上 下
27 / 33
エピローグ

しおりを挟む

 その後もイチャイチャしながら過ごした。お昼ごはんにオムライスを作ってやると、これまためちゃくちゃ感動された。チョロいよねw

ネルとジンにも母特製のお菓子をあげたら、嬉しそうに二匹で食べている。

はぁ、平和だなぁ。少し前にコウに十戦勝負を挑まれてたなんて思えない。
ま、あの時にはコウと本当に恋人になるなんて想像も出来なかったけど。

実際に付き合ってみると、なかなかいい男だよな。バカで脳筋で残念だけど。
僕の事が大好きで、何より大事にしてくれる。

ここまでコウをいい男にしてくださったカグヤ様に感謝だよ。カグヤ様に鍛えてもらえなきゃ、ただのバカで脳筋で残念なガキだったもん。
いや、僕もガキだったんだよ。僕がコウの本質を見抜いて鍛えてやれば良かったんだろうけど、昔からずっとあんな感じだったし、そんな事考えつかなかった。

お昼ごはんの後、リビングのソファでまどろみながらそんな事を考えていると、横に座っていたコウに頭を撫でられ、軽いキスを落とされる。

「はぁ、リン、オレすごく幸せだよ。こんなゆったりとした時間をリンと過ごせるなんて夢みたいだ。」

「うん、そうだね・・・」

「眠い?寝てていいよ。オレが後片付けしとくから。」

「・・うん、ありがと・・・」

しばらくうとうとしていたらネルに起こされた。

「リン!起きて?ランとファーが帰って来るって!!」

「ええっ?もう?!」

慌てて飛び起きると、頭がコウの膝の上だった。ずっと膝枕してくれてたの?!
て、いうかもう夕方じゃん?!

「ごめんね?もっと早く起こしてくれたらよかったのに。」

「おはよう、リン。はぁ、ずっとリンの寝顔を見れて幸せだったよ。」

あ、うん、ソウデスカ・・・

最後に思いっきり抱きしめられ、がっつりキスをされ、コウとジンは帰って行った。


 入れ替わりに母とファーが帰って来る。

「お帰り、母さん、ファー、湖畔の城はどうだった?」

「素敵だったわ~!!あの塔から見下ろす景色は最高ね!朝焼けもすごく綺麗だったし♡」

・・・何で朝焼けを見る時間に起きてたのかは聞かないでおこう。

どうやらロム先生と上手くいったみたいで良かったよ。

次の日にロム先生に聞いたんだけど、魔道具の修繕もすぐに出来て、温度設定の幅も広げて来たらしいし一件落着だな。

ユイくんは・・何かまた疲れてた。何をして疲れたのかは怖くて聞けない。妙に色っぽいし・・・そりゃシグ様も心配になるよね?!・・絶対にシグ様が原因だろうけども。

そして、最近、授業の後に前魔王様城でばかりお茶をしてたら、アスラ様がキレて、「俺だけ仲間外れだっ!!」って怒ってしまった。

だから、週に一度はアスラ様も前魔王様城に来る事になり、マジョリカでのお茶会も復活。僕もまじって楽しくお茶会をしている。あんまり長時間になると、魔王様、シグ様が迎えに来るのも、最早日常だ。

そのお茶会で、アスラ様が「俺も湖畔の城に行きたい!」って言ってきかなくて(レンさんは前魔王様と行った事がある)、何と、前魔王城と湖畔の城を繋ぐワープポイントを作る事になったんだ!

魔王様は瞬間移動を使えるから、アスラ様だけならそれでいいんだけど、アスラ様が「どうせならみんなで行きたい」って言ってそうなったみたい。

流石、王妃様の一声。

みんな湖畔の城が大好きだから、すぐに行けるようになって嬉しい限り!


 そうそう、最後にビックニュース!!

な、何と母が妊娠したんだっ!!

