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公開告白

姫2

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 俺が何も言い返せないままの、静まり返った空気を破ったのは授業終了を知らせるチャイムだった。

結局、授業をサボってしまった。

この後は昼休みなので、リューセーを置き去りにして逃げるように校舎へと戻る。そして自分のクラスへは入らず、隣のクラスのルイの元へと急いだ。

いつもルイと昼ごはんを食べているから、今日も何ら変わりのない行動だ。決して自分のクラスに戻りたくなかったわけじゃない・・うん、嘘だ。
あんな状況で飛び出しておいて、しれっと一人で戻れるほど図太い神経はしていない。

けど、ちょうどいい事に、今日はルイのお母さんが作ってくれた弁当があるんだ!昨日ルイがそうメッセージをくれた。後、昼休みに話を聞いて欲しいって。

ルイママは、ここから一駅先にある人気のカフェ マデリカの経営者だ。繁華街に姉妹店もある。で、たまにそのカフェで過剰になってしまった食材を持ち帰り、大量におかずを作る事があるらしい。

それが時々俺にまでまわって来るんだ。カフェのメニューも考案しているだけあって、ルイママのご飯はめちゃくちゃ美味しい!

いや、ウチのかあさんのご飯も美味いんだけど、ルイママのはなんて言うかオシャレなお店の味なんだよ。この弁当にお金払ってもいいくらい。

ルイいわく、普段家で出て来るのは普通の家庭料理で、こういう時には店っぽい料理になるらしい。なぜならカグラが喜ぶから。
そう、俺にまわって来るくらいだから、もちろんカグラとショウにも弁当がある。家もすぐ近所だからカグラが取りに来てショウにも渡してるんだって。ショウもルイママのご飯は大好きだから、カグラ経由で素直に頂いている模様。

 「ルイ~もう、俺、無理・・・」

「トワくんどうしたの?何か顔赤いね?」

「ちょっと外行かねぇ?」

「いいよ。僕もトワくんに報告したい事があるし、そのつもりだった。」

そうだ、ルイも話を聞いて欲しいって言ってたんだ。自分の事でいっぱいいっぱいすぎて気がまわらなかった自分に反省。

二人で外に出て、人気のない花壇横の木陰に、ルイが持って来ていたレジャーシートを引いて座る。

「ルイ~後でゆっくり話聞くから、先に俺の話していい?今、たった今、数十分前の出来事だから!!」

「いいよ?だからどうしたの?ほら、ゆっくりでいいから順を追って話してみて?」

俺は、公開告白された事、それに怒って外に飛び出し、リューセーに捕獲されキスされた事、そしてその後の会話を真っ赤になりながら話した。

「そ、それはまた急展開だったね。なかなかやるなぁ、リュウセイくん。」

「あいつ、強引すぎんだよ。酷くね?」   

「まぁ、けどトワくんを誰にも取られたくないって必死になるのは分かる。
だってトワくん、無自覚すぎるもん。実際、トワくんの事狙ってる男子も女子もいっぱいいるよ?」

「・・そんなヤツ、リューセーしか知らない。」

「だからリュウセイくんが威嚇して寄せ付けないようにしてるんだって。ほら、あれだよ。カグラと一緒。ちょっと意味合いは違うけど。」

中学時代の事を思い出す。今と変わらず超絶美少年のルイを狙ってるヤツは男女問わず多かった。優しいからなかなか強く断れないルイに、友だちだからと言ってベタベタつきまとって来るヤツらもいたんだ。で、困っているルイを見かねて、そんなヤツらを片っ端から排除していったのがカグラだ。

まぁ、半数くらいはショウが隠れて蹴散らしてたようだけど。

なら、リューセーもショウみたいに隠れて俺に寄って来るヤツを排除してるって事?

「で、トワくんはどうしたいの?リュウセイくんと付き合う気はないの?」
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