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えっと…、お貴族様?
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エリシアと名乗る女騎士が両手を上げている。
エリシアは衝撃の事実を告白した。
「えっと…、お貴族様?」
そう聞くとエリシアは「はい」と答えた。
え、やばい。
今この状況って完全に貴族を脅迫してるよな。
それって町とかで指名手配とか受けるんじゃ……。
助けて天の声さん!
《それでは『天の声』の能力を使用しますか?》
使用するとどうなるんだ?
《エリシアさんの記憶を一部消去、および改変することでゴブリンを殲滅してアキト様を助けたと思わせます。ですがこの能力を使用するには本人の了承が必要です》
本人の了承か……。
脅迫するのは気が進まないが、しょうがない。
できるだけ優しく声を出そう。
「エリシアさん、あなたにスキルを使っていいか?」
エリシアは悔しそうな声で「はい」と言った。
天の声、あとは頼んだ。
《本人の了承を確認しました。これより記憶の一部消去、および改変を行います》
天の声がそう告げた瞬間、俺の胸から青く光る糸のようなものが3本出てきた。
それはエリシアの頭の中に入っていった。
硬直している。
きっと記憶を改変をしているのだろう。
今のうちに生き残ったゴブリンをどうにかしよう。
生き残ったのは5匹、20匹ほどいたがここにいるやつら以外は死んだのか。
しかもゴブリンたちは全員、大怪我を負っている。
これ、どうすればいいんだ?
《今から新スキルを創造します。新スキル『自動回復』を取得しました。このスキルは仲間にも適応可能なのでゴブリンたちを仲間にしてください》
俺はそれを聞き終わるとゴブリンたちに近づいていく。
「おい、大丈夫か?」
「ご心配ありがとうございます、アキト様。ですが我々は大怪我を負ってしまいました。きっともうすぐ死ぬでしょう」
「ああ、そうだろうな。このままだったら、の話だが。お前ら俺の仲間になってくれ。そしたら『自動回復』でお前らを回復できる」
「分かりました、私たちはアキト様の仲間になります」
《ゴブリンが5匹、仲間になりました》
ゴブリンたちの傷がどんどん癒えていく。
その時、エリシアの体が少し動いた。
《エリシアさんの記憶の一部消去、および改変がもう少しで完了します。完了した瞬間に意識を取り戻すのでゴブリンたちをどこかに隠してください》
エリシアの記憶の中ではゴブリンは倒したことになっているのから、ここにゴブリンがいるのはおかしい。
でも隠すといってもどうすれば。
《『異次元空間』に隠す事をおすすめします》
そうか、その手があった。
「『異次元空間』」
俺がそう発すると、目の前に紫の大きい穴が開いた。
ゴブリンたちをその中に先導して、入ってもらう。
全員入ると穴は消え、それとほぼ同時にエリシアが動き出した。
「少年!大丈夫だったか!?」
エリシアが叫んでいる。
俺の安否を確認しているようだ。
「はい、大丈夫です。助かりました」
話を合わせておく。
この人には町への案内人になってもらおう。
「それはよかった、頑張った甲斐があったというやつだな」
「それはそうとエリシアさんは本当に貴族なんですか?」
「む?少年に私の名前や階級について話した覚えはないのだが」
あ、ミスった!
そういえば戦闘後に聞いたんだった!
そりゃ、あの記憶は消しますよね。
「えっと、噂で聞いて…」
「そうなのか!私も有名になったものだな!」
エリシアの顔がどんどん笑顔になっていく。
いまさら嘘だなんて言えない!
「あの、この近くの町に行きたいのですが。道案内をしてくれませんか?」
「いいだろう!付いてくるといい!」
快く道案内を受けてくれたな、何か目的があるのか?
「それで、どんな噂だったのだ?」
いや、この感じは自分の噂がどんなのか聞きたいだけだな。
俺は嘘の噂を伝えながら町へと向かった―――。
―――案内をしてもらい、町へ続く街道に出たことでエリシアと別れた。
物事がうまく進み、良い気分だったのだが、
「グルルルー!」
目の前にいるウルフが気分を乱してくる。
っていうか、街道に魔物がいるってどうなんだ!?
「うわ!っと。危ないなー」
ウルフが噛みつこうと飛び掛かってきた。
仲間にしたいんだけどなー。
《ウルフは知能が低く、同族殺しも行います。仲間にするのは厳しいかと……》
「それじゃ、倒すしかないか!」
ロスタリクを『異次元空間』から取出し、宣言した。
ウルフはロスタリクに注意を向ける。
俺はウルフに走って近づいていく。
よりウルフの注意がロスタリクに向いていく。
俺はロスタリクを振り上げ、そして振り下ろす。
ウルフはジャンプし前足でロスタリクを受け流そうとしている。
ロスタリクにウルフの前足が当たるかどうかといったところでロスタリクを手放す。
俺はすぐさましゃがみ、居合斬りの構えを取る。
「『魔刀』」
そう唱えると、紫色の刀剣が現れた。
『魔刀』は魔力を刀剣の形にしたもの。
普通の刀剣よりも殺傷力は低いものの、緊急の際には役に立つ。
魔刀を使い宙に浮かぶウルフに向けて居合斬りを放つ。
やはり殺傷力に欠けている。
ウルフには体に少し傷を付けた程度だ。
「キャインッ!」
ウルフは悲鳴を上げながら逃げて行った。
あっちは町の方向か、住民が襲われないか心配だ。
エリシアは衝撃の事実を告白した。
「えっと…、お貴族様?」
そう聞くとエリシアは「はい」と答えた。
え、やばい。
今この状況って完全に貴族を脅迫してるよな。
それって町とかで指名手配とか受けるんじゃ……。
助けて天の声さん!
