上 下
4 / 16
第2話

2-1

しおりを挟む
「ルーグ様のことも教えてください」

「もちろん、いいよ」

俺は彼女に今までの出来事を話した。

両親は既に亡くなっていて、育ての親の師匠の元で修行していたこと。
その人は厳しくて、いつも怒鳴られていたこと。
ある時、家を出て行ったきり帰ってこなかったこと。
それ以来、一人で生きてきたということ。

「そうだったんですね……。寂しかったでしょう?」

「いや、全然だよ。一人には慣れているから」

「そうなんですね……。ルーグ様はすごいです……。私も頑張らないといけませんね」

「いや、レティシアの過去の方が壮絶じゃないか……。比べることなんてできないよ」

「ありがとうございます。でも、私は本当に運がよかったと思います。だって、ルーグ様に助けてもらえましたから」

「そう言ってもらえるなら、俺も嬉しく思うよ」

「はい。だから、恩返しをさせてくださいね」

「わかったよ。じゃあ、明日は薬草を取りに行くついでに森の探索をしてみようか」

「はい! 楽しみです!」

そうして俺たちは眠りについた。


***


翌日、俺達はまずギルドへ向かった。

「おはようございます。アゼルカ森林での採取依頼や討伐依頼はありますか?」

「ええ、こちらがリストになります」

俺は受付の女性から渡された紙を見た。

・ゴブリン討伐:一体につき銀貨三枚
・薬草採取:一キロにつき銀貨一枚

(薬草はポーションにしてから売った方がいいな……)

「じゃあ、討伐依頼の方を受けます」

「わかりました。ところで、そちらの方は?」

「ああ、ちょっと事情があって、一緒に住むことになって……」

「えぇ?もしかして、ルーグさんの恋人ですか?」

「違います」

「あら、残念。ルーグさんのタイプはどんな方なのかなって気になったんですよ」

「からかわないでください……」

「ふふっ、すみません。それでは手続きをしますね」

俺は依頼を受けたので、早速森へ向かうことにした。

「それじゃあ、行こうか」

「はい」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

朝起きたら女体化してました

たいが
恋愛
主人公の早乙女駿、朝起きると体が... ⚠誤字脱字等、めちゃくちゃあります

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...