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43話
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「ってことで今から観客にはクイズに答えてもらう。俺に関する問題が4問、ながめに関する質問が4問、俺とながめのコラボに関する質問が2問の計10問だ」
「九水コラボね!」
「悪い、九水コラボが2問だ」
「で、最多正解数の方には運営から豪華景品がプレゼントされます!」
「お前自分で豪華って言うのか?景品って俺たちのサイン色紙だぞ」
『うおおおおお!!!!』
『生サインだ!!!!!』
「観客が豪華って思っているんだから豪華だよ」
「そういう問題かよ」
「そういう問題です!」
自分の価値を理解している所はしっかりアイドルなんだな。
「解答は全て2択となっています。観客の皆さんはお手元の赤と青のボタンを押して答えてくださいね!」
「問題の作成者曰く全問正解させないように作ったらしいので、是非とも全問正解して目論見を打ち砕いて欲しい」
「では第一問、の前に、ヤイバ君、折角作ってくれたんだし相手の問題の時は私達も解いてみない?」
「全く解ける気がしないんだが」
ながめの中の人の事は誰よりも知っている自身があるんだが、水晶ながめというVtuberはほとんど知らないぞ。
「まあまあ、やるだけやってみようよ」
「まあ良いか」
「というわけで勝った方が次のコラボのゲームを決めることになりました」
「は?」
勝手に条件を追加するな。別にダメージは無いけれども。
「負けるのが怖いの?」
「そんなことは無い。俺は最強だ」
「じゃあ良いじゃん」
「ああ、やってやろうじゃないか」
どう考えても負け確な勝負だが、九重ヤイバというキャラの都合上煽られたら逃げることは出来ない。
「うん!じゃあ第一問!私が料理配信の際に使っている包丁の中で、柄が真っ黒な物の素材は何でしょう?Aダマスカス鋼、B鋼。ではどうぞ!」
「……運営は馬鹿なのか?」
全問正解させる気が無いという運営の気概は分かったが、問題がマニアックすぎないか?
せめて『初回の料理配信で最初に盛り付けた料理は何?』とかにしろよ。
「ワードウルフの時に料理配信が出てたし、一緒に居る人の名前がヤイバだからじゃない?」
「それでもだろ」
別にお題が上手いかどうかなんて求めてないんだよ。
「さて、観客からの解答は全て集まりました。それではヤイバ君、答えはどちらだと思いますか?」
「Aのダマスカス鋼だ」
「さて、答えは~正解!Aのダマスカス鋼でした!!」
まあそのお陰で簡単に一問目を取ることが出来たわけで。
俺が買いに行った包丁だから分からないわけがない。
「これで一問だな」
「いやあ、まさかこれが分かるとは。もしかして私のファンですか?」
「単なる偶然だ」
「あらら」
すまんな、幼馴染なんだ。
「じゃあ第二問!水晶ながめは初配信の時、水晶の代わりとして持ってきたとある物を机から落として破壊した事で有名ですが、とある物とは一体何でしょう……A、鏡、B、スイカ」
ながめは読んでいる最中に自分の恥に関係する問題だと気付いたようで、後半になるにつれて徐々に声が小さくなっていた。
「読みながらテンションを下げるな。そしてなんだその選択肢」
鏡はまだ選択肢として理解できるが、スイカってなんだよ。
「それでは解答をお願いします」
「無視かよ」
無難な解答は当然鏡だ。理由としても水晶が無かったから部屋にあった手鏡を手に取ったとすればありえる話だ。
まあそもそも現実で何を持ってこようが配信画面に一切影響を及ぼさないので前提がおかしな話なんだが。
占いをするにしてもただ下を向けばいいだろ。
「観客の解答が集まったのでヤイバ君、解答をどうぞ」
「そうだな。流石にエ……いや、Bだ」
確かながめが今使っている手鏡は中学校の頃から使っている奴だったはず。この間部屋に入った時に見たから間違いない。
つまり手鏡が落として割れたという事実はありえない。
水晶なんて使い道のない物は買わずに手鏡を買おうなんて悪知恵が働く奴はそもそも現実世界でそんなもの用意するわけがないだろ。
「正解です……」
「これで2問正解か」
連続で俺でも分かる問題が来て助かった。しかしながめの事だ。全問正解しなければ勝てるとは思えない。
