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2話世襲の往来
しおりを挟むかれこれ地獄についてから道がわからなくなるまで歩いているせいか、足にマメができていた。
暗い暗い道仲だった…
「狐婿といったか?」
「どちら様でしょうか?」
黒いローブの小柄の男だった。
「人間界ではそうですねぇ霊浄会といわれてますかねぇ」
「れ、霊浄会とわなんだ?」
男は囁くようにこたえた。
「貴様らをこ ろ す こ と だ」
「ちょっおま!」
囁くと同時に念じの掛かった刃が向かってきた。
「なにするんですか!」
こんな夜道の視界の悪さは災厄だ。それでも戦ったことがないのに。
「貴様ら魔界一門を潰すのが目的なんだよ。だから死んでくれよ」
そう話すと同時にローブを外した私は驚愕した。
「あなたわ…?」
「お久しぶりですね。魔界の居心地はいかがですかね?」
あなたがたは…
100年前
「狐婿、体調は大丈夫なのか?」
「はい!大丈夫ですよ!私はあなた様のおそばに入れればそれだけで大丈夫です
よ!」
椅子に座り微笑んでくれる貴方がほんに眩しい。
毎晩おちょこ片手に貴方さまと話せるこの時間が癒しです。
「岸見様降霊術使いの西善という男が来宮山で暴れているそうです、岸見様向かわれますか?」
月明りに照らされるあの人はコクリと頷いた。
「狐婿、西善という人たちを見ないでほしい彼らは生まれ持った素質を使い道がわからなくなって暴れてします、だから、決して悪くは見ないでやってくれ」
あの方はいつも人には優しかった。
「ありがとうそこらへんで待っててくれ」
籠から降りたった月明りが眩しい。
「これわ…」
私は言葉を失った。
あたり一面木々が燃やされなぎ倒されていた。
「狐婿大丈夫か?」
「えっあっはい。大丈夫です」
あの方は何も動じてなかった。
「あーあーきはりましたか、まーた面倒なかたが、きはりましたか」
あたり一面何もないのに人の気配すらないのに声がきこえた。
地鳴りとともに何か来る。
「離れろ!狐婿!」
え……
「欠落印封印」
あの方が唱えたと同時に地面の中にいた魔物は消え去った。
「さーさー私の降霊術に対して欠落印ですか…えーそんなものをまー欠落印だけで何でもできるわけじゃないんですよねぇ仕方ありませんねぇ」
西善と名乗る男は仕方なしに「護符印」とつぶやき地面にたたきつけた。
「これわ?」
見た目では何も変わりはないが、確実に気配が違う人間の臭いが何かで遮断されているようだ。
「臭いがきてるか…てことわ…狐婿!火術を使ってみてくれ…あーできれば軽め」
「はい!」
私が操れるのは火と水のみ…かるめ…
「はぁぁぁ!」
狐婿の手から発しられた禍々しい塊は、西善に向かっていったが…
黒煙と共に何事もなかったかのように再び現れた。
「岸見さーん、この程度なんですかぁ?」
「あー分かったよ、欠落印!封印!」
西善の体に白い光がまとわりついていた。
「あっおい!岸見!お前を駆逐しようとしてるのは俺だけじゃないからな!」
「あーそうですか。ならばおひとついい話を冥土の土産として持って行けよ。私たち狐婿も含む私たしたちに今後一切かかわるな。かかわったらお前らまとめて冥土のふちに送ってやるからな」
あのかたが話を終わるとともに、西善は光と共に消えていった。
そして……
「西善きさま今更私に何の用だ!」
「何の用?先ほど申しました通りなんですが…まぁいいでしょう。あなたを殺しに来たんですよ」
こんなの不利に決まってる私はまだ力不足あの方がそばにいてくれたおかげ…
そしてこの封印術を私はここで使う!
「欠落印!封印!」
「その程度では封印術は安定しませんよ、結局あなたはただの駄作なんですよぉ」しまった私はあの方がいないと…
「護符印!展開!結合!」
えっ…
「待たせたね!狐婿!」
「あっあなたわ…」
西善の周りに障壁画壁建てられた、そして、100年前と同じ感じまさか!
「西善さん、前に言いましたよね次来たら承知しないと」
「なんで貴様が!岸見ぃなんで貴様がここにいる!」
あの時のあの人がここにいた…
「狐婿またせたね百年か長かったね」
「ままま待ってなんかいません…」
あの人の胸で私は泣かされた。
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