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3章
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「いやー、めっちゃ可愛かったっすよ。巨乳だし、色っぽいし、ちょっとあどけなさがあってどストライクでした! しかも七つ星城の着せ替え体験ではしゃいでいて楽しかったです!」
昨日のデートで興奮気味のみみずくに、すいせんはコイツぞっこんだなと確信した。
「それにしてもボディータッチ激しい子だったね。いきなりここまで来る?」
「不倫する人とか異性遊び激しい人はそういうタイプ多いみたいよ」
昨日のみみずくとゆあの初デートは、すずらんとすいせんも遠くから尾行するような形で見ていた。
「大浴場であの子みたけど、スタイル良かったわ。なんか女優さんとかグラビアモデルみたい」
「でも写真とちょっと違うくない?」
瀬川に見せられたのはショートの女性だった。一方みみずくと会った女性は黒髪ロングだ。
すいせんの眉が八の字になってる。
「確かにちょっと違うわ……みみずくが会った人と瀬川が会った人と。一体どうなってるの?」
「ゆあって名前結構いますからねー。今どきの名前ですし。実は違う人でしただったら、それはそれで俺としてはいいんだけど……ただ、プロフィールは瀬川さんが付き合っていたゆあさんと一緒なんだよなー」
「これ、写真だけ変えて、プロフィールと名前はそのままにしてるかも。つまり何人かの女性で”ゆあ”と名乗って美人局させてるのかも」
すずらんの推察に二人は頷く。
「あと、昨日会ったゆあさんの免許証を撮りました」
ゆあが寝てる隙にこっそり免許証を撮った。ほんとは良くないことだが。そしてみみずくは免許証を持っているが、彼女に見せないようにした。
「おおっ! グッジョブ! さっすがー!!」
バシバシとみみずくの背中をたたくすずらん。
「ただ、名前はニックネームと全く関係なかったですね……なんというか、今どきですねみたいな名前……」
みみずくはすいせんとすずらんに免許証の写真を見せる。
「これで、SNS特定できるワンチャンあるんじゃない?」
すずらんはパソコンでゆあの名前を検索してする。
あっさり出てきた。
実名制SNSに占部浩平という男性の投稿の中に彼女の名前がでてきた。
「うーん、これ気になりますねー」
みみずくがすずらんとすいせんに見せたのは、占部浩平のSNSの中にある投稿記事。
日付けは二日前だろうか。
『妻と義理の妹でバーベキューしました!』という写真。
その中にゆあがいた。彼女の服はベージュのセーター風のミニワンピースで、胸が強調されているタイプだ。トングを持って焼いている。
そしてショートカットの女性。瀬川が関係を持っていた人と一致している。
赤のミニワンピースで胸の真ん中が開いている。お酒だろうかプラスチックのコップを片手に持ってる姿。
バーベキューにふさわしい格好ではない。
ゆあの免許証に書かれた名前が出ている。
「占部浩平って誰よ?」
「えーっと、なんか聞いたことあるのよね……」
すずらんとすいせんが思い出せない中「セリバーテルの社長です!」とみみずくが教える。
「これで家特定できるかも。すいせん、この免許証の住所検索してみて。みみずくは占部浩平を調べて」
苗字が珍しいからすぐに絞り込めるかもしれないと淡い期待をする。
「こいつですよ……」
「あー、こいつね……胡散さそう。詐欺やってそう」
すずらんはセリバーテルの公式ホームページを見て、画面越しに毒を吐く。
占部浩平のSNSと本人の顔が一致している。
社長のメッセージには「皆を幸せにさせたい」と美辞麗句が並ぶ。
公式ホームページの宣伝に文句は「サクラ・業者はいません!」「既婚者禁止」「セリバーテルで結婚しました!」と並んでいる。
すずらんはホームページを見て、白々しく感じていた。
「既婚者禁止って言ってるけど、めちゃくちゃ嘘ついてますやん……」
ネーミング詐欺だとすずらんは心の中で呆れる。
ねぇ、この画像見て欲しいんだけど。この海が見えるの……」
すいせんが写真を拡大したのを二人に見せる。
高速道路だろうか。
「ここ! ひしゃく町ですよ! ほら七つ星町の中にある。で、この近く、南北線が走ってるはずです」
「ほんとだ。免許証の住所もそうよ」
あとは家の周りのお店がわかればいい。
庭の写真だろうか。ガーデニングをせっせとやってる様子や、咲いたパンジーの花が写っている。
奥に辛うじて工務店の名前が見える。
「ここじゃないかな。該当の工務店が向かいにあるわ」
免許証の住所を元に地図アプリですいせんが検索した工務店の名前が出てきた。
「結構おおきな家ねー」
白を基調とした、洋風の戸建ての住宅。ご丁寧にシャッター付きの駐車場もあり、白の高級車が止まっている。
「てか、めっちゃ金持ちじゃん……」
これで、マッチングアプリでみみずくに教えた住所は嘘になる。
「あー、瀬川さんが聞いてた住所と一緒ですね……」
「そういえば、ネット掲示板には、占部がゆあの美人局に絡んでるって書いてましたね……まさか……」
