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友と学校
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ウサちゃんと改札を抜けて学校が出しているバスに乗った兎乃。本日は快晴なのもあり人は少ない。
「兎乃やほみ」謎の挨拶をしてくる友人たちと混ざり話し込む兎乃。
友人の名前は浅井(あさい)夏凪(なつな)という。彼女の隣に座るのはデュークと呼ばれる立派な髭をつけたホロボロイド。
一般サイズなら一席分とまでは言わないにしろそこそこの大きさである。
「やほなつー」「その兎はホロボロイド?よく許可もらえたね」肩の上に乗るウサちゃんをみて夏凪は疑問符を浮かべる。
「ま、まぁね。おじいちゃんには内緒ね!今日カフェインゴロー奢るからさ」夏凪はため息を吐きながらウサちゃんを撫で承諾した。
「いつかは話しなよ。私も最初は勝手にデュークを登録したし」
カフェインゴローのデラッモカー650円でこの一件を黙ってもらえるならと電子マネーの残高を見て落ち着く。
「ホロボロイド手に入れたってことはついにリアルファイト出るの?」
「そんな簡単じゃないよ。アプリ内で成績上げても無意味なのは全世界6位のサマータイムロストが1番知ってるんじゃない?」
ゲーム名で呼ばれて顔を赤くする夏凪。サマータイムロストはアプリ内にて世界6位を誇る実力者だったが、実際のホロボロイドバトルではアジア53位となんとも言えない結果を残していた。
「だってデュークが怪我するの嫌だし」「またまたー」ホログラム上とは言え戦闘記録はホロボロイドにも記憶されていく。負けが重なれば勿論知能AIへの負荷も大きい。
特に高精度の物は演算ミスから機能停止するケースなどが散見されている。
「でも放課後に一回だけいつものショップ寄ってこ」「やっぱしたいんでしょ」抑えきれない好奇心と高まる鼓動に嘘はつけないとため息を吐きガタッと席から立ち上がる兎乃
「まずはホロボロイド専門ショップ制覇!」パチパチと拍手をする夏凪、これだけ騒いでも問題はない。自動運転なので運転手はおらず。各席ごとに吸音粒子が待っている為、声も広がらない。
「よし、着いたっと」バスからジャンプして降りる兎乃。
都立檜枝学校では授業中とテスト中以外の時間ならホロボロイドと過ごしても問題はない。勿論バトルは禁止である
「一限目粒子のサケザキだよ。また同じところの繰り返しかー」「毎回よくメモるわー兎乃。つまらないから嫌いなんだよね」授業は四限昼飯二限であり、兎乃のクラスはホロボロイド学、社会(歴史)、国語、英語と続き最後の二限は総合、ホームルームだ。
「だってさ、今日からはウサちゃん居るし何かいい予感がするんだよね」一緒に跳ねるウサちゃん。
「げっ今日持ち物検査、門でやってるやん」正門には学年主任の平井(ひらい)先生が立っていた。連日校内でガムのゴミが見つかった事が原因だろう。
「おっはーヒラティー」「おはようございます平井先生」2人とも普段通りに挨拶し抜けようとした。「おはよう、根尾と浅井…根尾その肩のやつはなんだ」
平井に止められてぎくりとする2人「ホロボロイドですよ、といってもウチでは禁止されてるからセラピー用のやつですけどね」「確かにバトル用にしては小さいな。根尾はいいとして、浅井ちょっとカバン開けろ」
投降する浅井に同情する根尾。今日はホロボロイド部非公式BL授与式の日だからだ。
「な、なんだこれは」平井は見覚えのあるイケメン選手2人が絡む表紙絵をみて固まった。「これ部活にいるんでー」その先にパッと取り戻すと夏凪は走り出した
「ちょっと待ってよなっつー!」慌てて付いてくる兎乃。「なつ、それ今朝出たばっかの新作だよね?どうしてそれを」「ふふん、うちの姉が書いてるって言ったろ?あとは察しな」格好付けて壁にもたれ掛かりこちらを向く夏凪はとてもダサい。
「だっさ、少なくともB本持ってする事じゃないよ」廊下を歩きながら他愛の無い会話が続く。
一年四組二五番。席は扉横で隣には夏凪が座っている。ロッカーにはデュークとウサちゃんが向き合って入っている。
「うーす」「おはよ、トナガくん」気怠げに入ってくる同級生達に挨拶をしながら夏凪と話す兎乃。
「ねぇ、授業後ショップ寄るならさデュークのコア選んでよ」「えー、良いけどデュークちゃん戦闘させたく無いのに近距離でしょ?結構値が張るよ」
ホロボロイドに装着するコアは安い物で1500円、高額な物では最高3000万もする。しかもスタイルに応じたコアが必要な為、スタイルセットなど10個入った一万円くらいのを買うのがベスト。
選ぶとなればセットではなく個別買いの為、二万ほどは必要になる。
「いいよ、この前コアガチャで当てた速度&火力がボロボロオークションで50万に化けたからさ」
高いだけあり価値の高い物は相応の値段が付くのだ。
「速度&火力かー、欧米だと大会上位者みんな使ってるよね」性別や国でもコアの組み方は異なり、運営会社曰く大会毎のルールでの配置など含め六兆は超えると発表していた。
「ローカルだとAFPだよね」「私ならAPoPかなー」
Aはアクティブコアといい、指示したタイミングで発動するコア
Pはパッシブコアといい、常に発動するコア
Poはポテンシャルコアといい、条件時発動するコア
Fは大会等でフリーにコアを入れれる枠を示す。
「デュークならアクティブは潜伏にしてパッシブに遮蔽物、ポテンシャルには変わり身。これなら大会でも四回くらい騙せる」
チャイムと担任の入室によりコア会議は中断された。
「兎乃やほみ」謎の挨拶をしてくる友人たちと混ざり話し込む兎乃。
友人の名前は浅井(あさい)夏凪(なつな)という。彼女の隣に座るのはデュークと呼ばれる立派な髭をつけたホロボロイド。
一般サイズなら一席分とまでは言わないにしろそこそこの大きさである。
「やほなつー」「その兎はホロボロイド?よく許可もらえたね」肩の上に乗るウサちゃんをみて夏凪は疑問符を浮かべる。
「ま、まぁね。おじいちゃんには内緒ね!今日カフェインゴロー奢るからさ」夏凪はため息を吐きながらウサちゃんを撫で承諾した。
「いつかは話しなよ。私も最初は勝手にデュークを登録したし」
カフェインゴローのデラッモカー650円でこの一件を黙ってもらえるならと電子マネーの残高を見て落ち着く。
「ホロボロイド手に入れたってことはついにリアルファイト出るの?」
「そんな簡単じゃないよ。アプリ内で成績上げても無意味なのは全世界6位のサマータイムロストが1番知ってるんじゃない?」
ゲーム名で呼ばれて顔を赤くする夏凪。サマータイムロストはアプリ内にて世界6位を誇る実力者だったが、実際のホロボロイドバトルではアジア53位となんとも言えない結果を残していた。
「だってデュークが怪我するの嫌だし」「またまたー」ホログラム上とは言え戦闘記録はホロボロイドにも記憶されていく。負けが重なれば勿論知能AIへの負荷も大きい。
特に高精度の物は演算ミスから機能停止するケースなどが散見されている。
「でも放課後に一回だけいつものショップ寄ってこ」「やっぱしたいんでしょ」抑えきれない好奇心と高まる鼓動に嘘はつけないとため息を吐きガタッと席から立ち上がる兎乃
「まずはホロボロイド専門ショップ制覇!」パチパチと拍手をする夏凪、これだけ騒いでも問題はない。自動運転なので運転手はおらず。各席ごとに吸音粒子が待っている為、声も広がらない。
「よし、着いたっと」バスからジャンプして降りる兎乃。
都立檜枝学校では授業中とテスト中以外の時間ならホロボロイドと過ごしても問題はない。勿論バトルは禁止である
「一限目粒子のサケザキだよ。また同じところの繰り返しかー」「毎回よくメモるわー兎乃。つまらないから嫌いなんだよね」授業は四限昼飯二限であり、兎乃のクラスはホロボロイド学、社会(歴史)、国語、英語と続き最後の二限は総合、ホームルームだ。
「だってさ、今日からはウサちゃん居るし何かいい予感がするんだよね」一緒に跳ねるウサちゃん。
「げっ今日持ち物検査、門でやってるやん」正門には学年主任の平井(ひらい)先生が立っていた。連日校内でガムのゴミが見つかった事が原因だろう。
「おっはーヒラティー」「おはようございます平井先生」2人とも普段通りに挨拶し抜けようとした。「おはよう、根尾と浅井…根尾その肩のやつはなんだ」
平井に止められてぎくりとする2人「ホロボロイドですよ、といってもウチでは禁止されてるからセラピー用のやつですけどね」「確かにバトル用にしては小さいな。根尾はいいとして、浅井ちょっとカバン開けろ」
投降する浅井に同情する根尾。今日はホロボロイド部非公式BL授与式の日だからだ。
「な、なんだこれは」平井は見覚えのあるイケメン選手2人が絡む表紙絵をみて固まった。「これ部活にいるんでー」その先にパッと取り戻すと夏凪は走り出した
「ちょっと待ってよなっつー!」慌てて付いてくる兎乃。「なつ、それ今朝出たばっかの新作だよね?どうしてそれを」「ふふん、うちの姉が書いてるって言ったろ?あとは察しな」格好付けて壁にもたれ掛かりこちらを向く夏凪はとてもダサい。
「だっさ、少なくともB本持ってする事じゃないよ」廊下を歩きながら他愛の無い会話が続く。
一年四組二五番。席は扉横で隣には夏凪が座っている。ロッカーにはデュークとウサちゃんが向き合って入っている。
「うーす」「おはよ、トナガくん」気怠げに入ってくる同級生達に挨拶をしながら夏凪と話す兎乃。
「ねぇ、授業後ショップ寄るならさデュークのコア選んでよ」「えー、良いけどデュークちゃん戦闘させたく無いのに近距離でしょ?結構値が張るよ」
ホロボロイドに装着するコアは安い物で1500円、高額な物では最高3000万もする。しかもスタイルに応じたコアが必要な為、スタイルセットなど10個入った一万円くらいのを買うのがベスト。
選ぶとなればセットではなく個別買いの為、二万ほどは必要になる。
「いいよ、この前コアガチャで当てた速度&火力がボロボロオークションで50万に化けたからさ」
高いだけあり価値の高い物は相応の値段が付くのだ。
「速度&火力かー、欧米だと大会上位者みんな使ってるよね」性別や国でもコアの組み方は異なり、運営会社曰く大会毎のルールでの配置など含め六兆は超えると発表していた。
「ローカルだとAFPだよね」「私ならAPoPかなー」
Aはアクティブコアといい、指示したタイミングで発動するコア
Pはパッシブコアといい、常に発動するコア
Poはポテンシャルコアといい、条件時発動するコア
Fは大会等でフリーにコアを入れれる枠を示す。
「デュークならアクティブは潜伏にしてパッシブに遮蔽物、ポテンシャルには変わり身。これなら大会でも四回くらい騙せる」
チャイムと担任の入室によりコア会議は中断された。
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