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おはなし
一話 出会い
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昔 魔物との戦争を止めるために女を生贄にする風習があったらしい。
そんな生贄を差し出すための馬車が動き出した。
馬車に乗りながら暗い顔をする黒い髪の身長が小さく赤い目を持つ少女
名はメイ・ローズ
名家ローズ家の御令嬢であるがそんなものは今ではないにひとおしい 彼女は光の聖女であるロマン・ルージュの殺人未遂容疑によりその身を拘束されている。
「…」
馬車の中でロマンを激しく憎んでいた。
彼女は庶民の身でありながら聖女として選ばれたが故さまざまな方々からちやほやされていた
自分の元婚約者ですら彼女に夢中になるしかし
実際は聖女とは程遠い性格の持ち主であり、元婚約者が恋慕している間にも他の男にちょっかいをかけていた。
自分はそれが許せず彼女を問いただすと彼女は突然「キャー」と叫び出し 自身の腹にナイフを刺し、そのナイフを私の方へ投げたのだ。
周りの人間には涙ながらに訴えた。
「ローズ様がこのナイフで…私を殺そうと」
お腹を抑える聖女と私を睨みつける人々達
もちろん私は否定したが信じてもらえなかった。
そしてお粗末な裁判により私は魔王のところに生贄にされたのだ…聖女の代わりに…
本来は光の聖女は魔王に献上する物なのだが
奴らはあのクソ女を穢らわしい魔物に渡したくなくって、その代わりに私が聖女の身代わりとして献上することに…まあ簡単に言えば死刑宣告に近い。
でも首を切られるよりは遥かにマシである。
「私は何をされるのかはわからない…でも人の皮を被った怪物どもの空気を吸うよりはいい」
馬車はそんなこんなで魔王がいる城まで行く。
恐ろしい雰囲気の黒い城、王宮内は光はついていない。
「お待ちしておりました 聖女様」
つぎはぎの紫色の目をメイドがこちらをみている
(死体性愛者なのかな…まあアンデットになるのも悪くないな…)
そして魔王が待つ部屋までたどり着く。
メイドがガチャリと開け部屋まで入る。
「お初にお目にかかります 魔王様
私の名はメイ・ローズでございます…」丁寧にお辞儀をするも部屋には誰もいなかった。
その代わりにいるのは黒い毛玉を必死に引っ張り出そうとする召使い達。
毛玉はクローゼットの中で隠れているが使用人達が必死に引っ張り上げるとすっぽりと毛玉が抜け、こちらに転がっていきぶつかる。
「聖女さま!!」
メイドが叫んでいる。
「いたたっ」
思わずその顔をみやげる
雑に伸びきった白い髪と長い耳に黒い体…小さなツノも生えている。
これが
私と魔王様の出会いでした。
そんな生贄を差し出すための馬車が動き出した。
馬車に乗りながら暗い顔をする黒い髪の身長が小さく赤い目を持つ少女
名はメイ・ローズ
名家ローズ家の御令嬢であるがそんなものは今ではないにひとおしい 彼女は光の聖女であるロマン・ルージュの殺人未遂容疑によりその身を拘束されている。
「…」
馬車の中でロマンを激しく憎んでいた。
彼女は庶民の身でありながら聖女として選ばれたが故さまざまな方々からちやほやされていた
自分の元婚約者ですら彼女に夢中になるしかし
実際は聖女とは程遠い性格の持ち主であり、元婚約者が恋慕している間にも他の男にちょっかいをかけていた。
自分はそれが許せず彼女を問いただすと彼女は突然「キャー」と叫び出し 自身の腹にナイフを刺し、そのナイフを私の方へ投げたのだ。
周りの人間には涙ながらに訴えた。
「ローズ様がこのナイフで…私を殺そうと」
お腹を抑える聖女と私を睨みつける人々達
もちろん私は否定したが信じてもらえなかった。
そしてお粗末な裁判により私は魔王のところに生贄にされたのだ…聖女の代わりに…
本来は光の聖女は魔王に献上する物なのだが
奴らはあのクソ女を穢らわしい魔物に渡したくなくって、その代わりに私が聖女の身代わりとして献上することに…まあ簡単に言えば死刑宣告に近い。
でも首を切られるよりは遥かにマシである。
「私は何をされるのかはわからない…でも人の皮を被った怪物どもの空気を吸うよりはいい」
馬車はそんなこんなで魔王がいる城まで行く。
恐ろしい雰囲気の黒い城、王宮内は光はついていない。
「お待ちしておりました 聖女様」
つぎはぎの紫色の目をメイドがこちらをみている
(死体性愛者なのかな…まあアンデットになるのも悪くないな…)
そして魔王が待つ部屋までたどり着く。
メイドがガチャリと開け部屋まで入る。
「お初にお目にかかります 魔王様
私の名はメイ・ローズでございます…」丁寧にお辞儀をするも部屋には誰もいなかった。
その代わりにいるのは黒い毛玉を必死に引っ張り出そうとする召使い達。
毛玉はクローゼットの中で隠れているが使用人達が必死に引っ張り上げるとすっぽりと毛玉が抜け、こちらに転がっていきぶつかる。
「聖女さま!!」
メイドが叫んでいる。
「いたたっ」
思わずその顔をみやげる
雑に伸びきった白い髪と長い耳に黒い体…小さなツノも生えている。
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私と魔王様の出会いでした。
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