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答え合わせ【午後9時〜午後10時】

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 このふたつのヒントに関しては、どれにも属さないというか、実に曖昧なポジションである。ゆえに取り扱いが面倒であるため、ひとつのカテゴリとして分類されたのであろう。もしかすると【対称系】になるかもしれないヒントだ。

 ヒント【S】 本物の【固有ヒント】は全部で3つである。

 ヒント【I】 本物の【固有ヒント】は全部で6つである。

「これはどちらも本物の【固有ヒント】の数を伝えているもの。えっと――新しく転送されたヒントの中には……あったわね。同じようなヒントが」

 ヒント【T】 本物の【固有ヒント】は全部で5つである。

 晴美はそう言いながらヒントを書き足した。現状で不明なヒントは、まだ共有することができていない真子のヒントだけ。彼女のヒントが【固有ヒント】の数を伝えるものでなければ、このシリーズのヒントは出揃ったことになる。これらのいずれかが本物で、残りは偽物ということになるのだろうか。

「さて、どんどん行くわよ。じっくりと中身を吟味するのは後回し」

 ヒント【A】 《答え 》が揃えば本物の【固有ヒント】も明らかになるだろう。

 ヒント【L】《嘘 》が揃えば本物の【固有ヒント】も明らかになるだろう。

 ヒント【H】 《真実 》が揃えば本物の【固有ヒント】も明らかになるだろう。

 すでに黒板の半分はヒントで埋まっていた。これらがアガサ達の未来を――命を左右させる。

「これも同様のヒントは転送されていない。このみっつだけね」

 これでほとんどのヒントが出揃ったが、まだ数が足りない。もしかすると、転送されたヒントを見落としているのかもしれないが、とりあえず黙っているアガサ。

 ヒント【K】 プレイヤーに与えられた【固有ヒント】は全部偽物である。

 ヒント【D】 このヒントを与えられた人間こそがブービートラップである。

 ヒント【J】このヒントは偽物である。

「これはどれにも属さないであろうヒント。曖昧なポジションにあるヒントと一緒にしてもいいんだけど、こっちは【対称系】になり得る可能性が低い。だから、あえてカテゴリ分けして処理しておいたほうがいい」

 晴美は黒板から離れると、全景を眺めるかのように上半身をややそらした。チョークを持ったままの手で、自分が書いたヒントを数えているようだった。

「この段階でヒントは17。見落としているヒントがあるわね」

 小さく溜め息を漏らすと改めてSGTに視線を落とす晴美。現状で19のヒントが出揃っていなければおかしいはずである。
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