みみずくの顔が青ざめる。
「いや、彼女に限ってないですよ! 超いい子でしたもん!」
みみずくは大きく首を横に振る。
そんな訳ないと信じたい。美人局やってると信じたくない。
「信じたい気持ちは山々だけどね、現に、ゆあという女性が美人局してる訳でしょ? このアプリで。そうじゃなきゃ、瀬川さんはここに相談なんて来ないから」
「それはそうですけど……」
みみずくが口籠る。
「まあ、まだ確定してないから。まだみみずくはお金ぶんどられてないからね。ただ、占部社長とゆあさんとショートカットの女性が家族みたいなのは確実ね。セリバーテルの会社情報も調べるよ。社長の名前もっと詳しく検索して」
みみずくは自分のパソコンで占部について調べる。
真っ先に出てきたのがセリバーテルのホームページ、そして、実名制のSNSと匿名制のつぶやきSNS。
占部の匿名制SNSを見ると、直近は二日前。
女性達と遊んでる姿が載せられている。
「……こいつめっちゃ遊んでますなー。ほら……」
モテる俺をアピールしたいのか、いつでも女性に囲まれてる様子が伺える。
頬杖つきながら見ていくと、みみずくはため息をついた。
リア充爆発しろとは言わないが、なんとなく腹立たしさが湧いてくる。
羨ましいような羨ましくないような……。
「すずらんさん見てくださいよー。この人よく今まで炎上しなかったなーと思いますよ」
『女性と遊びたい方募集!』
『女性の方必見! セリバーテルで働きませんか? 簡単なお仕事をお任せします』
『今回も美人局で儲けたので、嫁と女達でデートしたw』
「うわぁー、まじか……しかもデートしたメンバーに瀬川さんの相手が入ってるじゃん……これ、魚拓とスクショよろしく」
「へい」
こんなのテレビで取り上げられてもいいと思うが……美人局はなかなか表面化しにくい。
異性に騙されたと警察に相談しにくいし、自分が悪いと思い込んでしまう。それゆえ表面化しにくい。
しかし騙された人の心の傷は一生癒えない。女性不信になって人付き合いや人生に影響がでることだってある。
「簡単なお仕事って何?」
「もしかして、美人局やらせてるのかも。最近は集団でやってるって聞くし……」
「つまり、美人局する女性がスタッフで働いてる……となると、脅し役の男性スタッフもいてもおかしくないわ。別に脅し役は女性でもあるけど……」
すずらんの推察に沈黙が落ちる。
「占部の住まい分かりました。この人個人情報ガバガバですよ!」
すずらんとすいせんはみみずくのパソコンを覗き込む。
「これって……!」
「うん……」
「あははは……」
三人に乾いた笑いが出た。
昨日のデートで興奮気味のみみずくに、すいせんはコイツぞっこんだなと確信した。
「それにしてもボディータッチ激しい子だったね。いきなりここまで来る?」
「不倫する人とか異性遊び激しい人はそういうタイプ多いみたいよ」
昨日のみみずくとゆあの初デートは、すずらんとすいせんも遠くから尾行するような形で見ていた。
「大浴場であの子みたけど、スタイル良かったわ。なんか女優さんとかグラビアモデルみたい」
「でも写真とちょっと違うくない?」
瀬川に見せられたのはショートの女性だった。一方みみずくと会った女性は黒髪ロングだ。
すいせんの眉が八の字になってる。
「確かにちょっと違うわ……みみずくが会った人と瀬川が会った人と。一体どうなってるの?」
「ゆあって名前結構いますからねー。今どきの名前ですし。実は違う人でしただったら、それはそれで俺としてはいいんだけど……ただ、プロフィールは瀬川さんが付き合っていたゆあさんと一緒なんだよなー」
「これ、写真だけ変えて、プロフィールと名前はそのままにしてるかも。つまり何人かの女性で”ゆあ”と名乗って美人局させてるのかも」
すずらんの推察に二人は頷く。
「あと、昨日会ったゆあさんの免許証を撮りました」
ゆあが寝てる隙にこっそり免許証を撮った。ほんとは良くないことだが。そしてみみずくは免許証を持っているが、彼女に見せないようにした。
「おおっ! グッジョブ! さっすがー!!」
バシバシとみみずくの背中をたたくすずらん。
「ただ、名前はニックネームと全く関係なかったですね……なんというか、今どきですねみたいな名前……」
みみずくはすいせんとすずらんに免許証の写真を見せる。
「これで、SNS特定できるワンチャンあるんじゃない?」
すずらんはパソコンでゆあの名前を検索してする。
あっさり出てきた。
実名制SNSに占部浩平という男性の投稿の中に彼女の名前がでてきた。
「うーん、これ気になりますねー」
みみずくがすずらんとすいせんに見せたのは、占部浩平のSNSの中にある投稿記事。
日付けは二日前だろうか。
『妻と義理の妹でバーベキューしました!』という写真。
その中にゆあがいた。彼女の服はベージュのセーター風のミニワンピースで、胸が強調されているタイプだ。トングを持って焼いている。
そしてショートカットの女性。瀬川が関係を持っていた人と一致している。