恥ずか死しているから何のツッコミも来ないだろうと思っていたら、スタッフの方からカンペで『何故分かったんですか?』という質問が来た。
「何故分かったのかを教えろと。お前らの問題作りが下手すぎるだけだろ。あんな問題でスイカがあったらそっちにしろって言っているようなものだ。間違えさせたいなら対抗をメロンとかにするんだったな」
まあながめはメロンが食べられないからどの道スイカなんだがな。
「次行きます。第三問。水晶ながめの身長は何センチでしょうか。A、156㎝、B、162㎝。ではどうぞ!」
スタッフの質問を答えている間にすっかり調子が戻ったながめは元気よく問題を読み上げていた。
「次は身長か」
Vtuberのクイズでよく見る難問だな。リアルの芸能人だったら他の人との比較だったり見た目のイメージだったりで推察が出来なくも無いのだが、Vtuberは絵師の絵柄による為判定は不可能である。
見た目150㎝に届いていなさそうなのに160cm後半な奴とか、150㎝に見えて実は130㎝だったとかはあるあるである。
ちなみに葵の身長は158㎝。そのためリアルの身長は関係がない。
つまり100%運ゲーである。
「さて、観客の皆さんの解答も集まりました。というわけでヤイバ君、どっちだと思う?」
「そうだな……」
俺は一縷の望みに賭けて観客の映っているモニターを見る。
すると必死にBだと口パクしている樹の姿を見つけた。
つまり、
「Aだ」
Bは罠である。樹がながめとコラボしている俺に素直に助け舟を出すわけが無いからな。
「すごいね……正解。私の身長は156㎝だよ」
3問連続で正解したことで会場からもどよめきが上がる。
「今回に関しては俺を罠に嵌めようとした阿呆が教えてくれただけだ」
このままだと俺が水晶ながめファンだという間違った結論に至ってしまうので先手を打って弁明した。
「知り合いが来てたの?」
「いや。赤の他人だ」
「よく分かったね」
「目から俺を間違わせてやろうという悪意が露骨に出ていたからな。あそこまで分かりやすい男は居ない」
と散々煽った後モニターを見ると悔しそうな表情をする樹の姿が。いい気味だ。
「流石ヤイバ君だね」
「まあな」
「で、次で私の問題は最後だね。まさか3問連続で正解されるとは思わなかったよ。次正解されちゃったら私の勝ち目が無くなっちゃうよ」
「相手が悪かったな」
「ぐぐぐ……でも次は流石のヤイバ君でも分からないと思うよ。問題!私、水晶ながめが最近受けた定期テストの点数はどちらでしょう!A、755点。B、803点!900点満点のテストだよ!」
「九水コラボね!」
「悪い、九水コラボが2問だ」
「で、最多正解数の方には運営から豪華景品がプレゼントされます!」
「お前自分で豪華って言うのか?景品って俺たちのサイン色紙だぞ」
『うおおおおお!!!!』
『生サインだ!!!!!』
「観客が豪華って思っているんだから豪華だよ」
「そういう問題かよ」
「そういう問題です!」
自分の価値を理解している所はしっかりアイドルなんだな。
「解答は全て2択となっています。観客の皆さんはお手元の赤と青のボタンを押して答えてくださいね!」
「問題の作成者曰く全問正解させないように作ったらしいので、是非とも全問正解して目論見を打ち砕いて欲しい」
「では第一問、の前に、ヤイバ君、折角作ってくれたんだし相手の問題の時は私達も解いてみない?」
「全く解ける気がしないんだが」
ながめの中の人の事は誰よりも知っている自身があるんだが、水晶ながめというVtuberはほとんど知らないぞ。
「まあまあ、やるだけやってみようよ」
「まあ良いか」
「というわけで勝った方が次のコラボのゲームを決めることになりました」
「は?」
勝手に条件を追加するな。別にダメージは無いけれども。
「負けるのが怖いの?」
「そんなことは無い。俺は最強だ」
「じゃあ良いじゃん」
「ああ、やってやろうじゃないか」
どう考えても負け確な勝負だが、九重ヤイバというキャラの都合上煽られたら逃げることは出来ない。
「うん!じゃあ第一問!私が料理配信の際に使っている包丁の中で、柄が真っ黒な物の素材は何でしょう?Aダマスカス鋼、B鋼。ではどうぞ!」
「……運営は馬鹿なのか?」
全問正解させる気が無いという運営の気概は分かったが、問題がマニアックすぎないか?
