20 / 53
20話
しおりを挟む
それから10日後、収録とMIXが終了し、次葉に頼んでいたイラストが届いたのでそれを使用して動画にして歌ってみたとオリジナル曲の動画作成が完了した。
すぐさまサキに報告し、完成したものを送るとサキは大絶賛してくれた。
というわけで歌ってみたを三日後に歌ってみたを、そのさらに二日後にオリジナル曲を投稿することとなった。
結果は、どちらも大好評だった。
オリジナル曲を投稿して2日がたった時点で歌ってみたの方が50万再生、オリジナル曲が10万再生だった。
一応歌ってみたの方が圧倒的に再生数が多かったが、サキ曰く今まで曲を作ってこなかった人のオリジナル曲でここまで再生されるのが異例なことらしい。
サキの予想では、1年、2年と長いスパンで見れば歌ってみた動画よりもオリジナル曲の方が再生数が大きくなるとのこと。
そして肝心のサキのチャンネル登録者数は私とコラボする前から2万人増えて12万人になっていた。私個人としては100万人、200万人と増えて然るべきだと思うが、現時点の私の知名度でここまで貢献できたのなら上出来であろう。
歌ってみたとオリジナル曲の大成功のお陰で私とサキの組み合わせが世に浸透したこともあり、結構な頻度でコラボするようになった。
一応男女コラボなので最初はファンの事を考えて適度な回数に抑えていたのだが、途中からファンの方から私たちのコラボを要求するようになってきたから気にすることを止めた。
一応男女コラボだぞ?とサキのファンに聞いたのだが、ファンは『ファンとしてのレベルが高すぎて信用が出来る』『そもそもあなたには次葉さんが居るでしょ』という理由で全く心配していないらしい。
結果的にお互いにチャンネル登録者数は順調に増加し、サキは15万、私が10万人に到達した。
さて、私はチャンネル登録者数が10万人を突破した。となると、OurTubeから届くものがある。そう、銀の盾である。
当然私は申請したのだが、このアカウントを作成したのは私ではなく次葉。
となると届く場所は私の家ではなくて次葉の家だった。
やりようによっては私の家に送らせることも出来たのだろうが、気付くのが遅かった。
100万人に到達した際はちゃんとしようと決心しつつ、次葉に連絡した。
すると、『久々に優斗君の家に行きたいから持っていく』との連絡があったので、素直に受け入れることにした。
「やあ、銀の盾持ってきたよ」
「本当に助かった。で、なんだそのキャリーケースは」
私の家にやってきた次葉は、銀の盾とは別に何故かキャリーケースを持参してきた。
「そりゃあ久々に優斗君の家に遊びに来たんだから。お泊りくらいはさせてもらうよ」
「別に泊まること自体は構わないが、そんなに荷物が必要か?」
OurTubeを始める前は次葉が私の家に来るのがほとんどだったので、次葉に必要な生活用品は基本的に全て揃えてある。加えて仕事道具も次葉用のものがあるので、この家に泊まるときは着替えだけで十分だ。
なのに次葉が持ってきたのは海外旅行に行くのかと言わんばかりの巨大なキャリーケース。
記憶が確かであればプチ旅行用の小さなものも持っているので、次葉は意図的にこのサイズを選んだのだ。
次葉は一体何を持ってきたというのだ……?
