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4.GAME 0.ver.
えっちなお姉さんは好きですか?
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以前そこに何があったかを知っている者ならば明らかに何かを隠そうとしているようにしか見えない不自然な塀を無理やり乗り越える。身体能力向上サイコー!
シュタッと華麗に(……だったらいいのになあ)着地。
無様な四つん這いのまま意気揚々と顔を上げると。
「おや、少年、こんなところで何してるんだい?」
「ふぁッ!?」
ここで聞くはずのない声を、そこにいるはずのない誰かに掛けられる。
見上げた視線の先、真にぽっかりと空いた空間に佇んでいたのは。
その人はオレよりも年上の、まさに大人のお姉さん、といった感じだった。
短く外にはねた黒髪。快活な感じと大人の雰囲気のミスマッチに思わず幻惑されそうになるのは、もしかしたらそれも計算の上のおしゃれか?
オレを悪戯っぽく覗き込むのは血のように真っ赤な瞳。オレはその色をどこかで見たことがあるような気がする。
ショート丈のぴったりとした黒いタンクトップはその豊かなお胸を強調していて、艶めいた褐色の肌の形のいいおへそどころか程よく引き締まったお腹まで見えている。それにぴったりとした黒いショートパンツに健康的な太ももが薄暗い路地裏でも眩しい。ほとんど下着じゃないか。
こんなドエロい身体を惜しげもなく露出している大人のお姉さんは男子高校生にはあまりにも刺激が強すぎる。
「あ、い、いや、ちょっと探し物を……」
(なんじゃ、こやつ。わらわの主を誘惑しようというのかや!?)
ゆっくりと立ち上がって改めてジャンク屋のあった場所を見てみると。
まるで何か巨大な聖遺物でも使って無理やり押し潰したような瓦礫の山。
急いで証拠隠滅を図った残骸。
そこには何もなかった、と有無を言わさずそう告げられている。そんな無言の威圧感だけがそこにあった。
「探し物?」
グイッとオレの顔を覗き込む。容赦も惜しげもなく飛び込んでくる柔らかな胸の谷間、という絶景に思わず目を逸らす。う、なんかいい匂いがします。
「そうか、なら私も探してあげよう。少年は何を失くしてしまったのかな?」
その露出狂じみた格好とはうらはらになんとなく色気と共に健康的な感じもするのは、そのさっぱりとした声音とあまりにも自身の暴力的な肢体に無自覚な言動のせいだろうか。
「あ、いや、その」
ここにあった店そのものを探している、なんて言えるはずなかった。
何か不穏な気配を感じる。
「君は高校生くらいかな? ボール遊びって年齢でもないだろうし」
この不思議なセクシー不審者お姉さんがこんなところにいたことも怪しい。
この魔剣のことは何も言わない方がいいだろう。
だけど、この状況、さてはとてもまずいのではなかろうか。
明らかに何かが起こった場所にいた怪しいお姉さん、そして、そんなところに飛び込んできてしまった憐れなオレ。
「ふふっ、失礼、君の反応が楽しくてついからかってしまったよ」
お姉さんは楽しそうに笑った。それは(自分で言うのも不服だが)まるで新しいおもちゃを見つけた子どものように邪悪な笑顔だった。(主をからかうのはわらわの方が上手じゃ!)絶対にからかい上手じゃないアウラさんのことは無視。
オレはこの場をどう切り抜けようか必死に思考を巡らせたけど、どうやったっていいアイデアなんて浮かぶはずもなかった。
「そうだ、まだ名前を教えてなかったな、私は、しとり、だ。少年、君の名前は?」
「ル、ルジネ、です」
「ほう、なかなかカッコいい名前じゃないか、よろしくね、ルジネくん」
しとりと名乗る謎の美女は微笑みながら手を伸ばしてきた。まるで錯乱呪文にあてられたかのように動けなくなる。切ない吐息と共にその艶やかな手はオレの頬に触れ、ゆっくりと首筋を撫で、そして、その手はオレの胸へ、
(主! わらわ以外のおなごに主の柔肌を触れさせようとは、この浮気者めが!)
