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夏休み〜秋の旅行計画
姫2
しおりを挟むリューセーの誕生日当日は、幸いにして土日を挟んだ三連休の祝日だった。
部活も土曜はあるものの、日月は休みらしい。
だから非常に都合はいいんだけど・・問題は場所だ。俺たちはまだ高校生。普通に旅行しても、ホテルに泊まるとしたら親の承諾書がいる。ラブホテルは十八歳未満だと断られるんだって。バレなきゃいいんだろうけど、男同士だし、色々とハードルは高い。
父さんの出張も平日だしなぁ。前みたいにうまい具合に二人ともいなくなるなんて、まぁない。
そんな悩みを一気に解決してくれたのはルイだった。
「保養所?」
「うん、隣の県にある、父さんの会社が契約してる海辺の温泉旅館なんだけど、結構安く泊まれるんだ。ほら、僕とショウが夏休みに行った・・・」
あぁ!初体験の場所!!
「そこにね、リュウセイくんの誕生日に一泊二日で四人で旅行しにいかない?もちろん部屋は別々だよ。
父さんが電話を入れてくれるから、親の承諾書とかなくてもOKなんだ。」
「えっ?いいのか?俺たちがお邪魔しても。」
「うん、元々会社で二部屋は押さえてて、空いてたらもっと増やせるみたいな感じだし。その連休には会社の誰も使う予定がないらしいの。
今って、海水浴の季節は終わって、紅葉には早いでしょ?だから暇なんだって。宿泊客が増えるのは大歓迎みたい。」
何か願ってもない話なんだけど!!
「ほら、僕たちもさ、二人っきりでゆっくり一晩過ごすなんて普段出来ないし、たまには・・・ね?で、どうせならトワくんたちにも初体験の場所を・・・」
「わ~!わ~!!やめて?!そうだけどもっ!!あらためて言われたら恥ずか死ぬわっっ!!」
「ふふ、リュウセイくんにはショウが言ってるからすぐに連絡が来るんじゃない?」
そう、何故か最近、リューセーとショウが連んでるんだ。学年で一二を争う人気のイケメン二人が仲良くしてるのを見て、大興奮の女子が卒倒する勢い。美見会も大喜びのようだ。
「姫っ!!」
あっ、連絡より先に本人が来た。ショウも一緒にいる。
「話聞いた?!」
「おう。たった今聞いた。」
「行こうよ?!行くよね?!!絶対行くよねっ?!!!」
あぁ、また見えない尻尾を振りまくってんな・・・
「そりゃ、まぁ・・・」
「ルイ!ありがとう!!本当にありがとう!!!」
「ふふ、リュウセイくん大喜びだね。誘って良かったよ。」
「・・ルイ、リュウセイにそんな笑顔は必要ない。」
・・ショウの心狭っ!!!
「はいはい、僕も久々にショウとゆっくり過ごせるのが嬉しいんだよ?笑顔にもなるでしょ?」
途端にデレッデレの顔になるショウ・・魔性だ・・・ルイがショウを手のひらで転がしてる・・すげぇわ。俺も見習わなきゃ・・って無理!!俺には絶対出来ねぇっ!!!
そんなこんなで、リューセーの誕生日には四人で旅行に行く事に決定。
ルイはウチにも来た事があって、母さんのお気に入りだから、ルイのお父さんの会社(ルイパパは社長さん)が契約している保養所に四人で旅行に行くって言ったらすぐにOKが出た。
もちろんリューセーが一緒ってのも了承済み。母さんは、小学生の頃ウチに入り浸っていたリューセーとまた仲良くなった事を喜んでるからな。リューセーもまた、母さんのお気に入りだ(お察しの通り母さんはイケメン好き)。
まさか俺がリューセーと付き合ってるとは思ってもみないだろうけどな!!
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