「そりゃあ当然。泊まるんだから着替えは十分に用意しておかないと」
「まさか……そのキャリーケース一杯に着替えが入っているのか?」
「そうだよ。見るかい?」
「玄関でキャリーケースを開けようとするな。とりあえず中に入ってくれ」
玄関でキャリーケースを開けられると流石に困るので次葉を家に入れた。
そしてリビングに案内すると、
「相変わらず凄い家だよね。かなり広い家なのに内装はかなり庶民的というか、実家感があるよね」
次葉はリビングに入るなり部屋を見まわし、そんな感想を述べた。
「別に成金仕様にする必要なんて無いしな。それを言うなら次葉の家だって普通の家じゃないか」
次葉もタワマンに住んでいるが、床が大理石だったりシャンデリアがあるわけではない。
「私の家は家族連れが住む一軒家には届かないくらいの広さだからね。そりゃあ普通の家だよ。でも、優斗君の家は違うでしょ。何LDKなのさ」
「確か7LDKだったか?」
「なんで本人が分かってないのかな」
「とにかく広い家を頼むと丸投げしてしまったからな。正直ここまで広いとどれがリビングか分からん。ただ、用途的には7LDKと認識している」
そもそもリビングも部屋も部屋に変わりはないだろう。一体何が違うんだ。
「なるほどね。とりあえず次の家を借りることになったらちゃんと覚えようね」
「そうだな」
「じゃあいつも通りあの部屋を借りてもいい?」
「問題ない、好きに使ってくれ」
「オッケー」
そう言うと次葉は次葉専用になってしまった元来客用の部屋に向かっていった。
すぐさまサキに報告し、完成したものを送るとサキは大絶賛してくれた。
というわけで歌ってみたを三日後に歌ってみたを、そのさらに二日後にオリジナル曲を投稿することとなった。
結果は、どちらも大好評だった。
オリジナル曲を投稿して2日がたった時点で歌ってみたの方が50万再生、オリジナル曲が10万再生だった。
一応歌ってみたの方が圧倒的に再生数が多かったが、サキ曰く今まで曲を作ってこなかった人のオリジナル曲でここまで再生されるのが異例なことらしい。
サキの予想では、1年、2年と長いスパンで見れば歌ってみた動画よりもオリジナル曲の方が再生数が大きくなるとのこと。
そして肝心のサキのチャンネル登録者数は私とコラボする前から2万人増えて12万人になっていた。私個人としては100万人、200万人と増えて然るべきだと思うが、現時点の私の知名度でここまで貢献できたのなら上出来であろう。
歌ってみたとオリジナル曲の大成功のお陰で私とサキの組み合わせが世に浸透したこともあり、結構な頻度でコラボするようになった。
一応男女コラボなので最初はファンの事を考えて適度な回数に抑えていたのだが、途中からファンの方から私たちのコラボを要求するようになってきたから気にすることを止めた。
一応男女コラボだぞ?とサキのファンに聞いたのだが、ファンは『ファンとしてのレベルが高すぎて信用が出来る』『そもそもあなたには次葉さんが居るでしょ』という理由で全く心配していないらしい。
結果的にお互いにチャンネル登録者数は順調に増加し、サキは15万、私が10万人に到達した。
さて、私はチャンネル登録者数が10万人を突破した。となると、OurTubeから届くものがある。そう、銀の盾である。
当然私は申請したのだが、このアカウントを作成したのは私ではなく次葉。
となると届く場所は私の家ではなくて次葉の家だった。
やりようによっては私の家に送らせることも出来たのだろうが、気付くのが遅かった。
100万人に到達した際はちゃんとしようと決心しつつ、次葉に連絡した。
すると、『久々に優斗君の家に行きたいから持っていく』との連絡があったので、素直に受け入れることにした。
「やあ、銀の盾持ってきたよ」
「本当に助かった。で、なんだそのキャリーケースは」
私の家にやってきた次葉は、銀の盾とは別に何故かキャリーケースを持参してきた。
「そりゃあ久々に優斗君の家に遊びに来たんだから。お泊りくらいはさせてもらうよ」
「別に泊まること自体は構わないが、そんなに荷物が必要か?」
OurTubeを始める前は次葉が私の家に来るのがほとんどだったので、次葉に必要な生活用品は基本的に全て揃えてある。加えて仕事道具も次葉用のものがあるので、この家に泊まるときは着替えだけで十分だ。
なのに次葉が持ってきたのは海外旅行に行くのかと言わんばかりの巨大なキャリーケース。
記憶が確かであればプチ旅行用の小さなものも持っているので、次葉は意図的にこのサイズを選んだのだ。
次葉は一体何を持ってきたというのだ……?
