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35.罠
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日曜日。
二年前に完成したばかりの、駅前のショッピングモール。駅と連結しているので利便性がよく、いつも人で溢れている。
騒がしいな。
関本朱里が周囲を見回した。一階のフードコートは、中高生の女の子たちで溢れていた。イベント広場でアイドルグループのトークショーがあったらしい。
興奮気味にお喋りしている女子高生のグループを横目に、菜々美がオレンジジュースをストローで吸い上げた。
「もう少し早く着いたら見られたのにね」
「私は別に興味ないけど、菜々美、見たかった?」
「私も興味あるってほどじゃないけど、有名人を生で見たことないから」
アイドルなんかに興味はない。私が関心あるのは菜々美だけだ。
「昨日の夜、榛原さんの家の近くで人が殺されたんでしょ? 犯人が逃走中だってニュースで言ってたけど、榛原さん、心配ね」
「昨夜電話で話したよ。大丈夫そうだった。心配いらないって」
「そう、よかった」
奈緒の家の近所で人が殺されたことを、朱里もネットニュースで知った。両親が旅行中だといっていたので心配してメールを送ると、彼女が泣きながら電話を返してきた。
「隠していたことがあるけど、今度きちんと話すから」
奈緒が何かを抱え込んでいることも、それに美登里という少女が関わっていることも知っていたが、あえて何も聞かなかった。
「喋る気になった時に話してくれたらいいから」
そういうと、彼女がまた泣きだした。
彼女には小島和哉と蛇尾沙耶がついている。心配はいらない。
フードコートから、女子中高生が少しずつ姿を消していく。後ろから近づいてくる足音に気づいて振り返った。手に缶ジュースを持った佐藤英理子が、こちらを見ていた。
「あ、英理子ちゃん」
菜々美が微笑んで手を振る。佐藤英理子が朱里を見て驚いた顔をした。朱里が一緒にいるのが意外だったのだろう。
「朱里も誘ったんだけど、よかったかしら?」
「もちろんよ」
しかし、彼女の目は明らかに招かざる客を非難していた。この女は菜々美と二人っきりで会いたかったということか。
英理子がジュースを飲み終わるまで、三人でお喋りを楽しんだ。佐藤英理子は話し上手だったので、会話をしている分には楽しかった。
しかし、英理子がうわべだけで話しているのは明らかだった。心の中では別のことを考えているのに、それを話し相手に感じさせない。そんな会話に慣れているように思えた。
「これからどうする?」
ひと段落して、朱里が聞いた。
「三階におしゃれなお店がいっぱいあるの、知ってる?」
「あ、知ってる」と菜々美。「行きたいお店がいっぱいあるかも」
じゃあいこうということで、エスカレータで三階まで上がり、三人で店を順番に回った。
おしゃれな店が何軒も並んでいる。このフロアに足を踏み入れるのは初めてだった。できれば菜々美と二人きりで来たかった。
ショッピングの間も、女子高生三人の口は止まらない。ほとんどが冷やかしで店員に悪いと思ったが、見ているだけで充分楽しかった。
女性の下着売り場で、英理子が足を止めた。
「ちょっと、見てきていい?」
派手な下着が店内に並んでいる。女子高生には縁がなさそうな、大人用ばかりだった。
英理子が派手な下着ばかりを選んで手に取っている。
「そんな派手なのつけてるの?」
「まあね」
赤や紫、黒といった、扇動的なものばかり選んでいる。下着姿を誰かに見せるつもりなのか。
結局、二時間ぐらい店を回っていた。菜々美と朱里はブラウスとスカートを、英理子はさっきの店で派手な下着を二着買った。
「上のレストラン街で少し休もうか」菜々美が皆を誘った。
「モールの裏に美味しいケーキ屋さんがあるから、そっちにいこうよ」
佐藤英理子が店の名前を言った。知っている店だった。有名な店だ。そこにしようといって佐藤英理子が先を歩き始めた。
「いきましょう」菜々美が朱里の手を掴んだ。
エスカレータで一階に降り、建物の外に出た。裏側に回ると、道路の先に英理子がいっていた店が見えている。
「あっ!」
突然、佐藤英理子が立ち止まった。
「どうしたの?」
「ごめん、買い忘れたものがあった。先に行って席を確保しといてくれる?」
返事をする前に、佐藤英理子が踵を返してモールに戻っていった。
「どうする? 先に行っとく?」
「そうね。ここで待っていても仕方ないし」
菜々美とふたり、人気のない道を歩いていく。
車が道を曲がってきた。大型の黒のワンボックスカーだった。道幅が狭いので、菜々美とふたり、道路の脇によってやり過ごそうとした。
ワンボックスカーがふたりの横に停まった。ドアが勢いよく開き、男がふたり飛び出してきた。
男の一人が菜々美の腕を掴んで、車に引きずり込もうとした。菜々美の悲鳴が路地に響いた。
