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第3話
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「ねえ、京太くん……。なんでこんなところに隠れるの?」
「いや、だってドラゴンから隠れないと……。それに、地震のときはトイレにいれば安全だって聞いたことがあるし……。だから、ここが一番安全なんだよ!」
「なるほどね……。それはそうかもしれないけど……」
「とにかく、しばらくここにいよう……」
「うん……」
俺たちは息を殺してじっとしていた。すると、しばらくして遠くの方で人々の悲鳴が聞こえてきた。
「うわぁ!なんだ、あの化け物は!」「ひぃ!殺されるぅ!逃げろぉ!」「助けてくれぇ!死にたくないよぉ!」「きゃああぁっ!誰かぁ!誰か助けてぇ!」
どうやらドラゴンに襲われているようだ。このままでは犠牲者が増えてしまう。
「くっ……。まずいな……。でも、まだ武器がないしレベルも低い……。勝てる見込みがない……。一体どうしたら……」
「京太くん……、今は我慢するしかないよ……。もし京太くんが死んじゃったら、私、悲しいよ……」
「由衣ちゃん……。そうだな……。ここは辛抱強く待つしかないな……」
俺は自分に言い聞かせるように言った。すると由衣ちゃんが俺の手を取った。
「京太くん、手を握ってもいいかな……?不安で仕方ないの……」
「もちろんだよ!いくらでも握ってくれて構わないよ!」
「ふふっ、ありがとう!京太くんだって不安なはずなのに、私のことを気遣ってくれるんだね……!」
「当たり前じゃないか!俺にとって由衣ちゃんは大切な存在だし、命に代えても守りたいと思っているよ!」
「嬉しい……!そんな風に思っててくれたなんて……」
由衣ちゃんは目に涙を浮かべていた。そして、ギュッと手を握りしめてきた。
「由衣ちゃん……? どうかしたのか……?どこか痛むのか……?」
「ううん、なんでもない……。ただ嬉しかっただけ……」
「そっか……。ならよかった……」
それから少し時間が経った頃、多目的トイレの外の方から激しい戦闘音が聞こえてきた。銃声や爆発音のようなものが聞こえる。どうやらドラゴンと戦っている人がいるらしい。
「京太くん、外の方が騒がしくなってきたね……」
「そうだな……、いったい誰がドラゴンと闘ってるんだろうか……?」
「わからないけど、多分、自衛隊とかが戦っているんじゃないかな……?」
「確かにそれっぽい感じがするな……」
俺たちは戦闘音を聞きながら静かに時を待っていた。由衣ちゃんは大きな爆発音や銃声に怯えていた。
「京太くん……。怖いよ……!早く終わってほしいよ……!」
「由衣ちゃん……。怖かったら俺に抱きついても全然かまわないぞ……?遠慮はいらないよ……」
「う、うん……。じゃあ、失礼して……」
「え?」
由衣ちゃんがゆっくりと近づいてきて、ぎゅっと抱きしめてきた。そして、顔を胸に埋めてくる。冗談のつもりで言ってみただけだったのだが……。まさか本当にしてくるとは……。俺は動揺しながらも優しく由衣ちゃんの頭を撫でた。すると、由衣ちゃんが顔を上げて見つめてくる。その目はうるんでいた。
「ねえ……、もしここで死ぬなら、最後に何したい……?」
「な、何を言っているんだよ……。縁起でもないな……」
「お願い……。答えて……」
「そ、そりゃ、まあ……、決まってるだろ……?俺は由衣ちゃんとセックスがしたい……」
俺の返事を聞いて由衣ちゃんはクスリと笑った。
「あはは……。京太くん、正直すぎー」
「すまん……。嘘はつけなかった……」
「ううん、いいよ。私も同じ気持ちだから……」
「由衣ちゃん……」
「京太くん……」
俺たちは自然と唇を重ねていた。お互いに舌を入れて濃厚なキスをする。唾液を交換し合うような深い口づけだった。
「ちゅぱっ……、はあっ……、はぁっ……、ゆ、由衣ちゃん……!」