「そりゃあ当然。泊まるんだから着替えは十分に用意しておかないと」
「まさか……そのキャリーケース一杯に着替えが入っているのか?」
「そうだよ。見るかい?」
「玄関でキャリーケースを開けようとするな。とりあえず中に入ってくれ」
玄関でキャリーケースを開けられると流石に困るので次葉を家に入れた。
そしてリビングに案内すると、
「相変わらず凄い家だよね。かなり広い家なのに内装はかなり庶民的というか、実家感があるよね」
次葉はリビングに入るなり部屋を見まわし、そんな感想を述べた。
「別に成金仕様にする必要なんて無いしな。それを言うなら次葉の家だって普通の家じゃないか」
次葉もタワマンに住んでいるが、床が大理石だったりシャンデリアがあるわけではない。
「私の家は家族連れが住む一軒家には届かないくらいの広さだからね。そりゃあ普通の家だよ。でも、優斗君の家は違うでしょ。何LDKなのさ」
「確か7LDKだったか?」
「なんで本人が分かってないのかな」
「とにかく広い家を頼むと丸投げしてしまったからな。正直ここまで広いとどれがリビングか分からん。ただ、用途的には7LDKと認識している」
そもそもリビングも部屋も部屋に変わりはないだろう。一体何が違うんだ。
「なるほどね。とりあえず次の家を借りることになったらちゃんと覚えようね」
「そうだな」
「じゃあいつも通りあの部屋を借りてもいい?」
「問題ない、好きに使ってくれ」
「オッケー」
そう言うと次葉は次葉専用になってしまった元来客用の部屋に向かっていった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
女子小学五年生に告白された高校一年生の俺
think
恋愛
主人公とヒロイン、二人の視点から書いています。
幼稚園から大学まである私立一貫校に通う高校一年の犬飼優人。
司優里という小学五年生の女の子に出会う。
彼女は体調不良だった。
同じ学園の学生と分かったので背負い学園の保健室まで連れていく。
そうしたことで彼女に好かれてしまい
告白をうけてしまう。
友達からということで二人の両親にも認めてもらう。
最初は妹の様に想っていた。
しかし彼女のまっすぐな好意をうけ段々と気持ちが変わっていく自分に気づいていく。
隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
母娘丼W
Zu-Y
恋愛
外資系木工メーカー、ドライアド・ジャパンに新入社員として入社した新卒の俺、ジョージは、入居した社宅の両隣に挨拶に行き、運命的な出会いを果たす。
左隣りには、金髪碧眼のジェニファーさんとアリスちゃん母娘、右隣には銀髪紅眼のニコルさんとプリシラちゃん母娘が住んでいた。
社宅ではぼさぼさ頭にすっぴんのスウェット姿で、休日は寝だめの日と豪語する残念ママのジェニファーさんとニコルさんは、会社ではスタイリッシュにびしっと決めてきびきび仕事をこなす会社の二枚看板エースだったのだ。
残業続きのママを支える健気で素直な天使のアリスちゃんとプリシラちゃんとの、ほのぼのとした交流から始まって、両母娘との親密度は鰻登りにどんどんと増して行く。
休日は残念ママ、平日は会社の二枚看板エースのジェニファーさんとニコルさんを秘かに狙いつつも、しっかり者の娘たちアリスちゃんとプリシラちゃんに懐かれ、慕われて、ついにはフィアンセ認定されてしまう。こんな楽しく充実した日々を過していた。
しかし子供はあっという間に育つもの。ママたちを狙っていたはずなのに、JS、JC、JKと、日々成長しながら、急激に子供から女性へと変貌して行く天使たちにも、いつしか心は奪われていた。
両母娘といい関係を築いていた日常を乱す奴らも現れる。
大学卒業直前に、俺よりハイスペックな男を見付けたと言って、あっさりと俺を振って去って行った元カノや、ママたちとの復縁を狙っている天使たちの父親が、ウザ絡みをして来て、日々の平穏な生活をかき乱す始末。
ママたちのどちらかを口説き落とすのか?天使たちのどちらかとくっつくのか?まさか、まさかの元カノと元サヤ…いやいや、それだけは絶対にないな。
美醜逆転世界でお姫様は超絶美形な従者に目を付ける
朝比奈
恋愛
ある世界に『ティーラン』と言う、まだ、歴史の浅い小さな王国がありました。『ティーラン王国』には、王子様とお姫様がいました。
お姫様の名前はアリス・ラメ・ティーラン
絶世の美女を母に持つ、母親にの美しいお姫様でした。彼女は小国の姫でありながら多くの国の王子様や貴族様から求婚を受けていました。けれども、彼女は20歳になった今、婚約者もいない。浮いた話一つ無い、お姫様でした。
「ねぇ、ルイ。 私と駆け落ちしましょう?」
「えっ!? ええぇぇえええ!!!」
この話はそんなお姫様と従者である─ ルイ・ブリースの恋のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる