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2章
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おおぐまの前には入店待ち用のベンチが二つ並んでいる。女性二人と男の子と女の子のグループはママ友だろうか。そして二十代ぐらいの女性二人組は会社関係かはたまた友人か……。
「予約してますから、入りましょう」
ゆあに入店を促され、中に入る。
スーツ姿の男性が予約したかどうか聞いてきたので、ゆあが「十二時に二名で予約した高木と申します」と答える。
「お待ちしておりました。高木様。どうぞこちらの席へ」
男性の後についていく。席は半分埋まってるようだ。
「こちらになります」
男性に案内された所は四人がけのテーブル席。
窓から七つ星駅のロータリーやビルなどが一望できる。
「わあー! 見てみて! ゆうきさん! ほら!」
窓からの景色を見てはしゃぐゆあの姿に目を細めるみみずく。
はしゃぐ姿可愛いんだけど、俺の場違い感半端ない!
BGMはクラシックだし、店員はスーツ着てるし……。
どうぞお座りくださいと、店員に椅子を引かれみみずくは「は、はい……」とぎこちなく座る。
これで良かったんか? 座り方のマナー。
椅子はもたれかかったらだめなんだよな。
そうだ、すずらん姐さんが言ってたな。背筋伸ばせって。
「ゆうきさんなんか緊張してますか?」
ゆあに見抜かれていた。
「え、え……、こ、こういうとこ、慣れてない、もので……」
近所のファミレスとかコンビニで食事を済ましてるみみずくにとってこういう場所は、異次元過ぎて帰りたくなる。
こう……シャレオツ過ぎるし、洗練されてるというか、なんというか……。
机の上に置いてあるメニュー表を見る。
「ここのランチコース美味しいそうですよ。ほら」
ランチメニューは、前菜、パンかライス、メインディッシュ、デザートだそうだ。
メインディッシュは魚かお肉か選べるみたいだ。
「じゃぁ、それにしましょう」
「お酒飲まれますかー? 私はミネラルウォーターにします」
「いえ、お酒は……いいです……車で来てるので」
みみずくは駅まで車で来ているため、お酒は避けたいところである。普段は普通にチューハイやビールを飲むところだが。
すずらんからお酒勧められても断った方がいい。席外す際には飲み干した状態にすること。そうじゃないと、何されるか分からないからとアドバイスを貰った。
「えーっ、ざんねーん。また今度ね」
口を尖らせて拗ねる姿が可愛い。
みみずくはウーロン茶を頼んだ。
二人は趣味やどこに住んでるかとか、故郷の話など弾んでる。
ゆあが話の主導権を握ってる。
「私も写真好きなんですよー! 今度一緒に撮りに行きませんか?」
「そうですね。四つ星駅近くの登山列車にのって紫陽花の写真撮るの楽しいですよ。一緒にどうです?」
「あー! あそこですね! ただ紫陽花の時期は人が多くて……」
「そうですね。観光客ピークの時期ですからね。あとは……」
そこからみみずくのどこの写真スポットがいいか、電車がいいかなど、妙に饒舌になっていく。
料理はテリーヌとかいうよく分からないものがきた。
というかテリーヌって……何? どこの国の食べ物? この間やってたテレビで芸能人が食べてたなー。こんなの。
それで目の前に可愛い女の子がいる。
これは夢じゃないよな?!
みみずくのウーロン茶を飲むスピードが上がる。一方、ゆあは慣れてますと言わんばかりにミネラルウォーター飲んで、うんうんと頷いている。
こんな俺の話を大人しく聞いてくれるなんて……!
女性に趣味の話したらだいたいドン引きしてくるんだけどな。
「ゆうきさん! ステーキ来ましたよ! 美味しそう!」
目を輝かせるゆあは写メを撮る。料理が出る度に写真撮ってる。
「お、おう……」
これいくらなんだろーな。支払いは折半とはいえ、正直怖いんだけど!
後で怖いおじさんが出てきて「ン十万払えや」なんて来たら泣くよ。
いつもより多めに持ってきてるけど……。
「すみません、お写真撮って頂けないでしょうか?」
ゆあがメインディッシュを前に店員に写真撮影をお願いする。
「えっ!?」
「ほら! せっかくの記念だから! 一緒に写ろう!」
店員はゆあのスマホで写真撮影する。お連れ様もどうですかと言われ、みみずくのスマホでも撮ってもらう。
「ありがとうございます!」
店員はいえいえお安い御用ですと持ち場へ戻った。
「えへへ、良かったー。ゆうきさんと一緒に写真撮れて」
メインディッシュより写真撮影に満足してるゆあは、フォークとナイフで器用にステーキ肉を切っていく。
いや、本当に可愛いな!
食べ方も笑顔も。店員さんに対する態度も。
無邪気な子どもを見ているみたいだ。
……にしても、さっきから視線を感じる。
斜め後ろからだ。
一人はパステルカラーのワンピースの女性、もう一人は黒のブラウスにベージュのチノパンだ。
「どうかされましたか?」
ゆあが小動物のように首を傾げて尋ねる。
「あ、いえ、何も……」
離れた所にはすずらんとすいせんが二人を見ていた。
「今日、離れた所から見てるから!」と言われ、最初は冗談だと思ってたが本当に来ていた。
仕事とはいえ、二人の世界を邪魔しないで欲しいと思ってしまう。
ゆあは美味しいーと言いながら最後のデザートを食べる。彼女はモンブランと紅茶を頼んだ。みみずくは抹茶ケーキとコーヒーだ。
女性とこうやって食事を同じ空間で共有するのって楽しいな。
みみずくは両親共働きで、私立中学に入る為に、小学校から夜遅くまで塾に通っていて、家族で食事する機会が段々減ってきた。
だからこうやって食事をするのが新鮮である。
「次どこ行きますー? 七つ星城行きたいんですー」
「いいですね。行きましょう」
支払いは無事みみずくが払える金額だった。
みみずくが僕が払いますからと言うと、ゆあは折半すると言ってくれた。
本当に折半してくれるとは思ってなかったので、みみずくはお言葉に甘える形になった。
内心安堵している。かなりぼったくられるんじゃないか心配していた。
「じゃ、行きましょう!」
店の外に出るとゆあは手を差し出してきた。
おっ、これは手を繋いで欲しいということか?!
期待しちゃっていい? いいよね?
みみずくはそっと手を添えるようにゆあの手に触れる。
「もっと握って下さい!」
上目遣いでせまるゆあ。
ゆあの視線に勝てず、みみずくはギュッとゆあの手を握る。
小さな手の温もりが暖かく感じる。
この手を離したくないなぁ。
七つ星城は駅の東口から歩いて十五分の所だ。
駅周辺は人手が多く賑わう。
「行ったわね」
すずらんとすいせんが後を追うようにおおぐまを出る。
「なんかすっごい無邪気な子だよね……ちょっとぶりっ子っぽい所あるけど……本当に慰謝料請求してくるのかしら? 全然そうは見えないけど」
「可愛い子には裏があるのよ」
「あの子声も可愛いし、巨乳でちょっと幼い感じだね……みみずくが恋に落ちるのも時間の問題ね」
「もう成人してるんじゃなかった? 確かみみずくより年下のはず。男性にはモテそうだけど、女性には嫌われそうね」
ひそひそと話す二人はみみずくとゆあを見失わないように後追いする。
「見て、あの二人手を繋いでるわ。しかも恋人繋ぎよ!」
すいせんは二人を指さしてすずらんの肩をバシバシ叩く。
「おー、ほんとだ。すいせん撮っといて」
「はーい」
二人にバレないように離れた距離から撮影する。先程のおおぐまにいた時もすいせんが撮影していた。主にゆあがターゲットだが。
やってることが週刊誌のスクープ記事を狙う人だ。
二人は七つ星城に向かっているそうだ。
この辺りは景観を重視しているため、和風チックな建物が多い。コンビニもそうだ。
銀行から右に曲がってお城の方へ向かう。このまままっすぐいけば、正門に入れるはずだ。
「みみずく大丈夫かな? ちゃんとコミュニケーション取れてる?」
恋に落ちないで欲しいと二人は願うばかりだ。
「予約してますから、入りましょう」
ゆあに入店を促され、中に入る。
スーツ姿の男性が予約したかどうか聞いてきたので、ゆあが「十二時に二名で予約した高木と申します」と答える。
「お待ちしておりました。高木様。どうぞこちらの席へ」
男性の後についていく。席は半分埋まってるようだ。
「こちらになります」
男性に案内された所は四人がけのテーブル席。
窓から七つ星駅のロータリーやビルなどが一望できる。
「わあー! 見てみて! ゆうきさん! ほら!」
窓からの景色を見てはしゃぐゆあの姿に目を細めるみみずく。
はしゃぐ姿可愛いんだけど、俺の場違い感半端ない!