「あんっ……、京太くん……!好き……、大好き……!」
「いや、だってドラゴンから隠れないと……。それに、地震のときはトイレにいれば安全だって聞いたことがあるし……。だから、ここが一番安全なんだよ!」
「なるほどね……。それはそうかもしれないけど……」
「とにかく、しばらくここにいよう……」
「うん……」
俺たちは息を殺してじっとしていた。すると、しばらくして遠くの方で人々の悲鳴が聞こえてきた。
「うわぁ!なんだ、あの化け物は!」「ひぃ!殺されるぅ!逃げろぉ!」「助けてくれぇ!死にたくないよぉ!」「きゃああぁっ!誰かぁ!誰か助けてぇ!」
どうやらドラゴンに襲われているようだ。このままでは犠牲者が増えてしまう。
「くっ……。まずいな……。でも、まだ武器がないしレベルも低い……。勝てる見込みがない……。一体どうしたら……」
「京太くん……、今は我慢するしかないよ……。もし京太くんが死んじゃったら、私、悲しいよ……」
「由衣ちゃん……。そうだな……。ここは辛抱強く待つしかないな……」
俺は自分に言い聞かせるように言った。すると由衣ちゃんが俺の手を取った。
「京太くん、手を握ってもいいかな……?不安で仕方ないの……」
「もちろんだよ!いくらでも握ってくれて構わないよ!」
「ふふっ、ありがとう!京太くんだって不安なはずなのに、私のことを気遣ってくれるんだね……!」
「当たり前じゃないか!俺にとって由衣ちゃんは大切な存在だし、命に代えても守りたいと思っているよ!」
「嬉しい……!そんな風に思っててくれたなんて……」
由衣ちゃんは目に涙を浮かべていた。そして、ギュッと手を握りしめてきた。
「由衣ちゃん……? どうかしたのか……?どこか痛むのか……?」
「ううん、なんでもない……。ただ嬉しかっただけ……」
「そっか……。ならよかった……」
それから少し時間が経った頃、多目的トイレの外の方から激しい戦闘音が聞こえてきた。銃声や爆発音のようなものが聞こえる。どうやらドラゴンと戦っている人がいるらしい。
「京太くん、外の方が騒がしくなってきたね……」
「そうだな……、いったい誰がドラゴンと闘ってるんだろうか……?」
「わからないけど、多分、自衛隊とかが戦っているんじゃないかな……?」
「確かにそれっぽい感じがするな……」
俺たちは戦闘音を聞きながら静かに時を待っていた。由衣ちゃんは大きな爆発音や銃声に怯えていた。
「京太くん……。怖いよ……!早く終わってほしいよ……!」
「由衣ちゃん……。怖かったら俺に抱きついても全然かまわないぞ……?遠慮はいらないよ……」
「う、うん……。じゃあ、失礼して……」
「え?」
由衣ちゃんがゆっくりと近づいてきて、ぎゅっと抱きしめてきた。そして、顔を胸に埋めてくる。冗談のつもりで言ってみただけだったのだが……。まさか本当にしてくるとは……。俺は動揺しながらも優しく由衣ちゃんの頭を撫でた。すると、由衣ちゃんが顔を上げて見つめてくる。その目はうるんでいた。
「ねえ……、もしここで死ぬなら、最後に何したい……?」
「な、何を言っているんだよ……。縁起でもないな……」
「お願い……。答えて……」
「そ、そりゃ、まあ……、決まってるだろ……?俺は由衣ちゃんとセックスがしたい……」
俺の返事を聞いて由衣ちゃんはクスリと笑った。
「あはは……。京太くん、正直すぎー」
「すまん……。嘘はつけなかった……」
「ううん、いいよ。私も同じ気持ちだから……」
「由衣ちゃん……」
「京太くん……」
俺たちは自然と唇を重ねていた。お互いに舌を入れて濃厚なキスをする。唾液を交換し合うような深い口づけだった。
「ちゅぱっ……、はあっ……、はぁっ……、ゆ、由衣ちゃん……!」
「あんっ……、京太くん……!好き……、大好き……!」
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