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第四章 プラム村
第102話
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『主人様!お知らせなのです!豚さん達は来ないです!
もう少し森の奥に、豚さんの村があるです!』
風羽花が斥候から戻ると、ひとまず戦闘が回避された事がわかり、ホッと一息つきました。
でも、オークの集落があるって?繁殖してるって事だよね…
「ネル、オークの集落があるらしいよ。規模はわからないけど、ある程度いないと拠点作りまではしないよね?」
「そうね。この前殲滅した群れよりは数が居ると思うわ。
あの群れは、拠点作りをする寸前だったんじゃないかしら」
なるほどね。それだと、最低でも30匹以上はいるって考えた方がいいのかも。放置してたら益々増えて、いずれ大変な事になるんじゃないの?
「エリーヌ!ちょっと教えて欲しいんだけど、話出来るかな?」
「えぇ、何でしょう?わたくしにわかる事なら」
「この辺りはもうハイネン男爵の領地じゃないと思うんだけどさ、誰の領地なのか知ってる?
あと近くに街か村はあるのかな?」
エリーヌの説明によれば、この森から王都までの間は、クレイドル侯爵家の領地だそう。
クレイドル侯爵家といえば、バローさんに依頼された、荷物の届け先のモームさんっていう人が家宰をしてるとこだよね。
そうなると知らない顔はしにくいなぁ…
ちなみに森を抜けた先には、プラムっていう美味しそうな名前の村があるそうです。
「集落を作ったオークは、繁殖の苗床にする目的で、他種族の女を攫うようになるんだ。ユーマ君は知らないだろうけど…
恐らく、いや、ほぼ間違いなく近い将来、その村が襲撃されるだろうねぇ…」
やっぱりそうなんだね。そんな気がしたよ。
「もしかすると、既に苗床を入手してて、繁殖が始まってる可能性もあるんじゃないかな。
冒険者をやってる若い女の子なんかが、わりと犠牲になりやすいからねぇ」
「それなら村は襲われないんじゃないの?」
「いや、逆だねぇ。苗床を手に入れると繁殖が始まるんだよ?あっという間に数が増える事になる。
そうなれば、直ぐに苗床の数が足りなくなるだろう?だから、多少の危険を覚悟しても、人攫いをする為に他種族の集落や村を襲いだすってわけだ」
そういうことか。それなら少しでも早い内に、オーク集落の状況を確認しておいた方が安心だろうね。
ただ僕らの状況的には、オークの数次第では、色々と不安が残るんだよなぁ…
「よし、決めた!二手に分かれよう。
グラルと巴、エリーヌ、それと風羽花は、マイラさんと一緒に馬車でプラム村に向かって。
残りのメンバーで、オークの集落を確認しに行こうか」
「アタシはそれで構わないんだけど、村にはオークの件の説明が必要かい?」
「仲間が集落を偵察に行ってるって伝えて欲しいかな。村の人が信じても信じなくても、事前に警告したって事実が大切だと思うんだよね。
結果として村が対策に動くなら、避難するなり防衛するなりで、多少でもリスクは減るだろうし」
僕達の方針としては、オークの集落に子オークがいたなら、その時点で殲滅するって感じならいいと思うんだよね。
逆に、いなかったなら時間的な余裕もあるし、先に村に報告に行けばいいでしょ。
「じゃあマイラさん、村の方に急いで下さいね。グラル、巴、よろしく!」
「旦那、大丈夫だと思いますが気を付けて下さい。こっちも出来るだけ急ぎまっさ!」
ユーマ君達と別れ、村へ先行したアタシ達は、途中トラブルもなくプラム村まで辿り着いたんだけど…
「オークの集落があるなんて聞いた事もねぇ。
冒険者のパーティが森に入って、稀にオークを狩って来たりする事はあるけど、それも最近はなかったしよ」
「一応注意はしておく。まぁ昨日から森に入ってる冒険者が戻れば、情報も入るだろうし」
村の門番の危機意識が無さすぎたみたいだねぇ…
アタシ達には、これ以上どうする事も出来ないし、少なくとも義務は果たしたんだ。
後は、いつでも出発出来るように待機しとくだけだねぇ。
「えーと、マイラさんと言ったか。あんた方は、お仲間さんが来るまではここに居るんだろ?お仲間さんの名前を教えてくれないか?」
「そうだね、ユーマ君とシアさんと言うんだ。銀狼を連れてるからすぐにわかるはずだよ」
「わかった。何もない村だがゆっくりしてってくれよな」
ユーマ君達に不安はないけど、何も起きなきゃいいね…
マイラさん達と別れた僕達は、銀に先導してもらいながらオークの集落を目指します。
恐らく、マイラさん達の馬車が村に着く方が早いはずだけど、オークの襲撃部隊が村に向かってる可能性だって、否定できないんだよね。
集落の規模で総数を予測するしかないんだけど…
『殿!まもなくでござる!慎重に参りましょう』
銀が教えてくれたので、出来るだけ気配を殺して進みます。
お!歩哨っぽいオークが二匹いるのが見えました。
「シア、他に気配を感じる?」
「いや、あの二匹だけじゃの。ユーマ様がやるかの?」
「うん、一気に頭を撃ち抜くよ」
岩弾を生成して二匹のオークに向けて発射すると、オークは頭部を弾けさせて倒れました。すかさず二匹を収納に回収して集落に近づきます。
茂みの向こう側が明るく、森の木々が切り開かれているのがわかります。ここがオークの集落で間違いなさそう。
集落は簡単な木柵で囲われ、入り口には見張りらしいオークが二匹、槍を持って立っているのが見えました。
集落の中には、材木を組み上げ草葉で屋根を覆った小屋がおよそ20程あり、一軒だけ他よりも大きい小屋があります。
「最悪の状況かも…」
もう少し森の奥に、豚さんの村があるです!』
風羽花が斥候から戻ると、ひとまず戦闘が回避された事がわかり、ホッと一息つきました。
でも、オークの集落があるって?繁殖してるって事だよね…
「ネル、オークの集落があるらしいよ。規模はわからないけど、ある程度いないと拠点作りまではしないよね?」
「そうね。この前殲滅した群れよりは数が居ると思うわ。
あの群れは、拠点作りをする寸前だったんじゃないかしら」
なるほどね。それだと、最低でも30匹以上はいるって考えた方がいいのかも。放置してたら益々増えて、いずれ大変な事になるんじゃないの?
