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ep10 脱出
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蹴り飛ばされ歪んだ金属扉の鈍音が密閉された地下室の空間に低く長く鳴り響く。
だが勢いが強すぎたせいか、扉はコンクリートの壁にぶち当たり、もとの所に跳ね返る。
『ったく……ちょっと強くやり過ぎたか』と甲馬と融合しているナイトメアがばつが悪そうに、きしんだ音を出し、まだゆっくりと動いている扉を片手で抑えた。
『しかし、こんなデカい音、出したのに誰も騒がねえとは……何かへんだな』とナイトメアは言葉を漏らしながら、ゆっくりと扉を開け部屋の中へ入って行く。
『なんだこの悪臭と煙は……』ナイトメアは堪らず激しく咳き込んだ。
僅かなろうそくが灯されている部屋の中に充満するほど御香が炊かれ、その香の匂いと、じめじめとした部屋のカビ臭さが、混ざり合いナイトメアの嗅覚を襲う。
『悪いがちょっと体から離れる』と悪臭に耐えきれないのかナイトメアは、甲馬の体から抜けだした。
『ちょっと待ってよ! うゔ……やばい熊虎君達が来たらどうしよう』ひとり残された甲馬は頭を抱えその場にうずくまる。
更にすぐ逃げれる出口付近へ移動し、壁際でオブジェのように息を潜め甲馬はナイトメアの帰りを待つ。
数分が経ち『ナイトメアはまだかな』と甲馬は何気に見上げると目の前に、ひょっこりとナイトメアの顔が現れた。『うわぁ……またやられた』と甲馬は腰を抜かし両手を床についた。
「お前は相変わらず腑抜けな野郎だな! ビビリが体に染みついてやがる」
「もう許さないぞナイトメア今度やったら除霊するからな」
「まぁまぁ、そんなに気を荒立てるな。それより甲馬……夏娘がいたぞ!」
そうナイトメアは甲馬の体から抜けたのは、夏娘を探すためだった。
「夏娘は、この部屋の奥にあるベッドの上で手足を縛られ眠らされている。運良く他には誰もいねぇ、救い出すなら今しかねぞ甲馬」
ナイトメアに感謝する甲馬は『さっきは除霊するとか言ってごめん』と深々と頭を下げる。
そうして甲馬とナイトメアは再度、融合し眠らされている夏娘を肩に担ぎあげ、信者がいないのを確認しながら施設を後にした。
『甲馬……もう少し鍛えたらどうだ! お前の体だと夏娘が重く感じる』とボヤきながらナイトメアは甲馬の家へ向う。
すると進路方向から、複数の信者らしき集団が辺りをキョロキョロとしながら、こちら側に歩いてきた。
『やばいよナイトメア』不安げな声で話す甲馬に対しナイトメアはこう告げた。
『良いか甲馬……こんな時は、とにかく走れ!』と甲馬達は脇道に入りひたすら逃げるのであった。
その頃、学校では夏娘の見張り役からの連絡が来ない熊虎は苛立ち机を蹴り上げる。
『クソッが、あいつら一体は何してやがる』熊虎は更に、手下数名と複数信者を施設の改心部屋へと向わせる。
『熊虎さん、そろそろ木本夏娘の浄化が終る頃です。俺達も行きましょう』と熊虎の子分がこそこそと話す。
『木本夏娘……俺様に逆らった罰だ。俺様の靴を舐めるまで、お前を洗脳し骨抜きにしてやる』と凍てつくような笑みを浮かべ、熊虎も手下の後を追うように施設へと向かうのであった。
だが勢いが強すぎたせいか、扉はコンクリートの壁にぶち当たり、もとの所に跳ね返る。
『ったく……ちょっと強くやり過ぎたか』と甲馬と融合しているナイトメアがばつが悪そうに、きしんだ音を出し、まだゆっくりと動いている扉を片手で抑えた。
『しかし、こんなデカい音、出したのに誰も騒がねえとは……何かへんだな』とナイトメアは言葉を漏らしながら、ゆっくりと扉を開け部屋の中へ入って行く。
『なんだこの悪臭と煙は……』ナイトメアは堪らず激しく咳き込んだ。
僅かなろうそくが灯されている部屋の中に充満するほど御香が炊かれ、その香の匂いと、じめじめとした部屋のカビ臭さが、混ざり合いナイトメアの嗅覚を襲う。
『悪いがちょっと体から離れる』と悪臭に耐えきれないのかナイトメアは、甲馬の体から抜けだした。
『ちょっと待ってよ! うゔ……やばい熊虎君達が来たらどうしよう』ひとり残された甲馬は頭を抱えその場にうずくまる。
更にすぐ逃げれる出口付近へ移動し、壁際でオブジェのように息を潜め甲馬はナイトメアの帰りを待つ。
数分が経ち『ナイトメアはまだかな』と甲馬は何気に見上げると目の前に、ひょっこりとナイトメアの顔が現れた。『うわぁ……またやられた』と甲馬は腰を抜かし両手を床についた。
「お前は相変わらず腑抜けな野郎だな! ビビリが体に染みついてやがる」
「もう許さないぞナイトメア今度やったら除霊するからな」
「まぁまぁ、そんなに気を荒立てるな。それより甲馬……夏娘がいたぞ!」
そうナイトメアは甲馬の体から抜けたのは、夏娘を探すためだった。
「夏娘は、この部屋の奥にあるベッドの上で手足を縛られ眠らされている。運良く他には誰もいねぇ、救い出すなら今しかねぞ甲馬」
ナイトメアに感謝する甲馬は『さっきは除霊するとか言ってごめん』と深々と頭を下げる。
そうして甲馬とナイトメアは再度、融合し眠らされている夏娘を肩に担ぎあげ、信者がいないのを確認しながら施設を後にした。
『甲馬……もう少し鍛えたらどうだ! お前の体だと夏娘が重く感じる』とボヤきながらナイトメアは甲馬の家へ向う。
すると進路方向から、複数の信者らしき集団が辺りをキョロキョロとしながら、こちら側に歩いてきた。
『やばいよナイトメア』不安げな声で話す甲馬に対しナイトメアはこう告げた。
『良いか甲馬……こんな時は、とにかく走れ!』と甲馬達は脇道に入りひたすら逃げるのであった。
その頃、学校では夏娘の見張り役からの連絡が来ない熊虎は苛立ち机を蹴り上げる。
『クソッが、あいつら一体は何してやがる』熊虎は更に、手下数名と複数信者を施設の改心部屋へと向わせる。
『熊虎さん、そろそろ木本夏娘の浄化が終る頃です。俺達も行きましょう』と熊虎の子分がこそこそと話す。
『木本夏娘……俺様に逆らった罰だ。俺様の靴を舐めるまで、お前を洗脳し骨抜きにしてやる』と凍てつくような笑みを浮かべ、熊虎も手下の後を追うように施設へと向かうのであった。
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