《それでは『天の声』の能力を使用しますか?》
使用するとどうなるんだ?
《エリシアさんの記憶を一部消去、および改変することでゴブリンを殲滅してアキト様を助けたと思わせます。ですがこの能力を使用するには本人の了承が必要です》
本人の了承か……。
脅迫するのは気が進まないが、しょうがない。
できるだけ優しく声を出そう。
「エリシアさん、あなたにスキルを使っていいか?」
エリシアは悔しそうな声で「はい」と言った。
天の声、あとは頼んだ。
《本人の了承を確認しました。これより記憶の一部消去、および改変を行います》
天の声がそう告げた瞬間、俺の胸から青く光る糸のようなものが3本出てきた。
それはエリシアの頭の中に入っていった。
硬直している。
きっと記憶を改変をしているのだろう。
今のうちに生き残ったゴブリンをどうにかしよう。
生き残ったのは5匹、20匹ほどいたがここにいるやつら以外は死んだのか。
しかもゴブリンたちは全員、大怪我を負っている。
これ、どうすればいいんだ?
《今から新スキルを創造します。新スキル『自動回復』を取得しました。このスキルは仲間にも適応可能なのでゴブリンたちを仲間にしてください》
俺はそれを聞き終わるとゴブリンたちに近づいていく。
「おい、大丈夫か?」
「ご心配ありがとうございます、アキト様。ですが我々は大怪我を負ってしまいました。きっともうすぐ死ぬでしょう」
「ああ、そうだろうな。このままだったら、の話だが。お前ら俺の仲間になってくれ。そしたら『自動回復』でお前らを回復できる」
「分かりました、私たちはアキト様の仲間になります」
《ゴブリンが5匹、仲間になりました》
ゴブリンたちの傷がどんどん癒えていく。
その時、エリシアの体が少し動いた。
《エリシアさんの記憶の一部消去、および改変がもう少しで完了します。完了した瞬間に意識を取り戻すのでゴブリンたちをどこかに隠してください》
エリシアの記憶の中ではゴブリンは倒したことになっているのから、ここにゴブリンがいるのはおかしい。
でも隠すといってもどうすれば。
《『異次元空間』に隠す事をおすすめします》
そうか、その手があった。
「『異次元空間』」
俺がそう発すると、目の前に紫の大きい穴が開いた。
ゴブリンたちをその中に先導して、入ってもらう。
全員入ると穴は消え、それとほぼ同時にエリシアが動き出した。
「少年!大丈夫だったか!?」
エリシアが叫んでいる。
俺の安否を確認しているようだ。
「はい、大丈夫です。助かりました」
話を合わせておく。
この人には町への案内人になってもらおう。
「それはよかった、頑張った甲斐があったというやつだな」
「それはそうとエリシアさんは本当に貴族なんですか?」
「む?少年に私の名前や階級について話した覚えはないのだが」
あ、ミスった!
そういえば戦闘後に聞いたんだった!
そりゃ、あの記憶は消しますよね。
「えっと、噂で聞いて…」
「そうなのか!私も有名になったものだな!」
エリシアの顔がどんどん笑顔になっていく。
いまさら嘘だなんて言えない!
「あの、この近くの町に行きたいのですが。道案内をしてくれませんか?」
「いいだろう!付いてくるといい!」
快く道案内を受けてくれたな、何か目的があるのか?
「それで、どんな噂だったのだ?」
いや、この感じは自分の噂がどんなのか聞きたいだけだな。
俺は嘘の噂を伝えながら町へと向かった―――。
―――案内をしてもらい、町へ続く街道に出たことでエリシアと別れた。
物事がうまく進み、良い気分だったのだが、
「グルルルー!」
目の前にいるウルフが気分を乱してくる。
っていうか、街道に魔物がいるってどうなんだ!?
「うわ!っと。危ないなー」
ウルフが噛みつこうと飛び掛かってきた。
仲間にしたいんだけどなー。
《ウルフは知能が低く、同族殺しも行います。仲間にするのは厳しいかと……》
「それじゃ、倒すしかないか!」
ロスタリクを『異次元空間』から取出し、宣言した。
ウルフはロスタリクに注意を向ける。
俺はウルフに走って近づいていく。
よりウルフの注意がロスタリクに向いていく。
俺はロスタリクを振り上げ、そして振り下ろす。
ウルフはジャンプし前足でロスタリクを受け流そうとしている。
ロスタリクにウルフの前足が当たるかどうかといったところでロスタリクを手放す。
俺はすぐさましゃがみ、居合斬りの構えを取る。
「『魔刀』」
そう唱えると、紫色の刀剣が現れた。
『魔刀』は魔力を刀剣の形にしたもの。
普通の刀剣よりも殺傷力は低いものの、緊急の際には役に立つ。
魔刀を使い宙に浮かぶウルフに向けて居合斬りを放つ。
やはり殺傷力に欠けている。
ウルフには体に少し傷を付けた程度だ。
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ウルフは悲鳴を上げながら逃げて行った。
あっちは町の方向か、住民が襲われないか心配だ。
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