15 / 32
内海との出会い
しおりを挟む
深夜の音楽番組の収録にへ行った。
そこでなぜかロケ弁ではなく社食が食べたいと春が言い出した。
ロケ弁を用意してたのに演者の頼みだからか局員の内海と名乗る小柄な女性は快く是非と言った。
ゆるいパーマに伸びかけのショートカットに耳に揺れる大きなピアス。
足首まで隠れるくらいの長いスカート。
背の低い彼女にはその格好がよく似合いテレビ局で働く女のふわりとした余裕と都会らしさを醸し出していた。
みんなでたまにはいいかと楽屋を出て内海さんの案内で社食に行こうとすると近くの楽屋から女の子達が出てきた。
「きゃ!」
扉を閉めたかと思うとまたそっと開いてこっちを見ていた。
「HARUさん」
春が振り返ると扉から黒髮のロングヘアーの女の子がでてきた。
「あれだれ?」
「DLOPっていう6人組のアイドルグループですよ。最近デビューして売り出し中みたいでよく見かけます」
内海さんはみんなに言った。
ショートパンツにロングブーツ。意志の強そうな瞳。ブーツからでる太ももがムチムチしてエロい。開いた胸元からは巨乳があからさまに目に入る。
ひろこと似たような髪型やエロそうな雰囲気でも決してひろこに似ている訳ではないその子は春に何やら話していたので先にエレベーターホールへ行った。
すぐに春が戻ってきたので内海さんがエレベーターで12階の社食へアテンドしてくれた。
「春、ナンパされたの?」
「ライブのチケット買いたいので電話していいですかって連絡先きかれた。ライブの予定なんてまだないよな?」
「それ、単に逆ナンじゃないか?」
聖司に言われみんな吹き出す。
「春はモテるから」
春がひろこ以外の子と、それは男だからあるかもしれない。
たまには他の子に目がいってもいいかもしれない。
それでひろこがいいか他の子がいいか気づく恋もある。
そしたら1人になったひろこに迫るのは誰なんだろう。
ひろこの恋人になれる権利はみんな平等になるんだ。
俺は春の横顔を見つめていた。
内海さんの配慮で社食に入り全員分の席を確保してくれてみんなで注文した。
「HARUさん社食がよかったんですか?」
内海さんはお茶を全員に配りながら話しかけた。
「ロケ弁も飽きちゃって。社食って会社員になった気分になれていいじゃないですか」
春のことばに内海さんはふふふと上品に笑った。
「それ、安藤ひろこちゃんと同じ意見。昨日あたし彼女のアテンドしたんですよ。年末番組の打ち合わせで。」
全員の動きが止まった。
まさかここでひろこの話題になるとは。芸能人なんてたくさんいるのになんでひろこなんだ?!俺は頭が真っ白になりとっさに立ち上がった。
「内海!!」
「は、はい!」
さっきまでの笑顔が強張り内海さんも立ち上がった。
「内海さん、すいません。なんでもないです」
俺はおとなしく座ったがみんな目が硬直していた。
「安藤ひろこはかわいかったですか?」
とびきりハスキーな声で春が発言し場は凍りついた。
誰も春の顔を見れなかったと思う。
「かわいかったですよ。色っぽくてドキドキしました。うちの男性スタッフもドキドキしたって」
内海はまだドギマギしながら言った。
「内海さぁんケン怖くないから緊張しないで」
優希が内海さんの頭を撫でている。
「内海さんは局員なんですか?」
聖司が質問した。
「はい。宣伝部在籍です。音楽番組はほぼ担当しておりますので何かありましたらおっしゃってください。来週は支倉大介さんのアテンドなんですけど、SOULのみなさんと仲良しなのですよね?」
「大ちゃんなんだ」
みんなが大ちゃんの話が出て少し笑い合い雰囲気が変わった。
「あ、支倉大介さんも安藤ひろこちゃんのファンみたいですよ。こないだおっしゃってました。」
また場がしーんと静まり返る。
『ひろこの部屋、今週のお客さまは支倉大介さんでーす』
木曜深夜に始まる番組を毎週見ていた。