せめて『初回の料理配信で最初に盛り付けた料理は何?』とかにしろよ。
「ワードウルフの時に料理配信が出てたし、一緒に居る人の名前がヤイバだからじゃない?」
「それでもだろ」
別にお題が上手いかどうかなんて求めてないんだよ。
「さて、観客からの解答は全て集まりました。それではヤイバ君、答えはどちらだと思いますか?」
「Aのダマスカス鋼だ」
「さて、答えは~正解!Aのダマスカス鋼でした!!」
まあそのお陰で簡単に一問目を取ることが出来たわけで。
俺が買いに行った包丁だから分からないわけがない。
「これで一問だな」
「いやあ、まさかこれが分かるとは。もしかして私のファンですか?」
「単なる偶然だ」
「あらら」
すまんな、幼馴染なんだ。
「じゃあ第二問!水晶ながめは初配信の時、水晶の代わりとして持ってきたとある物を机から落として破壊した事で有名ですが、とある物とは一体何でしょう……A、鏡、B、スイカ」
ながめは読んでいる最中に自分の恥に関係する問題だと気付いたようで、後半になるにつれて徐々に声が小さくなっていた。
「読みながらテンションを下げるな。そしてなんだその選択肢」
鏡はまだ選択肢として理解できるが、スイカってなんだよ。
「それでは解答をお願いします」
「無視かよ」
無難な解答は当然鏡だ。理由としても水晶が無かったから部屋にあった手鏡を手に取ったとすればありえる話だ。
まあそもそも現実で何を持ってこようが配信画面に一切影響を及ぼさないので前提がおかしな話なんだが。
占いをするにしてもただ下を向けばいいだろ。
「観客の解答が集まったのでヤイバ君、解答をどうぞ」
「そうだな。流石にエ……いや、Bだ」
確かながめが今使っている手鏡は中学校の頃から使っている奴だったはず。この間部屋に入った時に見たから間違いない。
つまり手鏡が落として割れたという事実はありえない。
水晶なんて使い道のない物は買わずに手鏡を買おうなんて悪知恵が働く奴はそもそも現実世界でそんなもの用意するわけがないだろ。
「正解です……」
「これで2問正解か」
連続で俺でも分かる問題が来て助かった。しかしながめの事だ。全問正解しなければ勝てるとは思えない。
恥ずか死しているから何のツッコミも来ないだろうと思っていたら、スタッフの方からカンペで『何故分かったんですか?』という質問が来た。
「何故分かったのかを教えろと。お前らの問題作りが下手すぎるだけだろ。あんな問題でスイカがあったらそっちにしろって言っているようなものだ。間違えさせたいなら対抗をメロンとかにするんだったな」
まあながめはメロンが食べられないからどの道スイカなんだがな。
「次行きます。第三問。水晶ながめの身長は何センチでしょうか。A、156㎝、B、162㎝。ではどうぞ!」
スタッフの質問を答えている間にすっかり調子が戻ったながめは元気よく問題を読み上げていた。
「次は身長か」
Vtuberのクイズでよく見る難問だな。リアルの芸能人だったら他の人との比較だったり見た目のイメージだったりで推察が出来なくも無いのだが、Vtuberは絵師の絵柄による為判定は不可能である。
見た目150㎝に届いていなさそうなのに160cm後半な奴とか、150㎝に見えて実は130㎝だったとかはあるあるである。
ちなみに葵の身長は158㎝。そのためリアルの身長は関係がない。
つまり100%運ゲーである。
「さて、観客の皆さんの解答も集まりました。というわけでヤイバ君、どっちだと思う?」
「そうだな……」
俺は一縷の望みに賭けて観客の映っているモニターを見る。
すると必死にBだと口パクしている樹の姿を見つけた。
つまり、
「Aだ」
Bは罠である。樹がながめとコラボしている俺に素直に助け舟を出すわけが無いからな。
「すごいね……正解。私の身長は156㎝だよ」
3問連続で正解したことで会場からもどよめきが上がる。
「今回に関しては俺を罠に嵌めようとした阿呆が教えてくれただけだ」
このままだと俺が水晶ながめファンだという間違った結論に至ってしまうので先手を打って弁明した。
「知り合いが来てたの?」
「いや。赤の他人だ」
「よく分かったね」
「目から俺を間違わせてやろうという悪意が露骨に出ていたからな。あそこまで分かりやすい男は居ない」
と散々煽った後モニターを見ると悔しそうな表情をする樹の姿が。いい気味だ。
「流石ヤイバ君だね」
「まあな」
「で、次で私の問題は最後だね。まさか3問連続で正解されるとは思わなかったよ。次正解されちゃったら私の勝ち目が無くなっちゃうよ」
「相手が悪かったな」
「ぐぐぐ……でも次は流石のヤイバ君でも分からないと思うよ。問題!私、水晶ながめが最近受けた定期テストの点数はどちらでしょう!A、755点。B、803点!900点満点のテストだよ!」
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