復讐のナイトメア

はれのいち

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第三 覚醒

3-8

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 太腿にナイフを刺され苦しむ浜家の姿を見ると心に何本も矢を受けたかの様に苦しさに苛まれる悲しくなる真山。

――俺の不甲斐なさが招いた結果だ。
   
それに真山は、武装集団と自分を重ねていた。

――結局、今まで俺が、していた事はコイツ等と同じなのか……いや違う、コイツ等は、自暴自棄になり殺戮をしているだけの殺人鬼だ。

――俺は……コイツ等とは違う。俺は……「弱いもの為に殺ったんだ」

「おい! そこの奴! 大人しくする意味がわからんかな……」

小銃を肩に担いだ男が、真山に近づいて来たのである。
男は小銃の台尻だいじりの側面で真山の顔面を殴打した。
鈍い音をたて真山は冷たい床にうつ伏せになり動かなくなる。

浜家が足を引きずりながら、真山に覆いかぶさる。「彼の代わりに、私を殴りなさい!」と彼女は叫び、鋭い眼つきで男を睨んだ。

「面白え……お望み通りにしてやるよ」

男は、浜家の傷口を幾度も蹴り、更に銃口を傷口にぐりぐりとねじ込む。
「ぎゃあーーーーーーーーーーーーーー!!」
浜家は焼けるような痛みで断末魔の叫びをあげ気を失った。
ただ彼女の伸ばした手は、しっかりと真山の手を握りしめていた。

「お前等! 決して逆らおうとするな……逆らったり、逃げようとした者は、この二人の様に容赦なく殺す」
男は、小銃の銃口を重なり合う真山と浜家に向け、依田の方を一度見るのであった。

依田は男の方を向き、腕を前に突き出し、立てた親指を下に向けた。

男は、ニヤリと笑みを浮かべゆっくりと引き金を引いた。

轟音と同時にあたり一面を硝煙の匂いが漂い、薬莢やっきょうが床に落ちる音が館内に響いた。

その数秒後、大きな音を立て男が、膝から崩れ落ちるように床に倒れ込む。

銃弾は天井を貫いたのであった。

「何が、起こった!」武装集団が辺を見渡す。

監禁されている生徒がざわめく。しかし依田は、銃を天井に向け発砲をし、ざわめく者を鎮圧するのであった。

武装集団の仲間が、床に倒れ込んだ男を見ると首を絞められた跡がついていた。

辺りを見渡す武装集団。

意識朦朧もうろうとする中、浜家は思ったのだった。

ーーもしかして瞬じゃないかと……。

「おい……聞こえるか真山」

「お前は……」真山は薄っすらと目を開けると、そこには幽体になった風間一心の姿があった。

そう……小銃の男を締め上げたのは、幽体になった風間一心であった。

「真山……よく聞け! オレは、これから武装集団こいつらを倒す。だからお前も協力してくれ」

真山は即答する。

「あぁ……茉子を傷つけた武装集団やつら全員……地獄に送ってやるよ」

 
 




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