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駆けよペーパードライバー【午後3時〜午後4時】
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「君の体調のことも考えて言っているんだ。いざとなった時に動けないのでは困るし、やはり薬を手に入れるべきなのかもしれない。もっとも、それらしいところを調べて手に入るのかは分からないところだが」
ツナギの男は怪我をしているし、陸士長は相変わらず具合が悪いようだ。今後、何かあった時のためにも、薬や怪我の手当てをする手段はあったほうがいい。
「あ、薬ならある。快速腹ビッターンやけど」
ツナギの男はそう呟くと、学ランの男が肩からかけているショルダーバッグに視線をやる。察するに彼に与えられた物資なのであろう。ちなみに快速腹ビッターンとは、かなりメジャーな薬であり、名前の通り腹痛や消化不良などに効く。
「それが君に与えられた物資か?」
春日の問いに対して、ツナギの男は小さく頷いた。
「申し訳ないが、気持ちだけ受け取ることにしよう――」
苦しそうにしながらもツナギの男の申し出を断る陸士長。水落に対して「済まない。もう大丈夫だ」と言うと彼から離れる。相変わらず顔色は悪かったが、ツナギの男の物資の話が出たこともあり、そのままの流れで互いに自己紹介とSGTの共有作業が始まった。
ツナギの男は深田というらしい。関西の出身で、アルバイトを転々としているようだ。一方、学ランの男のほうは当然ながら高校生であり、片岡という名だった。明らかに年下のはずの片岡のほうが、しっかりしているように見えるのは春日の気のせいではないだろう。
深田に与えられた物資は、ついさっき自身で言っていたように、腹痛や消化不良などの際に服用する薬だった。片岡の物資は――小瓶に入ったソーダ水だった。食酢を物資として与えられた春日が言うことではないが、ソーダ水のなにが役に立つというのだろうか。そもそも当たり外れがあるとのことだが、その落差があまりにもありすぎる。時間を確認できる水落の腕時計や、構えていれば牽制力となる陸士長のライフル銃は大当たりとも言えるだろう。
――とにかく、物資よりも重要視しなければならないのは、やはり【固有ヒント】であろう。深田と片岡も、すでにお互いのヒントは共有していると思われる。なんだか、揃いも揃ってSGTを取り出して【固有ヒント】を共有するさまが、少し滑稽に思えてしまった。
無事に片岡と深田との共有を終えた春日は、とりあえず【固有ヒント】だけでも確認しておこうと、画面に視線を落とした。しっかりとふたつのヒントが一覧に追加されている。
ツナギの男は怪我をしているし、陸士長は相変わらず具合が悪いようだ。今後、何かあった時のためにも、薬や怪我の手当てをする手段はあったほうがいい。
「あ、薬ならある。快速腹ビッターンやけど」
ツナギの男はそう呟くと、学ランの男が肩からかけているショルダーバッグに視線をやる。察するに彼に与えられた物資なのであろう。ちなみに快速腹ビッターンとは、かなりメジャーな薬であり、名前の通り腹痛や消化不良などに効く。
「それが君に与えられた物資か?」
春日の問いに対して、ツナギの男は小さく頷いた。
「申し訳ないが、気持ちだけ受け取ることにしよう――」
苦しそうにしながらもツナギの男の申し出を断る陸士長。水落に対して「済まない。もう大丈夫だ」と言うと彼から離れる。相変わらず顔色は悪かったが、ツナギの男の物資の話が出たこともあり、そのままの流れで互いに自己紹介とSGTの共有作業が始まった。
ツナギの男は深田というらしい。関西の出身で、アルバイトを転々としているようだ。一方、学ランの男のほうは当然ながら高校生であり、片岡という名だった。明らかに年下のはずの片岡のほうが、しっかりしているように見えるのは春日の気のせいではないだろう。
深田に与えられた物資は、ついさっき自身で言っていたように、腹痛や消化不良などの際に服用する薬だった。片岡の物資は――小瓶に入ったソーダ水だった。食酢を物資として与えられた春日が言うことではないが、ソーダ水のなにが役に立つというのだろうか。そもそも当たり外れがあるとのことだが、その落差があまりにもありすぎる。時間を確認できる水落の腕時計や、構えていれば牽制力となる陸士長のライフル銃は大当たりとも言えるだろう。
――とにかく、物資よりも重要視しなければならないのは、やはり【固有ヒント】であろう。深田と片岡も、すでにお互いのヒントは共有していると思われる。なんだか、揃いも揃ってSGTを取り出して【固有ヒント】を共有するさまが、少し滑稽に思えてしまった。
無事に片岡と深田との共有を終えた春日は、とりあえず【固有ヒント】だけでも確認しておこうと、画面に視線を落とした。しっかりとふたつのヒントが一覧に追加されている。
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