30 / 57
玖賀の存在
鬼の虜
しおりを挟む
「……任務があるから」
前髪を触りながら、返事をする。深浦さんは話に合わせてくれるのだろうか。
「そうだな、陰陽寮の案内は部下に任せるとしよう」
深浦は母親と椿を連れて神社を去った。
「ついていかなくてよかったのか」
隣にいた獅堂が指を指す。
「ああ、家に帰らないと玖賀の様子が心配だ」
言葉にすると恋人のようで妙に照れる。自分の体温が上がったのがわかった。
「ふうん、鬼の虜だな」
からかうように獅堂が藤の頭を撫で回した。
「その言い方はやめろ、放置するとめんどくさいだけだ」
***
家に帰ると、昼間なのに真っ暗だった。玖賀は日に当たりたくないのか、窓は全て閉め切っている。カビが生えそうな空気だった。
「昼でも、お化け屋敷みたいだな」
中の灯りはついていない。玖賀の姿も確認できなかった。
「玖賀……?」
おそるおそる真っ暗な空間に声をかけてみる。藤の声が響くだけで、シーン、と静まり返っていた。おかしいな、いつもなら飛びついてきそうなのに。
藤は一歩、家の中に入る。後ろ手で玄関の扉を閉めれば、背後から口を塞がれた。
「んんっ……!」
頬に長い爪が当たる。玖賀だ。
無理やり、玖賀に首を振り向かされる。接吻をし、グチュグチュ、と舌をかき回される。鼻で息をすることを忘れ、口の中に残っていた酸素を吸い取られる。
酸欠で頭がクラリ、とした。
「ハァ、ハァハァ……」
意識を失う寸前に、玖賀から解放される。だが、すぐ口で塞がれた。身体は弄られ、隊服が乱れていく。下半身に触れられると、ドキリ、と心臓が跳ねた。
玖賀の長い爪で中を傷つけられやしないか、と不安になる。心配をしていれば、玖賀の手が藤の陰茎を掴んだ。器用に指の腹で藤の陰茎をこねくり回す。小指で根元を刺激し、親指の腹で先端を弄られた。
「はぁ、はぁ……ぁ」
玖賀の逸物が尻の割れ目に当てられる。はやくいれたい、と言わんばかりに押しつけられた。
「ンッツ……ッ……」
何度出されたのか、把握できない。ただ、わかるのは漏らしたようにグチョグチョになっていること。玖賀がずっと接吻をしてくること。藤の体内にある粘液や体液を一つ残らず奪い取ろうとしてくる。
たった、一晩いなかっただけで不安定すぎだろ。
帰って来てから言葉を発しない玖賀。やはり、人ではなく鬼だ。
前髪を触りながら、返事をする。深浦さんは話に合わせてくれるのだろうか。
「そうだな、陰陽寮の案内は部下に任せるとしよう」
深浦は母親と椿を連れて神社を去った。
「ついていかなくてよかったのか」
隣にいた獅堂が指を指す。
「ああ、家に帰らないと玖賀の様子が心配だ」
言葉にすると恋人のようで妙に照れる。自分の体温が上がったのがわかった。
「ふうん、鬼の虜だな」
からかうように獅堂が藤の頭を撫で回した。
「その言い方はやめろ、放置するとめんどくさいだけだ」
***
家に帰ると、昼間なのに真っ暗だった。玖賀は日に当たりたくないのか、窓は全て閉め切っている。カビが生えそうな空気だった。
「昼でも、お化け屋敷みたいだな」
中の灯りはついていない。玖賀の姿も確認できなかった。
「玖賀……?」
おそるおそる真っ暗な空間に声をかけてみる。藤の声が響くだけで、シーン、と静まり返っていた。おかしいな、いつもなら飛びついてきそうなのに。
藤は一歩、家の中に入る。後ろ手で玄関の扉を閉めれば、背後から口を塞がれた。
「んんっ……!」
頬に長い爪が当たる。玖賀だ。
無理やり、玖賀に首を振り向かされる。接吻をし、グチュグチュ、と舌をかき回される。鼻で息をすることを忘れ、口の中に残っていた酸素を吸い取られる。
酸欠で頭がクラリ、とした。
「ハァ、ハァハァ……」
意識を失う寸前に、玖賀から解放される。だが、すぐ口で塞がれた。身体は弄られ、隊服が乱れていく。下半身に触れられると、ドキリ、と心臓が跳ねた。
玖賀の長い爪で中を傷つけられやしないか、と不安になる。心配をしていれば、玖賀の手が藤の陰茎を掴んだ。器用に指の腹で藤の陰茎をこねくり回す。小指で根元を刺激し、親指の腹で先端を弄られた。
「はぁ、はぁ……ぁ」
玖賀の逸物が尻の割れ目に当てられる。はやくいれたい、と言わんばかりに押しつけられた。
「ンッツ……ッ……」
何度出されたのか、把握できない。ただ、わかるのは漏らしたようにグチョグチョになっていること。玖賀がずっと接吻をしてくること。藤の体内にある粘液や体液を一つ残らず奪い取ろうとしてくる。
たった、一晩いなかっただけで不安定すぎだろ。
帰って来てから言葉を発しない玖賀。やはり、人ではなく鬼だ。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
英雄様の取説は御抱えモブが一番理解していない
薗 蜩
BL
テオドア・オールデンはA級センチネルとして日々怪獣体と戦っていた。
彼を癒せるのは唯一のバティであるA級ガイドの五十嵐勇太だけだった。
しかし五十嵐はテオドアが苦手。
黙って立っていれば滅茶苦茶イケメンなセンチネルのテオドアと黒目黒髪純日本人の五十嵐君の、のんびりセンチネルなバースのお話です。
あんなに堅物だった俺を、解してくれたお前の腕が
いちごみるく
BL
小学二年生の頃からずっと一緒の幼馴染。
気づけば、こんなに好きな気持ちが大きくなっていた…。
普段は冷静でしっかり者、文武両道で完璧なイメージの主人公・冷泉優。
しかし、優が恋した相手は、幼馴染かつ同じ中学で同じ部活に所属する天然小悪魔系イケメンの醍醐隼。
優は隼の無意識な色気に翻弄されるばかりの毎日だったが、ある夜、ついに気持ちを固めて隼に告白!
すると、隼が出したまさかの答えは……?
※なお、『その男、人の人生を狂わせるので注意が必要』は主人公・隼がメインのストーリーです。優との絡みは薄めですが、是非こちらも見て頂けたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる