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ダイニング イン ザ ダイ【午後8時〜午後9時】
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【午後8時35分 春日士郎 小学校校門付近】
グラウンドに飛び出した途端、雨に濡れた地面に足を取られて転びそうになった。普段の運動不足のせいだろう。しかし、そんなことに構っている暇のない春日は、グラウンドから回り込んで正面玄関側へと向かった。
何者かに襲われている彼女を見付けたのは深田だった。晴美達が作ったパスタの量に一同が溜め息を漏らしたと同時に、たまたま深田が発見したのだった。
女性陣には教室に残ってもらい、春日達は簡単な打ち合わせだけをして教室を飛び出した。
春日と一緒に教室を飛び出したのは、深田と片岡、そして水落。浜野にも力を貸して欲しかったものの、あの男は面倒ごとが起きると姿を消すという特殊なスキルを持っている。声をかけようとした時には、もうどこかに姿をくらましていた。
この騒ぎに乗じて比嘉が逃げ出す可能性もあったが、曲がりなりにも鍵のかかるところに軟禁している。逃げられたら逃げられた時で仕方がないと考えた。それだけ、外の光景が異様というか、彼女を襲っている人物が狂気じみて見えた。比嘉なんて可愛いくらいに思えてしまうほどの狂気が満ちていたのだ。
ただ、あまりに突然の出来事であったため、当然ながら武器を調達する暇などなく、春日は仕方なく、それを片手に飛び出した。役に立つことなんてないと思っていたのだが、反射的に投げ付けたそれは、ナタらしきものを持った人物へと直撃。まさか食酢がこのような形で役に立つとは思いも寄らなかった。
食酢を浴びた人物は、片手で顔を覆いながら、この世の者とは思えない声で悶えた。その隙を見逃さず、深田が制服姿の彼女の元へと滑り込んだのである。
「こっちや!」
深田は彼女の腕を引っ張り上げ、なかば無理矢理に立ち上がらせる。だが、怪我をしているようで、上手く立ち上がれないようだった。
ナタを持った――恐らく女性は、いまだに悶え苦しんではいるが、所詮は食酢である。目に入ればそれなりに痛いだろうが、いつまで足止めできるかは分からない。一刻も早く彼女を救い、この場を離れるのが利口であろう。
「深田っ! 早く彼女を安全な場所へっ!」
春日がそう叫ぶと、すぐに深田から怒号が返って来る。
「そんなこと、言われんでも分かっとるわっ!」
そして、彼女を抱き上げると、グラウンドのほうへと一目散に駆け出した。どうやら彼女を救うことには成功したようである。となれば、ここにはもう用がない。
グラウンドに飛び出した途端、雨に濡れた地面に足を取られて転びそうになった。普段の運動不足のせいだろう。しかし、そんなことに構っている暇のない春日は、グラウンドから回り込んで正面玄関側へと向かった。
何者かに襲われている彼女を見付けたのは深田だった。晴美達が作ったパスタの量に一同が溜め息を漏らしたと同時に、たまたま深田が発見したのだった。
女性陣には教室に残ってもらい、春日達は簡単な打ち合わせだけをして教室を飛び出した。
春日と一緒に教室を飛び出したのは、深田と片岡、そして水落。浜野にも力を貸して欲しかったものの、あの男は面倒ごとが起きると姿を消すという特殊なスキルを持っている。声をかけようとした時には、もうどこかに姿をくらましていた。
この騒ぎに乗じて比嘉が逃げ出す可能性もあったが、曲がりなりにも鍵のかかるところに軟禁している。逃げられたら逃げられた時で仕方がないと考えた。それだけ、外の光景が異様というか、彼女を襲っている人物が狂気じみて見えた。比嘉なんて可愛いくらいに思えてしまうほどの狂気が満ちていたのだ。
ただ、あまりに突然の出来事であったため、当然ながら武器を調達する暇などなく、春日は仕方なく、それを片手に飛び出した。役に立つことなんてないと思っていたのだが、反射的に投げ付けたそれは、ナタらしきものを持った人物へと直撃。まさか食酢がこのような形で役に立つとは思いも寄らなかった。
食酢を浴びた人物は、片手で顔を覆いながら、この世の者とは思えない声で悶えた。その隙を見逃さず、深田が制服姿の彼女の元へと滑り込んだのである。
「こっちや!」
深田は彼女の腕を引っ張り上げ、なかば無理矢理に立ち上がらせる。だが、怪我をしているようで、上手く立ち上がれないようだった。
ナタを持った――恐らく女性は、いまだに悶え苦しんではいるが、所詮は食酢である。目に入ればそれなりに痛いだろうが、いつまで足止めできるかは分からない。一刻も早く彼女を救い、この場を離れるのが利口であろう。
「深田っ! 早く彼女を安全な場所へっ!」
春日がそう叫ぶと、すぐに深田から怒号が返って来る。
「そんなこと、言われんでも分かっとるわっ!」
そして、彼女を抱き上げると、グラウンドのほうへと一目散に駆け出した。どうやら彼女を救うことには成功したようである。となれば、ここにはもう用がない。
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