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第一 転校生 真山 瞬
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少し俯きながら大きな欠伸をし、口に手を
あて転校先ヘ向う男子生徒の名は真山瞬。
背は170半ばで茶髪のロン毛、目つきは鋭く
見た目はアウトローだが弱いものには、メチャ
クチャに優しく、面倒見が良い。しかも学力、
運動は常に上位、必要な事以外、口を開かない
男だが物凄い存在感を放っている。
『この学校だな……』
少しかすれた低い声で囁きながら真山は、玄関を
入って行く。
『やべぇ職員室……逆じゃねえ』
深くため息をつきながら真山は、戻ろうとする
と地下へ続く階段の方から女性の啜り泣く声と
笑い声が聞こえてきた。
瞬は、足音を殺して階段を降りていった。
『まじかよ……』
転校初日から、こんな悍ましい光景を目の
当たりにするとは……。
『これヤバくない! 炎上じゃねえ! 』
そこには数人の女子生徒に囲まれた地味な
女の子が怯えた子犬の様に体を凝縮させ泣
いていたのだった。
そう……いわゆるイジメの光景であった。
そこでタイミングが良いのか、悪いのか真山の
携帯が鳴り響くのであった。
『誰かいる……?! 』
彼は透かさず階段を上り、身を隠すと彼女
を虐めていた女子生徒が慌てて逃げ去って
行くのだった。
恐らく彼女達は先生の前や家では普通の女の子
なんだろう。
彼は再び、ひんやりとした日の当たらない階段
を下りていく。
そこには、小さく声をしゃくりあげて啜り
泣く女子生徒の姿があった。
名は浜家茉子、瞬と同じ一年生だった。
瞬は、散乱した物を拾い集め、彼女の付近へ
そっと置くのであった。
『悔しいだろ……』
独り言の様に彼は呟くと彼女は急に大声を
出して泣き始めたのであった。
瞬は、彼女が落ち着くまで、しばらく一緒に
居る事にした。
しばらくして彼は、彼女に質問した。
「もし夢の中でアイツ等に復讐を出来るとし
たら君はどうする?
勿論、夢の中では実際に殺せないがアイツ等に
恐怖と痛みを味合わせる事ができる」
本当は夢の中で暗示をかけ死に追い込む事が出
来るのだが……それは、まだ伏せておいた。
瞬は、彼女に能力の事を説明をした。
何故か、小さな頃から相手の所有物があれば相
手の夢の中へ入り、夢を支配する事が出来ると……。
彼女は少し引き気味になり呆然とした顔を
して彼を見るなり、何も聞かなかった様に
立上り散乱した物をバックに入れ始めた。
彼は、彼女の消しゴムを少しちぎり
『今夜、君の夢にお邪魔するよ。返事はそ
れからで良い』
彼は散乱した物を全て拾い彼女に渡して、
その場を後にしたのだった。
あて転校先ヘ向う男子生徒の名は真山瞬。
背は170半ばで茶髪のロン毛、目つきは鋭く
見た目はアウトローだが弱いものには、メチャ
クチャに優しく、面倒見が良い。しかも学力、
運動は常に上位、必要な事以外、口を開かない
男だが物凄い存在感を放っている。
『この学校だな……』
少しかすれた低い声で囁きながら真山は、玄関を
入って行く。
『やべぇ職員室……逆じゃねえ』
深くため息をつきながら真山は、戻ろうとする
と地下へ続く階段の方から女性の啜り泣く声と
笑い声が聞こえてきた。
瞬は、足音を殺して階段を降りていった。
『まじかよ……』
転校初日から、こんな悍ましい光景を目の
当たりにするとは……。
『これヤバくない! 炎上じゃねえ! 』
そこには数人の女子生徒に囲まれた地味な
女の子が怯えた子犬の様に体を凝縮させ泣
いていたのだった。
そう……いわゆるイジメの光景であった。
そこでタイミングが良いのか、悪いのか真山の
携帯が鳴り響くのであった。
『誰かいる……?! 』
彼は透かさず階段を上り、身を隠すと彼女
を虐めていた女子生徒が慌てて逃げ去って
行くのだった。
恐らく彼女達は先生の前や家では普通の女の子
なんだろう。
彼は再び、ひんやりとした日の当たらない階段
を下りていく。
そこには、小さく声をしゃくりあげて啜り
泣く女子生徒の姿があった。
名は浜家茉子、瞬と同じ一年生だった。
瞬は、散乱した物を拾い集め、彼女の付近へ
そっと置くのであった。
『悔しいだろ……』
独り言の様に彼は呟くと彼女は急に大声を
出して泣き始めたのであった。
瞬は、彼女が落ち着くまで、しばらく一緒に
居る事にした。
しばらくして彼は、彼女に質問した。
「もし夢の中でアイツ等に復讐を出来るとし
たら君はどうする?
勿論、夢の中では実際に殺せないがアイツ等に
恐怖と痛みを味合わせる事ができる」
本当は夢の中で暗示をかけ死に追い込む事が出
来るのだが……それは、まだ伏せておいた。
瞬は、彼女に能力の事を説明をした。
何故か、小さな頃から相手の所有物があれば相
手の夢の中へ入り、夢を支配する事が出来ると……。
彼女は少し引き気味になり呆然とした顔を
して彼を見るなり、何も聞かなかった様に
立上り散乱した物をバックに入れ始めた。
彼は、彼女の消しゴムを少しちぎり
『今夜、君の夢にお邪魔するよ。返事はそ
れからで良い』
彼は散乱した物を全て拾い彼女に渡して、
その場を後にしたのだった。
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