びっくりして腰を抜かすかと思ったよ。もちろんロム先生との子。日数的に、どうやら湖畔の城で身籠ったらしい。まぁ、母はまだ三十五歳だもんな。充分産める。僕、お兄ちゃんになるんだ!!
びっくりしたけどすごく嬉しいよ。

って、言ってたら、数日後にこれまた魔族の国中をびっくりさせた超ビックニュース!!!

何と、カグヤ様も妊娠したらしい?!!
お相手はカイさん。カイさん・・完全なゲイでバリタチだったはずなのに・・・まぁ、カグヤ様相手に女だとかは些細な事だよね?!!
 
だって、カグヤ様なんだからっ!!!!

母も魔族の強さランキングでベスト5には入るし、ロム先生の子でもあるからシグ様の血も継いでいる。実際に魔族最強の女性トップ2の二人から、未来の魔王様候補が生まれて来るんじゃないかと、魔族の国ではもっぱらの噂だ。

まぁ、元気に生まれてくれたらそれでいいよね?!

まわりにあてられて、僕とコウも結婚を意識するようになった。
実は、あの時の魔道具の件での給料と、オーク殲滅の報奨金は、結婚資金として二人で貯金したんだ。

いつか湖畔の城で結婚式をする事を夢見て・・・


そんな感じで、魔族の国の僕の周りには、今、幸せが溢れている。




「冷血王子ちゃんの身から出た受難」  完




ーーーーーーーーーー

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

リンとコウのピュアラブw いかがだったでしょうか?

本編はこれで完結とさせて頂きますが、やはりしばらくは番外編を続けます。
他のCPも書きたいのでw とりあえずは、

シグ×ユイの湖畔の城編
キョウ×アスラの日常編

を予定しております。明日には無理かもしれませんが、近々更新出来るよう頑張ります。

ジュン×レンの話と、その後のコウ×リンや、魔族の国の話も書ければ・・・?!最早、番外編ではなく第二章となればそれも良し(全くの未定ですが)w

それでは今しばらくお付き合いくださいませ。

感想など頂けると非常に嬉しいです。


ルコ
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

絶滅危惧種の俺様王子に婚約を突きつけられた小物ですが

古森きり
BL
前世、腐男子サラリーマンである俺、ホノカ・ルトソーは”女は王族だけ”という特殊な異世界『ゼブンス・デェ・フェ』に転生した。 女と結婚し、女と子どもを残せるのは伯爵家以上の男だけ。 平民と伯爵家以下の男は、同家格の男と結婚してうなじを噛まれた側が子宮を体内で生成して子どもを産むように進化する。 そんな常識を聞いた時は「は?」と宇宙猫になった。 いや、だって、そんなことある? あぶれたモブの運命が過酷すぎん? ――言いたいことはたくさんあるが、どうせモブなので流れに身を任せようと思っていたところ王女殿下の誕生日お披露目パーティーで第二王子エルン殿下にキスされてしまい――! BLoveさん、カクヨム、アルファポリス、小説家になろうに掲載。

生贄として捧げられたら人外にぐちゃぐちゃにされた

キルキ
BL
生贄になった主人公が、正体不明の何かにめちゃくちゃにされ挙げ句、いっぱい愛してもらう話。こんなタイトルですがハピエンです。 人外✕人間 ♡喘ぎな分、いつもより過激です。 以下注意 ♡喘ぎ/淫語/直腸責め/快楽墜ち/輪姦/異種姦/複数プレイ/フェラ/二輪挿し/無理矢理要素あり 2024/01/31追記  本作品はキルキのオリジナル小説です。

前世の記憶がよみがえっても、それでもずっとあなたが好き

ちゃちゃ
BL
伯爵子息であるシェスリード・オルトナーは、失恋したショックから前世の記憶を思い出す。 そしてこの世界は前世で見たことのある物語に似ていることに気付く。 聖者であるミカを主人公としたその物語の攻略対象者の一人が、自分の幼なじみであり、想い人である公爵子息ベアトリクス・カバルターナであった。 物語上では全く登場していないシェスリードは、ベアトリクスと共に生きる道は無いのだと諦め、忘れようとするが…。 シェスリード視点(本編) ベアトリクス視点 ミカ視点(番外編) R要素はベアトリクス視点のみ。

