141 / 235
設定(≠核心)
―ーLIVE:【外装起因機関・電葬経土:七人姉妹】&【 】feat. ――②
しおりを挟む
「あ、そうだ、わたしの名前は【透明幻想・錯綜少女基底】よ。長ったらしいからキティって呼んで」
「キミのことはよく知っているが自己紹介というのは物語においてとても大事ね、よろしく、キティ。私達は、【外装起因機関・電葬経土:七人姉妹】――世界を形作るもの。形質を司る機能よ」
「形質?」
「ざっくり大雑把に言っちゃえば、この世界に存在するすべての形、を決めたのが私達ってこと」
「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………え!?」
「おや、わりと理解が早かったね、私達は三点リーダーだけで最低でも1ページは掛かるのではないかと予想していたよ」
とはいうものも、あまりの壮大さに、まだちゃんと理解はできていない。え、物の形を決めた? そんなすさまじい機能があるの? ちょっと待って、それってわたしよりすごくないか? 物語の主人公の上位互換ってズルくないか?
「私達が初めてこの世界を創った。私達はそういう機能だから」
「はぇ?」
「ふふふ、驚くのも無理はないわ、」
いやいや、この世界はわたしのための物語で、ラフィーナがこの物語のページを開き、わたしが綴ったものじゃないの!?
「ああ、わかってる、言いたいことがたくさんあるんでしょ? さあ、キミの創ったこの錯誤世界、ミスティカエラについての伏線回収とネタバレをしましょう」
「イヤ! なんかそういうのちょっと違う気がする!」
いよいよメタっぽくなってきた。やめて、そういうのを喜ぶ読者ってそんなにいないから! それで気持ち良くなれるのは筆者だけだから!
「安心してください、私達はどうでもいい裏設定を滔々と語りたい訳ではありません。興醒めしてしまいますから。それは物語の外でやるべきことです」
あ、良かった。ほっと安堵。
どんなに稚拙な物語だって基本的なセオリーを忘れちゃいけない。いや、まあ、(自称)この物語の創造主が物語の中にいるのもセオリーからはずいぶんと外れているけどね。
でもでも、メタ発言はほどほどにしないと読者は置いてけぼりになっちゃう。作者の自己投影が透けて見えるのは少し野暮ったい。そういうのは、ストーリーとテーマで魅せる方がかっこいいじゃん。
「あ、私達はデータ管理のために人格を7等分しているから、性格や口調のブレは許してね。情報は全ての人格が共有しているから誰に訊いても大丈夫よ」
良かった、なんとなく思ってはいたけど、表記ブレとかじゃなくてよかった。あんまりにも露骨に口調が変わるからキャラが定まっていないのかと冷や冷やしたよ。
「あ、あの、星の外にいると、その、い、色々と大変でしょ? 私達の力の一部を添付したいと思うんだけど、ど、どうかな……?」
「え? ま、まあ、確かに身体がふわふわしていて動きにくいけど……」
彼女は引っ込み思案な人格なのか、急におどおどした話し方になってちょっとびっくりしてしまう。事前に人格を分割している、って聞いてなかったら、表記ブレどころじゃない突然の変貌にさらに戸惑うことになっていた。いえ、ダメよ、彼女が勇気を出して話しかけてくれたんだ、わたしもそれに応えなきゃ!
「あ! だから、アナタ達の物語を聞かせてくれるならうれしいな!」
「ひ、ひいぃ!」
あ、あれ!? なんか怖がらせちゃった? 「あ、気にしないで、こういうキャラも必要でしょ?」「お、おぅ……」
「キミのことはよく知っているが自己紹介というのは物語においてとても大事ね、よろしく、キティ。私達は、【外装起因機関・電葬経土:七人姉妹】――世界を形作るもの。形質を司る機能よ」
「形質?」
「ざっくり大雑把に言っちゃえば、この世界に存在するすべての形、を決めたのが私達ってこと」
「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………え!?」
「おや、わりと理解が早かったね、私達は三点リーダーだけで最低でも1ページは掛かるのではないかと予想していたよ」
とはいうものも、あまりの壮大さに、まだちゃんと理解はできていない。え、物の形を決めた? そんなすさまじい機能があるの? ちょっと待って、それってわたしよりすごくないか? 物語の主人公の上位互換ってズルくないか?
