「可哀想?! いや、ルークの事だから絶対に途中から楽しくなってきてるはず!絶対楽しんでる!」
「ノア…、ルークのことを目の敵にし過ぎだ。あいつも限度というものは弁えているだろうし、大丈夫だろう」
グウェンの言葉に全く納得出来ていないノア。でも、ここにいるのも楽しいけど、やっぱり帰ろうと思う。
「……2人ともありがとね」
「レイ……変なことされたらすぐ帰ってくるんだよ?夜中でもいつでも」
「う、うん。でもさすがにそろそろ帰らないと仕事も溜まってるし…」
仕事は帰ればある。実際に溜まっている。おそらく執事は早く決済してもらいたいものがあって困っているに違いない。
けれどそれ以上に、帰りたい理由があった。あんなに熱烈に、「会いたい」だの「愛してる」だのが書かれた手紙が届き続ける。心がザワついて落ち着かない。
ましてや恋心を自覚した上で、会える距離にいるのに引き伸ばしているのは自分だ。自分が帰れば良いだけなのだ。会いたいと思ってるのは、ルークだけじゃない。
「…いや、レイ今日はやめといた方が…」
「?なんで……?」
「なんでって…本当にルークムカつくな」
ノアは帰ることに最後まで反対していた。理由はよく分からなかったけど、帰りたくなったから、帰ることに決めた。
レイが帰宅後、俺はまだルークに対しむしゃくしゃしていた。俺は愚痴を言うしか鬱憤を晴らせない。
「ノア様、取られてしまいましたね」
「本当に嫌だー! 見た?!最後のレイの顔! ポヤポヤしてた! 」
「アレは帰った瞬間食われます」
アイリスとスイレンの言葉を聞いて本気でルークを恨んだ。俺の可愛い双子の兄が、悪魔に吸い込まれていった。ルークは甘い罠を張って、レイを誘導して巣に呼び込んだのだ。
「こないだルークにたまたま会った時に『後は引きずり出すだけです』と言っていたんだが…」
「…レイ……」
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