「ッ……!」
ハッと意識を取り戻す。今回はメンヘラ魔剣の勘違いも甚だしいキーキー甲高い悲鳴に助けられた。「浮気って、お前とはただの契約関係じゃねえか」(ダメなものはダメじゃ!)まったくわがままなお姫様である。
だけど、今はそんなこと言ってる場合じゃないかもしれない。
思わず一歩後ずさり、その手の抗いがたい誘惑から距離を取る。
「……そっちこそ、あなたはここに何しに来たんですか」
もしかしたら、しとりはこの心臓の魔剣のことを知っている?
用心深くもう一歩下がる。がらり、足元の瓦礫につまずき体勢がほんの少しだけ崩れるが、しとりはただその様子を見つめているだけだった。「おや、どうした、ルジネくん? 私嫌われちゃった?」
ただ、何もしてこないから敵じゃない、ってわけでもない。この状況でしとりを信用する材料は一つもない。警戒だけはしておかなきゃいけない。
無意識にパーカー越しの魔剣に触れる。(あんッ、たまには布越しの感触も悪くない)
「実はね、私も探し物があってね、」
さっきオレを惑わせたことなんて気にも留める様子はなく(さては無自覚か?)、しとりは今までのようにさっぱりとした口調だった。
「ここには内殻からの密入殻と密輸ルートがあったんだけど、その管理人がヘマをしちゃったんだ、」
「は、あ、え……?」
「だから、その後始末がちゃんとできたかと、何が奪われたのかを確認しに来たんだよね」
最初何を言っているのか訳がわからなかった。
だけど、まるで世間話でもするかのような、さっきまでとなんら変わらない気楽な調子のしとりの話はオレがこんなに簡単に聞いていいことなんかじゃないってことにすぐに気づく。
内殻からの来訪者は当局によって厳しく管理されている。そして、彼らが外殻に立ち入ることはほとんどない。
だからこそ、この話は一介のちゃちな男子高校生が聞いていい話じゃない。
「後始末はちゃんとできてるみたいね、周りの記憶改竄魔法も確かに効いてるし」
しとりはふらりと周囲を見渡すと、つまらなさそうに足元の瓦礫をこつんと蹴り上げた。その小石くらいの大きさの小片はオレの後ろに建つ塀を大きく超えると、何かに弾かれたようにバチッと弾けて粉々になった。
「あ、安心して。この魔法は生身の人間には無効だから」脅しのように。
内殻よりの不法入殻者。
完全に当局が関わるべき重大事案だ。
「それで、君は何か知らないかな」
そして、しとりはそれに一枚どころかがっつり噛んでいる。その無邪気とすら思える笑みに対しオレは目を逸らす。
「……知らない」
知る由などあるはずがない。
オレなんかが知っていいことはこの瞬間何ひとつとしてない。オレはただの小狡い拝借者であって、こんな世界を揺るがすような大犯罪に巻き込まれる筋合いなんてあるはずがない。
オレはその場から逃げるようにゆっくりと後ずさる。とんっと背中に冷たい塀を感じて、なぜか少しだけ安堵する。少し踏ん張ってから跳躍すれば簡単に上まで逃げられる。
「そうか、それは残念だ」
なんとなく合点がいった。
あの厳重すぎる警戒態勢。きっと当局のドローンではなく、私設のシステムだった。だから、大通りでは大人しくしていたのか。
あの無造作に吊り下げられていた正体不明の商品はジャンクパーツじゃなくて内殻からの密輸品だったのか。
あの店主のオヤジはそれなら。
もしかしたら、あのオヤジも“後始末”の対象に入っているのなら。
そして、それをいとも容易く実行してしまえるほどの組織なのだとしたら。
オレなんかが太刀打ちできるはずがない。
「ま、いいさ。君とはそのうちまた会える気がするんだよね」
しとりの言葉に、最悪の想定を妄想していたオレはビクンと痙攣じみた反応をしてしまう。弾かれたように塀の上へと跳ぶ。
「それじゃ、君の探し物も見つかるといいね、ルジネくん」
どうやらしとりがこれ以上オレを追ってくることはなさそうだった。
しとりはくるんっと軽やかにオレに背を向ける。
「あ、そうだ、もうひとつ、」
その声にオレは思わず振り向いてしまう。背中越し、煽情的なその真紅の眼差しで塀の上のオレを見上げながら。
「3月のウサギは発情期だ、気を付けた方がいい」
そう言いながらぺろりと唇を舐める。しとりにさっきまでの健康的な色気を振りまく快活な様子はなく。
そこにいたのは、まるで図書館のデータベースで見た野生の獣。
その目つき、その口元、その吐息。
その蠱惑的な仕草にぞわりとしながらオレは塀を飛び降りた。
シュタッと華麗に(……だったらいいのになあ)着地。
無様な四つん這いのまま意気揚々と顔を上げると。
「おや、少年、こんなところで何してるんだい?」
「ふぁッ!?」
ここで聞くはずのない声を、そこにいるはずのない誰かに掛けられる。
見上げた視線の先、真にぽっかりと空いた空間に佇んでいたのは。
その人はオレよりも年上の、まさに大人のお姉さん、といった感じだった。
短く外にはねた黒髪。快活な感じと大人の雰囲気のミスマッチに思わず幻惑されそうになるのは、もしかしたらそれも計算の上のおしゃれか?
オレを悪戯っぽく覗き込むのは血のように真っ赤な瞳。オレはその色をどこかで見たことがあるような気がする。
ショート丈のぴったりとした黒いタンクトップはその豊かなお胸を強調していて、艶めいた褐色の肌の形のいいおへそどころか程よく引き締まったお腹まで見えている。それにぴったりとした黒いショートパンツに健康的な太ももが薄暗い路地裏でも眩しい。ほとんど下着じゃないか。
こんなドエロい身体を惜しげもなく露出している大人のお姉さんは男子高校生にはあまりにも刺激が強すぎる。
「あ、い、いや、ちょっと探し物を……」
(なんじゃ、こやつ。わらわの主を誘惑しようというのかや!?)
ゆっくりと立ち上がって改めてジャンク屋のあった場所を見てみると。
まるで何か巨大な聖遺物でも使って無理やり押し潰したような瓦礫の山。
急いで証拠隠滅を図った残骸。
そこには何もなかった、と有無を言わさずそう告げられている。そんな無言の威圧感だけがそこにあった。
「探し物?」
グイッとオレの顔を覗き込む。容赦も惜しげもなく飛び込んでくる柔らかな胸の谷間、という絶景に思わず目を逸らす。う、なんかいい匂いがします。
「そうか、なら私も探してあげよう。少年は何を失くしてしまったのかな?」
その露出狂じみた格好とはうらはらになんとなく色気と共に健康的な感じもするのは、そのさっぱりとした声音とあまりにも自身の暴力的な肢体に無自覚な言動のせいだろうか。
「あ、いや、その」
ここにあった店そのものを探している、なんて言えるはずなかった。
何か不穏な気配を感じる。
「君は高校生くらいかな? ボール遊びって年齢でもないだろうし」
この不思議なセクシー不審者お姉さんがこんなところにいたことも怪しい。
この魔剣のことは何も言わない方がいいだろう。
だけど、この状況、さてはとてもまずいのではなかろうか。
明らかに何かが起こった場所にいた怪しいお姉さん、そして、そんなところに飛び込んできてしまった憐れなオレ。
「ふふっ、失礼、君の反応が楽しくてついからかってしまったよ」
お姉さんは楽しそうに笑った。それは(自分で言うのも不服だが)まるで新しいおもちゃを見つけた子どものように邪悪な笑顔だった。(主をからかうのはわらわの方が上手じゃ!)絶対にからかい上手じゃないアウラさんのことは無視。
オレはこの場をどう切り抜けようか必死に思考を巡らせたけど、どうやったっていいアイデアなんて浮かぶはずもなかった。
「そうだ、まだ名前を教えてなかったな、私は、しとり、だ。少年、君の名前は?」
「ル、ルジネ、です」
「ほう、なかなかカッコいい名前じゃないか、よろしくね、ルジネくん」
しとりと名乗る謎の美女は微笑みながら手を伸ばしてきた。まるで錯乱呪文にあてられたかのように動けなくなる。切ない吐息と共にその艶やかな手はオレの頬に触れ、ゆっくりと首筋を撫で、そして、その手はオレの胸へ、
(主! わらわ以外のおなごに主の柔肌を触れさせようとは、この浮気者めが!)
「ッ……!」
ハッと意識を取り戻す。今回はメンヘラ魔剣の勘違いも甚だしいキーキー甲高い悲鳴に助けられた。「浮気って、お前とはただの契約関係じゃねえか」(ダメなものはダメじゃ!)まったくわがままなお姫様である。
だけど、今はそんなこと言ってる場合じゃないかもしれない。
思わず一歩後ずさり、その手の抗いがたい誘惑から距離を取る。
「……そっちこそ、あなたはここに何しに来たんですか」
もしかしたら、しとりはこの心臓の魔剣のことを知っている?
