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番外編

愛の言葉 side アドルフ ⑥※

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「ヴァレリ……んっ…あっ!」

  キスと共に苛まれる中はギチギチで、それでいてトロトロに溶かされ一つになっていた。

  どこもかしこも気持ちよくて感じてしまう。二日酔いもあったけれど、どこかに吹っ飛んでしまった。
  ヴァレリの膝の上に乗り、腰を浮かせては沈ませる。特にキスをしながらの行為はアドルフを更に一層興奮させた。

「んっ、ちゅ…、ぁ、んぷ、あ」
「は……エロ。お前って歳取んねぇなあ」

  顔をジッと見つめられ、トロンとした目で見つめ返す。

「はぇ……あ、あっ! んんっ、んっ!」

  どういう意味かと訪ねようとするが、下から突き上げられて揺さぶられ、アドルフの脳内は疑問をかき消してしまう。
  トントンと奥を突かれ、中の良いところをヴァレリの雁首が引っ掻くように擦る。
  七年間、もうアドルフの身体の知らないところなど無い程に荒らし尽くされ、癖を付けられたこの身体は、もはやヴァレリ以外の男としてもここまで快感を得ることは出来ないだろうと思う。気持ちいい、愛しい、もっと、好き、そればかりが脳内を占めていて、アドルフは上手く判断ができない。

「ほら、舌出せ」
「あ……ん……んん゛っ!」

  頭を溶かされ素直になったアドルフは言われた通り舌を出す。少し短くて赤い舌はヴァレリの大きくて厚い舌に直ぐに絡め取られた。ぢゅ、と舌先を吸われほんの少しの恐怖と痛みがあったのに、ヴァレリが苛むアドルフの中は勝手に悦びを感じて締め付けていた。

「は、気持ちよかったんだろ?」
「ん……ヴァレリ、もっと……ぁ、や、ああっ!」

  いつになく素直になって強請ると、ヴァレリはク、と笑って腰を下から突き上げてきた。ベッドの軋む音とグチュンッと言う卑猥な音が部屋を占領する。

「んあ! ヴァレリ、あ、そこ、ぁっ、や……あっ!もっと、ぉ……!」
「あー最高。気持ちいいし眺めも良いし、言うことなしっ、だなっ!」
「あっ、あ゛っ! やぁっ、んっ、んんんっ!」

  下からの突き上げが止まないまま、キスをされくぐもった喘ぎ声が漏れる。上の口も下の口もヴァレリによって蹂躙され、身体全身がゾワゾワとして喜んでいるのがわかる。ふと目が合うと、野獣のようにギラつく目が交わり、腰が更にズクンと重くなる。締め付けが良くなったからか、ヴァレリの動きが止まった。

「……っぶな。出るとこだったわ」
「んぁ、あっ! んっ、なん、で…っ、出して、出してぇ……!」
「はー? お前処理大変っていつも文句言うクセにこういう時だけ……あークソっ」
「あぅ!」

  悪態づいた後、トン、と軽く押されて背中がベッドにくっついた。高級なベッドだからか程よい硬さのベッドのおかげでアドルフにはなんの苦痛もなく受け止められる。けれど中にはヴァレリが居たままだ。そのまま押し倒されたのでグン、とイイところを押されてしまい思わず声が出てしまった。

「ひっ…あああ!!やぁ゛っ、あ、あっ!」

  ヴァレリはアドルフの腰をグッと掴んで激しく奥まで抉り始めた。臀を叩く乾いた音に、イヤらしい水音が二人を繋ぐ場所から聞こえてくる。
  激しい荒波に翻弄され、快楽が押し寄せてくる。どんなに荒々しくともヴァレリならばもう何でも気持ちいいのだと身体が理解している。

「あ、あああっ、あ゛…っ!」
「……っ、は……!」

  一際激しく突き入れ、アドルフの快感が頂点に達した。それと同時に熱く流れるヴァレリを感じ、そのまま意識をフェードアウトしていった。
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