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第5話
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あの事件があった後パーティに入れるのは
許可が降りた平民、貴族のみとなった。
俺を襲ったやつはそこそこの貴族だった。そいつは貴族と言う立場を利用し
バレないよう何人もの男の子を攫っていた。
俺はと言うとすっかり立ち直りいつも通り仕事をしている。
でも、レファ、ユヒ、レイトの様子がおかしい。
「リクト、今日はどこかへ行くのか?」
「いえ、今日は以前買ったモノを実験室で試すつもりです。」
「なら俺も行こう。」
「え?でも、レファ王子…今日は令嬢様とお茶会では?」
「そんなの断ればいいさ」
「そんなのは失礼に値するのでは…」
「良い。」
「良くありません!俺は大丈夫ですからご自分のお仕事をなさってください。」
ーー
「やっほ~リクト!今日は僕と遊ぼうよ!」
「良いけど、何するの?」
「街へ行って一日デートしよ?」
「うん。」
ーー
「離してください!」
「リクトはいつも俺から逃げようとする。」
「当たり前です!毎回毎回抱き枕にされたんじゃ堪りませんから。」
ーー
こんな感じでいつもそばに居たがる。あの日不安になったのは確かだけど…
「リクト今日は俺と…!」
「リクト~今日は…!」
「リクト!」
「あの…俺格闘技習います。皆さんに心配をかけたのは事実ですけど、
心配ばかりされては俺が気を使ってしまいますから…。」
「そんな事しなくても俺達が…。」
「俺が強くなれば御三方の手を借りずとも自分で何とかできます。
俺は仕事があるので…では。」
と言って部屋に帰ったものの…誰に習えば。
とりあえずダーナさんに聞いてみるか…
ドンッ
「っ…!ごめんなさい!大丈夫ですか?」
ペコり…。
「ぁ…」
行っちゃった…。
「ダーナさん。城内で格闘技してる人とか格闘技上手い人とか知りませんか?」
「格闘技ですか?そうですね…私が知る限りでは1人しか…」
「誰ですか?」
「ファズーナという方です。」
「ファズーナ…さん。」
「えぇ。でも彼全然話しませんし…教えてもらう相手としては不向きかと。」
「クールってことですか?」
「いえ…その余り他人のことを話しては行けないのですが
あなたを信用して話します…。実は彼リレート国の地下育ちなんです。」
「えっ…。じゃあ言葉が話せないってことですか?」
「多分…。でも彼、言ったことは理解出来るんです。」
「なら何か理由があって話さないんですかね…。
とにかく俺その人に会ってみます。」
「分かりました。では今お呼びします。」
「ありがとうございます。」
「リクトです。よろしくお願いします。」
(この人廊下でぶつかった人だ…。)
ぺこり…
「実は俺、ファズーナさんに格闘技を教えて貰いたくて…」
コクッ…
「えっと…」
言葉を発さないファズーナさんに俺は戸惑いを隠せなかった。
言葉は理解出来ても頷きだけではどうしても俺が理解出来なかったからだ。
戸惑う俺にファズーナさんは教えてやると言うようなジェスチャーをした。
「…。ありがとうございます!