赤のミニワンピースで胸の真ん中が開いている。お酒だろうかプラスチックのコップを片手に持ってる姿。
バーベキューにふさわしい格好ではない。
ゆあの免許証に書かれた名前が出ている。
「占部浩平って誰よ?」
「えーっと、なんか聞いたことあるのよね……」
すずらんとすいせんが思い出せない中「セリバーテルの社長です!」とみみずくが教える。
「これで家特定できるかも。すいせん、この免許証の住所検索してみて。みみずくは占部浩平を調べて」
苗字が珍しいからすぐに絞り込めるかもしれないと淡い期待をする。
「こいつですよ……」
「あー、こいつね……胡散さそう。詐欺やってそう」
すずらんはセリバーテルの公式ホームページを見て、画面越しに毒を吐く。
占部浩平のSNSと本人の顔が一致している。
社長のメッセージには「皆を幸せにさせたい」と美辞麗句が並ぶ。
公式ホームページの宣伝に文句は「サクラ・業者はいません!」「既婚者禁止」「セリバーテルで結婚しました!」と並んでいる。
すずらんはホームページを見て、白々しく感じていた。
「既婚者禁止って言ってるけど、めちゃくちゃ嘘ついてますやん……」
ネーミング詐欺だとすずらんは心の中で呆れる。
ねぇ、この画像見て欲しいんだけど。この海が見えるの……」
すいせんが写真を拡大したのを二人に見せる。
高速道路だろうか。
「ここ! ひしゃく町ですよ! ほら七つ星町の中にある。で、この近く、南北線が走ってるはずです」
「ほんとだ。免許証の住所もそうよ」
あとは家の周りのお店がわかればいい。
庭の写真だろうか。ガーデニングをせっせとやってる様子や、咲いたパンジーの花が写っている。
奥に辛うじて工務店の名前が見える。
「ここじゃないかな。該当の工務店が向かいにあるわ」
免許証の住所を元に地図アプリですいせんが検索した工務店の名前が出てきた。
「結構おおきな家ねー」
白を基調とした、洋風の戸建ての住宅。ご丁寧にシャッター付きの駐車場もあり、白の高級車が止まっている。
「てか、めっちゃ金持ちじゃん……」
これで、マッチングアプリでみみずくに教えた住所は嘘になる。
「あー、瀬川さんが聞いてた住所と一緒ですね……」
「そういえば、ネット掲示板には、占部がゆあの美人局に絡んでるって書いてましたね……まさか……」
みみずくの顔が青ざめる。
「いや、彼女に限ってないですよ! 超いい子でしたもん!」
みみずくは大きく首を横に振る。
そんな訳ないと信じたい。美人局やってると信じたくない。
「信じたい気持ちは山々だけどね、現に、ゆあという女性が美人局してる訳でしょ? このアプリで。そうじゃなきゃ、瀬川さんはここに相談なんて来ないから」
「それはそうですけど……」
みみずくが口籠る。
「まあ、まだ確定してないから。まだみみずくはお金ぶんどられてないからね。ただ、占部社長とゆあさんとショートカットの女性が家族みたいなのは確実ね。セリバーテルの会社情報も調べるよ。社長の名前もっと詳しく検索して」
みみずくは自分のパソコンで占部について調べる。
真っ先に出てきたのがセリバーテルのホームページ、そして、実名制のSNSと匿名制のつぶやきSNS。
占部の匿名制SNSを見ると、直近は二日前。
女性達と遊んでる姿が載せられている。
「……こいつめっちゃ遊んでますなー。ほら……」
モテる俺をアピールしたいのか、いつでも女性に囲まれてる様子が伺える。
頬杖つきながら見ていくと、みみずくはため息をついた。
リア充爆発しろとは言わないが、なんとなく腹立たしさが湧いてくる。
羨ましいような羨ましくないような……。
「すずらんさん見てくださいよー。この人よく今まで炎上しなかったなーと思いますよ」
『女性と遊びたい方募集!』
『女性の方必見! セリバーテルで働きませんか? 簡単なお仕事をお任せします』
『今回も美人局で儲けたので、嫁と女達でデートしたw』
「うわぁー、まじか……しかもデートしたメンバーに瀬川さんの相手が入ってるじゃん……これ、魚拓とスクショよろしく」
「へい」
こんなのテレビで取り上げられてもいいと思うが……美人局はなかなか表面化しにくい。
異性に騙されたと警察に相談しにくいし、自分が悪いと思い込んでしまう。それゆえ表面化しにくい。
しかし騙された人の心の傷は一生癒えない。女性不信になって人付き合いや人生に影響がでることだってある。
「簡単なお仕事って何?」
「もしかして、美人局やらせてるのかも。最近は集団でやってるって聞くし……」
「つまり、美人局する女性がスタッフで働いてる……となると、脅し役の男性スタッフもいてもおかしくないわ。別に脅し役は女性でもあるけど……」
すずらんの推察に沈黙が落ちる。
「占部の住まい分かりました。この人個人情報ガバガバですよ!」
すずらんとすいせんはみみずくのパソコンを覗き込む。
「これって……!」
「うん……」
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三人に乾いた笑いが出た。
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