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闇の中からの強行突破【午後6時〜午後7時】
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スーツ姿の男は、あくまでも平和的に事態を収束させたいようだ。しかしそんな甘いことを言っている時点で駄目。血も涙もない悪い人に騙されてしまうのがオチだ。
「悪くない提案だな。お互いに武器を向け合ってるから話が進まないんだ。俺は全然構わないぜ」
もっとも、大人しく武器を捨てるつもりなんて毛頭ないが――喉まで出かかった言葉を飲み込む比嘉。できる限り穏便に、可能な限り波風を立てないようにする。この場でも、日本人特有の解決法が模索されようとしている。だから、いつまでたっても日本は海外に出し抜かれるのだ。
「――本当にいいのか? どうにもこの男は信用ならないぞ」
武器を捨てることに抵抗を感じているのだろう。迷彩服がスーツ姿に確認するかのように呟く。
「万が一にも、そうなってしまった時はそうなってしまった時だ。私はできる限り人を信用したいだけだ」
この場の決定権は、恐らくスーツ姿が握っているのであろう。ならば、実に都合のよい方向へと事態が傾いてくれることになる。
「なら、いち、にの、さん――で互いに武器を捨てるってことでいいな?」
固まりつつある方針をさらに固めるべく口を開く比嘉。ここまできたら、さすがに武器を捨てる空気は払拭できない。
「あぁ、それで構わない。陸士長もそれでいいな?」
スーツ姿が同意を示し、ずっと銃口を比嘉に向けたままの迷彩服を諭すかのような口調をみせる。渋々と納得したのか、迷彩服は「どうなっても知らないからな」と付け加えた。そうそう――残念ながら迷彩服の判断のほうが正しいのだ。そもそも、こんな無法地帯となった場所で、平和的な解決を求めるほうが馬鹿だ。
「それでは、今からみっつ数えたら同時に武器を捨てよう」
淡々と話が進み、そして淡々と決まっていく。この方針に納得していない人間もいるようだが、けれども恐らく決定権はスーツ姿が握っている。だから、もう揺るぎはしないだろう。これだけの人数を相手に、比嘉が形成逆転をするという結果は。
「いち」
迷彩服が武器を捨てたら、まず真っ先に迷彩服の元へと向かって人質に取る。ライフル銃さえなければ、そこまで恐れるような相手ではないだろう。
「にの」
人質さえ取ってしまえば、仲間を大切にする平和主義の馬鹿共のことだ。仲間を見捨てることはできないだろうし、こちらの支配下に置くことができるだろう。形成逆転までのシナリオは、完全に比嘉の中で完成しつつあった。
「悪くない提案だな。お互いに武器を向け合ってるから話が進まないんだ。俺は全然構わないぜ」
もっとも、大人しく武器を捨てるつもりなんて毛頭ないが――喉まで出かかった言葉を飲み込む比嘉。できる限り穏便に、可能な限り波風を立てないようにする。この場でも、日本人特有の解決法が模索されようとしている。だから、いつまでたっても日本は海外に出し抜かれるのだ。
「――本当にいいのか? どうにもこの男は信用ならないぞ」
武器を捨てることに抵抗を感じているのだろう。迷彩服がスーツ姿に確認するかのように呟く。
「万が一にも、そうなってしまった時はそうなってしまった時だ。私はできる限り人を信用したいだけだ」
この場の決定権は、恐らくスーツ姿が握っているのであろう。ならば、実に都合のよい方向へと事態が傾いてくれることになる。
「なら、いち、にの、さん――で互いに武器を捨てるってことでいいな?」
固まりつつある方針をさらに固めるべく口を開く比嘉。ここまできたら、さすがに武器を捨てる空気は払拭できない。
「あぁ、それで構わない。陸士長もそれでいいな?」
スーツ姿が同意を示し、ずっと銃口を比嘉に向けたままの迷彩服を諭すかのような口調をみせる。渋々と納得したのか、迷彩服は「どうなっても知らないからな」と付け加えた。そうそう――残念ながら迷彩服の判断のほうが正しいのだ。そもそも、こんな無法地帯となった場所で、平和的な解決を求めるほうが馬鹿だ。
「それでは、今からみっつ数えたら同時に武器を捨てよう」
淡々と話が進み、そして淡々と決まっていく。この方針に納得していない人間もいるようだが、けれども恐らく決定権はスーツ姿が握っている。だから、もう揺るぎはしないだろう。これだけの人数を相手に、比嘉が形成逆転をするという結果は。
「いち」
迷彩服が武器を捨てたら、まず真っ先に迷彩服の元へと向かって人質に取る。ライフル銃さえなければ、そこまで恐れるような相手ではないだろう。
「にの」
人質さえ取ってしまえば、仲間を大切にする平和主義の馬鹿共のことだ。仲間を見捨てることはできないだろうし、こちらの支配下に置くことができるだろう。形成逆転までのシナリオは、完全に比嘉の中で完成しつつあった。
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