用心深くもう一歩下がる。がらり、足元の瓦礫につまずき体勢がほんの少しだけ崩れるが、しとりはただその様子を見つめているだけだった。「おや、どうした、ルジネくん? 私嫌われちゃった?」
ただ、何もしてこないから敵じゃない、ってわけでもない。この状況でしとりを信用する材料は一つもない。警戒だけはしておかなきゃいけない。
無意識にパーカー越しの魔剣に触れる。(あんッ、たまには布越しの感触も悪くない)
「実はね、私も探し物があってね、」
さっきオレを惑わせたことなんて気にも留める様子はなく(さては無自覚か?)、しとりは今までのようにさっぱりとした口調だった。
「ここには内殻からの密入殻と密輸ルートがあったんだけど、その管理人がヘマをしちゃったんだ、」
「は、あ、え……?」
「だから、その後始末がちゃんとできたかと、何が奪われたのかを確認しに来たんだよね」
最初何を言っているのか訳がわからなかった。
だけど、まるで世間話でもするかのような、さっきまでとなんら変わらない気楽な調子のしとりの話はオレがこんなに簡単に聞いていいことなんかじゃないってことにすぐに気づく。
内殻からの来訪者は当局によって厳しく管理されている。そして、彼らが外殻に立ち入ることはほとんどない。
だからこそ、この話は一介のちゃちな男子高校生が聞いていい話じゃない。
「後始末はちゃんとできてるみたいね、周りの記憶改竄魔法も確かに効いてるし」
しとりはふらりと周囲を見渡すと、つまらなさそうに足元の瓦礫をこつんと蹴り上げた。その小石くらいの大きさの小片はオレの後ろに建つ塀を大きく超えると、何かに弾かれたようにバチッと弾けて粉々になった。
「あ、安心して。この魔法は生身の人間には無効だから」脅しのように。
内殻よりの不法入殻者。
完全に当局が関わるべき重大事案だ。
「それで、君は何か知らないかな」
そして、しとりはそれに一枚どころかがっつり噛んでいる。その無邪気とすら思える笑みに対しオレは目を逸らす。
「……知らない」
知る由などあるはずがない。
オレなんかが知っていいことはこの瞬間何ひとつとしてない。オレはただの小狡い拝借者であって、こんな世界を揺るがすような大犯罪に巻き込まれる筋合いなんてあるはずがない。
オレはその場から逃げるようにゆっくりと後ずさる。とんっと背中に冷たい塀を感じて、なぜか少しだけ安堵する。少し踏ん張ってから跳躍すれば簡単に上まで逃げられる。
「そうか、それは残念だ」
なんとなく合点がいった。
あの厳重すぎる警戒態勢。きっと当局のドローンではなく、私設のシステムだった。だから、大通りでは大人しくしていたのか。
あの無造作に吊り下げられていた正体不明の商品はジャンクパーツじゃなくて内殻からの密輸品だったのか。
あの店主のオヤジはそれなら。
もしかしたら、あのオヤジも“後始末”の対象に入っているのなら。
そして、それをいとも容易く実行してしまえるほどの組織なのだとしたら。
オレなんかが太刀打ちできるはずがない。
「ま、いいさ。君とはそのうちまた会える気がするんだよね」
しとりの言葉に、最悪の想定を妄想していたオレはビクンと痙攣じみた反応をしてしまう。弾かれたように塀の上へと跳ぶ。
「それじゃ、君の探し物も見つかるといいね、ルジネくん」
どうやらしとりがこれ以上オレを追ってくることはなさそうだった。
しとりはくるんっと軽やかにオレに背を向ける。
「あ、そうだ、もうひとつ、」
その声にオレは思わず振り向いてしまう。背中越し、煽情的なその真紅の眼差しで塀の上のオレを見上げながら。
「3月のウサギは発情期だ、気を付けた方がいい」
そう言いながらぺろりと唇を舐める。しとりにさっきまでの健康的な色気を振りまく快活な様子はなく。
そこにいたのは、まるで図書館のデータベースで見た野生の獣。
その目つき、その口元、その吐息。
その蠱惑的な仕草にぞわりとしながらオレは塀を飛び降りた。
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