BGMはクラシックだし、店員はスーツ着てるし……。
どうぞお座りくださいと、店員に椅子を引かれみみずくは「は、はい……」とぎこちなく座る。
これで良かったんか? 座り方のマナー。
椅子はもたれかかったらだめなんだよな。
そうだ、すずらん姐さんが言ってたな。背筋伸ばせって。
「ゆうきさんなんか緊張してますか?」
ゆあに見抜かれていた。
「え、え……、こ、こういうとこ、慣れてない、もので……」
近所のファミレスとかコンビニで食事を済ましてるみみずくにとってこういう場所は、異次元過ぎて帰りたくなる。
こう……シャレオツ過ぎるし、洗練されてるというか、なんというか……。
机の上に置いてあるメニュー表を見る。
「ここのランチコース美味しいそうですよ。ほら」
ランチメニューは、前菜、パンかライス、メインディッシュ、デザートだそうだ。
メインディッシュは魚かお肉か選べるみたいだ。
「じゃぁ、それにしましょう」
「お酒飲まれますかー? 私はミネラルウォーターにします」
「いえ、お酒は……いいです……車で来てるので」
みみずくは駅まで車で来ているため、お酒は避けたいところである。普段は普通にチューハイやビールを飲むところだが。
すずらんからお酒勧められても断った方がいい。席外す際には飲み干した状態にすること。そうじゃないと、何されるか分からないからとアドバイスを貰った。
「えーっ、ざんねーん。また今度ね」
口を尖らせて拗ねる姿が可愛い。
みみずくはウーロン茶を頼んだ。
二人は趣味やどこに住んでるかとか、故郷の話など弾んでる。
ゆあが話の主導権を握ってる。
「私も写真好きなんですよー! 今度一緒に撮りに行きませんか?」
「そうですね。四つ星駅近くの登山列車にのって紫陽花の写真撮るの楽しいですよ。一緒にどうです?」
「あー! あそこですね! ただ紫陽花の時期は人が多くて……」
「そうですね。観光客ピークの時期ですからね。あとは……」
そこからみみずくのどこの写真スポットがいいか、電車がいいかなど、妙に饒舌になっていく。
料理はテリーヌとかいうよく分からないものがきた。
というかテリーヌって……何? どこの国の食べ物? この間やってたテレビで芸能人が食べてたなー。こんなの。
それで目の前に可愛い女の子がいる。
これは夢じゃないよな?!
みみずくのウーロン茶を飲むスピードが上がる。一方、ゆあは慣れてますと言わんばかりにミネラルウォーター飲んで、うんうんと頷いている。
こんな俺の話を大人しく聞いてくれるなんて……!
女性に趣味の話したらだいたいドン引きしてくるんだけどな。
「ゆうきさん! ステーキ来ましたよ! 美味しそう!」
目を輝かせるゆあは写メを撮る。料理が出る度に写真撮ってる。
「お、おう……」
これいくらなんだろーな。支払いは折半とはいえ、正直怖いんだけど!