ひろこの司会業も慣れたものだった。お団子頭にラベンダーのワンピースを着て拍手をしている。
大ちゃんがゲストの回だ。
大ちゃんは番組の中で公然と「ひろこちゃんかわいいね」「ひろこちゃんどうゆう人がタイプなの?」「ひろこちゃんどうしてそんなに色っぽいの!」と売り出し中には痛い会話がひろこに食いつき、肩組むかと思えば抱きついたりやりたい放題。
笑ってごまかし逃げるひろこがまた愛らしくてこれは春が見るには毒だとしきりに思えた。
この番組、編集でこの出来という事は実際は相当ヘビーだったのではとさえ思った。
一応女性人気NO1アーティストである支倉大介も全国区の地上波でこれでいいのか?とも疑問はあるがそこはチャラ男大ちゃん、それでよしなんだろう。
俺は内海と連絡先の交換をした。と言っても名刺をもらったので夜掛けますとだけ声をかけた。
昼間とっさに内海を威嚇したようでなんか気分が悪く、俺は内海にTVを見ながら電話して謝った。
「気にしてないから大丈夫ですよ」
あの温厚な笑顔が浮かんだ。
「ひろこ、元気だった?最近話してないんだ。俺はただの友達だけど」
内海にまで春の事で巻き込むのはかわいそうで、俺はフォローがてらに言っておいた。
「安藤さん、仕事は順調だけど最近は悩む事ばかりですって言ってましたよ。ケンさんはお友達だったんですね。あんなかわいい子と友達なんてよく好きにならずにいられますね!」
内海のことばに意表を突かれたようでドキッとした。
「安藤さん、まだお若いのにすごい時計してました。稼いでるんですね。あの歳であんな高価な時計してるタレントさんなんて見た事ないからすごいなってびっくりしましたよ」
「もしかして白いROLEX?」
「それです!」
ひろこは手錠をしていたんだ。
そこでなぜかロケ弁ではなく社食が食べたいと春が言い出した。
ロケ弁を用意してたのに演者の頼みだからか局員の内海と名乗る小柄な女性は快く是非と言った。
ゆるいパーマに伸びかけのショートカットに耳に揺れる大きなピアス。
足首まで隠れるくらいの長いスカート。
背の低い彼女にはその格好がよく似合いテレビ局で働く女のふわりとした余裕と都会らしさを醸し出していた。
みんなでたまにはいいかと楽屋を出て内海さんの案内で社食に行こうとすると近くの楽屋から女の子達が出てきた。
「きゃ!」
扉を閉めたかと思うとまたそっと開いてこっちを見ていた。
「HARUさん」
春が振り返ると扉から黒髮のロングヘアーの女の子がでてきた。
「あれだれ?」
「DLOPっていう6人組のアイドルグループですよ。最近デビューして売り出し中みたいでよく見かけます」
内海さんはみんなに言った。
ショートパンツにロングブーツ。意志の強そうな瞳。ブーツからでる太ももがムチムチしてエロい。開いた胸元からは巨乳があからさまに目に入る。
ひろこと似たような髪型やエロそうな雰囲気でも決してひろこに似ている訳ではないその子は春に何やら話していたので先にエレベーターホールへ行った。
すぐに春が戻ってきたので内海さんがエレベーターで12階の社食へアテンドしてくれた。
「春、ナンパされたの?」
「ライブのチケット買いたいので電話していいですかって連絡先きかれた。ライブの予定なんてまだないよな?」
「それ、単に逆ナンじゃないか?」
聖司に言われみんな吹き出す。
「春はモテるから」
春がひろこ以外の子と、それは男だからあるかもしれない。
たまには他の子に目がいってもいいかもしれない。
それでひろこがいいか他の子がいいか気づく恋もある。
そしたら1人になったひろこに迫るのは誰なんだろう。
ひろこの恋人になれる権利はみんな平等になるんだ。
俺は春の横顔を見つめていた。
内海さんの配慮で社食に入り全員分の席を確保してくれてみんなで注文した。
「HARUさん社食がよかったんですか?」
内海さんはお茶を全員に配りながら話しかけた。
「ロケ弁も飽きちゃって。社食って会社員になった気分になれていいじゃないですか」
春のことばに内海さんはふふふと上品に笑った。
「それ、安藤ひろこちゃんと同じ意見。昨日あたし彼女のアテンドしたんですよ。年末番組の打ち合わせで。」
全員の動きが止まった。
まさかここでひろこの話題になるとは。芸能人なんてたくさんいるのになんでひろこなんだ?!俺は頭が真っ白になりとっさに立ち上がった。
「内海!!」
「は、はい!」
さっきまでの笑顔が強張り内海さんも立ち上がった。
「内海さん、すいません。なんでもないです」
俺はおとなしく座ったがみんな目が硬直していた。
「安藤ひろこはかわいかったですか?」
とびきりハスキーな声で春が発言し場は凍りついた。
誰も春の顔を見れなかったと思う。
「かわいかったですよ。色っぽくてドキドキしました。うちの男性スタッフもドキドキしたって」
内海はまだドギマギしながら言った。
「内海さぁんケン怖くないから緊張しないで」
優希が内海さんの頭を撫でている。
「内海さんは局員なんですか?」
聖司が質問した。
「はい。宣伝部在籍です。音楽番組はほぼ担当しておりますので何かありましたらおっしゃってください。来週は支倉大介さんのアテンドなんですけど、SOULのみなさんと仲良しなのですよね?」
「大ちゃんなんだ」
みんなが大ちゃんの話が出て少し笑い合い雰囲気が変わった。
「あ、支倉大介さんも安藤ひろこちゃんのファンみたいですよ。こないだおっしゃってました。」
また場がしーんと静まり返る。
『ひろこの部屋、今週のお客さまは支倉大介さんでーす』
木曜深夜に始まる番組を毎週見ていた。
ひろこの司会業も慣れたものだった。お団子頭にラベンダーのワンピースを着て拍手をしている。
大ちゃんがゲストの回だ。
大ちゃんは番組の中で公然と「ひろこちゃんかわいいね」「ひろこちゃんどうゆう人がタイプなの?」「ひろこちゃんどうしてそんなに色っぽいの!」と売り出し中には痛い会話がひろこに食いつき、肩組むかと思えば抱きついたりやりたい放題。
笑ってごまかし逃げるひろこがまた愛らしくてこれは春が見るには毒だとしきりに思えた。
この番組、編集でこの出来という事は実際は相当ヘビーだったのではとさえ思った。
一応女性人気NO1アーティストである支倉大介も全国区の地上波でこれでいいのか?とも疑問はあるがそこはチャラ男大ちゃん、それでよしなんだろう。
俺は内海と連絡先の交換をした。と言っても名刺をもらったので夜掛けますとだけ声をかけた。
昼間とっさに内海を威嚇したようでなんか気分が悪く、俺は内海にTVを見ながら電話して謝った。
「気にしてないから大丈夫ですよ」
あの温厚な笑顔が浮かんだ。
「ひろこ、元気だった?最近話してないんだ。俺はただの友達だけど」
内海にまで春の事で巻き込むのはかわいそうで、俺はフォローがてらに言っておいた。
「安藤さん、仕事は順調だけど最近は悩む事ばかりですって言ってましたよ。ケンさんはお友達だったんですね。あんなかわいい子と友達なんてよく好きにならずにいられますね!」
内海のことばに意表を突かれたようでドキッとした。
「安藤さん、まだお若いのにすごい時計してました。稼いでるんですね。あの歳であんな高価な時計してるタレントさんなんて見た事ないからすごいなってびっくりしましたよ」
「もしかして白いROLEX?」
「それです!」
ひろこは手錠をしていたんだ。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!
マネージャーの苦悩
みのりみの
恋愛
芸能事務所所属。
マネージャー歴15年遊井崇はダイヤの原石とも呼べる女の子を渋谷の街中で見つけた。
生意気で世間知らずな子だけど、『世の男が全員好きになるタイプ』だった。
その子にかけてトップまで上り詰めるか。
マネージャーの日々の苦悩の物語。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる