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動き出した狂気の果てに【午後7時〜午後8時】
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「強いて気になるとすれば、それぞれの【固有ヒント】に割り振られているアルファベットね。これ、単純に【A】から順番にアルファベットが割り振られているわけではないことは気づいてるでしょ?」
「水落のヒント――【U】のことだろ?」
現状で本物のヒントを確定することはできないが、しかし不審点についての議論は常に可能だ。ゆえに、そちらのほうに晴美が話題をシフトさせたのであろう。外見はちゃらちゃらとしていて、正直なところ春日にとって苦手なタイプではあるが、頭の回転は速そうだ。
「ん? なんのこと? ねぇ、なんのことを話しとるん?」
いい加減、深田が可哀想になってきた。もしかすると、彼のような人間の発想が意外にも真相に近づくための鍵となったりするし、きっと彼についてこれない話題でもない。春日は深田を議論の場へと招待した。
「仮にアルファベット順にアルファベットが割り振られているとすれば、まず【U】は絶対に使われないアルファベットなんだよ。実際に【A】から20番目のアルファベットまで数えてみたらいい」
春日が言うと、深田はあるメロディーを口ずさみながら指を折る。かの有名な【ABCの歌】であるが、音程は狂っているし、しかも【L】【M】【N】の部分が曖昧だったのか、明らかに濁した歌い方だった。ともあれ、深田は【U】のところまで歌うと顔を上げる。
「そうか、ヒントの数は全部で20。アルファベットを順に割り振るなら、使われるアルファベットは20文字目の【T】までや。それなのに21文字目の【U】が使われとる。でも、だったらランダムにアルファベットが割り振られてるだけなんじゃ――」
春日が最初から引っかかっていた【U】の問題。確かに、最初の段階であればランダムでアルファベットが割り振られているということで説明がついたかもしれない。しかし、ここまでヒントが集まった今、やはり水落の【U】だけが異質なのだ。春日よりも早く晴美が口を開いた。
「単純な算数の問題。アルファベットの【U】以降は【V】【W】【X】【Y】【Z】よ。つまり、ヒントにアルファベットが【A】から順番に割り振られていた場合、使用されないのは【U】~【Z】の6文字になる。さて、ではランダムにアルファベットを振り分けた場合、どれくらいの割合で【U】から【Z】がヒントに割り振られると思う? ざっくりで構わないから教えて」
晴美の言葉に、深田は宙に視線をやって唸る。
「水落のヒント――【U】のことだろ?」
現状で本物のヒントを確定することはできないが、しかし不審点についての議論は常に可能だ。ゆえに、そちらのほうに晴美が話題をシフトさせたのであろう。外見はちゃらちゃらとしていて、正直なところ春日にとって苦手なタイプではあるが、頭の回転は速そうだ。
「ん? なんのこと? ねぇ、なんのことを話しとるん?」
いい加減、深田が可哀想になってきた。もしかすると、彼のような人間の発想が意外にも真相に近づくための鍵となったりするし、きっと彼についてこれない話題でもない。春日は深田を議論の場へと招待した。
「仮にアルファベット順にアルファベットが割り振られているとすれば、まず【U】は絶対に使われないアルファベットなんだよ。実際に【A】から20番目のアルファベットまで数えてみたらいい」
春日が言うと、深田はあるメロディーを口ずさみながら指を折る。かの有名な【ABCの歌】であるが、音程は狂っているし、しかも【L】【M】【N】の部分が曖昧だったのか、明らかに濁した歌い方だった。ともあれ、深田は【U】のところまで歌うと顔を上げる。
「そうか、ヒントの数は全部で20。アルファベットを順に割り振るなら、使われるアルファベットは20文字目の【T】までや。それなのに21文字目の【U】が使われとる。でも、だったらランダムにアルファベットが割り振られてるだけなんじゃ――」
春日が最初から引っかかっていた【U】の問題。確かに、最初の段階であればランダムでアルファベットが割り振られているということで説明がついたかもしれない。しかし、ここまでヒントが集まった今、やはり水落の【U】だけが異質なのだ。春日よりも早く晴美が口を開いた。
「単純な算数の問題。アルファベットの【U】以降は【V】【W】【X】【Y】【Z】よ。つまり、ヒントにアルファベットが【A】から順番に割り振られていた場合、使用されないのは【U】~【Z】の6文字になる。さて、ではランダムにアルファベットを振り分けた場合、どれくらいの割合で【U】から【Z】がヒントに割り振られると思う? ざっくりで構わないから教えて」
晴美の言葉に、深田は宙に視線をやって唸る。
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