後で怖いおじさんが出てきて「ン十万払えや」なんて来たら泣くよ。
いつもより多めに持ってきてるけど……。
「すみません、お写真撮って頂けないでしょうか?」
ゆあがメインディッシュを前に店員に写真撮影をお願いする。
「えっ!?」
「ほら! せっかくの記念だから! 一緒に写ろう!」
店員はゆあのスマホで写真撮影する。お連れ様もどうですかと言われ、みみずくのスマホでも撮ってもらう。
「ありがとうございます!」
店員はいえいえお安い御用ですと持ち場へ戻った。
「えへへ、良かったー。ゆうきさんと一緒に写真撮れて」
メインディッシュより写真撮影に満足してるゆあは、フォークとナイフで器用にステーキ肉を切っていく。
いや、本当に可愛いな!
食べ方も笑顔も。店員さんに対する態度も。
無邪気な子どもを見ているみたいだ。
……にしても、さっきから視線を感じる。
斜め後ろからだ。
一人はパステルカラーのワンピースの女性、もう一人は黒のブラウスにベージュのチノパンだ。
「どうかされましたか?」
ゆあが小動物のように首を傾げて尋ねる。
「あ、いえ、何も……」
離れた所にはすずらんとすいせんが二人を見ていた。
「今日、離れた所から見てるから!」と言われ、最初は冗談だと思ってたが本当に来ていた。
仕事とはいえ、二人の世界を邪魔しないで欲しいと思ってしまう。
ゆあは美味しいーと言いながら最後のデザートを食べる。彼女はモンブランと紅茶を頼んだ。みみずくは抹茶ケーキとコーヒーだ。
女性とこうやって食事を同じ空間で共有するのって楽しいな。
みみずくは両親共働きで、私立中学に入る為に、小学校から夜遅くまで塾に通っていて、家族で食事する機会が段々減ってきた。
だからこうやって食事をするのが新鮮である。
「次どこ行きますー? 七つ星城行きたいんですー」
「いいですね。行きましょう」
支払いは無事みみずくが払える金額だった。
みみずくが僕が払いますからと言うと、ゆあは折半すると言ってくれた。
本当に折半してくれるとは思ってなかったので、みみずくはお言葉に甘える形になった。
内心安堵している。かなりぼったくられるんじゃないか心配していた。
「じゃ、行きましょう!」
店の外に出るとゆあは手を差し出してきた。
おっ、これは手を繋いで欲しいということか?!
期待しちゃっていい? いいよね?
みみずくはそっと手を添えるようにゆあの手に触れる。
「もっと握って下さい!」
上目遣いでせまるゆあ。
ゆあの視線に勝てず、みみずくはギュッとゆあの手を握る。
小さな手の温もりが暖かく感じる。
この手を離したくないなぁ。
七つ星城は駅の東口から歩いて十五分の所だ。
駅周辺は人手が多く賑わう。
「行ったわね」
すずらんとすいせんが後を追うようにおおぐまを出る。
「なんかすっごい無邪気な子だよね……ちょっとぶりっ子っぽい所あるけど……本当に慰謝料請求してくるのかしら? 全然そうは見えないけど」
「可愛い子には裏があるのよ」
「あの子声も可愛いし、巨乳でちょっと幼い感じだね……みみずくが恋に落ちるのも時間の問題ね」
「もう成人してるんじゃなかった? 確かみみずくより年下のはず。男性にはモテそうだけど、女性には嫌われそうね」
ひそひそと話す二人はみみずくとゆあを見失わないように後追いする。
「見て、あの二人手を繋いでるわ。しかも恋人繋ぎよ!」
すいせんは二人を指さしてすずらんの肩をバシバシ叩く。
「おー、ほんとだ。すいせん撮っといて」
「はーい」
二人にバレないように離れた距離から撮影する。先程のおおぐまにいた時もすいせんが撮影していた。主にゆあがターゲットだが。
やってることが週刊誌のスクープ記事を狙う人だ。
二人は七つ星城に向かっているそうだ。
この辺りは景観を重視しているため、和風チックな建物が多い。コンビニもそうだ。
銀行から右に曲がってお城の方へ向かう。このまままっすぐいけば、正門に入れるはずだ。
「みみずく大丈夫かな? ちゃんとコミュニケーション取れてる?」
恋に落ちないで欲しいと二人は願うばかりだ。
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