122 / 217
17. レロレロ
17-3
しおりを挟む
すると、突然、周囲の空気が重くなるのを感じた。彼女の発する圧倒的なオーラが周囲の空間を歪めているようだった。そして、彼女は何もない空間から異常に長い太刀を抜いた。おそらく異次元空間に収納していたのだ。刀身が青白く光っている。
「心配することはないよ。私はこう見えてもプロなんだ。痛みを感じる前に終わらせてあげる。痛くはしない……。約束しよう」
(……マズイ!)
僕は咄嗟の判断で瞬時にその場から離れた。
「おっと! 逃げるのかい? 悪くない判断だ。でも、無駄だよ」
僕の背後の地面が爆ぜた。いつの間にか彼女も移動しており、太刀の剣先が地面に突き刺さっていた。
「君は……、速いね……!」
「……どうも」
正直、冷や汗をかく。敵がこんなに速く動けるとは思わなかった。
「今度は逃さないよ!」
彼女の姿が消える。同時に頭上から殺気を感じて横に飛び退いた。
次の瞬間、僕がいた場所に鋭い刃が振り下ろされた。
(危なかった……。動きがまったく見えなかったぞ!)
しかし、このまま逃げ続けるわけにはいかない。いつか捕まるだろう。そうなったら殺されるかもしれない。どうにかして彼女を無力化しなければ……。
「ほぅ……。今のを躱すか……。興味深いな……。だけど……、そろそろ本気を出す頃合いかな?」
そう言って再び、青い瞳で僕を見据えた。
……来る! 僕は身体強化のスキルを発動した。
彼女は一気に間合いを詰めてくると僕の首筋に目掛けて強烈な一撃を放ってきた。僕は身を捻ってなんとか避けようとしたが、間に合わない。
(……くっ!)
避けられない! そう思った刹那――
「心配することはないよ。私はこう見えてもプロなんだ。痛みを感じる前に終わらせてあげる。痛くはしない……。約束しよう」
(……マズイ!)
僕は咄嗟の判断で瞬時にその場から離れた。
「おっと! 逃げるのかい? 悪くない判断だ。でも、無駄だよ」
僕の背後の地面が爆ぜた。いつの間にか彼女も移動しており、太刀の剣先が地面に突き刺さっていた。
「君は……、速いね……!」
「……どうも」
正直、冷や汗をかく。敵がこんなに速く動けるとは思わなかった。
「今度は逃さないよ!」
彼女の姿が消える。同時に頭上から殺気を感じて横に飛び退いた。
次の瞬間、僕がいた場所に鋭い刃が振り下ろされた。
(危なかった……。動きがまったく見えなかったぞ!)
しかし、このまま逃げ続けるわけにはいかない。いつか捕まるだろう。そうなったら殺されるかもしれない。どうにかして彼女を無力化しなければ……。
「ほぅ……。今のを躱すか……。興味深いな……。だけど……、そろそろ本気を出す頃合いかな?」
そう言って再び、青い瞳で僕を見据えた。
……来る! 僕は身体強化のスキルを発動した。
彼女は一気に間合いを詰めてくると僕の首筋に目掛けて強烈な一撃を放ってきた。僕は身を捻ってなんとか避けようとしたが、間に合わない。
(……くっ!)
避けられない! そう思った刹那――
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!
SoftCareer
ファンタジー
幼なじみの彼女の母親と二人っきりで、期せずして異世界に飛ばされてしまった主人公が、
帰還の方法を模索しながら、その母親や異世界の人達との絆を深めていくというストーリーです。
性的描写のガイドラインに抵触してカクヨムから、R-18のミッドナイトノベルズに引っ越して、
お陰様で好評をいただきましたので、こちらにもお世話になれればとやって参りました。
(こちらとミッドナイトノベルズでの同時掲載です)
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる