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わがまま姫とそれが不愉快な仲間達【午後1時〜午後2時】
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ルールにおいて、暴力的な行為は禁止されていない。ルールに明記されていないというレベルではなく、わざわざルールとして暴力的な行為を許しているのだ。すなわち――意図的に【ブービートラップ】を殺害することで、ゲームを強制的に終わらせることができるのである。さすがの比嘉も人を殺したことはないが、正当防衛だと思えばやってやれないことはなかった。
そのためには【ブービートラップ】を特定する必要があるではないか――なんて声が聞こえてきそうであるが、実のところそんなことはない。出会った参加者を片っ端から殺せば、いずれは【ブービートラップ】にたどり着く。このやり方をした時に取り返しがつかなくなる要素は、比嘉自身が【ブービートラップ】だった場合のみ。参加者は20人。その中の1人になる可能性はわずかに5パーセントだ。確率論に頼っても手詰まりになる可能性は極めて低い。
――比嘉の中で方針が決まりつつあった。それは実に恐ろしい方針。
ふと、どこからか悲鳴が聞こえてきた。それは実に情けなさそうな声であり、しかしながらどこかで聞いたことのある声だった。もちろん、聞こえた悲鳴はひとつではなくふたつだ。
「あいつら、まさか馬鹿正直に一緒に行動してたのかよ――」
この状況で悲鳴をあげるというシチュエーションはそう多くない。悲鳴の後に訪れた静寂の中、比嘉はショルダーバッグを片手に教室を後にした。長く伸びた廊下に出ると、悲鳴がしたであろう方向へと進む。
この学校の出入り口がいくつあるかは不明であるが、苗場兄弟は恐らく外を目指したと思われる。もう一度悲鳴のひとつでもあげてくれれば苗場兄弟の居場所も分かるのであろうが、そんな都合のよいことにはならないだろう。
たまたま廊下の壁に貼り出されていた避難経路図を見て、出入り口の位置を確認する。どうやら、この学校では生徒と職員の玄関が異なるようで、正面玄関のほかに職員室のわきに職員用の玄関があるようだった。後、渡り廊下を進んだ先にある体育館から、グラウンドに出ることができそうだ。
――この中で外に出ようと思ったら、まずは正面玄関辺りを目指すのではないか。そう考えた比嘉は、辺りをやや警戒しながら、避難経路図に従って廊下を進む。途中で階段を見つけて一階へと降りた。
罠が仕掛けられているシンボルである【トラッペ君】とやらは、当然だが現物を見たことがない。誰でも視認できるような大きなものなのか、それとも神経を張り巡らせていなければ見つからないほど小さなものなのか。分からない以上、警戒は解けない。
そのためには【ブービートラップ】を特定する必要があるではないか――なんて声が聞こえてきそうであるが、実のところそんなことはない。出会った参加者を片っ端から殺せば、いずれは【ブービートラップ】にたどり着く。このやり方をした時に取り返しがつかなくなる要素は、比嘉自身が【ブービートラップ】だった場合のみ。参加者は20人。その中の1人になる可能性はわずかに5パーセントだ。確率論に頼っても手詰まりになる可能性は極めて低い。
――比嘉の中で方針が決まりつつあった。それは実に恐ろしい方針。
ふと、どこからか悲鳴が聞こえてきた。それは実に情けなさそうな声であり、しかしながらどこかで聞いたことのある声だった。もちろん、聞こえた悲鳴はひとつではなくふたつだ。
「あいつら、まさか馬鹿正直に一緒に行動してたのかよ――」
この状況で悲鳴をあげるというシチュエーションはそう多くない。悲鳴の後に訪れた静寂の中、比嘉はショルダーバッグを片手に教室を後にした。長く伸びた廊下に出ると、悲鳴がしたであろう方向へと進む。
この学校の出入り口がいくつあるかは不明であるが、苗場兄弟は恐らく外を目指したと思われる。もう一度悲鳴のひとつでもあげてくれれば苗場兄弟の居場所も分かるのであろうが、そんな都合のよいことにはならないだろう。
たまたま廊下の壁に貼り出されていた避難経路図を見て、出入り口の位置を確認する。どうやら、この学校では生徒と職員の玄関が異なるようで、正面玄関のほかに職員室のわきに職員用の玄関があるようだった。後、渡り廊下を進んだ先にある体育館から、グラウンドに出ることができそうだ。
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