都合のいい日ありますか?俺それに合わせて行きます」
ーー
それからファズーナさんの指導は始まった。基本的に練習するのは
昼休みが終わった後。
「うわっ…!」
今日は練習試合だ。ファズーナさんに教えてもらった技を出そうとするものの
ファズーナさんにひっくり返され投げられの繰り返し…。
あまりにも隙が無さすぎる…流石という言葉しか出てこない。
「凄くですね…やっぱり。はぁ…はぁ…」
肩で息をしながらファズーナさんを見つめると
少し顔をしかめたような気がした。本当に気だけ…
ファズーナさんは基本的に顔を包帯で覆い鎧を身にまとっていた。
練習の時は鎧を外し包帯が顔に巻かれているだけ…。
気になってしまう……。俺が手を伸ばそうとした時シュッと鋭い音がした。
目の前…ファズーナさんを掠めた。気に刺さる矢が殺意を物語っていた。
許可が降りた平民、貴族のみとなった。
俺を襲ったやつはそこそこの貴族だった。そいつは貴族と言う立場を利用し
バレないよう何人もの男の子を攫っていた。
俺はと言うとすっかり立ち直りいつも通り仕事をしている。
でも、レファ、ユヒ、レイトの様子がおかしい。
「リクト、今日はどこかへ行くのか?」
「いえ、今日は以前買ったモノを実験室で試すつもりです。」
「なら俺も行こう。」
「え?でも、レファ王子…今日は令嬢様とお茶会では?」
「そんなの断ればいいさ」
「そんなのは失礼に値するのでは…」
「良い。」
「良くありません!俺は大丈夫ですからご自分のお仕事をなさってください。」
ーー
「やっほ~リクト!今日は僕と遊ぼうよ!」
「良いけど、何するの?」
「街へ行って一日デートしよ?」
「うん。」
ーー
「離してください!」
「リクトはいつも俺から逃げようとする。」
「当たり前です!毎回毎回抱き枕にされたんじゃ堪りませんから。」
ーー
こんな感じでいつもそばに居たがる。あの日不安になったのは確かだけど…
「リクト今日は俺と…!」
「リクト~今日は…!」
「リクト!」
「あの…俺格闘技習います。皆さんに心配をかけたのは事実ですけど、
心配ばかりされては俺が気を使ってしまいますから…。」
「そんな事しなくても俺達が…。」
「俺が強くなれば御三方の手を借りずとも自分で何とかできます。
俺は仕事があるので…では。」
と言って部屋に帰ったものの…誰に習えば。
とりあえずダーナさんに聞いてみるか…
ドンッ
「っ…!ごめんなさい!大丈夫ですか?」
ペコり…。
「ぁ…」
行っちゃった…。
「ダーナさん。城内で格闘技してる人とか格闘技上手い人とか知りませんか?」
「格闘技ですか?そうですね…私が知る限りでは1人しか…」
「誰ですか?」
「ファズーナという方です。」
「ファズーナ…さん。」
「えぇ。でも彼全然話しませんし…教えてもらう相手としては不向きかと。」
「クールってことですか?」
「いえ…その余り他人のことを話しては行けないのですが
あなたを信用して話します…。実は彼リレート国の地下育ちなんです。」
「えっ…。じゃあ言葉が話せないってことですか?」
「多分…。でも彼、言ったことは理解出来るんです。」
「なら何か理由があって話さないんですかね…。
とにかく俺その人に会ってみます。」
「分かりました。では今お呼びします。」
「ありがとうございます。」
「リクトです。よろしくお願いします。」
(この人廊下でぶつかった人だ…。)
ぺこり…
「実は俺、ファズーナさんに格闘技を教えて貰いたくて…」
コクッ…
「えっと…」
言葉を発さないファズーナさんに俺は戸惑いを隠せなかった。
言葉は理解出来ても頷きだけではどうしても俺が理解出来なかったからだ。
戸惑う俺にファズーナさんは教えてやると言うようなジェスチャーをした。
「…。ありがとうございます!
都合のいい日ありますか?俺それに合わせて行きます」
ーー
それからファズーナさんの指導は始まった。基本的に練習するのは
昼休みが終わった後。
「うわっ…!」
今日は練習試合だ。ファズーナさんに教えてもらった技を出そうとするものの
ファズーナさんにひっくり返され投げられの繰り返し…。
あまりにも隙が無さすぎる…流石という言葉しか出てこない。
「凄くですね…やっぱり。はぁ…はぁ…」
肩で息をしながらファズーナさんを見つめると
少し顔をしかめたような気がした。本当に気だけ…
ファズーナさんは基本的に顔を包帯で覆い鎧を身にまとっていた。
練習の時は鎧を外し包帯が顔に巻かれているだけ…。
気になってしまう……。俺が手を伸ばそうとした時シュッと鋭い音がした。
目の前…ファズーナさんを掠めた。気に刺さる矢が殺意を物語っていた。
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