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イアンvs青龍

カグラ1

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 あれからもイアンは鍛錬を続け、ドラゴンの姿で戦いながら要所要所で人型になっても攻撃力が落ちなくなった。

最終仕上げでカグヤコがあまり手加減せずに相手をしたが、イアンは何とか対応していた。

「サイズが急に変わると確かにやりにくいわね。それに人型でこれだけ強いなら充分じゃない?」

と、カグヤコが珍しく褒めたので、イアンには相当な自信になったようだ。

あの母さんと父さんのプレイに巻き込まれてから、イアンは遠慮をしなくなった。特に父さんに対しては容赦なく叩きのめしに行くし、母さんにも怯えず向かって行く。

イアンが言うには、

「遠慮してたらカイ様には好き勝手にセクハラされそうだし、そうなったらカグヤ様にシバきまわされる。」

だって。う~ん、良かったのか、な??

 そして今日は、エリン様たちに会ってから二ヶ月後。

「さぁっ!イアン、青龍と契約しに行くわよっ!!」

西の海に瞬間移動する前に、ショウとルイ、母さんと父さんが見送りに来てくれた。

「カグヤ様、ココ様、オレを鍛えてくださって本当にありがとうございました。カイ様とエル様にも一応感謝してます。」
 
「はっ!言うじゃねぇか。契約したら青龍連れてまた来いよ。可愛がってやるから。」

そう言ってイアンにハグをしようとする父さんを一発殴ってから、母さんが言う。

「イアン、よくがんばったわね。自信持って良いわよ?今のあなたならカグラの横に立ってても大丈夫だから。」  

・・何言ってるの??!

「イアン、本当に見違えたよ。自信を持って青龍と契約して来い。帰ったら顔出せよ。」

これはショウ。うん、普通。
 
「ホント、カグラとお似合いだよ?僕も青龍に会うのが楽しみだよ。待ってるからね。」

ルイまで何言ってるのよっ?!

「ショウ様もルイ様もありがとうございます。絶対青龍と契約して帰って来ます。」

「じゃあ、行って来るね!!」

あたしはみんなに手を振り、ミミとイアンと一緒に西の海に向かって瞬間移動する。数回に分けて飛び、二ヶ月前にエリン様に会った島まで到着した。

「カグラ!!」

巨大な赤龍が出迎えてくれる。

「ミランゼ?!完全憑依出来るようになったのね?すっごく強くなってるじゃない?!」

「ふふっ、わたしもがんばったのよ?けど、そこのバカ兄貴もなかなか成長したみたいね?」

「そうよ?イアンもすごくがんばったのよ?!期待していいわよミランゼ。」

「へぇ?みんな待ってるわよ?早くローゼ様の別荘に行きましょう。」

ローゼ様の別荘に着くと、エリン様、リンゼ、青龍が揃っていた。
ミランゼも憑依を解いてミランとランゼに分かれている。

「よく来たわね。イアン、良い顔になってるじゃないの?!ワタシが知ってる雄の谷のドラゴンの中で一番強くてまともそうだわ!
カグラちゃん、ありがとう!息子を更生させてくれて。」

エリン様に感謝されちゃった!嬉しいな~

「いえ、あたしよりあたしの母さんの力です。母さん、残念な男をいい男に鍛え直すのが趣味ですから。」

「へぇ?面白そうな魔族ね?ワタシも会ってみたいわ。イアンのお礼も言いたいし。」

えっ??!エリン様と母さん・・何かすごい事が起こりそう・・・ショウとルイが聞いたらまた頭を抱えるわね。

「ま、まぁ、そのうちに・・・」

「おふくろ、それよりオレと青龍の事だろ?青龍、今日はよろしくお願いします。」

「ふむ?ちょっとはマシになったようだな。いいだろう、戦ってやるよ。おれを納得させてみろ。」

ついにイアンと青龍の戦いが始まった。


ーーーーーーーー

本日、R18BL「次代の魔王は生まれた翌日運命の恋に落ちる」に、ショウ×ルイのイチャラブを更新しました。

十八歳以上で興味があられる方がいらっしゃれば、覗いてみてくださいませ。


ルコ
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