「私達が初めてこの世界を創った。私達はそういう機能だから」
「はぇ?」
「ふふふ、驚くのも無理はないわ、」
いやいや、この世界はわたしのための物語で、ラフィーナがこの物語のページを開き、わたしが綴ったものじゃないの!?
「ああ、わかってる、言いたいことがたくさんあるんでしょ? さあ、キミの創ったこの錯誤世界、ミスティカエラについての伏線回収とネタバレをしましょう」
「イヤ! なんかそういうのちょっと違う気がする!」
いよいよメタっぽくなってきた。やめて、そういうのを喜ぶ読者ってそんなにいないから! それで気持ち良くなれるのは筆者だけだから!
「安心してください、私達はどうでもいい裏設定を滔々と語りたい訳ではありません。興醒めしてしまいますから。それは物語の外でやるべきことです」
あ、良かった。ほっと安堵。
どんなに稚拙な物語だって基本的なセオリーを忘れちゃいけない。いや、まあ、(自称)この物語の創造主が物語の中にいるのもセオリーからはずいぶんと外れているけどね。
でもでも、メタ発言はほどほどにしないと読者は置いてけぼりになっちゃう。作者の自己投影が透けて見えるのは少し野暮ったい。そういうのは、ストーリーとテーマで魅せる方がかっこいいじゃん。
「あ、私達はデータ管理のために人格を7等分しているから、性格や口調のブレは許してね。情報は全ての人格が共有しているから誰に訊いても大丈夫よ」
良かった、なんとなく思ってはいたけど、表記ブレとかじゃなくてよかった。あんまりにも露骨に口調が変わるからキャラが定まっていないのかと冷や冷やしたよ。
「あ、あの、星の外にいると、その、い、色々と大変でしょ? 私達の力の一部を添付したいと思うんだけど、ど、どうかな……?」
「え? ま、まあ、確かに身体がふわふわしていて動きにくいけど……」
彼女は引っ込み思案な人格なのか、急におどおどした話し方になってちょっとびっくりしてしまう。事前に人格を分割している、って聞いてなかったら、表記ブレどころじゃない突然の変貌にさらに戸惑うことになっていた。いえ、ダメよ、彼女が勇気を出して話しかけてくれたんだ、わたしもそれに応えなきゃ!
「あ! だから、アナタ達の物語を聞かせてくれるならうれしいな!」
「ひ、ひいぃ!」
あ、あれ!? なんか怖がらせちゃった? 「あ、気にしないで、こういうキャラも必要でしょ?」「お、おぅ……」
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
婚約破棄してたった今処刑した悪役令嬢が前世の幼馴染兼恋人だと気づいてしまった。
風和ふわ
恋愛
タイトル通り。連載の気分転換に執筆しました。
※なろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、pixivに投稿しています。
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
公爵令嬢は父の遺言により誕生日前日に廃嫡されました。
夢見 歩
ファンタジー
日が暮れ月が昇り始める頃、
自分の姿をガラスに写しながら静かに
父の帰りを待つひとりの令嬢がいた。
リリアーヌ・プルメリア。
雪のように白くきめ細かい肌に
紺色で癖のない綺麗な髪を持ち、
ペリドットのような美しい瞳を持つ
公爵家の長女である。
この物語は
望まぬ再婚を強制された公爵家の当主と
長女による生死をかけた大逆転劇である。
━━━━━━━━━━━━━━━
⚠︎ 義母と義妹はクズな性格ですが、上には上がいるものです。
⚠︎ 国をも巻き込んだ超どんでん返しストーリーを作者は狙っています。(初投稿のくせに)
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる