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俺は王国の兵士長
瓦解した監視塔
しおりを挟む「いや――――専属メイドだからって一緒に寝ちゃダメじゃない?」
「いえ、ベッドは別々です。」
「そうじゃなくて、一緒の部屋じゃダメじゃない?」
「ここ私の部屋なので。」
「え?」
俺は今異世界到着初のフラグが立った。
だって一緒の部屋何て―――――じゃなくて、やっぱ今の時点で国外追放なんてされちゃ困るんだ。そんな事しないけどさ。
「では野宿になりますが。」
「何で?」
「空き部屋が私の部屋しかないからです。」
「嘘・・・・・・」
本当はうれしい状況なのだが、今は一人の時間が惜しい。
絶対に疑われる状況はやばい。
「それにたぶん野宿すると死にますよ。」
「今度こそ意味が分からないのだけれど。」
「とにかく私の部屋に住んでください。私はあなたの命も姫様から預かっております。」
「どゆこと?」
「私元この国の兵士長やっておりましたから。」
ドアの前でこんな会話を続けていたが、この言葉で変わった。
「分かりました。」
部屋のドアを開けて、その中に入った。
その中はベッドと化粧台に日用雑貨を入れる入れ物にタンス。普通の部屋だ。
女の子が住んでいる雰囲気はなかった。
「ここに来たのは3日前なので。」
「3日前!?」
「そう。あのキーサという男が、兵士就任一週間で兵士長になって、私はそのままメイドになったんです。」
「やっぱりキーサって男怪しいんだな。」
俺はそこにあったベッドに腰を掛ける。
「何かあったのですか?」
「いろいろ説明すると長くなるんだけど・・・・・・」
――――――――――キーサの一件を説明
「そう。やっぱりつけていたのね。」
「何かあったのか?」
「たぶんあいつはアスタルテ国の王子、キーサ―ド・アスタルテだと思います。根拠はないですが。」
「まあ、その話は後々していこう。今は一人にしてくれないか?」
「はい。了解致しました。」
そう言ってサーシャはこの部屋を退室した。
てかいつの間に服乾いていたんだ。
そのベッドに寝っ転がると一つ思う。
(このベッドはサーシャが・・・・・・)
そんな事をふと思ったが、劣情など生まれない。
俺は昔から女経験が一切なく、喋ることもなかった。小学生のころからラノベを読んでてオタクと言われ、嫌われていた。
それで何故か分からずいじめに―――――何て昔にあったことだ。もう忘れたはずだったんだがな。
《セカイさん、事件の臭いです》
(女神。これは事件で済むもんじゃねえぞ。たぶんこれは姫様の暗殺が目的か、この国を乗っ取るつもりかのどっちかだな)
《異世界マイスターとしての浪漫じゃないですか》
(これは俺がいなかったらやばかった問題だ。早急の対応が必要だな)
俺はそのまま睡魔に襲われ寝てしまった。
俺はとてつもなく大きな音が聞こえ起きる。
俺はいつの間にか夕暮れ時魔で寝ていたようだ。
ベッドから起き上がり、部屋を出る。
(何があったんだ?)
《何かが崩れ落ちた音が聞こえたわね》
俺は階段を下り外に出る。
そこには瓦解し続けていた監視塔があった。
俺はその近くにいた姫様とレイに問いかける。
「何があったんですか?」
そう言うと俺に気付いたレイが問いに対し答えてくれる。
その現場には多くの兵と親衛隊らしき人が見えたが、キーサの姿は見えない。
サーシャの姿もあったが、俺には気付かない。
「なぜかいきなり監視塔が崩れ始めて・・・・・・」
そうレイが言うと、監視塔の方から遁走してくる兵が二人来てこういった。
「変な魔術師が来て逃げろって言ってきてそれで・・・・・」
とても焦っている。
二人の兵が来たと同時にサーシャもこちらに向かって来てこう小さく言う。
瓦解が収まってやっと大きな音は収まる。
「キーサ―ドのせいかもしれません。」
「分からない。証拠もないし決定づけることはできないがな。」
そう小さな会話を終わらすと、二人の兵士が衝撃的な事を言う。
「姫を殺す余興にお前らは必要ないと・・・・・・」
俺を入れたその場にいた全員が喫驚しただろう。そして憤怒しただろう。
《この展開に一言》
(最悪だな。そして面白い)
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