俺の彼女はいつも可愛い

僧侶A

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15話

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「というわけで、私たちのクラスの衣装に、あのグローバルランが手助けをしてくれるらしいです!」

 まさか昨日今日で話が通るとは思わなかった。仕事早いなあいつ。クラスメイトはあまりの大物助っ人に驚いていた。

 そもそもこの学校にグローバルランの御曹司が居るなんて事実からおかしいものな。

 それほどの金持ちなら系列校に行っているはずだからな。

 ビッグニュースに士気の上がったクラスの方々は、降りた予算を元に本格的な作業を開始した。

 早速採寸ということでメイド服を着る人が別の場所に集められていた。

「二人はメイド服を着ることに抵抗は無いの?」

 なし崩し的に着ることになった二人に聞いてみた。

「うーん、可愛いなら良いかなって」

 京は案外肯定的のようだ。ならちゃんと可愛い奴を完成させないとな。

「私は正直どっちでも良い。別に制服着て接客するのと何も変わらないでしょ」

 涼野は割と無関心のようだ。多分ファッションセンスが壊滅的過ぎるせいだな。

 二人の話を聞いていると、採寸を終えた大が帰ってきた。

「凄く疲れた……」

 大はもううんざりという表情をしていた。

「何があったんだ?」

「めちゃくちゃ細かく採寸されたんだよ、普通身長ウエスト胸囲だけで良いだろ……」

「と言っても採寸だろ?」

 別にこっちが一切動かなくても良いのなら疲れる道理は無いんじゃないか?

 次の順番が俺だったので採寸をしている教室に行く。

「じゃあ採寸を始めるからちょっと立っていてね」

 待っていたのは例のアホ二人だ。

 ここから20分程、採寸は続いた。

 通常の採寸は勿論のこと、首回り、足首回り、膝回りや肩幅と言ったもはやよく分からない所まで採寸をされた。

 伸び縮みが出来ない全身タイツでも作るのだろうかというほど隅々まで調べつくされた。

 一体何を作るんだこいつら。そして目線がちょっと怖い。ガチだよこの二人。

「これで終わったよ。次の人呼んできて」

 結局何が何だか分からないまま身体検査を終えることとなった。

 たかが採寸だと思っていたが、そんな生半可なものでは無かった。

「次の人、採寸行ってきて」

「大、俺が悪かった」

 アレはガチだ。高校生が文化祭でわいわいやるタイプの採寸じゃない。

「分かってくれればいいんだ……」

 俺たちは二人の採寸が終わるまで、無言で静かに座っていた。

 その後、俺たちは設備準備の役に回されることになった。

 料理が得意なのでメニュー作成の側に回りたい気持ちもあったのだが、本番で料理しない人がやるのもおかしいということでこうなった。

 と言っても基本的にはメイドをやらない人で回すらしく、買い物とかを少し任されるくらいだった。

 そのためかなり暇になるわけで。大は部活に、涼野はテニスに行っていた。

 そんなものは無い俺と京は何をするわけでもなく校内を回っていた。

「あ、会長だ」

 すると、何やら巨大な板状の物を運んでいる生徒会御一行の姿が。

「青野に佐倉か。何しているんだ?」

 荷物の山から顔を出して会長は答えてくれた。

「暇だから校内を回っていたんだよ」

「そうか」

「会長は何をしているの?」

「私たちも生徒会で何かやろうかと思っていてな。その準備だ」

 生徒会も出し物をやるのか。人数が少ないから大変だろうに。

「生徒会室をお茶室にするんだよ!」

 そう思っていると、木村さんが答えてくれた。ちなみに木村さんは何も持っていない。遠くで見た時は何やら応援をしていた。

「それなら生徒会でも出来そうだね。ということはそれって?」

「勿論畳。いつもの生徒会室でも良いんだけど、折角なら雰囲気を作っておいても良い」

 生徒会室全体に畳を敷くらしい。正直何でそれほどの畳が余っているのかがよく分からないけれど、そういうことなのだろう。

「生徒会室行っても良い?」

「構わないよ」

「やったあ!」

 京の申し出によって再び生徒会室に行くことに。
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