「何すんのよ!」
朱里が男に飛び掛っていった。別の男が後ろから朱里に抱きついてきた。男の脇腹にひじを食らわせると、男が悲鳴を上げて離れた。
「この野郎!」
男が殴りかかってきた。身体をすばやく沈ませて一歩踏み込み、鳩尾に掌底を打ち込んだ。男が膝を折った。
背後に気配を感じた瞬間、後頭部に強い衝撃を受けた。やられた。目の前が真っ白になった。
気がついた。どれくらい気を失っていたのか。頭が酷く痛む。誰かの手が、朱里の体をまさぐっている。さっきの車の中だとわかった。
「何すんのよ!」
腕を出そうとして、腕が後ろ手に縛られているのに気づいた。車の中に連れ込まれたのだ。
若い男が朱里の顔を覗き込んで笑っている。金色に染めた髪、耳に光るピアス。背筋がぞっとした。誘拐されたのだ。
「この女、胸でけえ!」
後部座席から声がした。続いて菜々美の悲鳴が響いた。
「菜々美に触るな!」
のしかかって来ようとする男を足で蹴った。足は自由のようだ。男に両足を掴まれ大きく開かれた。思わず悲鳴を上げた。
前の席から男が振り向いて笑っている。広い車内。朱里は三列シートの真ん中にいた。
「うわ!」
後部の席で男が声を上げた。
「どうした?」前の席の男が言った。
「この女、生理中だぜ」
菜々美の下着に手を突っ込んだのだ。
「構わねえからやっちまえよ。血まみれのチンポをあとでしゃぶらせりゃ、いいんだ」
落ち着け、考えろ、どうすればいい。
金髪のピアス男に体を好き放題触られるが、構っている暇はない。
「こっちの女、おとなしくなったぜ」
胸をつかまれる。男が、ブラウスを引きちぎった。ブラが露になる。男が上に覆い被さってきた。男の手がスカートの中に侵入し、下着に触れた。
首を持ち上げ、男の耳たぶに噛み付いた。男が悲鳴を上げ、慌てて離れようとした。構わず、耳たぶを食いちぎった。
男が叫びながら朱里から離れた。スカートがはだけ、下着がむき出しになっている下半身が目に入った。
運転席の男の頭を狙って、思い切り足を突き出した。狙い通り、踵が運転していた男のこめかみを強打した。
運転していた男の身体がぐらりと傾いた。車が大きく方向を変え、車内が大きく揺れた。助手席の男がハンドルを掴もうと、慌てて手を伸ばした。それと同時に、すさまじい衝撃が襲った。朱里に覆いかぶさっていた男の姿が目の前から消えた。朱里も身体を前の座席の背もたれに強打した。
後部座席で菜々美に手を出していた男が目の前を横切って、一番前の席まで飛んでいった。
二年前に完成したばかりの、駅前のショッピングモール。駅と連結しているので利便性がよく、いつも人で溢れている。
騒がしいな。
関本朱里が周囲を見回した。一階のフードコートは、中高生の女の子たちで溢れていた。イベント広場でアイドルグループのトークショーがあったらしい。
興奮気味にお喋りしている女子高生のグループを横目に、菜々美がオレンジジュースをストローで吸い上げた。
「もう少し早く着いたら見られたのにね」
「私は別に興味ないけど、菜々美、見たかった?」
「私も興味あるってほどじゃないけど、有名人を生で見たことないから」
アイドルなんかに興味はない。私が関心あるのは菜々美だけだ。
「昨日の夜、榛原さんの家の近くで人が殺されたんでしょ? 犯人が逃走中だってニュースで言ってたけど、榛原さん、心配ね」
「昨夜電話で話したよ。大丈夫そうだった。心配いらないって」
「そう、よかった」
奈緒の家の近所で人が殺されたことを、朱里もネットニュースで知った。両親が旅行中だといっていたので心配してメールを送ると、彼女が泣きながら電話を返してきた。
「隠していたことがあるけど、今度きちんと話すから」
奈緒が何かを抱え込んでいることも、それに美登里という少女が関わっていることも知っていたが、あえて何も聞かなかった。
「喋る気になった時に話してくれたらいいから」
そういうと、彼女がまた泣きだした。
彼女には小島和哉と蛇尾沙耶がついている。心配はいらない。
フードコートから、女子中高生が少しずつ姿を消していく。後ろから近づいてくる足音に気づいて振り返った。手に缶ジュースを持った佐藤英理子が、こちらを見ていた。
「あ、英理子ちゃん」
菜々美が微笑んで手を振る。佐藤英理子が朱里を見て驚いた顔をした。朱里が一緒にいるのが意外だったのだろう。
「朱里も誘ったんだけど、よかったかしら?」
「もちろんよ」
しかし、彼女の目は明らかに招かざる客を非難していた。この女は菜々美と二人っきりで会いたかったということか。
英理子がジュースを飲み終わるまで、三人でお喋りを楽しんだ。佐藤英理子は話し上手だったので、会話をしている分には楽しかった。
しかし、英理子がうわべだけで話しているのは明らかだった。心の中では別のことを考えているのに、それを話し相手に感じさせない。そんな会話に慣れているように思えた。
「これからどうする?」