オメガに転化したアルファ騎士は王の寵愛に戸惑う

hina
BL
国王を護るαの護衛騎士ルカは最近続く体調不良に悩まされていた。 それはビッチングによるものだった。 幼い頃から共に育ってきたαの国王イゼフといつからか身体の関係を持っていたが、それが原因とは思ってもみなかった。 国王から寵愛され戸惑うルカの行方は。 ※不定期更新になります。

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中

risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。 任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。 快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。 アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——? 24000字程度の短編です。 ※BL(ボーイズラブ)作品です。 この作品は小説家になろうさんでも公開します。

くっころ勇者は魔王の子供を産むことになりました

あさきりゆうた
BL
BLで「最終決戦に負けた勇者」「くっころ」、「俺、この闘いが終わったら彼女と結婚するんだ」をやってみたかった。 一話でやりたいことをやりつくした感がありますが、時間があれば続きも書きたいと考えています。 21.03.10 ついHな気分になったので、加筆修正と新作を書きました。大体R18です。 21.05.06 なぜか性欲が唐突にたぎり久々に書きました。ちなみに作者人生初の触手プレイを書きました。そして小説タイトルも変更。 21.05.19 最終話を書きました。産卵プレイ、出産表現等、初めて表現しました。色々とマニアックなR18プレイになって読者ついていけねえよな(^_^;)と思いました。  最終回になりますが、補足エピソードネタ思いつけば番外編でまた書くかもしれません。  最後に魔王と勇者の幸せを祈ってもらえたらと思います。 23.08.16 適当な表紙をつけました

可愛くなりたい訳じゃない!

mana.
BL
小さな頃から可愛い物が好きだった。 今の時代は「可愛いものを可愛いと言える!」なんてテレビはやってるけど……小学生でピンクのランドセルの男子はいない。 結局は周囲の環境次第と悟った。 事故で異世界転生し、貴族の子息として転生。 騎士を目指すが、やはり可愛いものは好だった。 男でも可愛いが好きでも良い世界に転生し、隣国王子と出会って溺愛されるお話です。 書いてみると、思った以上に快楽に弱い主人公だったのでチョロく流されます。 深く考えているようで、最終的には「ま、良いか☆」なタイプです。 12話くらいまで、悪役令嬢と疑われた妹のお話がメインです。 R―18はかなり先のお話になりますが、☆が入ります。 【注意】キスシーンのみは☆は入りません。 話しの流れで、主人公が頑張って攻める回もあって最後まで行きませんが、リバが苦手な方はその回をスルーするか、ご遠慮下さいませ。 ************* こちらのお話はストレス発散に書かせて頂いております。 転職し、やっと落ち着いはおりますが育児と家事含めた合間をぬっての執筆活動です。 貴族、ファンタジーの設定は作者の浅い知識の上で書いております。 未だに何度確認しても誤字脱字は抜けません。 こちらも合わせてご指摘はご遠慮頂けますと幸いです。 今作も生暖かい目で見てやって下さいませ。 宜しくお願い致します。 mana.

男しかいない世界に転生したぼくの話

夏笆(なつは)
BL
 舞台は、魔法大国マグレイン王国。  男しかいないこの世界には、子供を孕ませる側のシードと、子供を孕む側のフィールドが存在する。  クラプトン伯爵家の第四子として生を享けたジェイミーは、初めて母を呼んだことをきっかけに、自分が転生者であると自覚する。  時折ぽろぽろと思い出す記憶に戸惑いながらも、ジェイミーは優しい家族に囲まれ、すくすくと成長していく。  そのなかで『誰も食べたことのないアイスを作る』という前世の夢を思い出したジェイミーは、アイスの無い世界で、夢のアイス屋さんを作るべく奮闘するのだが。 小説家になろうにも掲載しています。

処理中です...