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第ニ章 ガルドの街
第32話
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花売りの少女は旅行者目当ての商売なのかな?
ガイアスってそこまで安全な旅が出来る環境ではないと思うんだけどなぁ…
「ごめんね。今さっき街に着いたばっかりだから、まだ路銀の補充もしてないんだ。また後でも良かったら一輪買わせてもらうよ。
替わりにってわけじゃないけどさ、ギルドの場所教えてくれないかな?」
「ギルドですか?商人?冒険者?それとも生産者?」
…え?聞いてないんですけど
シアに目をやると、視線を逸らしやがる。覚えてろよ!ダメトカゲ!
「狩った動物を売りたいんだけど」
「あー!冒険者ギルドね?それならあっちよ!ちょうど噴水の向こう側。南通りと西通りの間の建物がそう」
「そっか、ありがと!行ってくるよ」
「はーい!私まだここにいるから!売れたらお花買ってね?きっとよ?約束なんだからっ!」
「うん、わかったよ。また後でね」
少女に一旦の別れを告げて冒険者ギルド向かいます。
どうやら噴水の広場は街の中心だけあって、周囲を各種ギルドや商会の店舗などが集まっている地区のようでした。
「ふむ…訊く必要もなかったようじゃな」
「まぁ損したわけじゃないし、いいんじゃないの?」
ネルが優しいです。
「…いつも優しいわよ?」
…はい。ごめんなさい。
冒険者ギルドは、外見からもそれと推測出来そうなほど武骨な造りです。
入り口は広く、そこに据え付けられていたのは分厚い板を組み合わせ鉄板や鋲で補強された上に、一旦閉じれば何人たりとも通さないという意思が感じられる程の扉。開いてて良かった。
開け放たれた扉を抜けるとそこは天井が高いホールでした。
真っ正面には受付のようなカウンターがあり、そこには2人女性がいます。
正面右手には事務所らしきフロアがあり、数人の男女がなにやら事務作業をしているようです。
逆手側には、個別に仕切られたブースが複数設置されていました。
とりあえず正面のカウンターへと足を向けます。
「冒険者ギルド、ガルド支部へようこそ!ご用件を承りますわ」
「えーと、色々と買取を頼みたいです」
「買取ですね。でしたら左手のブースへとご移動下さい。そちらで査定買取させて頂きます。
万一そちらで扱えないサイズの魔獣等でしたら、ギルド裏の解体場でも査定買取致します」
「今回はブースでお願いします」
というわけで買取ブースへ。さっきの女性が担当してくれるみたい。
「では、売却希望の素材などをご提出下さい」
案内に従って収納から取り出した獲物をブースへ積み上げていく。次々積み上げいくうちに担当女性の顔が徐々に引きつり出すのがわかった。
「収納をお持ちでいらっしゃるんですね?しかもかなり大き目のご様子ですが…」
「詮索は不要なのじゃ。この方はさる大店の跡継ぎであらせられる。収納持ちなのはご理解頂けるじゃろう?」
「ええ、もちろんです。ただ予想よりも多かったもので」
「え?そうなの?じゃあ一旦ここまでにしておきます。査定金額によっては追加しますんで」
「かしこまりました。では一旦お預かりして計算致します。お呼び致しますのでホールでお待ち下さい。
2階にギルド運営の酒場もございますが、そちらに行かれますか?」
「いえ、ホールで待ちますよ」
「承知致しました。では、お名前を頂戴出来ますでしょうか?」
「シアと呼んでくれるじゃろうか?」
「シア様でございますね?では少々お待ちください。一旦失礼致します」
ギルド職員さんが奥に下がるのを見送って、ホール内に据えてあるテーブル席へ移動しました。
恐らく冒険者達が雑談や打ち合わせに使うんだろう、あちこちに刃物で書いた落書きや傷が目立つ。コレ綺麗に修繕したいなぁ…
「絶対ダメよ?わざわざ目立つ事しないでよね?」
あ、はい。
シアとたまにネルを交えながら雑談していると、先程の職員さんがシアを呼ぶ声が聞こえました。
「大変お待たせいたしました。査定が完了しましたのでまずはご報告致します。
えーと…角ウサギが25匹で大銅貨25枚、跳びネズミ15匹で銅貨30枚、ゴブリンの耳が2組で銅貨2枚、オークの鼻が10個で銀貨10枚、森林狼の尻尾が10本で銀貨20枚になります。
合計しますと金貨4枚、大銀貨1枚 、大銅貨1枚、銅貨2枚ですね。以上が買取額となります。
こちらに入れてありますのでご確認を」
職員さんが厚手の袋を手渡してきます。結構重さがあるんだなぁ…あの量でこんな感じになるのか。
「はい、間違いないです。ありがとうございました」
「こちらこそありがとうございます。当ギルドを今後ともよろしくお願いします。またのご利用をお待ちしておりますわ」
職員さんはにこやかに微笑みながら綺麗なお辞儀をしてくれた。
なんかデパートのインフォメーションにいた人も、丁度こんな雰囲気だったよなぁ。きっと彼女もマナー研修とかしてるんだろうね。
なんて事を思いながらブースを後にしました。
「ねぇ、シア?これってどんなもん?宿とか食事とか足りるのかな?」
「わからんのじゃ!そんなモノは使った事がないからのぅ!」
…まじか。てっきり知ってるもんだと思ってあてにしてたけど、あっさり期待を裏切ってくれました。
シアが頼りないのは良くわかったので、自分で調べるしかないですね。
と言うわけでギルドを後にした僕達は、先程の花売りの少女の所へ向かう事にしました。
…あれ?噴水のあたりに人が集まってる。
ちょうどさっき少女と別れたあたりです。何かあったのかな?