ひと段落して、朱里が聞いた。
「三階におしゃれなお店がいっぱいあるの、知ってる?」
「あ、知ってる」と菜々美。「行きたいお店がいっぱいあるかも」
じゃあいこうということで、エスカレータで三階まで上がり、三人で店を順番に回った。
おしゃれな店が何軒も並んでいる。このフロアに足を踏み入れるのは初めてだった。できれば菜々美と二人きりで来たかった。
ショッピングの間も、女子高生三人の口は止まらない。ほとんどが冷やかしで店員に悪いと思ったが、見ているだけで充分楽しかった。
女性の下着売り場で、英理子が足を止めた。
「ちょっと、見てきていい?」
派手な下着が店内に並んでいる。女子高生には縁がなさそうな、大人用ばかりだった。
英理子が派手な下着ばかりを選んで手に取っている。
「そんな派手なのつけてるの?」
「まあね」
赤や紫、黒といった、扇動的なものばかり選んでいる。下着姿を誰かに見せるつもりなのか。
結局、二時間ぐらい店を回っていた。菜々美と朱里はブラウスとスカートを、英理子はさっきの店で派手な下着を二着買った。
「上のレストラン街で少し休もうか」菜々美が皆を誘った。
「モールの裏に美味しいケーキ屋さんがあるから、そっちにいこうよ」
佐藤英理子が店の名前を言った。知っている店だった。有名な店だ。そこにしようといって佐藤英理子が先を歩き始めた。
「いきましょう」菜々美が朱里の手を掴んだ。
エスカレータで一階に降り、建物の外に出た。裏側に回ると、道路の先に英理子がいっていた店が見えている。
「あっ!」
突然、佐藤英理子が立ち止まった。
「どうしたの?」
「ごめん、買い忘れたものがあった。先に行って席を確保しといてくれる?」
返事をする前に、佐藤英理子が踵を返してモールに戻っていった。
「どうする? 先に行っとく?」
「そうね。ここで待っていても仕方ないし」
菜々美とふたり、人気のない道を歩いていく。
車が道を曲がってきた。大型の黒のワンボックスカーだった。道幅が狭いので、菜々美とふたり、道路の脇によってやり過ごそうとした。
ワンボックスカーがふたりの横に停まった。ドアが勢いよく開き、男がふたり飛び出してきた。
男の一人が菜々美の腕を掴んで、車に引きずり込もうとした。菜々美の悲鳴が路地に響いた。
「何すんのよ!」
朱里が男に飛び掛っていった。別の男が後ろから朱里に抱きついてきた。男の脇腹にひじを食らわせると、男が悲鳴を上げて離れた。
「この野郎!」
男が殴りかかってきた。身体をすばやく沈ませて一歩踏み込み、鳩尾に掌底を打ち込んだ。男が膝を折った。
背後に気配を感じた瞬間、後頭部に強い衝撃を受けた。やられた。目の前が真っ白になった。
気がついた。どれくらい気を失っていたのか。頭が酷く痛む。誰かの手が、朱里の体をまさぐっている。さっきの車の中だとわかった。
「何すんのよ!」
腕を出そうとして、腕が後ろ手に縛られているのに気づいた。車の中に連れ込まれたのだ。
若い男が朱里の顔を覗き込んで笑っている。金色に染めた髪、耳に光るピアス。背筋がぞっとした。誘拐されたのだ。
「この女、胸でけえ!」
後部座席から声がした。続いて菜々美の悲鳴が響いた。
「菜々美に触るな!」
のしかかって来ようとする男を足で蹴った。足は自由のようだ。男に両足を掴まれ大きく開かれた。思わず悲鳴を上げた。
前の席から男が振り向いて笑っている。広い車内。朱里は三列シートの真ん中にいた。
「うわ!」
後部の席で男が声を上げた。
「どうした?」前の席の男が言った。
「この女、生理中だぜ」
菜々美の下着に手を突っ込んだのだ。
「構わねえからやっちまえよ。血まみれのチンポをあとでしゃぶらせりゃ、いいんだ」
落ち着け、考えろ、どうすればいい。
金髪のピアス男に体を好き放題触られるが、構っている暇はない。
「こっちの女、おとなしくなったぜ」
胸をつかまれる。男が、ブラウスを引きちぎった。ブラが露になる。男が上に覆い被さってきた。男の手がスカートの中に侵入し、下着に触れた。
首を持ち上げ、男の耳たぶに噛み付いた。男が悲鳴を上げ、慌てて離れようとした。構わず、耳たぶを食いちぎった。
男が叫びながら朱里から離れた。スカートがはだけ、下着がむき出しになっている下半身が目に入った。
運転席の男の頭を狙って、思い切り足を突き出した。狙い通り、踵が運転していた男のこめかみを強打した。
運転していた男の身体がぐらりと傾いた。車が大きく方向を変え、車内が大きく揺れた。助手席の男がハンドルを掴もうと、慌てて手を伸ばした。それと同時に、すさまじい衝撃が襲った。朱里に覆いかぶさっていた男の姿が目の前から消えた。朱里も身体を前の座席の背もたれに強打した。
後部座席で菜々美に手を出していた男が目の前を横切って、一番前の席まで飛んでいった。
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