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おっさん、綾華に寄り添われる
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再び握る手に力を込めて、綾華は柔和な目で微笑んだ。
気づけばパイプオルガンの演奏が終わり、今度はハンドベル隊が入場してきた。
舞台袖から牧師が現れ、聖書の一節を読み上げる。
綾華はもちろんのこと、講堂内のお嬢様方は一説の続きを唱和する。
さらに矢継ぎ早に牧師とお嬢様方が交互に朗読し、最後に「アーメン」と唱和されると、会場内は神聖な雰囲気に包まれた。
「綾華って内容を全部暗記しているの?」
「入学したての頃は、礼拝用書を見ながら唱和していましたが今は覚えましたわ。中等部の頃も三年間行っていましたから」
すげぇなとは思ったが、俺もブラック企業の頃に朝礼で社訓を暗記できるほど大声で唱和してたわ。
こっちは神様の有難いお言葉で、向こうはブラック企業の洗脳に等しかったから比べるのも神様に失礼だが。
神様なんざ信じちゃいないけど、綾華との巡り合わせが運命だというなら神様の仕業なのかな。
どっちのための巡り合わせかは分からんが。
講堂内が再び薄暗くなり、ハンドベルの合奏が始まると心地よい音色が響き渡る。
普段はパイプオルガンやハンドベルには縁のない俺だが、こうやって聴くのもたまには良いのかもしれない。
リラックスして聞いていると肩に軽い重みを感じた。
……綾華さん? ここ、校内ですよ。あなたもリラックスするのはいいです。
けど、流石にイチャップルみたいに俺の肩に頭を乗せてくるのはまずいでしょう!
俺は慌てて周囲を確認したが、ハンドベルの合奏に夢中で俺らを見咎める人はいなかった。
講堂内が薄暗いので余計に目立つこともないのが救いか。
そうはいっても、早めに綾華の頭をどかさないと誰に何を言われるか分からない。
早くどかさないといけない。
だが、悲しいかな。自分の肩に美少女が寄り添うように頭を乗せている。
この状況で、その頭をどかせる男なんているだろうか?
否!断じて否!
通学・通勤電車で座っている時に、肩にリーマンの頭が乗っかってくれば体を揺すって頭をどかす!
だが、それが女子高生や綺麗なお姉さんだった時にどかしている男なんて見たことが無い!
あぁ、神よ、煩悩を振り払えない私をお許しください、アーメン。
程なくして綾華の重みを堪能もとい我慢した俺は、ハンドベルの合奏が終わると同時に綾華に姿勢を戻させた。
綾華は名残惜しそうに離れたが、さすがに明るくなれば周りが気づくしね。
「さ、約束だ。校内を案内してくれ」
「え、えぇ、そうでしたわ。参りましょう」
綾華は俺の手を取り、講堂の出口へと向かった。
「あのさ、綾華。流石に校内で手を繋いで歩くのはまずくないか?」
「何故ですの? クリスマス礼拝や文化祭の時は来校された殿方と手を繋いで歩いている方々も多いですのよ。それに、女性同士でもよく手を繋いでいらっしゃる方々もいますわ」
それって恋人同士だから繋いでいるのだろうし、女性同士は女の子特有のスキンシップだろう。
でも、説明したところで綾華は離してくれないだろうなぁ。
本当に少しは自分の社会的ステータスや注目度の高さを自覚して欲しい。
案の定、周りから好奇の目を向けられながら綾華に校内を案内してもらう羽目になった。
気づけばパイプオルガンの演奏が終わり、今度はハンドベル隊が入場してきた。
舞台袖から牧師が現れ、聖書の一節を読み上げる。
綾華はもちろんのこと、講堂内のお嬢様方は一説の続きを唱和する。
さらに矢継ぎ早に牧師とお嬢様方が交互に朗読し、最後に「アーメン」と唱和されると、会場内は神聖な雰囲気に包まれた。
「綾華って内容を全部暗記しているの?」
「入学したての頃は、礼拝用書を見ながら唱和していましたが今は覚えましたわ。中等部の頃も三年間行っていましたから」
すげぇなとは思ったが、俺もブラック企業の頃に朝礼で社訓を暗記できるほど大声で唱和してたわ。
こっちは神様の有難いお言葉で、向こうはブラック企業の洗脳に等しかったから比べるのも神様に失礼だが。
神様なんざ信じちゃいないけど、綾華との巡り合わせが運命だというなら神様の仕業なのかな。
どっちのための巡り合わせかは分からんが。
講堂内が再び薄暗くなり、ハンドベルの合奏が始まると心地よい音色が響き渡る。
普段はパイプオルガンやハンドベルには縁のない俺だが、こうやって聴くのもたまには良いのかもしれない。
リラックスして聞いていると肩に軽い重みを感じた。
……綾華さん? ここ、校内ですよ。あなたもリラックスするのはいいです。
けど、流石にイチャップルみたいに俺の肩に頭を乗せてくるのはまずいでしょう!
俺は慌てて周囲を確認したが、ハンドベルの合奏に夢中で俺らを見咎める人はいなかった。
講堂内が薄暗いので余計に目立つこともないのが救いか。
そうはいっても、早めに綾華の頭をどかさないと誰に何を言われるか分からない。
早くどかさないといけない。
だが、悲しいかな。自分の肩に美少女が寄り添うように頭を乗せている。
この状況で、その頭をどかせる男なんているだろうか?
否!断じて否!
通学・通勤電車で座っている時に、肩にリーマンの頭が乗っかってくれば体を揺すって頭をどかす!
だが、それが女子高生や綺麗なお姉さんだった時にどかしている男なんて見たことが無い!
あぁ、神よ、煩悩を振り払えない私をお許しください、アーメン。
程なくして綾華の重みを堪能もとい我慢した俺は、ハンドベルの合奏が終わると同時に綾華に姿勢を戻させた。
綾華は名残惜しそうに離れたが、さすがに明るくなれば周りが気づくしね。
「さ、約束だ。校内を案内してくれ」
「え、えぇ、そうでしたわ。参りましょう」
綾華は俺の手を取り、講堂の出口へと向かった。
「あのさ、綾華。流石に校内で手を繋いで歩くのはまずくないか?」
「何故ですの? クリスマス礼拝や文化祭の時は来校された殿方と手を繋いで歩いている方々も多いですのよ。それに、女性同士でもよく手を繋いでいらっしゃる方々もいますわ」
それって恋人同士だから繋いでいるのだろうし、女性同士は女の子特有のスキンシップだろう。
でも、説明したところで綾華は離してくれないだろうなぁ。
本当に少しは自分の社会的ステータスや注目度の高さを自覚して欲しい。
案の定、周りから好奇の目を向けられながら綾華に校内を案内してもらう羽目になった。
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