ガイアスってそこまで安全な旅が出来る環境ではないと思うんだけどなぁ…
「ごめんね。今さっき街に着いたばっかりだから、まだ路銀の補充もしてないんだ。また後でも良かったら一輪買わせてもらうよ。
替わりにってわけじゃないけどさ、ギルドの場所教えてくれないかな?」
「ギルドですか?商人?冒険者?それとも生産者?」
…え?聞いてないんですけど
シアに目をやると、視線を逸らしやがる。覚えてろよ!ダメトカゲ!
「狩った動物を売りたいんだけど」
「あー!冒険者ギルドね?それならあっちよ!ちょうど噴水の向こう側。南通りと西通りの間の建物がそう」
「そっか、ありがと!行ってくるよ」
「はーい!私まだここにいるから!売れたらお花買ってね?きっとよ?約束なんだからっ!」
「うん、わかったよ。また後でね」
少女に一旦の別れを告げて冒険者ギルド向かいます。
どうやら噴水の広場は街の中心だけあって、周囲を各種ギルドや商会の店舗などが集まっている地区のようでした。
「ふむ…訊く必要もなかったようじゃな」
「まぁ損したわけじゃないし、いいんじゃないの?」
ネルが優しいです。
「…いつも優しいわよ?」
…はい。ごめんなさい。
冒険者ギルドは、外見からもそれと推測出来そうなほど武骨な造りです。
入り口は広く、そこに据え付けられていたのは分厚い板を組み合わせ鉄板や鋲で補強された上に、一旦閉じれば何人たりとも通さないという意思が感じられる程の扉。開いてて良かった。
開け放たれた扉を抜けるとそこは天井が高いホールでした。
真っ正面には受付のようなカウンターがあり、そこには2人女性がいます。
正面右手には事務所らしきフロアがあり、数人の男女がなにやら事務作業をしているようです。
逆手側には、個別に仕切られたブースが複数設置されていました。
とりあえず正面のカウンターへと足を向けます。
「冒険者ギルド、ガルド支部へようこそ!ご用件を承りますわ」
「えーと、色々と買取を頼みたいです」
「買取ですね。でしたら左手のブースへとご移動下さい。そちらで査定買取させて頂きます。
万一そちらで扱えないサイズの魔獣等でしたら、ギルド裏の解体場でも査定買取致します」
「今回はブースでお願いします」
というわけで買取ブースへ。さっきの女性が担当してくれるみたい。
「では、売却希望の素材などをご提出下さい」
案内に従って収納から取り出した獲物をブースへ積み上げていく。次々積み上げいくうちに担当女性の顔が徐々に引きつり出すのがわかった。
「収納をお持ちでいらっしゃるんですね?しかもかなり大き目のご様子ですが…」
「詮索は不要なのじゃ。この方はさる大店の跡継ぎであらせられる。収納持ちなのはご理解頂けるじゃろう?」
「ええ、もちろんです。ただ予想よりも多かったもので」
「え?そうなの?じゃあ一旦ここまでにしておきます。査定金額によっては追加しますんで」
「かしこまりました。では一旦お預かりして計算致します。お呼び致しますのでホールでお待ち下さい。
2階にギルド運営の酒場もございますが、そちらに行かれますか?」
「いえ、ホールで待ちますよ」
「承知致しました。では、お名前を頂戴出来ますでしょうか?」
「シアと呼んでくれるじゃろうか?」
「シア様でございますね?では少々お待ちください。一旦失礼致します」
ギルド職員さんが奥に下がるのを見送って、ホール内に据えてあるテーブル席へ移動しました。
恐らく冒険者達が雑談や打ち合わせに使うんだろう、あちこちに刃物で書いた落書きや傷が目立つ。コレ綺麗に修繕したいなぁ…
「絶対ダメよ?わざわざ目立つ事しないでよね?」
あ、はい。
シアとたまにネルを交えながら雑談していると、先程の職員さんがシアを呼ぶ声が聞こえました。
「大変お待たせいたしました。査定が完了しましたのでまずはご報告致します。
えーと…角ウサギが25匹で大銅貨25枚、跳びネズミ15匹で銅貨30枚、ゴブリンの耳が2組で銅貨2枚、オークの鼻が10個で銀貨10枚、森林狼の尻尾が10本で銀貨20枚になります。
合計しますと金貨4枚、大銀貨1枚 、大銅貨1枚、銅貨2枚ですね。以上が買取額となります。
こちらに入れてありますのでご確認を」
職員さんが厚手の袋を手渡してきます。結構重さがあるんだなぁ…あの量でこんな感じになるのか。
「はい、間違いないです。ありがとうございました」
「こちらこそありがとうございます。当ギルドを今後ともよろしくお願いします。またのご利用をお待ちしておりますわ」
職員さんはにこやかに微笑みながら綺麗なお辞儀をしてくれた。
なんかデパートのインフォメーションにいた人も、丁度こんな雰囲気だったよなぁ。きっと彼女もマナー研修とかしてるんだろうね。
なんて事を思いながらブースを後にしました。
「ねぇ、シア?これってどんなもん?宿とか食事とか足りるのかな?」
「わからんのじゃ!そんなモノは使った事がないからのぅ!」
…まじか。てっきり知ってるもんだと思ってあてにしてたけど、あっさり期待を裏切ってくれました。
シアが頼りないのは良くわかったので、自分で調べるしかないですね。
と言うわけでギルドを後にした僕達は、先程の花売りの少女の所へ向かう事にしました。
…あれ?噴水のあたりに人が集まってる。
ちょうどさっき少女と別れたあたりです。何かあったのかな?
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