「エリーヌ!ちょっと教えて欲しいんだけど、話出来るかな?」
「えぇ、何でしょう?わたくしにわかる事なら」
「この辺りはもうハイネン男爵の領地じゃないと思うんだけどさ、誰の領地なのか知ってる?
あと近くに街か村はあるのかな?」
エリーヌの説明によれば、この森から王都までの間は、クレイドル侯爵家の領地だそう。
クレイドル侯爵家といえば、バローさんに依頼された、荷物の届け先のモームさんっていう人が家宰をしてるとこだよね。
そうなると知らない顔はしにくいなぁ…
ちなみに森を抜けた先には、プラムっていう美味しそうな名前の村があるそうです。
「集落を作ったオークは、繁殖の苗床にする目的で、他種族の女を攫うようになるんだ。ユーマ君は知らないだろうけど…
恐らく、いや、ほぼ間違いなく近い将来、その村が襲撃されるだろうねぇ…」
やっぱりそうなんだね。そんな気がしたよ。
「もしかすると、既に苗床を入手してて、繁殖が始まってる可能性もあるんじゃないかな。
冒険者をやってる若い女の子なんかが、わりと犠牲になりやすいからねぇ」
「それなら村は襲われないんじゃないの?」
「いや、逆だねぇ。苗床を手に入れると繁殖が始まるんだよ?あっという間に数が増える事になる。
そうなれば、直ぐに苗床の数が足りなくなるだろう?だから、多少の危険を覚悟しても、人攫いをする為に他種族の集落や村を襲いだすってわけだ」
そういうことか。それなら少しでも早い内に、オーク集落の状況を確認しておいた方が安心だろうね。
ただ僕らの状況的には、オークの数次第では、色々と不安が残るんだよなぁ…
「よし、決めた!二手に分かれよう。
グラルと巴、エリーヌ、それと風羽花は、マイラさんと一緒に馬車でプラム村に向かって。
残りのメンバーで、オークの集落を確認しに行こうか」
「アタシはそれで構わないんだけど、村にはオークの件の説明が必要かい?」
「仲間が集落を偵察に行ってるって伝えて欲しいかな。村の人が信じても信じなくても、事前に警告したって事実が大切だと思うんだよね。
結果として村が対策に動くなら、避難するなり防衛するなりで、多少でもリスクは減るだろうし」
僕達の方針としては、オークの集落に子オークがいたなら、その時点で殲滅するって感じならいいと思うんだよね。
逆に、いなかったなら時間的な余裕もあるし、先に村に報告に行けばいいでしょ。
「じゃあマイラさん、村の方に急いで下さいね。グラル、巴、よろしく!」
「旦那、大丈夫だと思いますが気を付けて下さい。こっちも出来るだけ急ぎまっさ!」
ユーマ君達と別れ、村へ先行したアタシ達は、途中トラブルもなくプラム村まで辿り着いたんだけど…
「オークの集落があるなんて聞いた事もねぇ。
冒険者のパーティが森に入って、稀にオークを狩って来たりする事はあるけど、それも最近はなかったしよ」
「一応注意はしておく。まぁ昨日から森に入ってる冒険者が戻れば、情報も入るだろうし」
村の門番の危機意識が無さすぎたみたいだねぇ…
アタシ達には、これ以上どうする事も出来ないし、少なくとも義務は果たしたんだ。
後は、いつでも出発出来るように待機しとくだけだねぇ。
「えーと、マイラさんと言ったか。あんた方は、お仲間さんが来るまではここに居るんだろ?お仲間さんの名前を教えてくれないか?」
「そうだね、ユーマ君とシアさんと言うんだ。銀狼を連れてるからすぐにわかるはずだよ」
「わかった。何もない村だがゆっくりしてってくれよな」
ユーマ君達に不安はないけど、何も起きなきゃいいね…
マイラさん達と別れた僕達は、銀に先導してもらいながらオークの集落を目指します。
恐らく、マイラさん達の馬車が村に着く方が早いはずだけど、オークの襲撃部隊が村に向かってる可能性だって、否定できないんだよね。
集落の規模で総数を予測するしかないんだけど…
『殿!まもなくでござる!慎重に参りましょう』
銀が教えてくれたので、出来るだけ気配を殺して進みます。
お!歩哨っぽいオークが二匹いるのが見えました。
「シア、他に気配を感じる?」
「いや、あの二匹だけじゃの。ユーマ様がやるかの?」
「うん、一気に頭を撃ち抜くよ」
岩弾を生成して二匹のオークに向けて発射すると、オークは頭部を弾けさせて倒れました。すかさず二匹を収納に回収して集落に近づきます。
茂みの向こう側が明るく、森の木々が切り開かれているのがわかります。ここがオークの集落で間違いなさそう。
集落は簡単な木柵で囲われ、入り口には見張りらしいオークが二匹、槍を持って立っているのが見えました。
集落の中には、材木を組み上げ草葉で屋根を覆った小屋がおよそ20程あり、一軒だけ他よりも大きい小屋があります。
「最悪の状況かも…」
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